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香る生活


(銀スプレー開発中) 細菌と"正しい共存"を目指そう編
ギャラクシースプレー(銀スプレー)の殺菌効果をテスト中です。細菌や酵母の立場からニオイ対策を思案中(2017/01/10)

ギャラクシー・スプレー(test version)(ギャラクシー・スプレー、test version)


製品名は決定?


銀スプレーのテストが進行中です。当社では、この銀スプレーを「ギャラクシースプレー」と命名しました。このムダに派手な呼び方が、とっても気に入っています。

が、難点は発音。頭にアクセントを付けて発音する「GALAXY」は、いちいち気合いを入れないと発音しにくいですよね。

みなさまは、どうでしょうか。問題なければ、このままこの名前で決定です。


モニター応募、ありがとうございました


先月はモニターさんを募集し、たくさんのご応募をいただきました。ありがとうございます! 予想以上のレスポンスで、冬でもニオイにお困りの人は案外多いことを知り新鮮でした。

最終的に8名のお客様にギャラクシー・テストバージョンを郵送しました。抽選に漏れた方にはお詫び致します。モニターさんのご意見は次回のブログで紹介できると思います。お楽しみに。


細菌との共存共栄


さて、ここから細菌との共生について考えていきます。ギャラクシースプレーは殺菌するための製品なのに、なんで共生なんだ、と思われるでしょう。

細菌は、私たちの健康をむしばみ、くさいニオイを生産する一方で、私たちの健康を守り、また有害性の強い細菌から防衛する役割も果たしています。

細菌の種類にもよりますし、状況によって同じ細菌が有害菌になったり、無害菌や有用菌に変化します。

微生物の一種で、細菌よりやや大きい「酵母」は、お酒や味噌・醤油などの発酵食品を生成するエンジンのような微生物。酵母の恩恵はわかりやすいですよね。

しかし、一般に嫌われている大腸菌やブドウ球菌も大きな恩恵を私たちにもたらしています。


人の肌はなぜ弱酸性?


あるトイレタリー会社さんが、マーケティング史に残る有名な「弱酸性マーケティング」を展開された結果、日本では石鹸や洗剤類は「弱酸性」が定番となりました。

このマーケティングの凄さは「弱酸性」の善し悪しには一言も触れずに、洗浄剤は「弱酸性が正しい」というイメージを世間に広く植え付けた点です。

しかし、研究者や石鹸メーカーの人々には、このマーケティングは一種の違和感を持って感じられたでしょう。なぜなら・・・


(1) 人の肌は本来、中性 (細菌の活動と皮脂の分泌の結果、弱酸性になる)

(2) 石鹸は本来、アルカリ性 (弱酸性である汚れをアルカリ性で中和し落とすことが石鹸の原理)


石鹸は、数千年前、肉を焼いた木材の灰から偶然生まれました。石鹸がアルカリ性だからと言って肌への有害性は特に観察されません。

温泉はアルカリ泉が多いのですが、アルカリ性のお湯がお肌に良いことは日本人が数千年の歴史の中で知っていることです。アルカリ性になったカラダは、温泉から出ればすぐに元の中性に戻ります。

