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( 香水工場の日常 )

サンダルウッド物語#3

太平洋の島々とサンダルウッド


サンダルウッド(白檀)と言えばインド。実際、当社の仕入れるサンダルウッド(白檀)もインド産がメインですが、今日はニューカレドニアのサンダルウッド(白檀)についてお話します。

ニューカレドニアやハワイなど太平洋に浮かぶ島々のサンダルウッド(白檀)貿易の歴史があったことは驚きです。


ニューカレドニアのサンダルウッド


ハワイはサンダルウッド(白檀)産業と呼べるようなものは現在残っていませんが、ニューカレドニアは現在サンダルウッド(白檀)精油の輸出国となっています。

インド政府はCITES(サイテス、ワシントン条約。野生動植物の国際取引を規制)を批准しており、CITES保護対象に含まれるサンダルウッド(白檀)に対して厳しい輸出規制を行っています。

そのためニューカレドニアのサンダルウッド(白檀)は近年目立つようになってきました。

ただし、太平洋諸島のサンダルウッド(白檀)はインド産と比較すると一般に精油の含有量が少なく香りも薄い傾向があります。


ニューカレドニア・サンダルウッドの歴史


ニューカレドニアは、ハワイ諸島を発見したジェームズ・クック(キャプテン・クック)の航海で発見されヨーロッパに紹介された島です。

彼は、はじめて見るニューカレドニア島のそびえる山々が故国スコットランドの風景に似ていることから「ニューカレドニア」と呼んだとされます。

カレドニアはスコットランドのラテン語名とのこと。しかし、現地の人々は自国を「カナキー」と呼びます。


独立運動がくすぶるニューカレドニア


日本では「天国に一番近い島」とされるニューカレドニアも、ヨーロッパ人到来後の島の歴史は、奴隷貿易なども行われかなり悲惨な状況でした。

現在はフランス領となっており、日本ではあまり報道されませんが、独立運動の火種は収まることがない島です。

このニューカレドニアの山々、特にメインランドの南部の熱帯雨林地帯には豊かなサンダルウッド(白檀)の林が密生していました。


豊かだったニューカレドニアのサンダルウッド原生林


本格的なサンダルウッド(白檀)の伐採がはじまったのが1841年。日本では明治維新に向けて国内が沸騰し始める前です(ペリー来航1853年、大政奉還1867年)。

サンダルウッド(白檀)に目を付けたのはオーストラリア人。中国から茶を購入するためにニューカレドニアのサンダルウッド(白檀)を伐採し中国に輸出しました。

ニューカレドニア・オーストラリア・中国の間の三角貿易の始まりです。


三角貿易とサンダルウッドの枯渇


この時代の三角貿易は対等な関係は少なく、航海時代以降のイギリス流のとっても儲かる黄金の図式です。この三角貿易の過程でサンダルウッド(白檀)の過剰伐採が進んだと思われます。

下の資料によると1841年だけで2000トン(現在のニューカレドニアでは、年間20〜30トン程度が適正な産出量と見なされる)のサンダルウッド(白檀)が輸出され、わずか10年程度でサンダルウッド(白檀)は枯渇し、奴隷貿易へとシフトしていきました。


教訓


成熟までに50年かかるサンダルウッド(白檀)。

安易な伐採がどれほど早く資源を枯渇に導くか、そして、後には荒廃した山肌や大地以外何も残らないという天然資源全体に共通する大きな教訓を人類に残すエピソードです。

いったん途絶えたサンダルウッド(白檀)貿易は、現在復活し計画性をもって生産と植樹が行われ、現地の人々に富をもたらしています。


ハワイのサンダルウッド三角貿易


三角貿易によるサンダルウッド(白檀)資源の枯渇は、ハワイでもまったく同じ図式で進行しハワイのサンダルウッド(白檀)産業は未だ復活する兆しはありません。

参考資料:The sandalwood tree historically in New Caledonia
http://74.125.153.132/search?q=cache:ARWmv1golz0J:www.newcaledoniatourism-south.com/pressroom/account/docs/The%2520Sandalwood%2520tree.doc+1841+sandalwood%E3%80%80new+caledonia&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

(続く・・・)

サンダルウッド物語 #7
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香水「白檀」(Sandalwood)

(2009-05-17)

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