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摩天楼、葛の花、菖蒲の葉
Date: Sun, 21 Apr 2024

●投書:
摩天楼[ Skyscraper ]
つけた瞬間に、いや……つける前のボトルからふわりと香る、怜悧な香り。硬質な清潔さを感じます。ざっくり庶民的な表現にすると、ちょっと歯医者っぽいかもしれません。

個人的には、金属を削ったときの、キーンと鋭い特徴的な匂いだと思いました。
他の方が「ローズを感じる」と言っていたのでどうかな? と思っていたけれど、鈍感な私には分からず。

非常に都会的でメタリックな感じが前面に押し出されていて、しばらくするとふとした瞬間に柔らかく甘い香りが寄り添ってきます。
なるほど、これが「クーデレ」か!! (あくまで個人の感想です)

最初につけた香りの印象がそのまま変わらず割と長く続いているようにも思えますが、徐々に丸くなる感じ。じわじわと墨っぽさも現れて、ビルの林立する都会に突然現れる緑豊かな公園、というイメージが湧き上がります。

これまで、武蔵野ワークスさんの香水は「白檀2019」が突出して好きだったのだけど、これはそれに並ぶ香水でした。またリピートします!



葛の花[ Kuzu ]
説明にあった「グレープジュースのような香り、パウダリーな甘い香り」。これがまさにその通り!

そこへ、どことなくプラスチックっぽい手触りを思わせる印象が入り混じります。「匂い」ではなくて、あくまでも「印象」「イメージ」ですが、これは「ピーチ」を使ったときも同様でした。何か共通点があるのでしょうか?? ちょっと不思議です。

この「葛の花」も、最初に立った香りが大体そのまま表情を変えず、最後まで続きます。ふわりとまぁるい甘い香りが、アルカイックスマイルをたたえた弥勒菩薩像を思わせて、つけている間は心穏やかにいられました。

最近は、寝る前に鼻から遠いところへつけて布団へもぐりこんでいます。



菖蒲の葉[ Shobu ]
つけた瞬間、これまた金属的な匂いがします。あくまでイメージですが、アルミを奥歯で噛んだときのような「キュイン!」という感じ。
実際にアルミを噛んでしまったら不快感に身もだえしますが、これにはそういった不快感はありません。

しばらくするとメタリックな印象は鳴りを潜め、少し酸味が立ってきます。柑橘類の酸味ではなく、なんといったらいいのか……例える語彙を持たないのがもどかしいですが、それでもあえて例えるならキウイっぽい?? かもしれません。

その後、香りが穏やかに落ち着いて、商品の説明ページにある「シダーウッド、サンダルウッド、ガイアックウッド etc.」……と、おそらくウッディな感じに移行していると思うのですが、私の鼻はウッディな香りに鈍いらしく、ほんのりかすかに残り香を感じる程度で気付いたら消えていく、泡雪のようでした。

(ところで、商品説明を読み返していて「お?」と思ったのですが、武蔵野ワークスさんは、「ラストノート」派ではなく「ボトムノート」派なんですね)


上記の他にも購入した香水はあるのですが、まずは先行で使ってみた三種類の感想でした!



●ハンドル:
蒼(あおい)


(国分) 「いや……つける前のボトルからふわりと香る」は当社のスタッフも共感しております。揮発トラブルではなく開封前から香りを漂わせているものがたまにあります。『摩天楼』はそんな一つ。「アルカイク・スマイル」は知らない言葉だったので検索しました・・「口元にのみ微笑を浮かべた表情。古代ギリシアのアルカイック美術の彫像に多い」・・うーんなるほど、哲学的な雰囲気のコメント、ありがとうございます。あとご指摘のとおり当社では「ラスト」より「ボトム」を好みます


(2024-05-07)
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