( 香水工場の )
香る生活
キクとヨモギ、香りがステキ
(2026/04/04)
( 菊 & 蓬・・香り高し )
今年5月、当社往年の香り『菊』をリバイバルすることとなった。2000年代にリリースしたものの人気ふるわず10年くらいで引退となった香りである。
個人的にはとっても自分の好みに合う香りで気に入っていたが、市場は弱肉強食の世界、売れなければやはりそういう結果になる。
しかし天は見放さなかった。
昨年実施した「復刻したい香りの人気投票」でなかなかの票を獲得し、今回限定ながら『上海』とともに『菊』が復活することとなった。
お客様の中には少数ながら『菊』リバイバルをとても喜んでくださっている方もおられる。メールをいただいた。
「半年前からリバイバルを楽しみにしておりました。しかし、4mLボトルしかなく、しかも『お一家族2本まで』!・・厳しすぎる」といった強い不満が感じられる文面だった・・ありがたいやら申し訳ないやら・・
しかし、25mLボトルを出しても、おそらく売れない。そして本数制限をしないと、すぐにメルカリで転売祭りになるといった事情もある。苦しいところである。
復刻リリースでのお客様の評価次第だが、場合によって「25mLボトル」の後追いリリースもないことはないと感じている。
急激に悪化する日本の経済状況を考えれば、遊びで出すわけにはいかないが、出せればうれしい・・という私の内なる叫びは、ここではおいといて、今日は『菊』リリースに先立ち、キクの香りをヨモギとの関係で話してみたい。
ヨモギとはそこかしこに自生している草。昭和生まれの我らにとってヨモギ=薬草のイメージだが、現代人はなかなか触れないので香りを知る人は少ないだろうか。
私は動き回る割に慎重さがない愚かな子供だったので、当時は切り傷・擦り傷・ケガが絶えなかった。
外で転んで血が出ると道端にはえていたヨモギを引きちぎり、手で汁が出るまで揉んで患部に当てたものだ。
アロエとヨモギは私には万能薬だった。切り傷・擦り傷はもちろん、火傷(やけど)・歯痛まで世話になった(本当に効果があったかどうかよくわからないが、何かあれば、とりあえずアロエかヨモギだった)。
また摘み立てのヨモギの葉を練り込んだ草餅もすばらしい香りで、草を食む羊か馬になった気分を味わえた(現在、近所のスーパーでもヨモギ餅は売っているが、あの頃のようなヨモギ臭迫るお餅にはなかなか出会えない)。
そんな体験のせいか、ヨモギの香りには薬草的な印象とともに懐かしさや安心感が感じられる。
あのヨモギの香りを特徴付けている成分の一つが「エストラゴール(estragole)」とされる。
エストラゴールを単品で嗅ぐと奥まった甘さの中に哲学的な深みを感じるふしぎなニオイがある。
みなさんは、もしかしたら「エストラゴン」(英語名:タラゴン)という植物を聞いたことがないだろうか?
エストラゴンはフランスで人気があるハーブでありエストラゴールを多く含む。エストラゴールという名称自体が植物エストラゴンから命名されたものだろう。
Googleでエストラゴンを検索したら、Geminiさんにこう返答された:
誰が「ハーブの王様」と称しているのか疑惑はあるもののフランス人に相当愛されている状況はよく伝わってくる。
どんな香りかと言えば?・・スパイス会社さんのサイトから借用する:
エストラゴンは、一般にはよく「アニスに似た香り」と書かれるが、アニスを知っている日本人は多くないので私たちにはエスビー食品さんの説明はよくできている気がする。
「甘さ&爽やかの同居」は大陸系の香辛料には珍しくないが、我ら日本人には少し馴染みが薄いテイストだ、若干の異国情緒があるのだ。
このエストラゴン、実はヨモギなのだ。
日本の道端にはえているヨモギとは品種が若干違っており、日本名では「ホソバ・アオ・ヨモギ(細葉青蓬)」と呼ばれるが、まあヨモギである。
ヨモギはヨーロッパで格調高いハーブとして愛されている。住むところは違っても味や香りは人類共通に理解されるのだろう。うれしい気持ちもある。
意外かもしれないがヨモギは「キク科」。ヨモギとキクの関係は「キク科ヨモギ属」と「キク科キク属」の関係、仲間である。
そう言われれば葉っぱのギザギザ具合が似ていることを思い出す方も多いかも。
さらに、香りも似ている部分あるよな~と思わないだろうか?
