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( 香水工場の日常 )

香りと脳の関係 (6)・・・リアルに蘇る記憶
今日は香りが引き起こす「リアルに蘇る記憶」。香りに起因する記憶には、他の記憶では発生しにくい特徴があります。


プルースト現象


香りの業界では大変有名な心理学用語です。フランスの作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』に出てくる描写から命名されました。

プルーストさんは医学用語になることを意図していたとは考えにくいのですが、マドレーヌを食べた瞬間、ある夏の光景が走馬燈のように蘇るという描写に、多くの人の「それ、あるある」の共感を呼んだのだと思います。

プルースト現象について以前、香りで記憶のフラッシュバック、プルースト効果にて詳しく書かせてもらいました。


ビジュアルで感情まで伴う香り記憶


プルースト現象による記憶の再生は、たとえば、英語単語のや歴史年号の記憶とはかなり異質です。また、通常の思い出とも異なります。

(1)ときにビジュアルであること・・・時として目の前に大スペクタクルな映像が再現されるような臨場感を伴う

(2)激しい感情が伴う・・・そのときその場で感じていたこと、切なさや喜びが、エモーショナルな波動となって体全体を覆うことがある

つまり、そのときその場に立ち、そのとき感じたことまでが蘇る、まるでその場にワープしたかのような臨場感になる点です。

脳内で何が起きているかはわかっていません。また、香り以外でこのような臨場感があるフラッシュバック再生はなかなか発生しにくいようです。


香りで脳内ホルモンのコントロール?


私は、記憶とは塩基配列で構成されたタンパク質、つまり物質と感じています。

この予想だと記憶はたんなるデジタルデータ。なので感情が伴うことはありません。感情も実は記憶として再生可能なデジタルデータになりうるとしたらまた別の話になりますが、ここでは感情は記憶として固定できないと仮定すると、ではプルースト現象の臨場感は何だろう?と感じます。

プルースト現象が発生した場合、おそらく記憶の再生と同時にドーパミンやセロトニンといった脳内ホルモンも分泌されているのではないかと信じています。香りが脳内ホルモンをコントロールできる、ということになるとおもしろいのですね。


香り麻薬の製品化


麻薬は、この世のモノとは思えないほどの至福の幸福感をもたらすそうです。

その原因は脳内ホルモンと似た作用を脳に与えるためですが、脳内に運ばれた麻薬成分が脳を破壊するリスクがありますし、依存症リスクも高く危険です。

しかし、香りが脳内ホルモンをコントロールしたり活性化できるなら、安全である可能性が高く、まったく空想の話ですが「香り麻薬」なんていう製品が商品化されるという時代がこないとも言えません。

「香り麻薬」というネーミングではイメージが悪すぎますので製品名は別名にするにしろ、香りで物理的に幸福感いっぱいになれる薬かサプリメント(ただし、鼻に吸入するモノ)ができるかもしれません。かなり先ですが。





(続く・・・)


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※この記事は[(6)リアルに蘇る記憶]

香りと脳の関係 (8)嗅覚のメカニズム
香りと脳の関係 (7)香りで痩せる
香りと脳の関係 (6)リアルに蘇る記憶
香りと脳の関係 (5)香り成分は脳に届く?
香りと脳の関係 (4)再生可能な嗅神経
香りと脳の関係 (3)香りと脳内血流
香りと脳の関係 (2)香りと認知症
香りと脳の関係 (1)なぜ脳の話
(2015-08-22)
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