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( 香水工場の日常 )

変性アルコール、政治的に変性されたアルコール
前のブログ記事からの続きです。香水の成分を見ると「変性アルコール」が含まれているケースがあるかと思います。

「変性アルコール」とは、エタノールにメタノールなど変性剤が混入されたもので(*)、特に化粧品の場合は香料変性剤による変性アルコールが使用されます。

変性剤を混ぜる理由は「飲用(醸造アルコール)でない」ことを明示するためです。そうすれば工業用アルコールとなり「酒税」を免れます。管轄も財務省から経済産業省に移ります。

免税を受けるための政治的アルコールといえます。

香水に使用されるエタノールは醸造用アルコールと成分的に同じとはいえ、用途的には明らかに工業用です。

しかし、お酒に転用されないように「飲用防止額」という名目で酒税相当が加算されます。結果的に「変性アルコール」と飲用防止加算額を課せられた「エタノール」では価格差が10倍にも拡がります。

実は、エタノールでも合法的に酒税相当分を免除される仕組みが準備されており近年その許可取得のハードルは低くなってきています。

そのためわざわざ変性アルコールを使用する理由がなくなりつつあり、今後変性アルコールは下火になっていくと予想されます(実際、流通量は減少の一途だそうです)。

アルコールは長い間、政府の専売物資であり、過去5年間NEDO(ネドー)の独占に移り、そして今年4月1日からNEDOアルコール事業部は「日本アルコール産業株式会社(J-Alco)」という民間企業に変身しました。

アルコール事業は一応の自由化を見ましたが、行政や省庁、省庁お抱え企業の既得利権が絡むドロドロの産業で一般庶民にはわかりにくい物資になっています。

*経済産業省のパンフによれば、変性アルコールの変性剤の種類と配合量については現在数十種類程度が認められているようです。
http://www.meti.go.jp/policy/alcohol/4siyoutebiki.pdf


(2006-04-19)

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