キクに混じる薬草的な香りの正体はエストラゴールである。つまりヨモギやエストラゴンの香り成分と同じなのだから似ていてもふしぎでない。
キクの生花はエストラゴールの上にお花のフローラルな香りが加わることで、品格と美しさが両立する香りへと昇華している・・と私は解釈している。
厳粛の中に哀愁を帯びたフローラルの美しさは、バラやジャスミンなど圧倒的に豪華な花とはまた違った存在感がある。香りの好きさ加減も甲乙付けがたい。
14年ぶりの『菊』のリリース・・一度は敗退した香りだが、今回みなさまにお気に召してもらえるのか、緊張するな~

(2026-04-04)

『菊』リバイバル
今年5月、当社往年の香り『菊』をリバイバルすることとなった。2000年代にリリースしたものの人気ふるわず10年くらいで引退となった香りである。
個人的にはとっても自分の好みに合う香りで気に入っていたが、市場は弱肉強食の世界、売れなければやはりそういう結果になる。
しかし天は見放さなかった。
昨年実施した「復刻したい香りの人気投票」でなかなかの票を獲得し、今回限定ながら『上海』とともに『菊』が復活することとなった。
お客様の中には少数ながら『菊』リバイバルをとても喜んでくださっている方もおられる。メールをいただいた。
「半年前からリバイバルを楽しみにしておりました。しかし、4mLボトルしかなく、しかも『お一家族2本まで』!・・厳しすぎる」といった強い不満が感じられる文面だった・・ありがたいやら申し訳ないやら・・
しかし、25mLボトルを出しても、おそらく売れない。そして本数制限をしないと、すぐにメルカリで転売祭りになるといった事情もある。苦しいところである。
人気があれば25mLボトルも?
復刻リリースでのお客様の評価次第だが、場合によって「25mLボトル」の後追いリリースもないことはないと感じている。
急激に悪化する日本の経済状況を考えれば、遊びで出すわけにはいかないが、出せればうれしい・・という私の内なる叫びは、ここではおいといて、今日は『菊』リリースに先立ち、キクの香りをヨモギとの関係で話してみたい。
ヨモギの香り
ヨモギとはそこかしこに自生している草。昭和生まれの我らにとってヨモギ=薬草のイメージだが、現代人はなかなか触れないので香りを知る人は少ないだろうか。
私は動き回る割に慎重さがない愚かな子供だったので、当時は切り傷・擦り傷・ケガが絶えなかった。
外で転んで血が出ると道端にはえていたヨモギを引きちぎり、手で汁が出るまで揉んで患部に当てたものだ。
アロエとヨモギは私には万能薬だった。切り傷・擦り傷はもちろん、火傷(やけど)・歯痛まで世話になった(本当に効果があったかどうかよくわからないが、何かあれば、とりあえずアロエかヨモギだった)。
また摘み立てのヨモギの葉を練り込んだ草餅もすばらしい香りで、草を食む羊か馬になった気分を味わえた(現在、近所のスーパーでもヨモギ餅は売っているが、あの頃のようなヨモギ臭迫るお餅にはなかなか出会えない)。
ヨモギの香り成分
そんな体験のせいか、ヨモギの香りには薬草的な印象とともに懐かしさや安心感が感じられる。
あのヨモギの香りを特徴付けている成分の一つが「エストラゴール(estragole)」とされる。
エストラゴールを単品で嗅ぐと奥まった甘さの中に哲学的な深みを感じるふしぎなニオイがある。
みなさんは、もしかしたら「エストラゴン」(英語名:タラゴン)という植物を聞いたことがないだろうか?
エストラゴンはフランスで人気があるハーブでありエストラゴールを多く含む。エストラゴールという名称自体が植物エストラゴンから命名されたものだろう。
ハーブの王様:エストラゴン
Googleでエストラゴンを検索したら、Geminiさんにこう返答された:
エストラゴン(タラゴン)は、特にフランス料理において『ハーブの王様』や『食通のハーブ』と称されるほど、非常に重要で特徴的なハーブ
誰が「ハーブの王様」と称しているのか疑惑はあるもののフランス人に相当愛されている状況はよく伝わってくる。
どんな香りかと言えば?・・スパイス会社さんのサイトから借用する:
甘さと独特の爽やかな風味をもつハーブ。噛むと少し刺激的な味わい(S&B食品)
エストラゴンは、一般にはよく「アニスに似た香り」と書かれるが、アニスを知っている日本人は多くないので私たちにはエスビー食品さんの説明はよくできている気がする。
「甘さ&爽やかの同居」は大陸系の香辛料には珍しくないが、我ら日本人には少し馴染みが薄いテイストだ、若干の異国情緒があるのだ。
このエストラゴン、実はヨモギなのだ。
日本の道端にはえているヨモギとは品種が若干違っており、日本名では「ホソバ・アオ・ヨモギ(細葉青蓬)」と呼ばれるが、まあヨモギである。
ヨモギはヨーロッパで格調高いハーブとして愛されている。住むところは違っても味や香りは人類共通に理解されるのだろう。うれしい気持ちもある。
キクとヨモギは同じ仲間?
意外かもしれないがヨモギは「キク科」。ヨモギとキクの関係は「キク科ヨモギ属」と「キク科キク属」の関係、仲間である。
そう言われれば葉っぱのギザギザ具合が似ていることを思い出す方も多いかも。
さらに、香りも似ている部分あるよな~と思わないだろうか?
キクに混じる薬草的な香りの正体はエストラゴールである。つまりヨモギやエストラゴンの香り成分と同じなのだから似ていてもふしぎでない。
キクの生花はエストラゴールの上にお花のフローラルな香りが加わることで、品格と美しさが両立する香りへと昇華している・・と私は解釈している。
厳粛の中に哀愁を帯びたフローラルの美しさは、バラやジャスミンなど圧倒的に豪華な花とはまた違った存在感がある。香りの好きさ加減も甲乙付けがたい。
14年ぶりの『菊』のリリース・・一度は敗退した香りだが、今回みなさまにお気に召してもらえるのか、緊張するな~


