香水Bizブログ

日本の香水メーカー武蔵野ワークス
香水創りのブログ (誤字脱字多し、気になる方は近づかないで欲しい)

香水の種類分け #9
「香水の種類と分類」の最終回。
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(1). フローラル・タイプ(花束をイメージ)
(2). アルデハイド・タイプ(モダンなイメージ)
(3). グリーン・タイプ(緑をイメージ、ユニセックス)
(4). フルーティ・タイプ(果物をイメージ)
(5). ウッディ・タイプ(樹木をイメージ、知的)
(6). シプレー・タイプ(オークモスとベルガモット、格調)
(7). フゼア・タイプ(メンズ)
(8). タバック・レザー・タイプ(葉巻タバコと皮革、ダンディ)
(9). オリエンタル・タイプ(東洋、エキゾチック)
(10).シトラスコロン・タイプ(柑橘系、爽やか)
(11).マリーン・タイプ(海をイメージ)
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書き連ねてみると長くなって9回の連載になりました。今日は最終回。統括します。

香水の原点は「花」です。異論は多いと思いますが、私は個人的にそう感じています。

「香木」は、もちろん香水成分としのプレゼンス(存在感)は多大ですが、その起源は瞑想など心理的な影響力が大きいため宗教儀式の中で利用されたと考えられており、個人がファッションや癒しとして楽しむ香水となると香水の起源「花」が一番しっくり想像できます。

香水に対する憧れ・モチベーションとして花は大きな目標でした。香水が生まれたヨーロッパでは、花の香りを再現し自分で所有したいと思う女性が多かったに違いありません。花を絞ったり(コールドプレス)、焚いたり(水蒸気蒸留)、溶かしたり(溶剤抽出)して香りのエッセンスを取り出す試行錯誤の中から香水文化が生まれました。

香水の都グラースの歴史はまさに南仏プロバンス地方の穏やかな丘陵地帯に生育する数々の花々の恵みの上に成立しました。フローラルタイプ香水の全盛です。

一方、大航海時代になると新大陸発見やインド航路が開拓され、香辛料やムスクやサンダルウッド(白檀)などヨーロッパ人が今まで知らなかった香料が西洋に運び込まれることになります。それはゴールドやプラチナよりも高価というだけでなく、香水の分野では「今まで体験したことがない新しい香り」だったはずです。

彼らは東洋の香料を一般に「エキゾチック」なものと感じ、これらはオリエンタルタイプ香水と呼ばれるようになります。

さらに時代が進むと化学的プロセスによって次々に合成香料が生み出されるようになります。そんな一つの合成香料クマリンを配合したフジェール・ロワイヤルという製品が大人の男性の香り・メンズ香水として大人気になります。

純度が高い合成香料クマリンが「今まで体験したことがない新しい香り」を演出したのです。

さらにシャネルNo.5によって一大香水トレンドが創り出されます。香水に人の香りとセクシーさを加えた、その立役者は言うまでもなく合成香料アルデハイドでした。この合成香料であるアルデハイドも「今まで体験したことがない新しい香り」でした。

そして、1990年前後、人類にまた新しい香水トレンドが生まれました。アクア系・オゾン系香水です。これを生み出した香料はニューケミカルのキャロンでした。キャロンも「今まで体験したことがない新しい香り」でした。びっくりするおニューな香水でした。

このように香りの種類と歴史を眺めていくと、香水の歴史を大きく動かす瞬間には必ず「今まで体験したことがない新しい香り」、つまり「新しい香料」の存在があります。

次の時代に香水の歴史を動かすモノ、新しい香料は何でしょう?・・・深海を除き地上には人類が踏み込んだことがない秘境はもはや残されておらず、新成分の発見があまり期待できないだけに、次のエポックメイキングな香料もニューケミカルになる可能性は充分に高いと考えられます。

そして、それを狙って世界の香料メジャーたちは今日も分子構造をあれこれ変化させるシミュレーションをコンピュータ上で回しているのではないかと空想します。最先端の新薬開発のように。

一方で、香水の原点フローラルタイプは未だナゾのままです。人類は花の香りの完全な再現という夢を実現していません。それどころか、花に芳香に含まれる成分の完全な解明されできていない状態です。

ニューケミカルを作り出せる最先端技術を駆使できても、香水の原点であるフローラルを極めることができないというのも、また自然の偉大さの側面ですね。

長い連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。

(2009-02-12)
<香水は爆発物?税関で没収の憂き目 | 香水の種類分け #8>
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