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ムスク香水#2 ムスクの歴史

地上最高の香料 = ムスク


ムスクは、おそらく地上かつ史上「最高の香料」です。

いわば「パワーパフューム」であり「スーパーパフューム」です(*1)。

(*1)「パフューム」には「香料」と「香水」の意味があります。香料と意味で英語にする際は「fragrance ingredient(香り成分)」なんて言ってみますが、過去の経験ではパッとしないですね。英語の得意な方、教えてください。


ヨーロッパ人とムスクの出会い


ムスクは香料ですので漢方薬や医薬品の成分として使用されます。そして香水の原料にもなります。もともと中国で漢方薬の原料として盛んに使用されていました。

ヨーロッパ人がムスクを知ったとき(*2)、あまりの香りの「拡散性」と「持続性」、そして「ムラムラとくる魅力」(媚薬性・官能度)にすぐにとりつかれてしまいます。

(*2)実はヨーロッパにも紀元数世紀には伝えられたようですが、取引が盛んになるのは大航海時代以降です。

アラブ諸国ではムスクは、ヨーロッパ人が気づく前に宗教儀式や権力者の嗜好品としてすでに使用されており、日本でもお香や香道で使用されていました。


日本のムスク


日本でのムスクは、おそらく漢方薬需要が一番高かったのでは?そして、超高価だったはずです(今でも高価ですが)。

当時、ムスク取引は白檀貿易や伽羅貿易などとともに当時のメジャー海外交易。ビッグビジネスだったと推測されます。

ヨーロッパ人の大航海へのモチベーションは、ゴールドより、むしろ香料や香辛料でしたので、人を動かす力があるんですね。おもしろいです、香料は。


ムスクの香りと官能


さて、香りの元としてのムスクですが、香りとしては「甘く粉っぽい」と表現されます。

「甘く」はスウーツのような甘さではなく心に火を灯すような暖かさ・安心感のようなものです。

「粉っぽさ」はいまいち言葉で表現できませんが、ルーツは「おしろい」から来た表現でしょうから、女性らしさや色気に通じる感覚ではないかと思います。

もともとの天然ムスクがゲロゲロの臭いであることを考えるとムスクの香りは奇跡です。

(ゲロゲロ臭を希釈すると妖艶になる香料は案外多い)

甘く甘美で、かすかな興奮を目覚めさせる・・・媚薬的な効果も感じられる香りです。

そのためか、ムスクには官能的なアラビアンナイトのイメージを抱く方も。日本的には中国風「酒池肉林」(しょちにくりん)ってなところでしょうか。

官能(*3)・・・ですね。

(*3)ムスクには経験的に自身に対して、そして異性に対して性的興奮を起こす生理作用があると信じられています。しかし、科学的な解明はまだされていません。


フェロモンとの関連性は不明


ムスクにはフェロモン成分が含まれておりフェロモン効果があると自社実験データを根拠に主張する業者もありますが、データは第三者の中立的な再試験で再現性が確認されたとき本当に信用できるものです。

ムスクのフェロモン効果について、そういう話は今のところ聞いておりません。

ヒトフェロモンとは何か、そしてどういう分子構造をしているか解明されていませんので、まだまだムスクミステリー道のりは続くでしょう。


この記事は#2

ムスク香水#3 よりよい合成ムスクへの道
ムスク香水#2 ムスクの歴史
ムスク香水#1 激戦区ムスク香水

(2010-01-10)
<ムスク#3 よりよい合成ムスクへの道 | ムスク香水#1 激戦区ムスク香水>
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