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練り香水 - 作り方パーフェクトガイド
意外とカンタンで楽しく作れる手作り化粧品に「練り香水」があります。

「練り香水」(ねりこうすい)とは「クリーム状の香水」の意味です。内容的には香水と呼ぶよりエッセンシャル・オイル配合の「香りのよいクリーム」と呼んだ方が適切かもしれません。

「練り香水」や「練り香」(ねりこう)というコトバが普及しているため、ここでは「練り香水」(ソリッドパフューム、Solid Perfume)と呼ばせていただきます。

冬、乾燥してくると手足やかかと、唇がカサカサになりませんか?対策として、自分オリジナルの練り香水を作るのも楽しいものです。

練り香水作りが、毎年冬のささやかなイベントとになっているスタッフもいます。制作時間はわずか30分。完全天然のみの原料で安心感も抜群です。

休日のイベントとしてお子様や家族・お友達などと「練り香水」作るのもを楽しい思い出の一コマになりそうです。

カンタン・お手軽な手作り化粧品としてオススメします(ただし、絶対に守ってもらいたいこともありますので注意事項もきちんと読んでネ)。



練り香水の材料は?



ますは材料集めです。

【材料】
・ホホバオイル
・ミツロウ
・エッセンシャル・オイル

【器材】
・ビーカー(またはコップ)
・スパティラ(または割り箸、竹串など要は掻き回すもの)
・クリームを保管するための容器

コンロと鍋も必要ですが、台所で行えば普通にあるものばかりです。これだけで化粧品メーカーも驚く完成度の高い練り香水ができます。

ホホバオイルやミツロウとは何?どこで買えばいいの?・・・ご心配いりません。下の方に「参考資料&注意事項」に説明してありますのでご覧ください。


作り方の手順



作り方はホホバオイルとミツロウを溶かして精油を落とす。これだけです。


(1)ホホバオイルにミツロウを入れて暖める


練り香水の基材作りです。「基材」(きざい)とは化粧品のベースとなるクリームや溶液のことです。ここでは練り香水の本体ですね。練り香水の作り方、始まり始まり・・・

ミツロウとホホバオイルの配合比率は(ミツロウ:ホホバオイル)=(1:2〜1:5)程度。

今年の夏場は1:2で制作しましたが、真夏の30度を超える気温でも固形でしたが、反面冬場は固すぎて使いにくいです。

冬場には1:5の配合比率で、つまりホホバオイルをかなり多めに制作することがありますが、これは夏まで持ち越すと液状化する可能性が大です。

ビーカーに入れたミツロウとホホバオイルをそのまま、水を張った鍋の中に入れ火に掛けます。これを「湯煎」(ゆせん)と呼びます。ミツロウが溶けてしまえば練り香水の基材が完成です。


練り香水 作り方ガイド 01
1)材料を一同に集めました。今回は全部で35gの練り香水(Solid Perfume)を作ります。

練り香水 作り方ガイド 02
2)ミツロウを5g取り分けるために計量しています。(ミツロウ:ホホバオイル)=(1:2〜1:5)が目安。夏場はホホバを少なく冬場はホホバを多めに。

練り香水 作り方ガイド 03
3)チップ状になったミツロウを5g、ホホバオイル30g入れたビーカー内にドボドボ落とします。


練り香水 作り方ガイド 04
4)ビーカーごと鍋お湯の中に入れて加熱(湯煎=ゆせん)します。

練り香水 作り方ガイド 05
5)数分でミツロウは溶けてホホバオイルと混じり合います。




(2)お好きなエッセンシャル・オイルを加える+掻き混ぜる


エッセンシャル・オイルとは植物から採取される天然100%の精油。ここでは気分で両方のコトバを使用していますが同じ意味です。

ミツロウが溶けた状態でエッセンシャル・オイルを加えてかき混ぜてください。

ミツロウもホホバオイルも無臭で香りがしませんので(厳密にはそれなりの匂いがする)、お好きな精油を加えることで「練り香水」の香水たる由縁になります。

エッセンシャル・オイルの配合量は「お好きなだけ」と言いたいところですが、とにかくエッセンシャル・オイルはパワーのあるオイルであまり高濃度では危険です。

エッセンシャル・オイルそれぞれに使用量のガイドラインがありますので購入されたオイルの説明書やアロマテラピーの参考書などを参考にされるとよいでしょう。

しかし、通常はそれほど神経質になる必要はありません。大まかなガイドラインを示します。

※精油配合量:100mlの練り香水を作る際の配合目安:20滴〜100滴
※精油配合量:50mlの練り香水を作る際の配合目安:10滴〜50滴
※精油配合量:10mlの練り香水を作る際の配合目安:2滴〜10滴

