香水Bizブログ

日本の香水メーカー武蔵野ワークス
香水創りのブログ (誤字脱字多し、気になる方は近づかないで欲しい)

香水の有効期限・・・意外にも多い質問
お客様からよく聞かれるので文章にしました。

化粧品の大敵は「腐敗」と「酸化」(アンチエイジングの大敵でもある)。香水には、さらに「目減り」があります。それぞれについて見て行きます。


腐敗


化粧品の中でも香水の「腐敗」はそれほど心配いりません。このへんはカビや細菌が発生しやすい化粧水やクリームと違います。

香水は、7〜9割程度のエタノールに香料を混ぜます。香料はエッセンシャル・オイルなどの香料です。それらは、殺菌効果が高いものが多いのです。

中世〜近世に何度かヨーロッパで猛威を振るったペストでは、様々な風説が生まれましたが、そのひとつに「エッセンシャル・オイルの蒸留所で働く人はペストにかからない」というものがありました。ありえます。

香水は、このようにエタノールと香料で構成されるため、ほとんどの環境で「腐らず」保管できます。それゆえ防腐剤などは必要ありません。少なくとも当社では使用していません。

(結論):あまり心配いらない


酸化


もう一つに大敵である「酸化」について。

香水でも酸化は考えられます。酸化しにくいエッセンシャル・オイルがある反面、酸化しやすいオイルがあります。

たとえばローズオイルの耐酸化性の強さは有名です。毎日直射日光が当たる窓際に置いていても数年間変質しなかったと実験報告があります。

反面、たとえばグレープフルーツ・オイルなど柑橘系オイルは一般に酸化しやすいため数年で変質すると言われます。

酸化を防ぐには単純に酸素(空気)に触れないことが一番のなのでボトル充填後、ボトルには窒素ガスを入れ、窒素ガス入りコンテナで保管することもあります。

しかし、酸化によって香水が使えなくなるか?という問題は別です。たとえば、完全に酸化していない食品はなく、多かれ少なかれ酸化したものを私たちは食べていますが、大きな問題とは見なされません。香水も同じです。

(結論):香水は使用成分によっては酸化による変質がありうるが、即使えなくなるわけではない。


揮発と目減り


香水の成分であるエタノールと香料は、ともに揮発性が高いことが特徴です。

「香る」とは芳香成分・香気成分が揮発して、その鼻内の嗅覚神経を刺激することですから、そもそも揮発性があることが重要です。

その揮発しやすい物質を閉じこめる香水ボトルですが、本体のガラス自体は遮断性が高い(プラスティックは微妙に酸素を通す)のですが、問題はフタとガラスの接合部分です。ここから微量の揮発が発生します。

たとえば、香水の海外輸入業者の間では、「コンテナを開けてみたら10%くらいの商品で目減りがあった」といった話、それなりにあります。

このレベルの目減りですと販売前に不良品として取り除かれますが、多くの製品でごくごく微量の揮発が起きており、完全な密封性が保証されているわけではありません。

現在の技術とコストアップの許容範囲を考えれば、一般の市販香水で完全な気密性を実現することは不可能です。

(結論):目減りリスクは必ずある


結論


香水の有効期限について述べてきましたが、成分に依存し、保管の仕方に依存し、また揮発による目減りなどあって、香水の有効期限は一概に言えないのが現状です。

運が良ければあれば10年以上余裕で持つでしょうが、総合的に判断して未開封・未使用で3年、使用しはじめて1年程度を目安に、といったところでしょうか。

「1年程度を目処に使い切って下さい」としている香水ブランドや香水メーカーさんが多いと思いますが、上記の事情を反映した期限の目安と思われます。

(2006-07-22)
<東京・浅間山のヤマユリ | ?素朴な疑問:レモン300個分のビタミンC?>
page top:▲