香水biz ブログ

( 香水工場の日常 )

ミモザの花が咲く
(2021-01-07) ミモザの香りは、控えめだけどナチュラル (2021/01/07)

ミモザのフワフワの花
( 真冬にこの色彩で満開となるミモザ、香りもいいのだ )


国分寺の地場野菜にまじって


国分寺は、東京とはいえ、畑も多い。

畑のそばでは、野菜の無人販売所もあったりする、そんなのどかな土地。

近所のスーパーには、地場野菜コーナーがあり、野菜にまじって、ミモザの切り花が売られていた。

まだ、ほぼ蕾の状態で、花はわずかだが、かすかに香る。


ミモザは有名な香水原料


ミモザは、香水原料になる花の一つ。

ただ、ミモザの香りは、わかりやすいとは言いがたい。

ローズやジャスミンのようなスーパースターではない。

買ってきたミモザを花瓶に生けて、香りを楽しんでいる。


ミモザってなに?


2月から4月にむけて満開となるミモザ。

オーストラリア原産。

1800年代、フランスに輸入され、フランスでも人気となる。

まだ寒い冬にあの鮮やかなイエローの花を、豪快に咲かせる姿に、フランス人も感激だったろう。


ミモザのネーミング


ところで、ミモザとは、本当は、オジギソウのことらしい。

そして、ボクたちが通称している「ミモザ」の本当の名前は「フサアカシア」という樹木。

10メートルも20メートルにもなるアカシアの樹木なのだ。

ミモザとオジギソウ、葉っぱが似ている。

ミモザをフランスから輸入していたイギリス人が、「オジギソウみたいなアカシア」という意味で「ミモザ・アカシア」と呼んでいた。

それが、いつしか「ミモザ」として世界に広まったらしい。


ミモザの香りは?


私が、ミモザを認識したのはフランスのグラースという街に研修にいったとき。

グラースは、地中海に面した漁村カンヌ (今は映画の街のイメージだが) から、車で1時間ほどの丘陵地帯の中にある。

グラースやその周辺は、ミモザの一大生産地となっている、いやなっていた、と過去形にした方がいいか。

香水原料としてのミモザ畑は、今ではかなり少なくなったが、この地方には 100km以上も続く「ミモザ街道 (Route du Mimosa) 」が残り、世界中の観光客を集める観光資源となっている。

だが、私の場合、ミモザの花の香り自体には、あまり認識がなかった。

今回、部屋の中で静かに香るミモザの香りを確かめた。


控えめなグリーン感


花が、あの輝くようなイエローなのに、香りのフローラル感は期待値ほどでない。

どちらかといえば、素朴でナチュラルな樹木感やグリーン感を漂わせている。

香水ブランドさんの中には、ミモザをテーマにした香水を出されているところもある。

しかし、ミモザの花に忠実な香りはおそらくないだろう。

試しに、他社さんのミモザ香水をスメリングした。

やはりきれいな香りに仕上がっていたが、ミモザらしさは失われていた。

この後に紹介する記事には、「若い世代よりも、高齢の世代に好まれる」という発言がある、なんかわかるな~、と感じた。


パフューマーの感想


花の香りをパフューマーにもかいでもらった。

こういう意見だった:


花の香りは、スパイシーさとグリーン感が混ざった不思議な香り。

華やかな甘さではなく、ずんとくる甘さ。

黄色のフワフワな花の軽やかな可愛らしいイメージとは異なり、メンズっぽさもある香り。

明るさもある。

個人的には素敵で、オシャレ感あり。

・・だそうだ。ちょっと前向きすぎる意見にも感じた。


ミモザと香水の関係


ミモザの香りについて、今度は「コネクション・フランス (connexionfrance.com) 」誌から紹介したい。

そのまま翻訳するだけの紹介だが、ミモザの香りを端的に教えてくれるよい記事だと思う:



