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( 香水工場の )

香る生活


香水のつけ方(付け方)
今さらですが、お役に立てる付け方があれば幸いです。


---------------------(導入編)---------------------


ブランド香水は、ライト感覚が好きな日本人と湿度の高い日本の環境では、かなり強すぎるので、個人的には空中散布してその下で待機するフンワリ装着がお勧めです。武蔵野ワークスのフローラル・フォーシーズンズは強くありませんので近距離からブッシュといってください。以上、個人的なお勧めでした。

では、いきなりですが、基礎編に入る前に達人たちの付け方をリストアップします。お客様よりお寄せいただいた「私の付け方」です。


---------------------(応用編)---------------------

・オーソドックスに膝より下につけています。ランジェリーにもすこし。

・カーテンにつけておくと、窓を開けた時に風で香りが運ばれてきてほんわかします。

・こちらのサイトで、他の方が仰っていた「お風呂の湯船にプッシュする」を先日試しました。浴室に香りが満ち、ゴージャスな気分にひたれました。香り自体もしつこくないので、使用後の浴室にこもることもなかったです。身につける時と、湯船で楽しむ時とで、香りのイメージが変わる印象がありました。サンプルで発注してしっくりこない香りも、湯船に落とすと絶妙に感じる場合があるかもしれませんね。

・ハンカチ・ウエスト・足首・首筋・手首気分にシーンによって変えてます。後は湯槽に少々。

・よくある方法だと思いますが、足下にシュっとして、その中をくぐり抜けます。ほどよい感じに香ります。

・下半身に主に。特に変わった使い方はしません。TPOをわきまえた範囲で楽しんでます。

・奇抜でもセクシーでもありませんが、メークが終わった後、香水を吹きかけたコットンで、指先、リップブラシを拭きます。多少の汚れは気にせず
、それをボトムのポケットやバッグのポケットに入れて外出します。

・空間にシュッとひと噴きして、その場に走って自分に付ける♪

・自分の手前の空間に噴きかけて、その香りの霧の中に入っていく*(よくわからない。。)1点に集中せず前身にふわっと香るので気持ちイイですv(笑)

・自分の鼻には直接香らないように首の後ろとか、足とかにつけます

・小さなマスコットに香りをしみこませ、持ち歩くことかな。

・贈り物をする時など、その贈り物にちょっとだけつけます。開けた時に自分を思い出してもらえたらうれしいな、なんて思ってます。

・単純な香りの場合だけですが、マニキュアにそっと一滴落として振ってから塗ると、乾いたときにかすかに良い香りがするんです。ダメになっても惜しくない透明マニキュアに落として、トップコートとして使ったりしています。人に「ありえない!」と言われますが、自分でもありえないと思います(笑)

・昼間というより、家に帰ってからほっとリラックスするために使っています。体ももちろんですがカーテンや枕などに一吹きするとリラックスできますよ。香りがきつくないので次の日まで残らず、気分によって香りを変えられるのも嬉しいです

・朝と夕方で違う物をつけることも出来るので気に入っています。朝は「沙流」夕方に「ロウバイ」とか・・夜お布団にもその日の気分でワンプッシュします。つける場所はスカートの裾やモモの辺りが多いです。子供達が耳掃除だとか膝枕だとかしてくるので、優しい香りでアロマ効果です(笑)

・通に着物の裾とか、普通の時でしたら手首や髪の毛につけたりとかホント普通です。

・特別な付け方はしてません。手首か足首につけたりしてます。後は鞄の底の所に少しだけつけて、鞄の中身を出すたびに香りも楽しめるようにしたりしてます。

・二の腕の内側(脇ではない)に少量付けます。これは、動くときに香りますし、背の低い私には丁度良い様です。

・髪に振りかけて少しだけドライヤーを当てます。

・普段は腰の辺りにつけます。パウダリーな香りは足首に。足首だけじゃなぁと思った時には、足首から二の腕の内側へ。体が柔らかくないと出来ませんよ〜(笑)。


---------------------(休憩編)---------------------


●香水のお話
香水は「つける」(付ける)といいますが「装う」という人もいます。英語では服を着る「WEAR」が使われます。「装う」はWEARの直訳なんでしょうが、私には歯が浮いしまいそうです。

WEARはネイティブからすれば日本語の「つける」に近い感じだと思いますが、エピソードを一つ。ココ・シャネルのシャネルNo.5は、言うまでもなくたいへん有名なブランド香水です。大ヒットのきっかけとなった原因の一つにマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)さんの発言がありました。

ベッドで裸で眠るとウワサされていた頃の発言。

“What do I wear in bed? Why, Chanel No. 5, of course.”
「ベッドでは何を着てるかって?シャネルの5番に決まっているじゃない」