ですので、洗浄剤が弱酸性であるメリットはありません。弱酸性の汚れを弱酸性で洗えば、むしろ、洗浄力は低下します。

それをカバーする成分として石鹸とは違う種類の"界面活性剤"が必要になります。

ナチュラルな石鹸がよいのか、ハイテク界面活性剤がよいのか、様々なご意見があるかと思います。

しかし、いずれの場合も、お肌自体は弱酸性であることを良しとします。なぜでしょう?・・・弱酸性が有害細菌に対するバリア機能を生み出すためです。


有害菌の進入を防ぐ常在菌


人の肌は本来中性ですが、人の体表を覆う細菌、これは「常在菌」(表皮常在菌)と呼ばれますが、この細菌が活動することによって、肌は弱酸性に傾きます。

また人の皮脂も弱酸性化を助けます。

「細菌の活動」と穏やかな表現ですが、ダイレクトに言えば、人の汗や皮脂を食べた後の細菌たちの排出物が酸性ということです。

だから、人の肌が弱酸性とは、ある意味、細菌のウンチまみれ・皮脂まみれの状態というわけで、人によっては耐え難いイメージではないでしょうか。

しかし、弱酸性であることのメリットは絶大です。バリア機能が生まれ有害菌の侵入を阻止してくれます。

バリア機能を生み出している常在菌の代表は「表皮ブドウ球菌」です。


健康を創る細菌たち


では、体内ではどうでしょう?大腸に暮らす「大腸菌」や「乳酸機」は、食物の消化を促す役割があります。

最新研究では、人体がアレルギー反応を起こす物質に対してアレルギーが発生しないよう抑制作用の役割もあるらしいことがわかってきました。

乳酸菌はまだしも、大腸菌は、海水浴や温泉の水の汚染度を測る指標にされており悪いイメージが伴いますよね。

しかし、大腸菌はタンパク質の分解酵素を出しており、お肉などのタンパク質の消化吸収を助けています。逆に大腸菌がいないとお肉で下痢になると言われています。

また「大腸菌」や「乳酸機」は種類ごと大腸内でテリトリーを形成しています。この姿がお花畑に見えることから「腸内フローラ」と命名されました。

腸内フローラ」・・・誰が命名したのでしょう?美しい表現ですよね。

腸内フローラの恩恵は、有害菌の侵入阻止です。

現代医学では、腸内フローラの健全な成長はカラダの健康に直接的に貢献するとされ、近年の「飲む乳酸菌」流行もこの理論上にあります。


アクネ菌が顔の老化を防ぐ?


たとえば、顔面に多く暮らしているアクネ菌。

この菌は今までニキビを作る悪玉菌とされてきました。ニキビケアの化粧品などのテレビCMではさんざんやり玉に挙げられることは周知の通りです。

が、近年の研究では、ニキビの原因菌ではないとする主張も聞かれますし、それどころか、紫外線による酸化ストレスを防ぎ、皮膚炎や皮膚癌・皮膚老化から皮膚を防衛する役割があるとする論文が発表されています。

「アクネ菌はニキビの原因」は誤解

もしそれらが本当なら、殺菌など、とんでもない話ですよね。菌くん・菌さん、ウエルカムです!


バランスの問題


表皮ブドウ球菌も大腸菌もバランスの問題です。

バランスが取れている間は、多くの常在菌が、人と共存共栄の関係なのに、宿主の免疫力低下など、いったんバランスが壊れると攻撃する側に変化します。

下痢や腹痛を引き起こし、毒性のある分泌物を出したり、くさいニオイを量産したりと、お付き合いの難しいところです。

しかし、少なくとも「菌どもはすべて悪」「無菌状態 = 善」とする考え方は誤りと気づかされます。理想は、正しい細菌との正しい共存共栄。


育菌のススメ


微生物学者の青木のぼる氏は、こういうスタンスをいくつかの著作内で「育菌」(正しい常在菌を養い育てる)というコトバで表現されています。

氏は「育菌」を超え「美人は常在菌でつくられる」という"細菌美容論"まで踏み込んでおられます。興味がある方は、先生の著作を読まれることをおすすめします。


ギャラクシースプレーの目標


銀イオンは、効果的な殺菌成分です。

そのため、体内浄化として飲む人もいるそうですが、そこまでやれば、体内の常在菌は無事過ごせるのかと逆に心配になります。

当社の抗菌に対する基本ポリシーは無菌を目指すものではありません。「完璧に細菌どもを殺しまくる!」という発想はありません。

「バランスがとれた共存共栄の関係に戻す」というくらいの、おおらかな気持ちで利用してもらえればと願っております。



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