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( 香水工場の )

香る生活


新シャワージェル、シンプル石鹸系で
生産計画が立たないまま在庫が底をつきそうな「シャワージェル」。方向性がようやく決定しました。詳細仕様はまだ作業中ですが、今度のシャワージェルは、石鹸系になりそうです。

「シンプルな成分構成で行きたい」・・・というのが当社シャワージェルの開発当初からの考え方でした。

多くの市販シャンプーやボディーソープの成分は20種類以上、どうかすると40以上も様々な成分が配合されていますが、このような複雑な処方は避けたいと思いました。

その結果、現在のシャワージェルは12成分で構成されていますが、さらにシンプルにしたいと考えています。

「洗う」「香る」の基本機能に焦点を合わせます。

シンプルにするには、合成洗剤系をやめ石鹸系にするのがよさそうです。石鹸といってもジェル状石鹸になります。一般的には石鹸シャンプー・液体ソープと呼ばれます。

石鹸とは、伝統的にはヤシ油やオリーブオイルなどの油脂をアルカリ(苛性ソーダ、苛性カリ)で煮て製造される石けん素地を主原料にした洗剤です。石けん素地の成分は、脂肪酸Naや脂肪酸Kです。

たとえば、ヤシ油から製造される「石けん素地」は、ヤシ油脂肪酸ナトリウムやヤシ油脂肪酸カリウムです。

オリーブオイルから製造される「石けん素地」は、オリーブ脂肪酸ナトリウムやオリーブ脂肪酸カリウムです。

紀元前から藁や木材を燃やした灰に植物油などを加えて固めたものには洗浄力があることが経験的に知られていました。日本でも竃の灰で食器を洗うという習慣がありました。

(灰にはアルカリ成分が含まれます。もともと「アルカリ」とは「灰」を意味するアラビア語だとか)

石鹸は紀元前すでに使用されていたそうで製法も原理的には現在の製法と大差ない伝統的なトイレタリー。

水温が20度以下になると洗浄力が落ちるなどの弱点があるものの「素朴さ」という意味ではシャワージェルにぴったりです。

環境負担も少なく廃液は容易に河川中の金属成分と反応し石鹸カスとなり、自然界の中で自然分解され自然界に還るとされます。

欠点として、石けん素地は、合成洗剤系成分よりコストが割高になること。しかし、環境への負荷も比較的少ないことから愛用者が増加傾向にあることは励みです。

また、合成洗剤系に多く見られがちな洗ったとの滑り(ヌメリ)が、石けん系には少ないので洗い落とした後の感触がよくなると期待して現在実験を繰り返しています。




※苛性ソーダとは?・・・水酸化ナトリウム
※苛性カリとは?・・・水酸化カリウム
※石けん素地とは?・・・動植物油をアルカリ(苛性ソーダや苛性カリなど)を反応させて生成された洗剤。通常、固形石鹸は苛性ソーダで、液体石鹸は苛性カリで生成されたもの。


(2007-09-10)
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