香水Bizブログ

日本の香水メーカー武蔵野ワークス
香水創りのブログ (誤字脱字多し、気になる方は近づかないで欲しい)

綺麗すぎるシャクヤクの香り
シャクヤクは、ボタンの花にそっくり、だから香りはない、と思っていた・・ (2019/06/07)

シャクヤクの花
( バラのような豪華さ、シャクヤクの花 )


区別が付きにくいシャクヤクとボタン


花の雰囲気がそっくりで、私はてっきり同じ花だと思っていたが、園芸に詳しい人からすると、まったく別物らしい。

ともにボタン属なので、似ていて当然だが、でも同じ花ではない。

ちなみに英語名は、どちらも「peony」(ピオニー)で、英語圏では区別されていない。


ボタンは中国の国花?


ボタンは、中国の国花とされるという情報も多いが、wikipediaによれば、(正しいかどうか不明ながら) 国花ではないようだ。


(牡丹は) 清代以降、1929年までは中国の国花であったとされることもあるが、清政府が公的に制定した記録はみられない。

1929年、当時の中華民国政府は国花を梅と定めた。中華民国政府が台湾に去った後、公式の国花は定められていなかった。

中華人民共和国政府は近年、新しく国花を制定する協議を行い、牡丹、蓮、菊、梅、蘭などの候補が挙げられたが、決定に至らなかった。



豪華さゆえに愛される?


しかし、いずれにしてもボタンが中国で非常に愛されていることは間違いない。

中国に出かけた際は、ボタンの花をモチーフにした装飾品はよく目にするので実感する。

牡丹柄の服を着た人もよく見かけた。

中国の人々に牡丹が愛される理由は、花の豪華さに違いない。それゆえか、中国では「百花王」とも「花王」とも呼ばれる。


当社の「牡丹」


当社には、オードパルファム「牡丹」という香水が存在した。

今は廃盤となり、販売は終了している。

スパイシーなアクセントが効いた東洋的な香りだったが、正直に言えば、あまり売れたアイテムとは言い難い。

理由は、おそらく、ボタンの花そのものが、日本では中国ほどの人気がないことと、ボタンには、あまりはっきりとした香りない点が大きいだろう。


シャクヤクの香り


お墓参りの前日、献花用にシャクヤクを数本、色違いって買ってみた。

花を持ち帰る時から香りがした。

自宅で生けると、とたんに部屋中に香りを主張するような強さとなった。

私の中では「シャクヤク = ボタン」、つまり、無意識に香りがない花だっただけに、「もしもし」と頭をノックされたかのような衝撃。


ホワイトローズ調の香り


鼻を花に寄せてみると、はっきりとした香りが放出されているではないか。しかも、ホワイトローズのような美しい香り、上品で優雅。

("天国"とはこういう瞬間のことではないか)

花の香りには、官能的な香りから豪華な香りまでいろいろあるが、そのときのシャクヤクの香りを一言で言うなら「綺麗な香り」がぴったりする。

そのシャクヤクは、白い大きな花だったが、他の花の香りも確かめると、今度は違う香りを漂わせていた。


シャクヤクとは?


「芍薬」と書くだけあって、「薬」になる。

漢方では根に薬効があるとされ、婦人科系の漢方薬に多く含まれる。

フランスでは、シャクヤクの香りは有名らしく、白ワインの香りをほめる際に「シャクヤクの香りのような」とか書かれている記事を散見する。

(あくまで受け売り情報)

ことわざでは『立てば芍薬、座れば牡丹』。シャクヤクは美女の象徴でもあるのだ。

どれだけ魅力的な花なんだろう・・今まで、無関心で過ごしてきて、すみません!

(お墓参りのために買ったお花に感動するなんて、亡き父が、もしかしたら・・は考えすぎか)


シャクヤクの香り成分


誰か、シャクヤクの香りを分析した人はいないかな、と検索すると大田花きさんのページがヒット。

(株)大田花きは、日本有数のお花の流通事業者さん。

こちらの会社さんの凄さは、花の香り成分分析を手間暇かけてやられている。

大田花きさんでは、シャクヤクを「芳香花」として分類している。

大田花きLabさんの話を聞いてみよう。


シャクヤクにはバラ、キク、スズラン、カトレアなどあらゆる花の芳香成分が含まれていることが分かっています。


これだ、綺麗すぎる香りのブレンドなんですね。いわば、ブーケ調の香りだ。


綺麗だが、多彩な香りを持つシャクヤク


逆に言えば、様々なブレンドがあるわけで、「これがシャクヤクの香り」という特徴がでにくい。

シャクヤクにも種類があるし、同じ種類でも、個体、土壌、時期、天候によって香りは変化するだろう。

実際、購入した2種類のシャクヤクは、別の香りがしていた。


大田花きさんの分析結果を見ると多種の芳香成分が検出されている。

2~3代表成分をピックアップすると:

・1.8シオネール (菊の花や樟脳のような渋い香り)

・ゲラニオール (バラの花の代表的な香り成分)

・フェニルエチルアルコール (バラの花の代表的な香り成分)


これらは香水の原料としてもすごく重要で、当社も倉庫にそれなりの量を常時備蓄している。

たしかに、こういう組み合わせなら、「綺麗すぎる香り」になることも、うなずいてしまう。

( ただし、これらの香料を混ぜただけでは「綺麗すぎる香り」にはならない、「綺麗すぎる香り」には、多数の微量成分と、それらの絶妙な調和が必要。だから、花の香りにはかなわない、香水は )


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