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( 香水工場の )

香る生活


「おしろい」と呼ばれていた頃の「香水」
当社で希に行うイベントの話です。企業さんや団体さんから「香りの余興」を依頼されたとき出すプログラムの一つ「5分で作るマイフレグランス」。

当社にて準備したベースの香水をイベント参会者が自分好みの香りに仕上げるという趣旨のプログラム。継ぎ足す香料も当社で準備します。香料によっては、ベースフレグランスのもともとも香りからかなり雰囲気が変化しますので、驚きあり、笑いあり、落胆ありで、かなり楽しめるイベントです。

さて、その基本となるベースフレグランスの制作は、イベントの趣旨に合わせて、多くの場合オリジナルで制作することが多いのですが、趣旨とは合わない香りも選択肢として入れることもあります。意外性狙いと当社事情もあります。まあ、そこはあまり突っ込まないでください。

さて、最近開催させていただいたイベントは千葉県の京成バラ園さんでした。5〜6月はバラ開花の最盛期で、当日公園内は上に下への人出です。毎年この時期に京成バラ園には顔を出しておりますが、あれだけの来園者ははじめての体験で公園側も「今年最高」とのこと。

公園内の一角で「オリジナル香水を作ろう」という「5分で作るマイフレグランス」イベントを2時間短期勝負でやらせていただきました。

ローズガーデンなのでテーマは「バラ」。ベースフレグランスに「ローズ」(ベース1)は当然として、お子さんの参加者が多いこと予想して「フルーツ」(ベース2、甘くて楽しいグルマン系)、そして意外な香りとして「香水系」(ベース3)の3種類を準備しました。

参加者には受付時に3種類のベースの中から自分の好みを選んでもらいます。ベース1、ベース2はネーミングだけでスバリ、香りをイメージできますが、・・・

「香水系}って?

ベース3は、私が子供のころまで主流だった「香水らしい香水」をイメージさせる香りです。よい香りでアコードの完成度もそれなりに高い作品に仕上がっているのですが、正直なところ武蔵野ワークスのテイストとは若干違います。

個人的に「おしろい系香水」または「香水系香水」と呼んでいます。

90年代を境に私たちの志向はダイレクトにナチュラル系に移行し、今では「おしろい系香水」はそれほど好まれなくなりました。

参加者は「ローズ」「フルーツ」「香水系」のサンプルを順々に嗅いでいき、「あ、ホントだ。ローズだ」や「あ、あま〜い!」とか声を発します。「香水系」をどういう風に表現するのか密かに観察していると、案外同じような感想が多いのでやや驚き。

「おばあちゃんの鏡台の匂い」
「引き出しの中に転がっていた香水の匂い」
「昔のニオイ」

参加者の年齢は幼稚園生からご年輩の方まで。ほぼ女性。子供に人気のベースは「フルーツ」でしたが、全体的に、好まれたのが高価なローズの天然精油を配合した「ローズ」。さすがみなさん「お目が高い」というか「お鼻が高い!」。

「香水系」は年輩の方にも好まれず、売れ残ってしまいました。これが20年前なら違った結果がでたろうと思いますが、現在は香水も自然志向・ナチュラル志向に向かっているようです。
(2008-07-11)
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