香水Bizブログ

日本の香水メーカー武蔵野ワークス
香水創りのブログ (誤字脱字多し、気になる方は近づかないで欲しい)

似た香りの香水をお探しですか?
そんな香りはない、がボクの信念 (2020/06/29)


( 香水流浪の旅、長年探されている方は多い )


似た香りの香水を作ってくれ!


当社は以前オリジナル香水の制作を行っていた。

主に企業向けだが、サービスの内容を超簡易版にして個人向けも行っていた。

個人向けオリジナル香水の制作サービスでは「廃盤になった○○と似た香り」とか「○○の復刻版」といったリクエストが多くきた。

想定外のリクエストで、当初は、腰を抜かしたものだ。

なぜなら、香水業界の人間なら、通常、復刻やコピーといった発想はないからだ。

仮に100万円や200万円の復刻費用を出してもいい、というクライアントがいたとしても、動くブランドや企業は皆無だろう。

第一に他社ブランドの復刻など訴えられかねない、

第二に技術的に不可能である、

というわけで、当社の場合「他社ブランドの復刻・コピー・イミテーションは、絶対にしない・できない・近寄らない」という一文を入れていた。


なぜ技術的にムリなのか?


それは「お客様の期待値が大きすぎるから」、とボクは解釈している。

香水は、処方が開示されていなくても、現在では、成分分析で分子レベルで、かなり解析できる。

ハイブランドの有名香水のコピーやイミテーション製品の中には、このような高度な手法で製造された本格的なものもあるが、コピー香水やイミテーション香水が評価されることはあまり聞かない。

私の予想では、同じ成分で制作しても「香りが違う」という答えるファンの方が圧倒的多数だろう。

分子レベルで似ていてもだ。

つまり、嗅覚における心理的影響力は、医薬品におけるプラシーボ(偽薬)よりも大きいと感じている。

そもそも、廃盤になった香水の復刻を望んでいる人というのは、その香りに対する思い入れが強い。

多少似ているレベルだと、逆に失望でしかない。

(完全無煙の禁煙を望む人間が、中途半端な禁煙の喫茶店に入ったときの絶望感に似ている)


似た香りはありませんか?


当社には、「○○に似た香りを探しています、ありませんか?」という問い合わせがよくくる。

正直、絶対にない、と信じている。

香水で、似た香りっていうのは、ないと思う。

むしろ、ある方がおかしい。


アントニアズ フラワーズ


米国の「アントニアズ フラワーズ」というブランドさんが、昨年、製造休止を発表された。

日本にもファンが多いブランドさんとのこと。

After 34 years, Antonia’s Flowers is going on hiatus (34年が経過し、しばし、活動を休止いたします)

という書き出しから始まって、詩的な文章が続く。

しかし、はっきりした休止の理由は書かれていない。

ちょっとだけそれらしき雰囲気として「quality small, independent productions are harder than ever to fulfill」(独立系の小規模製造業者には、かつてないほど厳しい時代になりました)とある。

真意は不明ながら、ボクはこう感じた・・香水の老舗Coty は身売りしたし、The Body Shop もそうだ、中小ブランドは存続自体厳しい、現代資本主義とはそういうことだ、そういう苦悩が伝わってくる。


「似た香りを探している」という問合せ


読者のみなさまには、なぜ突然、「アントニアズ フラワーズ」の話か?と怪訝に感じるだろう。

「アントニアズ フラワーズに似た香りを探している」という問い合わせ多いのだ。

ボクは、アントニアズ フラワーズさんの香りを知らないので、本当は返答できないが、「香水で、似た香りっていうのは、ない」がボクの信念なので、そういう返答になる。

実際、このようなファンの方々で当社の製品を購入され、「似ていた」とか「いい香りに出会えた」といったポジティブなレスポンスは未だない、今後もないだろう。

もし、あなたが、アントニアズ フラワーズさんの香りを追い求めているのなら、ボクらの香りは、おすすめできないことをお知らせしたい。

(2020-06-29)
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