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( 香水工場の )

香る生活


「そういう私もゲランの夜間飛行にあこがれて・・・」
当社の香水を長年ご愛用いただいているお客様さまからいただいたメールの中にこのような一節がありました。

「・・・そういう私もゲランの夜間飛行のトワレにあこがれて使い始め(今は廃盤なんです・・)」

個人的なこと、身の上的なことはあまりお話にならないお客様です。なにかの連絡にふと入り込んでことばに物語があるな〜と思った瞬間でした。

彼女はゲランの「夜間飛行」で香水の世界にはまり込んだんですね。香水が好きな人には、多くの場合、きっかけとなる想い出の、おそらくショックを受けた香水があるようです。当社のパフューマーの一人は、前にも書いたかもしれませんが、資生堂「ノンブル・ノアール」に感動したと言っていました。

まあ、なんと「夜間飛行」も「ノンブル・ノアール」も今ではなかなか手に入りません。もし手に入っても昔の感動が蘇るかどうか自信はありません。なぜなら人は変わりますから。むしろ想いので中にとどめておく方が美しい香りかもしれません。



ところで、ゲランの「夜間飛行」。ご存じない方に少し解説させていただきます。

調香はジャック・ゲラン氏。香水の名門一族ゲラン家のパフューマーです。ジャックの作品には他に「ミツコ」「シャリマー」などがあります。「ミツコ」にも、もううなされるくらい熱いファンがいることで有名です。

ジャックの友人に小説作家がいました。彼の名はアントワーヌ・ド・サン・テグジュペリ。

聞いたことありますか?テグジュペリ?、テグジュペリ?、・・・私は知りませんでしたが、飛行機乗りにして『星の王子さま』(Le Petit Prince)の作者といえば、ああ、という感じでしょうか。

彼の作品の一つ、というより代表作の一つが『夜間飛行』(Vol de Nuit、1931年)です。ゲランの『夜間飛行』(1933年)。どういういきさつでジャックが名香「夜間飛行」を制作したのか、もう手に取るようにわかりますね。



テグジュペリの小説『夜間飛行』についてはWikiから引用させていただきます。

---------------(引用)----------------
アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリ『夜間飛行』

サン=テグジュペリ自身の飛行機乗りの経験を活かしたリアリズムにあふれる作品。夜間飛行という危険きわまりない事業の中で浮き彫りにされる、人間の尊厳と勇気が主題になっている。

また、通信機・エンジン・飛行士の会話など、作者自身の経験を活かしたリアルな描写は、郵便飛行開拓期の歴史的史料としての価値も高い。(飛行機の歴史参照)。またフランスの植民地文学としても白眉である。
-----------(引用ここまで)------------

(2008-01-11)
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