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( 香水工場の )

香る生活


石鹸の香りは、温もりがある香り?

絶えない質問、「石鹸のような香りの香水」


先日フレグランス協会の会合に出ました。香水関連の同業者が集まる会合です。

フリートーク時、話題になったトピックの一つが「石鹸のような香りの香水」。この質問、多くのフレグランス関連業者にとって、消費者からの質問の上位なんです。

(逆に言えば、「石鹸のような香り」の香水を商品化すればヒットの可能性が高い!というおもしろい図式)


海外では聞かれない


欧米では、まず聞かれることのない質問。私もあちらのパフューマーさんに聞いてみたことがあるのですが「石鹸のような香りって、どういう香り?」と逆質問をされました。


石鹸の本当のニオイ


あえていえば、香水業界の人間にとって「石鹸の香り」とは「脂臭い」イメージが来ます。石鹸の原料は、脂ですから。


石鹸の香りのイメージ


石鹸はトイレタリーなので、香水のように使う人が限定されることなく大多数の人に愛される香りでなければなりません。

大多数の人に愛される香りとして、日本で昔から多く出回った石鹸の香りは「ホワイトフローラル系+ムスク」の香りでした。

スズランは代表的な石鹸の香りではないでしょうか。

(もちろん、これらは香料によって香り付け・マスキングされたもの。石鹸の本来のニオイとは無関係)

これが現在の「石鹸の香り」のイメージを形成しているものではないかと感じています。

私の個人的な意見ですので反論も多いかもしれません。しかし、後付けされた香料の香りは、概ね「優しい香り」。

ホワイトフローラル系の花の香りは、優しいイメージに香りもビジュアルもぴったりです。

そして、はずせないのがムスク。


暖かく優しい温もり


ムスクは、多く使いすぎると頭痛を起こしますが、薄いとお肌の暖かみを感じさせる部分があります。

子供の頃感じたお母さんのお風呂上がりの時のニオイのようなものを無意識に私たちは求めているのかもしれないと感じています。

これが「石鹸のような香り」を託された無意識の動機・モチベーションかも。


(2011-01-24)
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