香水biz ブログ

( 香水工場の日常 )

沈丁花の精油ってありますか?
人を魅了する沈丁花の香りは、あんなに強い香りや芳香を放つのですが、精油が採れません。商業ベースでは生産できませんと言った方が正確かもしれません。

すべての花がなんかしらのオイルを含んでいますので、絶対に採取できないということはないのですが、現実的ではありません。

また、仮に精油が採れるとしたても、花の香りとはかなり違うものです。

そういうこともあって花の香りを再現する方法は、花の周囲の香気成分をテドラーパックを用いたヘッドスペース法やアクアスペース法(長谷川香料)で捕集し、ガスマスで成分分析を行い、特定された成分を基に香りを再現します。

「特定された成分を基に香りを再現」とは、いかにも本物ができそうですが、非常に困難な課題もはらみます。まず成分分析では現在の最先端技術をもっても分析可能な成分が限られていること、分析できても成分が入手できないこと、入手できても高価だったり法規制の対象成分であったり・・・

たとえばローズの香りには、500〜700種類くらいの成分が含まれていそうなことはわかっていますが、人類が分析できた成分は、いろいろ研究者がいますので正確でありませんが、おそらく300程度です。主要成分の数種類でも、かなりローズらしい香りになりますが天然のローズには遠く及びません。情熱を出して仮にその300成分すべてをなんとか掻き集めローズの香りを再現しても(商業的には不可能ですが)、それでも天然のローズには遠く及ばないはずです。

科学で再現できないものは、クリエイターが創造する・・・考えてみればそれが芸術の歩んできた道かもしれません。

(2007-03-19)
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