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( 香水工場の )

香る生活


香水の種類分け #4
「香水の種類と分類」の4回目。下記は香水タイプ・種類分類方法の一つです。

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(1). フローラル・タイプ(花束をイメージ)
(2). アルデハイド・タイプ(モダンなイメージ)
(3). グリーン・タイプ(緑をイメージ、ユニセックス)
(4). フルーティ・タイプ(果物をイメージ)
(5). ウッディ・タイプ(樹木をイメージ、知的)
(6). シプレー・タイプ(オークモスとベルガモット、格調)
(7). フゼア・タイプ(メンズ)
(8). タバック・レザー・タイプ(葉巻タバコと皮革、ダンディ)
(9). オリエンタル・タイプ(東洋、エキゾチック)
(10).シトラスコロン・タイプ(柑橘系、爽やか)
(11).マリーン・タイプ(海をイメージ)
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きょうは(8).タバック・レザー・タイプ(葉巻タバコと皮革、ダンディ)のウンチクです。

タバコ(とくに葉巻や刻みタバコ)や革の匂い、ということであればこれは渋いオヤジたちの象徴ですね。ダンディオヤジやちょいワルオヤジといったところですか。

まずはタバコ。タバコはタバコの葉を刈り取り乾燥させ、発酵させてフレーバーなどを加えて作ります。タバコという天然のハーブをそのまま使用しますので、ほぼ天然100%素材でできます。ですのでタバコはとってもナチュラルで自然でピュアな嗜好品です。

日本で通常普及している紙巻きタバコはそうでもありませんが、タバコの葉本来の味わいが味わえる葉巻や刻みタバコの香り高さは、人を恍惚とさせる香りです。葉巻の匂いを味わえば、人類がタバコと決別できない理由もわかります。

問題はニコチンによる中毒症状とタールなどの有害成分。これらがなければ今後も永遠に繁栄を極めるはずだったハーブです。


次にレザー。動物の皮革ですね。皮革製品の「皮革」(ひかく)の意味をご存じですか?

皮革とは、動物の「生皮」と「なめした革」のことですが、普通はなめし加工された皮の総称を指します。レザーとは皮革の意味ですので加工された動物の皮の総称・皮革製品。 たとえば牛を裂いて食肉にした際、皮が出ますが、これ自体はご想像のとおり大変な代物です。表皮の脂肪や肉を削り取り、ある種の薬剤に付けて乾燥させて、という工程を得て皮革製品・レザーとなります。

余談ですが、実は香水の歴史は、皮革製品とは縁が深いのです。香水の都、南仏フランス・グラースはもともと「皮革手袋」の一大産地でした。皮革自体は相当「濃い匂い」がしますのでその消臭や香り付けのためにジャスミンやローズ、ミモザなどの香料が生産され「香料産業」が生まれ、香料を生かした「香水産業」へと変遷していったのです。

その相当濃い匂いの皮革も年月が経過するに従って穏やかな香りへと変化します。レザーの香りとは、このへんの香りをイメージすればよいかと思います。

たとえば、高級車に乗り込んだとき社内に満ちているレザーの香り。本革張りシートや本革張りダッシュボードから漂う香り。お好きですか?心落ち着きますよね。映画のワンシーンのようです。

ヨーロッパ人の男性は、ことのほかこの香りが好きなようです。元来狩猟民族だった彼らにはその血流の中に、野獣を仕留める熱望と意志と記憶が流れているのでしょう。

日本人は元来農耕民族で狩猟のDNAは少ない方ですし、特に現代人は男性の女性化傾向が進んできており、レザーの香りを比較的好きな人は多いものの、ヨーロッパ人ほどにはレザー・タイプに激しく共感する日本人は多くないように思います。実際、このタイプの香水も日本市場ではあまり見かけません。

しかし、ヨーロッパでもアメリカでも日本同様、男性の植物志向、ハーブ志向、ナチュラル志向、ライト志向、女性化が進行中です。イギリスではついに伝統あるキツネ狩りも「キツネ狩り禁止法」施行で禁止となりました。タバック・レザー・タイプの香水の行方も万全ではないようです。


(2009-01-29)
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