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バレリアン

武蔵野ワークス(香水工場)


スリーピングミスト「バレリアン」

香りのテーマ

バレリアンは、ヨーロッパ原産のハーブです。高さ30-1m程度になる多年草で、5~7月の夏には無数の小さな花を付けます。北米、中国、韓国、台湾、日本などにも帰化し自生しています。日本語名は「セイヨウカノコソウ」。

根や茎は薬効があることが古くから知られ、日本では吉草根(キッソウ、キッソウコン)という名称で知られています。

睡眠薬の使用を中止した患者の代替物として使用されるほど睡眠の改善効果があるとされますが、実際は、他の薬草同様、医薬品である睡眠薬ほどの劇的な効果はありません。反面、医薬品にありがちな副作用・中毒症状の発現性が低く安全性の面でヨーロッパでは人気のハーブです。

バレリアン(セイヨウカノコソウ)の有効性や安全性に関する詳細な情報はちららをお勧めします。 「健康食品」の安全性・有効性情報(独立行政法人国立健康・栄養研究所内「健康食品情報プロジェクト」)

香りの特徴

バレリアン(セイヨウカノコソウ)は民間療法的に「不眠症」などの改善のため服用されていますが、服用後は眠気のため機械の操作や車の運転は注意が必要です。またバレリアン(セイヨウカノコソウ)と睡眠薬・睡眠改善薬との同時摂取や併用は注意が喚起されています。
  • 酢酸ボルニル(酢酸ボルネオール、Bornyl acetate、ボルニルアセテート、ボルニルアセタート)
  • 吉草酸(キッソウ酸、valeric acid)
  • イソ吉草酸(イソキッソウ酸、isovaleric acid)
  • イソ吉草酸ボルニル(イソキッソウ酸ボルニル、Bornyl isovalerate)
  • ボルネオール
バレリアン精油は、どろどろした茶色で見るからに厳しい風味が予想されます。実際匂いはウッディ系のバルサムミックな匂いとも、土のような香りとも表現されます。一言で言えば自体の香りはよくありません。

そもそもバレリアンに含まれるイソ吉草酸自体、チーズや足の裏の匂いを感じさせる刺激臭があるとされますが、逆に調合の仕方によって妖艶な香りになるため香料の原料としても有名です。このへんは香水の原料としてなくてならないムスク(それ自体ひどい匂い)と事情が似ています。

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