Howto
香水入門
香水とブランド
香水入門 6
1. ブランドとは
「ブランド」というワードで、何をイメージしますか?
欧米の衣服や高級バッグ、時計、化粧品などではないでしょうか?
ブランドとはもともと自家の家畜と隣近所の家畜を区別するために、家畜に行った刻印がそのはじまりと言われます。
ブランドは所有者や製造者を示すための刻印でしたが、刻印された品物やサービスの品質の高さが周知されるに従い、ブランドは次第に信頼や信用をも意味するものへと変化しました。
現在でも刻印という意味もありますが、優れた商品やサービスの提供者・運営者の名前であり、その名前に抱かれるイメージです。
イメージは確かな品質と顧客を裏切らない満足感を提供し続けてこそ定着します。
そういう意味で強いブランドイメージを確立できたブランドは時間と市場の要求に耐えた勝者といえます。
2. 香水とブランド
香水はブランドと深い関係があります。
というのも世界で流通している香水はほとんどが世界の著名な高級ブランド(メジャーブランド)によって、製造販売されているからです。
たとえば、ファッションブランドやジュエリーブランドが、化粧品である香水を創ることは本来、畑違いです。
開発能力も設備も不足することが普通です。そういった場合は香料会社や化粧品会社に開発・制作を委託する形態(OEM)を採用することが普通です。
それらの需要を満たすエコシステムが、香水製品の受託開発を専門にする企業の存在です。
たとえば、ニューヨークのInter-Parfums Inc.社は化粧品以外のメジャーブランドや著名なセレブたちの香水開発を得意とする会社さんです。
このような企業が、自社で開発制作をできない・しないブランドさんに香水製品を提供します。
3. 一心同体化する香水とメジャーブランド
香料会社や化粧品会社にとって、香水開発は技術的に可能です。であるにも関わらず、多くの場合、彼らは香水の自社開会には熱心ではありません。
そのため、無名の企業から香水が売り出されるケースは少なく、市販されている香水はどれも高級ブランドのブランド名の冠をかぶる結果となっています。
いわば、香水はメジャーブランドと一心同体の関係となっています。
香水ほど、高級ブランドとこれほど一体化した商品は珍しいでしょう。
たとえば、時計やバックなら、世界的なブランドもありますが、名もなきメーカー製も無数にあります。プライベートブランド、ローカルブランドなどなんでもあります。
ところが香水となると、よほどの専門店にでも行かない限り棚には大手のメジャーブランドの香水しか置いてありません。
4. 高級ブランドに愛される香水
メジャーブランドで、香水を商品ラインアップに加えていないブランドさんは多くありません。
バッグブランド、靴ブランド、時計ブランド、ファッションブランド・・・
なぜこれほど、香水は異業種の高級ブランドに愛されるのでしょうか?