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( 香水工場の )

香る生活


柔軟剤の香り、強すぎない?
6、7年くらい前から、人々の衣服のニオイが強く強烈に。その原因は柔軟剤 (2018/08/08)

リンクルケア
(私の周囲では、最近の柔軟剤は香りが強すぎるという人が圧倒的に多いのですが、世間の人々はそうでもないようです)


柔軟剤の香りへの賛否


世間の人々の衣服から漂う柔軟剤の香りに対して、私は、よい香りという認識はあまりなく、むしろ、気分が悪くなる香りが多い。

こんな強い香りを人々は求めているのだろうか?とずっと疑問に思っていますが、売れ続けている現状を考えれば、これが一般的に好まれる香りなんでしょう。

一方で、香りが強すぎる柔軟剤に苦しんでいる人々も増えています。

私は香水メーカーでフレグランスの開発や販売を担当している人間なので、他社さまの香りにケチを付けられる立場ではありません。

しかし、現在の柔軟剤は、やりすぎな製品もあると感じます。


昔は、無香・無臭が主流だったのに


思い返してみれば、以前の世間の風潮は「無香料・無臭・微香」が長いこと主流でした。

1990年代は「無香・無臭」が好まれており、メーカー側もそれをウリにしていた時代です。

コスメやトイレタリー製品には、『無香・微香』といった文字が躍っていたものです。

(若い世代には信じられないかも)

この時代の香りのトレンドは、バブルがはじけた後ですので、自然回帰的な傾向もあり、香水もナチュラルな香りが好まれました。

植物精油の香りを楽しむアロマブームも大いに盛り上がりを見せた時代です。

とはいっても、コスメもトイレタリーも、無香・無臭に近づけるために、逆に多めの香料を使った製品も散見され、本末転倒な製品も多かったものです。

しかし、とりあえず人々の間に、プンプンにおわせることをよしとする風潮はありませんでした。


今も昔も肩身は狭い


無香・無臭トレンドの時代、当社のような香水メーカーは、肩身が狭い思いをしていましたが、2000年に入ると、状況は徐々に変化。

香りは楽しい、香りがほしいという人々も増えてきて、化粧品やトイレタリーへの香り付けも復活基調を感じましたね。

このまま穏やかによい香りへの回帰が進めば、当社のような香水メーカーには追い風になると期待したものです。

しかし、強烈なニオイの柔軟剤が売れ始めると、私には、世間は、突然、不自然なニオイへの突進してしまったような印象でした。

(どうして、こうも真逆へ?)

現在、一部の人々からは、香水やフレグランスは悪者と見なされることもあり、現在も肩身が狭く感じることがあります。


トレンド変化の原因は?


無香・無臭がよかった時代から、真逆トレンドへ振れる理由は何なのか?

長い間、自分の中のテーマですが、原因はよくわかりません。

景気がよくなると女性のスカートが短くなる、とかよく言われます。

香りも経済状況と関連があるかもと考えたりします。

2012年アベノミクス始まると、株価は急上昇。我々の実質的な所得は別として、国全体の景気は、拡大した時代です。

もしかしたら、ブル経済に入ると強いイケイケな香りが好まれて、ベア経済局面では逆になるのか、たとえば、1990年代はバブル後の清貧の時代、たしかにトレンドは無香・無臭でした。


今後の予想


現在、世界経済は、米中貿易バトルの勃発で不透明感を増していますし、国内の産業基盤と市場を失い続ける日本経済の将来性は、もはや誰の目にもはっきり・くっきり。

そろそろ景気も曲がり角かなと思うこの頃です。

(株価は依然強いですが)

そうなると香りトレンドも曲がる頃かな、と動向を見守っています。

(香りが不自然に長く持続することを強調するテレビCMは、減少傾向にある気もします)


(2018-08-08)
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