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沈香(ジンコウ・アガーウッド)

武蔵野ワークス(香水工場)

ふしぎな沈水香木の奥深い香り。香木に備わる重厚感や奥深さを存分に。

a801,『沈香』(じんこう)。ジンコウ。アガーウッド。Jinko。

沈香・沈水香木とは

沈香とは「沈水香木」の短縮名とされます。沈香は東南アジアに自生するジンチョウゲ科ジンコウ(アクイラリア)属の樹木(沈香木・沈香樹)から採れます。沈香木が風雨や害虫などで傷や障害を受けると防衛策として特殊な樹脂を生成し分泌します。木部内部や表面に蓄えられたそれらの樹脂が沈香の正体です。沈香が含まれる沈香木は重く水中に沈むようになるため沈水香木と命名されました。

妖艶な世界、沈香の香り

F4香水シリーズ「沈香」は、精油として採取できない沈香の香りをヘッドスペース法により分析・再現しました。香水として使用しにくい部分に調香を施したました。樹木のほのかな甘さを感じさせる重厚感のあるウッディーノートが特徴です。静けさの中に漂う力強さ、重厚感は男性にはもちろん、シャープな印象を演出したい女性や、落ち着きのある和服にもとても似合います。

開発背景と内容

沈香樹脂は熱を加えることで独特の、妖艶で恍惚とした芳香を放つためお香の原料として古くから最も希少、かつ高価な原料の一つに数えられています。沈香のうち最も品質が高いとされるものは特に「伽羅(きゃら)」と呼ばれます。

日本では推古天皇の頃、沈香を含む香木が淡路島に漂着、朝廷に献上されたことが記録されています(日本書紀)。以来、足利義政・織田信長・明治天皇など日本の権力者たちがその香木を求めたことで沈香は神秘的な香木として語り継がれています。沈香は精油が現在の技術では効率的に採取(水蒸気蒸留)できず、また野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の保護対象になっています。

個人的な空想ですが、カテキンやリコピン、アスタキサンチン、βカロチンなど抗酸化物質は多くの場合、紫外線などのストレスを受けた際に植物が自身を保護するために創り出す成分です。それらがアンチエイジング医薬品や抗ガン剤の原料物質になる現状を考えるとストレスから生み出される樹脂である沈香にも何か凄いパワーが潜んでいるのではと考えたくなります。

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