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( 香水工場の )

香る生活


キャロンを使った香水はありますか?
(2025/08/14)

夏の海は懐かしい思い出
(夏の海は記憶に残りやすい)


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若い頃、マリンノートの香水を愛用されていたとのこと。年齢を重ね、またあの頃の香りを付けたくなり、市販の香水を数点購入されたが、ちょっと違っていた。

武蔵野ワークスさんにキャロンを使った香水はありますか?というご質問でした。

Calone(カロン、キャロン)とはメロンや水のような匂いの香料。オゾンノート(別名、マリンノート、アクアノート)の香調を演出するアーティフィシャルな原料。

(※キャロンは昔、私が書いた記事「マリーン・タイプ(海をイメージ) 後編」を参照)

当社はキャロンに対してあまり好みを感じられず、キャロンを使った製品は製造していない。だから素朴に「ございません」の一言の返事しかできない。

製品があれば商品名はこれで、こんな香りです、ぜひお買物をご検討願う!という流れになるのですが・・

ないので「残念ながらございません」という返事となった。これでこの会話は終了したが、感じることがあったので記事にしてみた。


昔愛用していた香りを再度付けてみたくなる


これは香水好きには、共感する衝動かも。

香水好きな人は多いが、一生絶え間なく使うという人はむしろ少数派。

10代で背伸びして手にした香水・・はじめての香水に驚き魅了され使うようになっても30過ぎて止める人は多い。

とくに女性は妊娠でやめてる人の話はよく聞く。

出産し子育てして子供が大きくなって手離れすると、また香水を使ってみたくなる人とそのまま香水への関心は失われる人がいて、どちらの比率が高いのか調べたことはないが、後者のような気がする。

一部の人は若い頃に愛用していた香水をもう一度使いたいという人も出てくるだろう。

そういう人々には、その香水は、たんなる香りではなく過去の記憶=あの頃の人生の記憶となっているはず。


90年代のオゾン系ブーム


オゾンノートは1980年代の後半から世界的な人気を得るようになり、1990年代の香水業界はオゾンの大いなる隆盛を見た。

イッセイミヤケ『ロードゥ・イッセイ』やブルガリ『プールオム』などからはじまり、『アクア○○』『マリン○○』といったオゾン系がこれでもかと世界中でリリースされた。

日本でもオゾン系は、とくに男性香水で人気だった。このときはじめて香水を買った人も多いでしょう。

仮に20代で香水を使い出し、何らかの理由で30代に使わなくなり、50代で再度使ってみれば、あの頃の思い出・・片思いしていた頃、仕事で芽が出ずにもがいていた頃、いろいろな苦い記憶や必死だった頃の記憶が走馬燈のように思い出されるかもしれない。

いろいろと考えさせてくれるご質問だった。





(2025-08-14)
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