( 香水工場の )
香る生活
蕎麦の花は臭い?
(2025/09/28)
( 東京にもソバ畑があるんですね・・町田市の七国山ファーマーズセンター近くを歩く )
蕎麦(ソバ)。植物名を表記するさい、私は通常カタカナを使うのですが、蕎麦の場合カタカナを当てると味まで失われる気がするので今日は「蕎麦」で通します。
私は九州出身。九州では蕎麦はあまり食べられていなかった。上京して食べるようになった。今では蕎麦は日常的な食材となっている。
蕎麦に特別な思い入れがあるわけではないが、蕎麦について熱い想いがある人はそれなりにいる。会社定年後、好きが高じて自分で蕎麦打ちする人や、どうかするとお店まで出しちゃう人の話も珍しくない。
蕎麦には人々を魅了する何かがあるのだろうと昔から感じてきた。
蕎麦の名店があれば足繁く通う人がいたので魅力を聞いてみたが、要領を得なかった。
(お前に話してもわかるまい・・ということかもしれない)
またある人に聞いたら「安いからじゃない?」と言われた。なんでも昔は今のようなファーストフード産業が少なく、安い・早い・うまいと言えば現実的に蕎麦一択だったと。
そんなナゾ多き蕎麦だが、ある日どこかの記事で蕎麦の花が咲くと臭いらしいということを知り、花の香りにも興味を抱くようになった。
東京に近い蕎麦産地と言えば長野県。しかし花を見るためだけにわざわざ長野に行くほど切迫したミッションでもない、何かの機会に蕎麦畑に行けるチャンスを待っていた。
先日意外にも東京に蕎麦畑があることを偶然知った。町田市。都心からわずか1時間で行ける距離ではないか、しかも今が開花シーズンとのこと、速攻で行ってきた。
小田急新宿線「鶴川駅」を降りてバスで20分。七国山(ななくにやま)ふもとの七国山ファーマーズセンターを訪ねた。農家さんが栽培している蕎麦畑ではなく、JA町田市運営の観光農園だったが、充分に広く本格的な畑で、11月には実際に収穫・脱穀するそうだ。
( うわさの香りを体感 )
畑の端に進み出て一輪の花を手で引き寄せて鼻に近づけると「あれ、香りがしない!」。二輪目を試すも香りはなかった。しかし三輪目で「クサッ!」となった。
確かに臭い。薄い糞尿臭といった感じか。
畑のそばに腰を下ろし、秋風に触れる蕎麦の花を見ていると風に運ばれてくる怪しい香りが漂っていた。これがウワサの蕎麦の花の香りか・・薄いフローラルインドールといった印象である。
花がすべて臭い匂いを発するわけではなく、数輪に一本程度で匂いを発していた。
この匂いは昆虫を引き寄せるための花の戦略と言う人がいる。そんな単純な話かな?と私にはそういう気持ちもあるが、実際に蝶や蜂が多数舞っていたことは事実。
また匂いを発するある一輪の花には白く大きな蜘蛛も潜んでいた(白い蜘蛛って初めて見るかも、珍しい)。近寄る昆虫を狙っているように見えた・・花 vs 蜜を求める昆虫 vs 昆虫を狙う昆虫・・生物界のエコシステムを見る思い。
長年の「臭い蕎麦の花を嗅ぐ」というミッションがこの日、成就した、ハッピーである。満開の蕎麦畑の中でこのまま眠ってしまいたくなるような心地よさがあった。
念のため・・七国山ファーマーズセンターの施設内に入り、管理人さんらしきご高齢のおじさんに話を聞かせてもらった。現地の人の話はなにより貴重である。
そのおじさんは農家さんでも実際に栽培されている方でもないが、地元の方で蕎麦にも詳しかった。蕎麦の花の匂いについてお聞きすると、臭いと感じたことはないとのことだった。蕎麦の花に匂いがあること自体、認識がない模様だった。
まあ、確かに意識しないと感じないレベルである。このレベルが日本全国、全世界同じなのか、それとも品種や土地によって違うのか不明だが、少なくとも七国山の蕎麦畑は「気にしなければ感じないくらいの匂い」だと思う。
余談だが、町田「七国山」の東側には南北に鎌倉街道が走っている。実は当社に近い東村山・所沢には七国山に似た名前の「八国山(はちこくやま)」がある。
山と言うよりどちらも丘陵だが、偶然にも八国山の東側にも南北に鎌倉街道が走る。鎌倉街道は何本もありこれらは別々の道ではあるが、この偶然がよい(さらに言えば当社は鎌倉街道沿いにある・・それはどうでもいいか・・)
八国山は『となりのトトロ』の舞台だが、お母さんが入院していた病院は、なぜか「七国山病院」と命名された。宮崎さんはどちらの山もよくご存じのことなんだろう、とこのとき感じた。
武蔵野の山を巡れたこともこの日の収穫だった。