このとき彼女はWEARを服と香水にかけていますが、当時の男性諸氏は否応なしに入道雲のように空想力を膨らまされたことでしょう。香水とお色気は切っても切れない関係ですね。


---------------------(基礎編)---------------------


■香水のつけ方:大原則
ルールはない、好きなように付けよう。
ただし、周囲に迷惑をかけないように。

結局、香水のつけ方は儀式や作法ではなく流派もありませんので飲む食べるなど危険行為以外は、お好きな付け方で構わないというのが原則だと思います。


■香水のつけ方:ちょっと詳しく
●香水のつけ方は奥が深い!
たとえば、ネクタイの締め方はいくつかの定パターンがありますが、香水のつけ方は多種多様です。たぶん基本だけあって定説はありません。お好きなように自分のつけ方を発見してください。 基本とは、香水は下から上へ香り立つこと。温度が高い方が揮発しやすいこと。直射日光に触れないところにつけること、などです。

●つける場所
温度が高い方が揮発しやすいので、血管が表面に近い耳の裏、膝の裏、手首、肘などに肌に直接つけるかアトマイザーで吹き付けます。腰につける人もいます。腰は通常服に覆われていますので、柔らかく香ります。首や鼻周辺はやめましょう(鼻につける人は想像しにくいですが念のために)。直射日光の影響を受けやすいこと。日光は香料の種類によっては肌にシミなどの原因になることがあります。のど周辺は皮膚が敏感で湿疹やかぶれを起こす恐れがあります。鼻周辺は自分の香りで酔っぱらってしまいます。臭覚は視覚や聴覚と違い疲労して鼻がマヒしやすいのでせっかくの香りが自分ではわからなくなります。

●その他、お勧めの場所
1) 髪毛:直接肌に触れないので安全で、髪が揺れるたびにほのかに香ります。

2) 足:スカートやパンツに隠された足や太ももは、体温があるのでほのかに香りたちます。

3) 足首:足首はパンツやスカートから露出しているので、足や太ももとはまた印象の違う香り立ちです。歩くたびに楽しくなります。

●その他、つけない方がよいところ
脇の下:汗が出やすいですね。汗と混じると想定外の香りになるのでご注意。

●つける対象
1) 肌に直接
体温のある肌に直接つけるのがいいでしょう。

香水を直接肌につけると肌に吸収され健康に害になるのでは、という質問を受けたことがあります。一般的に肌は皮膚の角質が異物の進入を阻止していますが、界面活性剤などで肌が荒れるとその機能が弱ります。ただし、香水に使用される香料は微量に吸収されも害がないということになっています。香水は、肌に塗り込む化粧品より危険度が低いといえるでしょう。

2) ハンカチやティッシュ
国際的にも日本国内においても使用が許されている香料が肌にあわない人がいます。厳密な調査を行った訳ではありませんが私どもの経験では、お客様の数パーセントが市販化粧品でお肌のトラブルを感じられているようです。こういう方々は香水も同様に直接お肌につけることはお勧めできません。ハンカチやティッシュにしみこませ、内ポケット、(あまりスマートでありませんが)ブラやパンストにねじ込むんでください。

3) 衣服
お勧めはスカートです。スカートの裾裏や内側に香水をつけると揺れるたびにほのかに香ります。女性らしい「かわいらしさ」の演出に試す価値があります。同様にスーツの内ポケットやパンツの裏地などもOKです。ただし、衣服は一度つけると香りが残りますので違う香りをつけるのが難点です。

4) 肌着
肌着は肌の体温でほのかに香りたちます。ただし、香水によっては色が付いてしまいますので、ご注意ください。洗濯が簡単なのでいろいろな香りを試せるというメリットもありますね。

●つけ方
一般にパルファンは点で、オーデコロンは面でつけるます。その中間のトワレやオーデパルファンは線でつけてください。とはいってもこれもお好きなつけ方を発見してください。パルファンを指先で数滴つけたり、掌で塗り込むようにする方もおられるかもしれません。アトマイザーなら、10センチくらい離してプッシュと行ってください。空間にプッシュして花火のように降り注ぐ粒子の下に入る方法もあります。この方式だと、優しい香り立ちになりますが持続時間が短いです。

●香り立ちの変化
香水はトップノートからミドル、ラストへ移行します。トップノートは香り立ちが早くシャープに感じられます。30分くらいで香りは落ち着いてきます。これがミドルノートです。一般的にミドルノートは長時間香りますので、香りの印象の決め手になることが多いのですが、香水によってはミドルの後に訪れるラストがさらに長時間持つものもあります。

