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( 香水工場の )

香る生活


垢抜けない香水瓶の話
(2026/05/14)

みかんの花
( 香水:みかんの花 )


voiceとは


製品レビューをお寄せいただくと当社では「voice」というコーナーで紹介している。

これまでに1000件以上のレビューをいただいている。誠にありがたき幸せ。


あるお客様のレビュー


先日、『蜜柑の花』のvoice をいただいた:


蜜柑の花の甘い香りはわたしにとって特別で、手遊びの童謡(みかんの花が咲いている~思い出の道丘の道)も、この香りを知ってからイメージが鮮明になりました。

探してたどり着いたのが武蔵野ワークスさんの「蜜柑の花」でした。

甘いあの花の香りに胸が締め付けられるみたいにどうしようもなく魅かれちゃいます。


期待通りの香りだったようだ、当社にはありがたい、願ったり叶ったりのレビューである。だが、終盤にこう添えられていた:


瓶がどうしても垢抜けなくて、人に勧めたり、これ使っているんだって言うのに正直気が引けてしまいます


急転直下、ショックではなく私の中では意外で思わず高笑いしてしまった。

そして次の瞬間「そーか、他のお客様にもそう思われているのかも?・・」とも感じた。


正直な感想


私は販売プロモを担当する人間として「当社製品はサイコー!~」と喧伝すべき立場であるが、正直に言うと「無難(ぶなん)な香水瓶」と感じている、つまりベストではないが、まずまず「良きできばえ」であると。

このボトルは10年くらい前に導入した国産ボトルである。ムダがなくシンプルな点が気に入っている。このボトルを導入するまではフランス製ボトルを使用していた。

ワイン産業が発展した地方や国にはよいワインボトルメーカーが育つと言われるが、香水の分野でも同じ現象が観察される。


ハイブランドの香水瓶


当社が使用していたフランス製ボトルは、非常に美しく同じボトルを採用しているハイブランドさんも多い。

(ハイブランドさんの場合、新製品ごとにオリジナルボトルを金型から起こすことが多かったが、製品寿命が短くなった現在、汎用ボトルの採用が多い。そのかわり原型がわからないくらい華美な装飾が施されがちである)

このフランス製ボトルで香水を製造していた頃、あるお客様から「香水を眺めながらお酒を飲むのが好き」というコメントをいただいたことがある。

香水瓶自体が鑑賞に堪えうるフォルムであり、アート的な雰囲気も感じられたのだろう。

私も外見だけの美しさなら、やはりフランス製ボトルに軍配が上がる気がするが、当社には残念な一点があった。

それはスプレーの接合方式がカシメであったこと。


ネジ式への移行


カシメとはスプレーのアルミ部分を専用器具でねじ曲げてボトルに圧着接合する方式。

ネジ式と比較して液漏れリスクが低いこと、店頭での陳列時に開封されるリスクがないことから世界中の香水のほとんどが未だカシメ式である。

しかし、日本では分別廃棄が普及しているので、廃棄の際、スプレー部分がはずせないと私たちには不便である。環境的にネジ式の方がよいという判断だった。

(ネジ式にするとボトルの首部分が長くなり、デザイン上、フォルムが若干犠牲になる。カシメ式の方が美しく見える理由の一つになっている)


あれから10年・・


あれから10年、私はなかなかイケている国産ボトルと自画自賛して暮らしてきたが、今回「垢抜けしていない」と言われ、はたと「そう言えば、ボトルを国産に切り換えて以来、お客様に良くなった、悪くなった」などの意見は聞いてこなかったな~と反省した。

現状香水瓶の変更は考えていない、これで行くしかない。

しかし、あまり満足されていない客層の存在がわかった。「実情を知った上での現状維持」なのか、「知らないままの現状維持」なのかでは、当社の命運も先々違ってくるだろう。だからこのレビューは「気づき」となった。





(2026-05-14)
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