通常の推奨配合量は1%程度が多いかもしれません。もし1%程度の配合ですと100ml基材に対して1ml、だいたい20滴くらいです。

豪華に香られたい場合は、ローズやラベンダーのシングルの香りならドボーと、ミックスならそれぞれの精油を合計して100滴くらい加えて、掻き混ぜれば、できあがりです。

※ミツロウはお湯から上げるとすぐに固まりだしますので精油を素早く落としてください。もし精油の量が不足した場合は、再度ミツロウを溶かす作業から繰り返してください。


練り香水 作り方ガイド 06
6)溶けたミツロウとホホバオイルを容器に取り分けます。今回は5種類の練り香水を作るために小さな容器に取り分けました。

その5種類とは、ローズオイル、ローズウッド、ヒノキ、ローズの贈り物、グレープフルーツ。それぞれの精油の良さを味わうためにローズの贈り物以外はシングル精油で調合です。

練り香水 作り方ガイド 07
7)それぞれの容器にそれぞれの精油を適当に数滴落とす。厳密に計算したい方は計算願います。1滴あたり0.05g程度です。全体の1%〜5%程度が目安。

練り香水 作り方ガイド 08
8)ミツロウが固まるとできあがり!香りが弱くても、もはや精油は継ぎ足せない。どうしても足したいときは再度加熱して溶かすしかありません。とりあえずこれで冬を乗り切ろう!



エッセンシャル・オイルのブレンド


エッセンシャル・オイルは単体でもいいのですが、お好きな方はブレンドして各精油のコンビネーションをトライしてみるのもグッドな楽しみ方です。

精油によって香りの飛び方が違いますのでトップノートからラストノートまで考えて、それぞれのノートに適した精油をブレンドしてください。

一般に柑橘系(クレープフルーツやオレンジ)は早く飛びますのでトップに香る香りで、ムスクやウッディ系は残香性が強くミドル・ラストへと持続します。

・トップノート用に使用される精油:ローズマリー、グレープフルーツ、ペパーミント
・ミドルノート用に使用される精油:ラベンダー、ゼラニウム
・ベースノート用に使用される精油:パチュリ、イランイラン、サンダルウッド(白檀)

なお、精油には防虫作用・殺菌効果があるものが多く、またミツロウ自体細菌やウイルス・カビなどの培養体になりませんので、とくに防腐剤は必要ありません。

防腐剤を入れませんので、なるべく短期間に使い切るようにしてください。しかし、個人的な印象ですが半年~1年くらいは楽勝で日持ちするものが多いようです。

欲を言えば酸化防止のためビタミンE(トコフェロール)を配合するとさらによいのですが、必須ではありません。


練り香水の作り方の復習


1.固形チップになっているミツロウとホホバオイルをビーカーに入れる
2.鍋に水を張り火に掛ける
3.40度程度のぬるま湯になったらビーカーごと入れミツロウを溶かす(湯煎)
4.ミツロウが溶けてホホバオイルと完全に混じればお湯から挙げ精油を加える+掻き混ぜる



よくありがちな悲惨な失敗。絶対にやっていけないこと!


ビーカーに余ったミツロウを排水口に絶対流さないこと。余ったミツロウは紙などで拭き取ってゴミ箱へ。排水口に絶対流さすと目詰まりの可能性大です。



参考資料&注意事項


ホホバ(JOJOBA)オイルとは?


アメリカ南西部などの砂真に自生している常緑性の灌木から採取されるオイルです。

無臭無色でお肌への浸透性に優れサラっとした使用感が使いやすくキャリアオイルとしてたいへん人気です。酸化しにくいことでも有名。酸化しにくいということは長期保管・長期保存に耐えるということです。


なぜホホバオイル?


・・・アロマテラピーで人気の基材オイル
ホホバオイルは、練り香水のキャリアオイル(基材オイル)として使用されています。

エッセンシャル・オイルを溶かし、その刺激を和らげると同時に、お肌に油分を補給し保湿効果を与えます。しかし、必ずしもホホバオイルである必要はありません。

オリーブオイルでもごま油でもサラダ油でも不可能ではありません。練り香水ではワセリン(石油から生成されるオイル)を使用する方も多いようです。

しかし、ホホバオイルはおすすめです。理由は二つ。他のオイルと比較して酸化しにくいため保存料なしで保存が効きます。比較的べたつかずサラサラ感が気持ちがよいため人気です。

ホホバオイル以外では、入手しやすく質感がよいものとしてアロマテラピー用キャリアオイルならどれもすぐれています・・・スウィートアーモンドオイル、グレープシードオイル、ローズヒップオイルなど。


ミツロウ(蜜蝋)とは?


