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( 香水工場の日常 )

金木犀の開花、昨年の13日遅れ
キンモクセイの香りを感じますか?

みなさんの近所はいかがでしょうか?早くから咲き始めた地域もあるようですが、東京は昨日咲き始めました。私の記録によれば昨年の東京の開花は9月23日でした。残暑が厳しかったためでしょうか?今年はかなり遅れました。

これから10日間くらいは台風が来ないことを祈るばかりです。台風は花を落としてしまいますので一晩で見頃(というより香頃?)が台無しです。嵐の翌朝、オレンジ色の花が地面を見事に埋め尽くす光景も、また見応えがあるもの確かではありますが。

この金木犀の花から香りのエッセンスを取り出したいと願うのは私だけではないようです。金木犀茶(桂花茶)や金木犀酒(桂花酒)にして金木犀を楽しむ中国人の食文化は相当深いものがありそうです。桂花は厳密には金木犀とはやや品種が違うそうですが、金木犀があれば間違いなく金木犀茶や金木犀酒になってしまうのがあちらの食の流儀。そんな中国人も金木犀のエッセンス抽出は考えなかったようです。

ある国営公園さんからお問い合せが来ています。園内のキンモクセイから精油を抽出してその公園オリジナルの香りの商品ができないかどうかという内容です。金木犀の天然精油の抽出は産業的に非常に厳しく世界的にもごく限られたところでしか生産していません。

当然日本でも産業として成立していません。それゆえ流通もかなり限られています。おもしろいことに香料会社の方々さえ金木犀の天然精油に触れたことがある人はもちろん、見たことがある人でさえごくわずかと思われます。

それだけ稀少です。

日本では数十年前、大手菓子メーカーさんがキンモクセイ風味(フレーバー)のチューインガムを発売されていました。人から聞いた話で詳細や事実関係は不明ですが、そのとき金木犀の天然精油が使用されていたとのこと。もちろんゴールドよりプラチナより高価な金木犀の精油をチューインガムに使用するにはごくごく微量のことだったろうと推測されますが、微量とはいえ心意気がいいですね。

この案件の金木犀はダメモトで調査です。その公園には簡易水蒸気蒸留装置がありますが溶剤抽出でないと香りを傷める可能性大です。

公園事務所の担当者と打ち合わせ。

(国分)「で、大量の新鮮な花が必要になりますが、花摘みは誰が?」
(ご担当者)「花摘みも含めて、是非トータルサポート、よろしくお願いします!」


いずれにしても、もし何かが出てくるとしたら、来年の金木犀の季節でしょうか。

天然植物とのお付き合いはロングスパン。腰を据えて・・・



(2007-10-07)

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