フランス・パフューマーの秘密の原料
香水の都を、ゴールデン・イエローに染め上げるミモザの花


香水の都グラースの周辺の丘陵地帯は、春になるとミモザのおかげで、黄色い氾濫とも言える光景が楽しめます。

しかし、この黄色い爆発を起こす花は、目を楽しませるだけではない。

香水業界にとっても最も貴重な原料にもなる花である。

「ミモザは、今でもパフューマーの重要な香料」と、天然香料の国際大手 ロベルテの Sebastien Plan 氏は言う。

「ミモザは、フレッシュ、フローラル、かすかにパウダリーな香りで、蜂蜜ぽい部分もあり、それが茎などに含まれるグリーン感と混じり合っている」

ミモザの花は、刈り取られると、すぐに香料を抽出しないと香りが失われる。

40トンの花から 400キロの岩のような外観のコンクリート((注) 香料用語:香料を含んだ油脂などの固形物)が得られる。

コンクリートの純度を上げることで、100キロのアブソリュート((注) 香料用語:溶剤抽出によって抽出された天然香料)が採れる。

フランス・リビエラ地方にある古い街グラースは、長い間、香水の都として栄えてきた。

グラースでは、17世紀、皮革(とくに高級手袋)産業が隆盛し、その香り付けが、行われたことから、香料産業が興り、ローズやジャスミンが咲き誇る街へと変貌した。

これらのオイルや天然香料は、現在でも一部のラグジュアリークラスの香水に使用されている。

香水老舗ガリマール社のパフューマー Caroline de Boutiny 氏は、「ミモザの香りは、若い世代よりも、高齢な方により好まれる」と言う。

彼女は「ミモザには、ハニーやパウダリックなテイストがあり、それが香り全体に重みと深みを与えます」と付け加えた。

ミモザは、19世紀中頃、オーストラリアから庭園の鑑賞用樹木として輸入されたが、今では、グラースの西側に拡がるタヌロンの丘陵地帯をおおう森へと成長している。

「ミモザは、ベルベットみたい」と 85歳の Gilbert Vial さんは表現する。

タヌロンの街以外で暮らしたことがない彼女は、自分のことを「ミモジスト」((注) mimosist:ミモザ・ファンといった感じの造語と思われる)と言う。

しかし、残念ながら、この地方のミモザにとって、すべてがバラ色というわけではない。

グローバリゼーションの波は、この地にも影響を及ぼしている。

ミモザの香料は、海外の安価な製品との競合にさらされ、また一方では、香水に使用される天然香料の比率は下がり続けている。

60歳になる彼女の息子は、このミモザ農家の最後のひとり。

「1956年の大寒波以前、タヌロンにはミモザ農家が 30戸ありましたが、今はわずか 3戸~4戸ですかね」とのことだ。

(C) AFP/Connexion



The following is the original article:


French perfumers' secret ingredient

Mimosa flowers turn the hills around France's perfume capital a golden yellow for a couple of fleeting weeks each year
2 April 2014


THE HILLS around France’s perfume capital, Grasse, are a riot of yellow in Spring, thanks to the region’s blooming mimosa trees.

But there’s more to the sunny plant than being a springtime feast for the eyes. Mimosa also happens to be one of the most prized ingredients in the perfume industry.

"Mimosa is still a perfumer's mainstay," says Sebastien Plan of Robertet, a major international supplier of the raw ingredients that go into perfumes.

"Mimosa has a fresh, floral, slightly powdery, almost honeyed aspect, which blends with the green scent of the stems," he said.

The flowers, once harvested, have to be processed as quickly as possible before they fade. From around 40 tonnes of flowers, Mr Robertet produces some 400 kilos (880 pounds) of a rock-like substance called ‘concrete’.

This is in turn purified into about 100 kilos of ‘absolute’.

Grasse, situated on the French Riviera, has long been France's perfume capital.

Fields of Provence roses and jasmine sprung up around the area in the 17th century after local tanners started scenting their leather products - especially gloves -- with fragrant floral oils.

Those same oils are still in use to this day, in some luxury perfumes.

While Galimard's perfumer Caroline de Boutiny admits its mimosa scent is more popular with older customers than with the young, she added the scent can “lend weight to a composition with its honeyed and powdered notes.”

The mimosa tree originally arrived in France from Australia in the mid-19th century as a decorative plant for gardens,

Visitors to Grasse can see a luxurious forest of it on the Tanneron hills, to the west of the town.

"Mimosa is like velvet," says Gilbert Vial, an 85-year-old "mimosist" who has never left the town of Tanneron.

Unfortunately, all is not rosy for the flower.

Globalisation of production has affected French growers, who now face competition from cheaper producers in far-flung countries while the declining use of the flowers in the fragrance industry is making its mark.

Vial's 60-year-old son is the last in line to harvest the steep slopes of the family's six hectares (15 acres). "Before the frost of 1956, 30 families grew mimosa in Tanneron,” he said.

“Today there are just three or four of us.”

(C) AFP/Connexion




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