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( 香水工場の )

香る生活


香水の種類分け #1
数年前、香水の勉強を始めた頃、最初にでてきた言葉は「パルファム」「オードトワレ」「オーデコロン」や「トップノート」「ミドルノート」「ラストノート」あたりでした。

そして次にでてくる言葉が「香水の種類と分類」です。香水の種類分けは学会や法律で決められているわけでないので、さまざまな会社さんや偉い方々が思い思いに分類されています。下記の例は、典型的な香水タイプ・種類分類方法の一つです。

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(1). フローラル・タイプ(花束をイメージ)
(2). アルデハイド・タイプ(モダンなイメージ)
(3). グリーン・タイプ(緑をイメージ、ユニセックス)
(4). フルーティ・タイプ(果物をイメージ)
(5). ウッディ・タイプ(樹木をイメージ、知的)
(6). シプレー・タイプ(オークモスとベルガモット、格調)
(7). フゼア・タイプ(メンズ)
(8). タバック・レザー・タイプ(葉巻タバコと皮革、ダンディ)
(9). オリエンタル・タイプ(東洋、エキゾチック)
(10).シトラスコロン・タイプ(柑橘系、爽やか)
(11).マリーン・タイプ(海をイメージ)
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今日のトピックは香水の種類分け・タイプ分けについて、ちょっとばかりウンチクさせてください。


(1).フローラル。OKです。フローラルは香水の原点だと思います。宗教儀式から香水がはじまるので香木系の香り(ウッディ)も有力ですが、個人が楽しむ香りという意味では香木より、最初は花々の香りに憧れたことが香水の原点と思います。

(2).アルデハイド。当時教科書には「モダンなイメージ」と書いてありました。そして、現在の教科書でも同じことが書かれていると思います。しかし、これはどうでしょうか?現代人にとってはかなり古いイメージになりつつあるように思います。

アルデハイド自体の匂いは、何とも表現しがたいものです。脂肪臭のようでもあり動物の匂いのようですが、これを薄めるとかすかな甘さと人の肌を思わせる温かさがあるとされます。特にフローラル系の香料との相性がよいとされます。

アルデハイド・タイプは名香シャネル5番にその起源があると思います。当時はショッキングな香りでした。「合成香料アルデハイドがはじめて使用された香水」と言われることがあります。その前にも合成香料香水はいろいろな製品が出ていましたので、はじめてというのは誤解ですが、要はこの年代の前後から合成香料が出てきたこと。それによって人類がそれまで体験しなかった香りが出てきたことは確かです。

それまでの天然香料では出せなかった華やかさやセクシーさを合成香料が実現したことで、シャネル5番以降、香水は合成香料の時代へと大きく軸足を移します。

驚いた人々が「これはチョーモダン!」と叫んだのは想像に難くありません。でも、それはもはや一世紀も前のことになりつつあります。現代人にはもはや「モダンなイメージ」ではないように感じています。

ところで、アルデハイドとは?何?

アルデハイドとはCHO(アルデヒド基)を持つ有機化合物の総称です。総称なのでアルデハイドには実に様々な種類があります。

アルデハイドの日本での一般的な呼び名は「アルデヒド」。高校の化学の時間に習ったかも?実は日常生活の中でも身近な物質です。

今夜も一杯いく方も多いでしょうが、体内に取り込まれたアルコールは分解の過程でアセトアルデヒドになります。アセトアルデヒドはアルデヒドの一種です。アセトアルデヒドが大量にできて分解できないと二日酔いとなりお父さんたちを苦しめます。

ホルムアルデヒドのような有害なアルデヒドもありますが、香水に使用されるアルデヒドはもちろん無害で安全なアルデヒドです。アルデヒドも種類が多いのです。

現在でも流通している香水にアルデハイド・タイプは非常に多いのですが、当社のフローラル・フォーシーズンズはアルデハイド・タイプが極端に少ないことが特徴になっています。

(続く・・・)


(2009-01-23)
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