ミツバチの巣から採れる固形ロウです。英語ではビーズ・ワックス。

パルミチン酸ミリシルを主成分とし、やや甘い香りの天然ワックスで食されることもありお肌にやさしい素材です。肌や唇をしっとりとやわらかくし保湿効果あり。

肌の炎症や切り傷、火傷にも効果があり民間療法として利用されてきました。現在でも手作りクリーム、手作りリップクリームに愛用する人は多い。キャンドル(ロウソク)の原料としても使用可能です。

ミツロウの保管期間は不明ですが、変色・変質・異臭がしていなければ使用できます。


なぜミツロウ?

・・・伝統的で天然で実績アリ
ミツロウは、練り香水の成分を溶かして固形化するための基材です。

お肌に油分を与えるという意味ではキャリアオイルだけでかまいませんが、キャリアオイルとエッセンシャル・オイルを固形状に保存し(保存性)、お肌に塗った際は、お肌の温度で溶けてお肌の表面を保護する役割(保湿・保護・軟化作用)があります。

石油由来のワックス(たとえば、パラフィン)でもかまいませんが、天然由来という点がうれしい。

しかもスキンケアやリップクリーム基材として、またお肌の傷の手当などに長年使用されてきた(民間療法)という抜群の安全性が実証されています。

ミツロウは本来微かに匂いを伴い黄色を帯びていますが、市販されているミツロウには純白で無臭のものもあります。

これは精製されたものですので、よりナチュラルさを追求する場合は未精製・無漂白の黄いミツロウがよいでしょう。融点は摂氏65度くらいなので夏場でも固形のままですがホホバオイルの配合量が多いと溶けだします。


ミツロウ以外の基材、パラフィンは?


パラフィンは石油由来のワックスですので、一部の方々から嫌われていますが、かなり安全な基材です。

実際、市販されている練り香水には多く配合されています(当社に製品は配合されていません)。

これは実話ですが、ミツロウの練り香水だと肌に湿疹がでますが、パラフィン製の練り香水では湿疹が出ないというお客様がおられました。このように天然だから安全、合成だから危険というわけではありません。

また狂牛病騒動依頼、動物性・動物由来の成分は人気が下火です。その点でミツロウから石油由来原料への移行が進みました。


ミツロウ以外の天然基材?


ミツロウの代わりに固形オイル、たとえば、シアバター、カカオバター、コクムバター、アボカドバター、レッドパームバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、スイートアーモンドバターなども使用可能かもしれません。

アフリカのサバンナに生育するシアの木から採取されるシアバターは、練り香水の基材としてはやや軟らかいかなという印象をもっています。固形オイルは多くが、匂いが強くクセがあったり温度に弱かったり・・・それなりの工夫が必要でうs。


夏場の悪夢

・・・クリームの汗など
酸化しにくく、しかも腐敗の可能性も低いため練り香水は一般に長期に保管が可能ですが、夏場の気温には耐えられず汗をかいたり(ホホバオイルが汗のように液状化する現象)、溶け出すことがあります。

ホホバオイルを少なく配合すれば、夏場に流れませんが、冬場は固すぎて使いにくい場合もあり、あちらを立てればこちら立たずです。これも天然成分にありがちな不便さですが、逆に天然であることを実感して楽しんでいただきたいと思います。


台所の排水パイプを傷めないために

・・・こうなると悲しすぎる!
とっても悲しいけど、よく失敗する事件があります。

※注意!溶けたミツロウを間違って排水口に流さない。すぐに固まり排水パイプの目詰まりの原因になります。

練り香水作り方教室など作り方講座を開催すると、事前に注意していても、希にひとりくらい間違って余分なミツロウを排水溝に流してしまうことがあります。その後は業者を呼んだりしてかなり悲惨です。

余ったミツロウは紙などに吸わせてゴミ箱へ。


販売してもよいですか?

・・・薬事法の壁
手作り化粧品はあくまでも自分のリスクで制作し、自分のリスクで楽しむことを前提としています。

販売目的の場合は薬事法に遵守して制作する必要がありますので販売はしないようお願いします(薬事法を遵守するためには、化粧品はそもそも厚生労働省から化粧品製造業ライセンスを受けた工場で製造する必要があります)。


材料の入手方法

・・・ネットでラクラクお買物
今回使用したオイル、ミツロウはインターネットで購入しました。検索すればいっぱいでてきますので信用できそうなショップさんから購入されるとよいでしょう。

最初は最小ロットで少な目に購入されることをお勧めします。




お寄せいただいた質問(Q&A):


・(Q)市販香水を利用して練り香水を作ることはできますか?

・(A)市販香水の主原料は香料でなくアルコール。一般に練り香水の制作ではアルコールなしのエッセンシャル・オイルやアルコールに溶かす前の香料原液を使用します。市販香水を配合すると緩くなってちょっと変な状態になるかもしれません。機会を見てチャレンジしてみます。



(2006-12-19)
<この時期の商店街 | マリーアントワネットの香水>
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