香水Bizブログ

日本の香水メーカー武蔵野ワークス
香水創りのブログ (誤字脱字多し、気になる方は近づかないで欲しい)

香水のエコな再利用と捨て方
(長文) 不要になった香水、どうする? (2019/07/18)

香水ボトルを開ける
( カシメの開け方:先端が鋭いニッパーのような工具で )


不要になった香水のお悩み


今日の話は、当社製品に限らず、世の中の香水一般的な話です。

香水メーカーの私としては、買っていただいた香水は、最後まで使い切ってもらいたい。

が、現実問題、使われなくなることもあるし、スプレー部分は壊れやすいので、使えなくなることもある。

ならば廃棄するかと思い立つも、中身が捨てられない!という事態に直面する人も多い。

そう、多くの香水は、簡単に中身が捨てられない。


カシメという接合方法


多くの香水は、スプレー部分とボトルの接合をアルミ金具で実現している。

瓶ビールの王冠と同じ原理だ、この接合方法をカシメと呼ぶ。カシメは、気密性の確保に有利だが、一度、かしめると開けられなくなる。

ビールの場合は "栓抜き" があるが、香水の場合は、再度開けることを想定していない。

よって、ビールの栓抜きに相当するツールもない。

統計データはないが、印象としては世界のブランド香水の9割以上がカシメ式なのだ。当社の香水も以前は、カシメ式だったが、2016年から2年かけて "ネジ式" に移行した。


香水ボトルの開け方


当社の香水の場合は、ポンプの部分(スプレーの部分)はネジになっているので、ここを反時計回りに回せば開く。

しかし、カシメ式の香水の場合、アルミの金属金具を先端が鋭いニッパーのような工具で破断し開けるしかない。

(上の写真は、カシメ式だったころの当社のボトル。先端が鋭いニッパーにてアルミ金具を切り裂いているところ)

慣れないと指先をケガするかもしれないため注意してほしい。ビールの栓抜きのようなツールがあればいいのだが、残念ながら、香水用のオープナーは存在しない。

あまりにも不便なので、専用ツールを自社で開発しようと、工具メーカーさんと協議したが、低価格で作れるようものではなかった。

工業用途では、香水ボトル専用のオープナーマシンはあるが、大型工場でないと導入できないサイズ・価格。



香水の再利用:匂い袋として


不要香水の一番簡単な利用方法その一は「匂い袋」的な利用方法。

ティッシュなどに香水を吹きかけて、匂い袋として再利用するというもの。通気性の良い布袋などに入れてもよいし、ティッシュのままでも。

洋服ダンスや靴箱やトイレの片隅に忍ばせておくのもオススメだ。あと自動車内のルームフレグランスとしても使える。

「匂い袋」的な利用方法は香りが穏やか、さりげないので、応用範囲は広く、止めることも比較的簡単なのでおすすめである。


香水の再利用:ルームフレグランスとして


不要香水の簡単な利用方法その二は、お部屋にスプレーして使い切ること。お部屋にスプレーしたり、バスルームにスプレーしたり。

過去の例では、カーテンに吹きかけるというお客様も。吹きかける対象によっては変色などのリスクがあるので、この点をご注意いただければ、一番簡単な再利用方法だろう。


香水の再利用:リードを挿してルームフレグランス


長時間、持続的に香らせたい方や、お部屋に吹きかけることが好きでない方は、ポンプを開けて取り除き、ルームフレグランスにするとよい。

香水の廃棄方法
( リードを差してルームフレグランス )


