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( 香水工場の )

香る生活


プレステージ奪回を狙う香水業界 1
10年前、みなさんの香水に対するイメージってどんな感じでしたか?

香水には高級感が漂う雰囲気がありませんでしたか?

香水メーカーというば、世界の名立たるブランドさんばかりで、百貨店の入り口近くで荘厳な雰囲気で売られていたものです。当然子供のお小遣いで買えるようなものでなく、子供達は近寄っていけない神聖な売場でした。

ところが、1997年化粧品の実質的な輸入自由化が実現すると、高級感がある香水は、化粧品の中で輸入してもウマ味がある最初で最大のターゲットとなりました。香水に伴うプレスティージャスなイメージがその理由です。香水の並行輸入業者がタケノコのように生まれたのはこの時期です。

私たちにとって特別な機会にしか手の届かなかった百貨店や香水専門店のブランド香水は、すぐに新興の香水専門店(この時期に生まれた香水専門店も少なくありません)、セレクトショップ、雑貨屋さんへと浸透していきます。そして、最終局面ではカー用品店やディスカウントショップでワゴンセールされるところまで行きました。

欧米でも過去10年間、似たような体験をしました。デザイナーズブランドにとって、シーズンごとに流行が変わるファッションと違い、ある程度持ちがよく量産が許される香水は絶好の稼ぎ頭。多くのブランドさんがファッションの開発費の穴を香水で埋めることが行われていた時期もあります。香水はブランドの商品ポートフォリオとしては、ハンドバックや靴や時計より優れているかもしれません。

そんな事情から香水は量産される結果となりました。

世界的に香水はだぶつき、行き場を失った過剰香水や売れ残りは世界の並行輸入ルートに流れます。香港、モスクワ、東京、大阪・・・このへんがダブついた香水の最終行き場・墓場といった時代がしばらく続きました。結果的に私たちの町の雑貨屋さんのワゴンの中で死に体で叩き売られるという光景はご記憶の通りです。

加えて、日本ではあまり話題になりませんが、欧米ではセレブ香水のリリースラッシュも香水をチープな商品に陥れた原因と言われています。今年もセレブ香水ラッシュは絶え間なく、マスコミの取り上げ方も次第に小さくなってきている印象を受けます。大ヒットを狙うにはベッカムさんまでで、もうそろそろ限界です。

このような現象を香水業界では「香水のコモディティ化」と呼びます。コモディティとは日用消耗品や生活雑貨のことです。香水はすでにコモディティです。

しかし、もともと香水はヨーロッパでも日本同様、高価なもの、特別なものというイメージがありました。香水業界は現在の荒廃したフレグランスマーケットを嘆き、香水を再度プレステージの場に引き戻そうと画策を始めています。

プレステージ性の回復を狙う香水産業について、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(International Herald Tribune)誌からおもしろい記事を数回に分けてご紹介します。たぶん、消費者の方より業界関係者の方に興味を抱いてもらえるかもしれません。

インターナショナル・ヘラルド・トリビューンとは、ニューヨーク・タイムズの傘下のパリに本部をおく英字新聞です。

なかなかよいことが書かれています。さっそく見ていきましょう。


Perfume industry aims to regain prestige
プレステージ奪回を狙う香水業界


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(2008-02-12)
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