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( 香水工場の )

香る生活


メールトラブルで熱くなる人 パート1
インターネットメールって凄いですよね。感動の一言です。こんな凄いツールが誰でも非常に安価に利用できるインターネットに感謝しています。今ではこのツールなしにはビジネスもプラべートも成立しなくなってしまいました。手軽で便利で正確で早い!古い知人とのネットワークや人間関係にも役立っています。

オレってメール依存症?

いえいえ。凄いツールではありますが、しかし、なければなくても生きていけるクチです。メールやインターネットにはそれなりのトラブルや問題や弱さがあることも知っていますし、完全に依存しているわけではありません。


私がはじめて電子メールに触れたのは1989年。社内メールでした。そのころはまだインターネットは普及しておらず、社外の人との連絡には利用できませんでした。

「ARPANET(アーパネット)」と呼ばれる米国の国防用コンピュータネットワークが、インターネットの前進ですが、当時はまだ米国軍関連研究所や大学間を結ぶ通信網として研究段階からようやく利用の段階に入ろうとしていた時期です。

このネットワークの場合、それまでの通信と違う点は、通信網の「網」の部分です。

要はアメリカが、ソ連や中国から核攻撃を受け一部の地域や通信設備・通信線が壊滅や切断されることを想定して、そんな場合でもデータが自律的に有効ルートを発見し迂回しながら目的地までたどり着くという通信モデルの研究から始まりました。

このとき考え出されたネットワーク構造が網目状ネットワークで、そのコア技術がIPプロトコルという呼ばれる通信方式です。IPプロトコルは現在のインターネットの基礎技術になっています。

インターネットは、迂回ルートを確保しつつネットワークを拡げる思想があるために、単なるポインツーポイント(Point-to-Point)の「通信線」でなく、脳内血管のようにクロス状・網状の「通信網」にする必要がありました。

アーパネットの利便性が知られるようになると様々な研究機関や大学から「アーパネットに接続させて」といった要望が高くなります。このネットワークは「網目状の通信網」を構成することで価値が高まりますし、参加者が多いとそれだけ利便性が高まりますのでネットワークに参加し通信回線を接続することが歓迎されました。

当時もっとも多用されたアプリケーションは言うまでもなくメール。そしてデータ転送を目的としたFTP、遠隔地のコンピュータを操作するTelnetなどでした。現在の主流アプリケーションWebは、普及までさらに5年くらいかかります。

通信回線自体はAT&Tのようなキャリアから専用線を借りる必要があり、通信機として「ルータ」と呼ばれるIPプロトコルをソフト的に実現するコンピュータが必要になります。高価な出費にもかかわらず、そのコストを捻出してでもネットワーク接続希望者が続出状態でした。

ちなみにルータを開発していたサンフランシスコのシスコ社は数年で世界屈指の大企業に成長しベンチャービジネスの典型的成功例として、マイクロソフト社などとともに語り継がれている会社さんです。

私はごく初期のシスコ製品を見たことがあります。一見すると大学生の工作物のような箱でした。しかし、IPプロトコルのソフトウェア実装が他社よりも早かったこと、完成度が高かったことが勝敗を決したと考えています。

アーパネットから独立したインターネットはその成長の仕方も、インターネットの設計思想同様に「自律的に(あるいは自立的に)」発展します。次第に民間企業やキャリア、インターネットプロバイダーが後追い的に接続し始めて、アッという間に世界最大のネットワークが形成され、そして現在でも新規回線が接続され回線容量の巨大化が続いています。

(※)キャリア=電気通信事業者。通信回線を所有し音声やデータ通信サービス提供する会社、AT&T、ワールドコム、スプリント、NTT、KDDIなど。(※)インターネットプロバイダー=個人や民間企業などのユーザーにインターネットとのIPプロトコルインターフェースを提供する企業。

インターネットに接続するためには、ハード的には(1)通信回線 (2)ルータがいることは上に述べましたが、制度的に(3)IPアドレスを授与してもらう必要があります。IPアドレスを管理している機関が米国NICというNPOだったと記憶していますが、今は民間企業に委託されている模様です。

逆に言うとインターネットは自立的に日々、世界中で増殖しているにもかかわらず、それを管理している機関は米国NICくらいで、しかもその仕事はIPアドレスの割り当てとドメイン名管理程度です。

インターネットを事実上全体的に管理統制しているところはありませんし、インターネット全体の所有権や権限を有する機関も政府もありません(なんと民主的なネットなんでしょう。日光や空気のように世界の人民の共有財産となろうとしています)。

しかし、逆に言えば、データ通信に関して責任を負う機関も行政も存在しないということです。

続く・・・

(2008-04-03)
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