香水瓶にスティックなどを挿すだけ。スティックは、「アロマ リード」などで検索すると植物製や竹製のものが市販されている。

リード(Reed)とは、葦(アシ)という意味。吸水性がある多孔質のスティック状のもの。

そういう性質の棒や紙切れなら、ならなんでもOK。当社では、ムエット(細長い紙)をリード代わりに使用している。

まちがって転んだ場合でも、目を差すというリスクが少ないので、ムエットは気に入っている。

リビングや玄関などで活躍してくれる。バスルームにおいて、香りのバスタイムを楽しむ人も。


香水の再利用:ディフューザーで


ディフューザー(Diffuser)とは芳香を拡散するための機械。

超音波方式やファン方式、気圧方式、熱揮発方式・・・いろいろな方式がある。

冬には、アロマオイルや精油を蒸気に混ぜて拡散させる加湿器の利用も多い。多くのディフューザーは濃度100%のアロマオイルや精油を使用することを想定している。

香水の場合は、エタノールで希釈されているので、若干、香りが薄いかもしれないが、だいたい使えるようだ。

いっしょに揮発するエタノールのニオイが心配な方もいるかもしれないが、私が試した範囲では、これが案外気にならない。



香水の廃棄方法


以前は、そのまま比較的簡単に捨てることができた香水だが、近年、中身が入ったままの廃棄は厳しくなってきた。

これは香水に限らず、化粧品全般もそうだし、食品も同じ状況だ。

たとえば、廃棄を専門とする業者さんに依頼しても、中身が入った容器の処理は、別料金になるケースが多々ある。

それどころか、料金をお支払いしても引き取ってもらえないケースも聞くようになってきた。

(遺品整理や引越などで、大量の瓶・缶・チューブ入り食品の中身を処分する状況を体験すると、処分の大変さが身にしみる)

中身は個人の責任で処分し、空容器にした上でゴミとして出すことが求められる時代になった。

(国土が狭い日本は、分別廃棄先進国にならざるをえない。海外では、中身を残したまま、まとめて粉砕し、埋め立てるところが多いようだ)



香水の廃棄方法:排水溝に流す?


以前、お客様に香水の中身を排水溝に流すことの有害性や環境への影響を聞かれたことがある。

香水は、製品によって比率は違うが、おおむね「エタノール90%:香料10%」という成分構成になっている。

つまり、香水の大部分はエタノールということ。エタノールは、通常トウモロコシから生産される天然成分、環境に放出されると自然に分解してしまう。

人や動物体内での残留という現象も発生しないので、ほぼ無害である。



香水の廃棄方法:排水溝に流す問題点


香水のもう一方の成分である香料の方はどうか?

香水の香料は、種類が多いが、おおむね油分である。油分であるため、日常の家庭生活やキッチンから排出される様々な油分同様、基本的には分解するものの配管などに詰まらせるなどのリスクがある。

こちらも、環境の浄化能力を越えて大量に廃棄することは、エタノール同様、リスクが伴う。

日常生活の中で流す程度では問題は少ないと信じているが、環境の浄化能力の問題は、テーマが大きいだけに、ここではこれ以上、深掘りできない。

また、香水を排水溝に流す行為には、別の問題もある、ニオイである。

排水溝に香水を流すとニオイが凄いことになるケースもある。


香水の廃棄方法:燃えるゴミとして


プラスティックの研究をされている大学の先生から聞いた話だが、太平洋を漂流している巨大プラスティック群の完全な解決は、絶望的らしい。

漂流するプラは、やがてマイクロプラスティックとなり、海洋生物の生体に取り込まれ、食物連鎖によって我々も日常的にマイクロプラスティックを食べることになるかもしれない。

プラスティック研究者の意見はいろいろで、何がプラの正しい処分方法か、世界的なコンセンサスはまだ定まっていない。

その先生は「焼却」が一番有利な処分方法と信じるとのことだった。

もちろん、焼却すると地球温暖化の要因である二酸化炭素が発生するが、他の処分方法より環境負荷は少ないとの意見だった。

以前、プラスティックの低温焼却に伴うダイオキシン問題が、大きな社会問題となったが、現在の焼却炉は高温焼却炉へと進化し、ダイオキシン問題は、いちおう下火となっている。

前置きが長くなったが、香水の話にもどると、香水の処分方法もプラ同様、焼却処分を推奨したい。なぜなら、

(1) 主成分であるエタノールはよく燃え、水と二酸化炭素になる

(2) 香料もおおむね油分で可燃物質なので、よく燃え、水と二酸化炭素になる

香水の廃棄方法
( 紙に吸わせればよく燃える )



香水の廃棄方法:新聞紙などに吸わせて燃えるゴミとして


香水に使用されているエタノールは、純度95%-100%。

ガソリンのように爆発するような燃え方ではなく、適度にきれいに燃えてくれる。

新聞紙などに吸い込ませ、「燃えるゴミ」や「燃やせるゴミ」として出してもらうことがオススメである。


香水の廃棄方法
( 「燃えるゴミ」「燃やせるゴミ」として )



(2019-07-18)
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