(2025-09-28)

蕎麦の思い出
蕎麦(ソバ)。植物名を表記するさい、私は通常カタカナを使うのですが、蕎麦の場合カタカナを当てると味まで失われる気がするので今日は「蕎麦」で通します。
私は九州出身。九州では蕎麦はあまり食べられていなかった。上京して食べるようになった。今では蕎麦は日常的な食材となっている。
蕎麦に特別な思い入れがあるわけではないが、蕎麦について熱い想いがある人はそれなりにいる。会社定年後、好きが高じて自分で蕎麦打ちする人や、どうかするとお店まで出しちゃう人の話も珍しくない。
ナゾ多き蕎麦
蕎麦には人々を魅了する何かがあるのだろうと昔から感じてきた。
蕎麦の名店があれば足繁く通う人がいたので魅力を聞いてみたが、要領を得なかった。
(お前に話してもわかるまい・・ということかもしれない)
またある人に聞いたら「安いからじゃない?」と言われた。なんでも昔は今のようなファーストフード産業が少なく、安い・早い・うまいと言えば現実的に蕎麦一択だったと。
そんなナゾ多き蕎麦だが、ある日どこかの記事で蕎麦の花が咲くと臭いらしいということを知り、花の香りにも興味を抱くようになった。
東京にも蕎麦畑
東京に近い蕎麦産地と言えば長野県。しかし花を見るためだけにわざわざ長野に行くほど切迫したミッションでもない、何かの機会に蕎麦畑に行けるチャンスを待っていた。
先日意外にも東京に蕎麦畑があることを偶然知った。町田市。都心からわずか1時間で行ける距離ではないか、しかも今が開花シーズンとのこと、速攻で行ってきた。
小田急新宿線「鶴川駅」を降りてバスで20分。七国山(ななくにやま)ふもとの七国山ファーマーズセンターを訪ねた。農家さんが栽培している蕎麦畑ではなく、JA町田市運営の観光農園だったが、充分に広く本格的な畑で、11月には実際に収穫・脱穀するそうだ。

いざ香り体感!
畑の端に進み出て一輪の花を手で引き寄せて鼻に近づけると「あれ、香りがしない!」。二輪目を試すも香りはなかった。しかし三輪目で「クサッ!」となった。
確かに臭い。薄い糞尿臭といった感じか。
畑のそばに腰を下ろし、秋風に触れる蕎麦の花を見ていると風に運ばれてくる怪しい香りが漂っていた。これがウワサの蕎麦の花の香りか・・薄いフローラルインドールといった印象である。
花がすべて臭い匂いを発するわけではなく、数輪に一本程度で匂いを発していた。
この匂いは昆虫を引き寄せるための花の戦略と言う人がいる。そんな単純な話かな?と私にはそういう気持ちもあるが、実際に蝶や蜂が多数舞っていたことは事実。
また匂いを発するある一輪の花には白く大きな蜘蛛も潜んでいた(白い蜘蛛って初めて見るかも、珍しい)。近寄る昆虫を狙っているように見えた・・花 vs 蜜を求める昆虫 vs 昆虫を狙う昆虫・・生物界のエコシステムを見る思い。
心地よい蕎麦丘陵
長年の「臭い蕎麦の花を嗅ぐ」というミッションがこの日、成就した、ハッピーである。満開の蕎麦畑の中でこのまま眠ってしまいたくなるような心地よさがあった。
念のため・・七国山ファーマーズセンターの施設内に入り、管理人さんらしきご高齢のおじさんに話を聞かせてもらった。現地の人の話はなにより貴重である。
地元の人のお話
そのおじさんは農家さんでも実際に栽培されている方でもないが、地元の方で蕎麦にも詳しかった。蕎麦の花の匂いについてお聞きすると、臭いと感じたことはないとのことだった。蕎麦の花に匂いがあること自体、認識がない模様だった。
まあ、確かに意識しないと感じないレベルである。このレベルが日本全国、全世界同じなのか、それとも品種や土地によって違うのか不明だが、少なくとも七国山の蕎麦畑は「気にしなければ感じないくらいの匂い」だと思う。
トトロの山
余談だが、町田「七国山」の東側には南北に鎌倉街道が走っている。実は当社に近い東村山・所沢には七国山に似た名前の「八国山(はちこくやま)」がある。
山と言うよりどちらも丘陵だが、偶然にも八国山の東側にも南北に鎌倉街道が走る。鎌倉街道は何本もありこれらは別々の道ではあるが、この偶然がよい(さらに言えば当社は鎌倉街道沿いにある・・それはどうでもいいか・・)
八国山は『となりのトトロ』の舞台だが、お母さんが入院していた病院は、なぜか「七国山病院」と命名された。宮崎さんはどちらの山もよくご存じのことなんだろう、とこのとき感じた。
武蔵野の山を巡れたこともこの日の収穫だった。

(2025-09-28)
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