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( 香水工場の )

香る生活


花菖蒲、香りはあるか?
(2025/06/13)

東村山市「花菖蒲まつり」
( 豪華・優雅な花菖蒲 )


「花菖蒲まつり」


隣町の「花菖蒲まつり」へ行ってきましたのでレポート。花菖蒲に香りがあればこのブログにふさわしい記事になるんですが香りはありませんでした。香水ブログとしては少し脱線しますが、せっかく行ったので書きたい・・

隣町とは東京都東村山市。東京の西部、多摩地域北部にある市。当社がある国分寺市からは電車で20分くらい。毎年梅雨になる頃「花菖蒲まつり」なる市主催イベントが北山公園という公園で開催されている。

公園とはいえ湿地帯に近い公園内で花菖蒲が咲き乱れている。平日とはいえ多くの観光客が園内を回遊しており、屋台なども出て祭りらしい風情が漂っておりましたよ。

東村山市「花菖蒲まつり」



香りがある花菖蒲を探す


この日は曇り空で蒸し暑い日だったが直射日光がない分、激しい体力消耗がなく歩けた。多くの人は写真を撮ることに熱心だったが、私はしゃがみ這いつくばって花の香りを嗅いで回った。

一般に花菖蒲には香りはないとされるが、そんな花でもいろいろ嗅いでみると香りを発している個体が案外あるもの。しかしこの日の調査ではついに香りがある花には出会えなかった。

東村山市「花菖蒲まつり」



誰も足を止めない花菖蒲の原種


「長井」という表札がある花菖蒲エリアがあり「長井ってなんだ?」と連れに話しかけていたら、すかさず知らないオジサンに「説明しましょうか?」と声をかけられた。市役所派遣の観光ガイドさんだった。

表面的な情報をとりあえず頭に入れただけのガイドさんだと退屈だが、実際の体験者だとやはり話は深い。この公園で花菖蒲の栽培に関わる人らしく話は興味深く具体的だった。

香りを発する花菖蒲を見たことがあるかお聞きしたがないとのこと。

ガイドさんと話すきっかけとなった「長井」の表札は「長井古種」(ながいこしゅ)という種類の花菖蒲エリアを示していた。山形県長井市には原種に近い長井古種という花菖蒲があるとのこと。

長井古種の花は小ぶりで色彩も派手さがないためほとんどの人は足を止めずに通り過ぎていたが、バラの原種である野バラには野バラの魅力があるように長井古種にはノハナショウブ(野花菖蒲)の魅力があるに違いない。現代の豪華な花菖蒲は江戸時代から品種改良が続けられた結果のようだ。

長井古種
( 長井古種のアヤメ・・小さく素朴な花 )


花菖蒲とアヤメの関係


ちなみに関東より北では花菖蒲は「アヤメ」と呼ばれることが多いとのこと。「花菖蒲」では別の植物である「菖蒲」と混同しがちなので「アヤメ」と呼んだ方がいいのかもと私も思う。

私の勝手な印象ではアヤメは温暖な気候を好むかとおもいきや原種に近いアヤメが山形県に存在することから温暖よりも寒冷地を好む植物だと知った。

長井古種の横の田んぼは休耕田となっていた。連作障害を避けるため土を掘り起こして何も植えず1年間田畑を休ませるとのこと。

休耕田があると「せっかく花菖蒲を見に来たのになぜ何も植えてないんだ!」と不満をぶつけてくる観光客が必ず存在するとのこと。連作障害対策という看板を立てているけど、そういう不満を言う人は看板は見ないし、説明しても納得しないので、申し訳ございませんと言うしかないです、とガイドさんは笑っていた。

アヤメの休耕田
( アヤメの休耕田 )

当社には『菖蒲の葉』という香水がある。

菖蒲は、葉っぱなどをお風呂に入れる風習があるあのショウブである。ハナショウブとは別品種。花も全然違うし、ハーブのような香りのショウブに対して、ハナショウブにはあまり香りがない。

当社『菖蒲の葉』を「花菖蒲=アヤメ」と誤解されている方もいるかもしれないが、まあいいか、どちらもステキな植物なので。

花菖蒲は関東地方では今が見頃でほぼ終焉に近いが、東北ではこれから見頃を迎える。花菖蒲に出会ったら花の優雅な姿を楽しんで欲しい。





(2025-06-13)
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