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( 香水工場の )

香る生活


フェロモン、本来匂いとは無関係
フェロモンは、無臭で、そもそも本来匂いとは無関係です。

フェロモンは、匂いでメスやオス誘惑する印象がありますが、実際は「匂い」ではありません。

匂いは、ある揮発した物質が鼻の中の嗅覚(きゅうかく)に達して、電気信号として脳(大脳皮質)に伝えられ「美味しい香り」とか「怪しい」「臭い」などど判断されます。

ところが、フェロモン物質を感じる器官は、同じ鼻の中にありますが、嗅覚ではなく「鋤鼻器官(じょびきかん=別名、ヤコブソン器官)」と呼ばれる感覚器です。

ここにフェロモン成分のレセプター(受容体細胞)がありフェロモンを認知します。

ところが、ヤコブソン器官から脳への伝達は匂いと違い脳の「視床下部」に送られます。

視床下部は体内ホルモンの制御を行っている脳の一部ですが、如何せん自動制御なので何をやっているのか人は気づくことも意識することもありません。

つまり、フェロモンは匂いとしては感じられないのです。

ひょっとしたらフェロモン成分にも匂いがついているかもしれません。しかし、その匂いはフェロモン効果とは無関係です。

あくまでも人が匂いとして感じることができない何かの成分がフェロモン効果を発揮しています。

悩ましいことに、このヤコブソン器官はほとんどの人で退化して機能していないという説が有力です。

他の哺乳類では健在ですが、ヒトだけがヤコブソン器官の機能を失ったとされています。

にもかかわらずヒトにもフェロモン効果が観察される点が、フェロモン物質のレセプターがヒト体内のどこかにまだ存在する可能性を推測させます。
(2006-09-01)
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