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ハゼ蝋で作る安眠キャンドル
ハゼの実から獲れるワックスについては、ちょうど昨日「九州の櫨」のシリーズを終えたばかりですが、実は数日前「香りのキャンドル」試作を行うため再度九州・福岡に行ってきました。

今年2回目の九州出張、すっかり紅く紅葉したハゼの木にはブトウの房のようにたわわと実っており、ちょうど収穫の時期です。摘み取りで忙しい荒木製蝋さんにまたもやお邪魔してロウソクの試作です。

今回私が持参した香料は、安眠ハーブとして有名なハーブ「バレリアン」成分を配合したもの。全体の香りとしてはとってもクセがあいます。お寺などで燃やしたら人をやや恍惚とさせてくれるかもしれません。

さっそく工場の技術の方と打ち合わせ。速攻「アロマキャンドル」作りは難しありません。オリーブ色したハゼ蝋の塊(かたまり)をご家庭によくある普通のアルミ鍋に入れて火にかければすぐに溶けはじめます。

ハゼ蝋の塊は、色も感触も天然オリーブ石鹸のようです。もっといえば、天然オリーブ石鹸はとっても油臭い匂いがしますが、ハゼ蝋の塊が溶け出すと、ちょうどオリーブ石鹸のようなの油臭い匂いをさらに強く練ったような粘度のある匂いがラボに充満します。

融点は53度前後で、一般的なパラフィンやミツロウより低いので溶けやすいのですが、このあと冷ましても固まりにくいので、ここは逆に扱いにくい要素です。特に夏場は作業しにくい点です。しかし、融点が低いため溶けた蝋による火傷の危険性が低いのは利点です。

ハゼ蝋が完全に溶けたところで、煮込まないうちに香料を規定量垂らすします。香料は通常油溶性で脂肪酸やワックスとの相性は悪くありません。分離もしないし化学変化もせず均一に混じり合います。

それを木製の型に流し込んで、半時間ほどで試作完成です。

実験は、火を付ける前のキャンドルの匂いと、炎で香料が燃やされた場合の匂いなどを確かめます。

ところで、「安眠キャンドル」っておもしろいアイデアですが、眠ってしまったら危ないですね。しかし、今のところこの匂いで眠くなる人はおらず、逆に目がさえるという人が多いのは、想定外の結果です。

なお、ハゼ蝋(木蝋・モクロウ)には「生蝋」(しょうろう)と「白蝋」(はくろう)があります。文字通り、ハゼの実を絞っただけの生蝋はオリーブ色ですが、一ヶ月以上天日に晒した白蝋は、真っ白になります。和蝋燭は白蝋から制作される場合はほとんどですが、私たちは生蝋に重点を置いて、キャンドルやリップクリームの制作を考えています。


ハゼ蝋(ハゼの実から採れる木蝋)
ハゼ蝋(ハゼの実から採れる木蝋)
ハゼ蝋(ハゼの実から採れる木蝋)
ハゼ蝋(ハゼの実から採れる木蝋)

(2007-12-09)
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