( 香水工場の )
香る生活
今年のローズオイル、できばえは?
(2025/09/10)
( ダマスクローズ=ローズオイルの代表的品種 )
ローズオイル=ローズ精油は香水にとって最も重要な原料の一つ。
当社は、ブルガリアの特定の蒸留所さんから直接仕入れるケースが多い。こちらの蒸留所さんは自社農場を運営しバラの生育にも直接関わっているので、バラに関するリアルな情報もありがたい。そして長年の取引があり信頼関係もあるので安心。
業界以外の方だと、お金さえ出せばどんな原料も買えると思う人は多いだろうが、香料植物に関しては、お金+アルファが取引の基本。アルファとは、信用とか信頼関係といった、すごく人間関係的な部分のこと。
それがないと売ってもらえなったり、場合によっては混ぜ物や怪しげな物をつかまされたりということもある。
天然香料の混ぜ物って分析装置で分析してもほぼ判別できないので、買う側も取引相手が信用できるところでないと購入しにくい。
どこからか直接飛び込みコンタクトがあったり、ネットなどに破格の精油を販売している情報があったりするが、まともな香水メーカーなら、たんに安いからという理由では絶対に飛びつかない。
(他業種の経験がないからよくわからないが)こういう信用関係ベースの商習慣は、まだまだいろいろな分野で残っているのではないかと思う。たとえばコーヒー豆の取引なども同じではなかろうかと空想したりする。
ブルガリアにおけるダマスクローズの花の収穫は例年5月~6月。事前情報では今年のブルガリアは5月、例年より寒くて収穫が遅れたとのこと。
日本もこの5月は比較的涼しく「今年の夏はこのまま低温=冷夏になるのでは?」と密かに期待していたが、6月に入ると急に暑くなり、フタを開ければ、2025年の夏(6~8月)は日本の観測史上一番厳しく猛暑として記録されることになった。
ブルガリアも5月から一変、6月に入るとシャープに気温が上がったとのこと。これはバラの生育にはあまりよくないし、収穫日が短期間に集中することになるので、今年のオイル品質と収量、どちらにとってもあまりよいニュースではない、心中心配していた。
さて今年も今年のローズオイルができあがってきた。空輸されてきたオイルを開封しスメリングを行うことは毎年、当社の夏の風物詩になっている。
( 今年の出来映えはいかに? 2025/08/28 )
さっそく届いたローズオイルをスメリングした。いつものダマスクローズだった。蜂蜜を思わせる濃厚な香り。豪華な雰囲気が迫り、気持ちが上向く。ローズオイルには信仰心に近い敬虔な気持ちにさせられる。
ひとまず例年のダマスクローズの香りだった、一安心である。ただし、例年より少しあっさりめかと感じた。
グリーン感が強すぎたり濃厚すぎると、一部のお客様には許容値からはみ出し、どうかすると具合が悪くなったりする。一方であっさりすぎると物足りなくなる。今年の出来映えは、個人的にはもう一段濃厚さが欲しいところだが、あっさり目である部分は、逆に使いやすくメリットもある。
もしかしたらワックス成分の含有量も少な目かもしれない。ワックスが多いと冬場に凝固しやすいし、オリの発生も心配になるが、この点も今年は扱いやすいのではないかと期待している。
このオイルを使用した最初の製品は12月リリースの『ローズの贈り物』になるだろう。

(2025-09-10)

精油取引は信用が大切なんだ
ローズオイル=ローズ精油は香水にとって最も重要な原料の一つ。
当社は、ブルガリアの特定の蒸留所さんから直接仕入れるケースが多い。こちらの蒸留所さんは自社農場を運営しバラの生育にも直接関わっているので、バラに関するリアルな情報もありがたい。そして長年の取引があり信頼関係もあるので安心。
業界以外の方だと、お金さえ出せばどんな原料も買えると思う人は多いだろうが、香料植物に関しては、お金+アルファが取引の基本。アルファとは、信用とか信頼関係といった、すごく人間関係的な部分のこと。
それがないと売ってもらえなったり、場合によっては混ぜ物や怪しげな物をつかまされたりということもある。
天然香料の混ぜ物って分析装置で分析してもほぼ判別できないので、買う側も取引相手が信用できるところでないと購入しにくい。
どこからか直接飛び込みコンタクトがあったり、ネットなどに破格の精油を販売している情報があったりするが、まともな香水メーカーなら、たんに安いからという理由では絶対に飛びつかない。
(他業種の経験がないからよくわからないが)こういう信用関係ベースの商習慣は、まだまだいろいろな分野で残っているのではないかと思う。たとえばコーヒー豆の取引なども同じではなかろうかと空想したりする。
暗雲漂う事前情報
ブルガリアにおけるダマスクローズの花の収穫は例年5月~6月。事前情報では今年のブルガリアは5月、例年より寒くて収穫が遅れたとのこと。
日本もこの5月は比較的涼しく「今年の夏はこのまま低温=冷夏になるのでは?」と密かに期待していたが、6月に入ると急に暑くなり、フタを開ければ、2025年の夏(6~8月)は日本の観測史上一番厳しく猛暑として記録されることになった。
ブルガリアも5月から一変、6月に入るとシャープに気温が上がったとのこと。これはバラの生育にはあまりよくないし、収穫日が短期間に集中することになるので、今年のオイル品質と収量、どちらにとってもあまりよいニュースではない、心中心配していた。
今年の出来映えはいかに?
さて今年も今年のローズオイルができあがってきた。空輸されてきたオイルを開封しスメリングを行うことは毎年、当社の夏の風物詩になっている。

さっそく届いたローズオイルをスメリングした。いつものダマスクローズだった。蜂蜜を思わせる濃厚な香り。豪華な雰囲気が迫り、気持ちが上向く。ローズオイルには信仰心に近い敬虔な気持ちにさせられる。
ひとまず例年のダマスクローズの香りだった、一安心である。ただし、例年より少しあっさりめかと感じた。
グリーン感が強すぎたり濃厚すぎると、一部のお客様には許容値からはみ出し、どうかすると具合が悪くなったりする。一方であっさりすぎると物足りなくなる。今年の出来映えは、個人的にはもう一段濃厚さが欲しいところだが、あっさり目である部分は、逆に使いやすくメリットもある。
もしかしたらワックス成分の含有量も少な目かもしれない。ワックスが多いと冬場に凝固しやすいし、オリの発生も心配になるが、この点も今年は扱いやすいのではないかと期待している。
このオイルを使用した最初の製品は12月リリースの『ローズの贈り物』になるだろう。

(2025-09-10)
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