●体臭と香水
人はそれぞれ自分の体臭をもっています。体質、年齢、食事などが影響すると思われます。人によっては生来的に甘美な香りを放つ人もおられるようです。香りは自分が好きかどうかと別に自分の体臭とマッチするかどうかもチェックポイントです。香水を買うときや作るときは、ムエットで試すだけでなく、実際自分につけてミドルノート、ラストノートまで香りの変化を見てください。自分の体臭とうまく交わることが理想ですね。

●香水のTPO
1) 季節と香水
夏場は毎年、当社の香りの売り上げは落ちます。なんとなくわかるような気がしますね。秋になり空気に静寂感が漂うとファッションに気を使いたくなります。色使いが白・ブルー系から深い色、暖色系へと移行していく季節は当社の売り上げも伸びます。冬はヘビーな香りに人気が高まり、春はフローラル系の香りが好まれるようです。当社の香りは完全に季節商品の傾向を呈しています。一般にマリン系、フゼア系が人気の夏、シプレ系の秋、オリエンタル、スイートの冬という好みの傾向がありますが、これまた定説はありません。真夏に濃厚な香りは暑苦しいものの、周囲に迷惑をかけない程度に冒険するのもまた香水の楽しみ方かもしれません。

2) 場所と香水
香水ムンムンで寿司屋に行くと、板前さんに怒られてしまいます。何も言われないとしても内心いい気持ちでないかもしれません。バーなら許されそうですが、一般的にレストランや食べ物屋さんでは派手な香水は控えるようにしましょう。

3) その他注意したい場所
病院、お葬式などやや厳かな場所や状況では、つけすぎは控えたいものです。

4) つけ過ぎにご注意
どこの会社でも一人か二人くらい「行き過ぎ」ている人がいるようです。昔の会社の話ですが、ある若い女性社員で日常的に5メートル周囲を汚染している強烈な方がいました。多くの同僚が注意したいのですが、本人を傷つけたくないという心理からモジモジ状態です。結果的に信頼の厚い課長さんからいってもらうということになりましたが、たいていの場合、本人が「行き過ぎ」に気づかず、さらに悪気がないので、なんとなく手に余る状態です。香りは臭覚疲労を起こすので本人はわからなくなることがありますが、中途半端に嗅がされる周囲の人たちには強烈なメッセージです。つけ過ぎにご注意ください。チェックするには、なんでもいってくれる家族や仲のいい友人、恋人などが正直に答えてくれると思います。

●香水の選び方
1) 売れている香水と個人の好み
ブルガリのプールオム、グッチのエンヴィ、ニコスのスカルプチャーオム、カルバンクラインのエタニティなどはここ数年の売れ筋商品です。香水も他の商品と同様、その時々に「売れ筋」と「傾向」がありますが、他の商品と異なるのは、香りは個人の好みや嗜好がかなり明確に分かれる点です。多数の人が支持する香水でも「自分にはまったく合わない」というものは結構あります。そのため香水はおもしろいことに、自分の好きな香りを発見するというある意味努力が必要になるのです。時間と多少のおカネがかかるのは残念ですが、いろいろ試していうるうちに香水の楽しさを発見するというのも、また香水の楽しいプロセスです。

2) ムエットでなく肌でサンプリング
香りは自分の体臭と混じり合いながら変化しますので、ムエットだけでなく、実際に手首などにつけてトップからラストまで、まる一日くらい変化をみましょう。自分の体臭と合うかどうかもチェックしてください。

●香水の保存方法
香水は直射日光と空気が嫌いです。触れると色や香りが変質したり酸化したります。国内で生産販売される香水は大丈夫のようですが、輸入物、海外で購入されたものの中には数ヶ月でアルコール類が揮発したり、中身が変色するものもあります。香水の密閉度に原因があります。ビンとフタのネジ合わせは実は高度な技術が要求され香水には高い精度のビンが要求されます。市販香水は一般に中身よりもビンが製造コストが高いものですが、悪いビンが使えないのも価格の高さの原因ですね。

使用したらきっちりフタをして直射日光の当たらない冷たいところ(冷暗所)に保管してください。念を押すには酸化防止のため窒素を充填した密閉容器に入れるとグッドです。そこまでは普通やれませんが、最近防腐剤なしの自然化粧品の普及で化粧品専用の冷凍庫がそこそこ売れているそうです(冷蔵庫に化粧品を入れておくと子供たちが誤って食べたり飲んだりしますので恐ろしいです)。

香水の有効期限は、香料の種類や保管の仕方によって変わりますが、一般的に封を切る前の香水は3年、封を切ってからは1年を目処に使い切ることをお勧めします(個人的にはもっと長くても大丈夫という印象を抱いています)。




(2006-07-05)
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