Bettaguard
ベタガード深堀り
なぜこの原料?
ベタガード深堀り 3
1. 原材料ポリシー
本製品のメイン成分はワセリン。ワセリンは原油から精製される鉱物由来の成分(炭化水素)です。
ワセリンを明記
ワセリンは1870年代に工業的に生産が開始され、現在、世界中の皮膚科でもっとも使用頻度が高い皮膚関連の医薬品の一つ。一方ワセリンを含め、原油由来(鉱物由来)の成分を化粧品や医薬品の原料に用いることに対して否定的な意見もあります。
ワセリンには賛否のご意見がありますのでベタガードのメイン原料が「ワセリン」であることをなるべく明記・明示し、その事実を事前にお伝えするよう心がけています。
2. 香り=ハーブの香り
ベタガードは香りのよさも特徴の一つ。ローズマリー&月桃精油以外の香料は配合されていません。
A. ローズマリー精油
主な香り成分はローズマリー精油。地中海沿岸が原産のローズマリーは古代より医薬品の原料や食品として利用されてきたハーブです。
B. 月桃(ゲットウ)精油
ベタガードは香りのもうひとつの成分が月桃(ゲットウ)精油。ベタガードには沖縄産の月桃精油が配合されています。
3. 主成分=サンホワイト
サンホワイトは白色ワセリンをさらに精製したワセリンで、高精製度ワセリンとして医療業界で高い評価を受けています。
A. サンホワイトの特徴
ベタガードの基剤を「白色ワセリン」から「サンホワイト」(商標)へ変更しました (2013年5月1日)
- 最高純度のワセリン:不純物が少なく最高精製度。
- 医薬品軟膏としての実績:多数の実績あり。
- 薄く伸ばせるテクスチャ:白色ワセリンより伸ばしやすい。
- 紫外線に強い:紫外線による化学変化の発生、及び過酸化物の生成が少ない。
- 全身にやさしい:敏感な顔・目のまわりにも使用できる、また医療実績があり。
B. サンホワイト vs 白色ワセリン・黄色ワセリン比較表
現在、化粧品や医薬品に黄色ワセリンが使用されることはほとんどありません。ドラッグストアや薬局で販売されているワセリンは一般に白色ワセリンであり、たんに「ワセリン」と言えば「白色ワセリン」を指します。日本薬局方が定める「白色ワセリン」は一定基準を満たした品質であり、医薬品として使用されます。
サンホワイト |
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白色ワセリン |
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黄色ワセリン |
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4. ホホバオイルの特徴
ホホバオイルの特徴は非常の広範囲な用途に使えるオイルです。抜群の抗酸化力と人の皮脂と大変似ている点がメリットです。
A. ホホバの木はどんな木?
ホホバオイルはスキンケア、ヘアケア、傷治療(キズやヤケドの医薬品)、マッサージオイル、精油を溶かすキャリアオイルなど広範囲な用途に使えるオイルです。
ホホバは樹高1-2mの灌木状のツゲ科多年草の樹木で、米国・アリゾナ州の砂漠地帯が原産地と考えられています。ホホバオイルは西部アメリカのネイティブ・アメリカンに伝統的に利用されており民族療法的な医薬品として抜群の実績があります。
厳しい砂漠を生き抜くために根は5mにもなり、表面はワックスで覆われ水分の蒸発を防止しています。2年間雨が降らない状態でも生き延びれると言われるタフな植物です。
種子には液体ワックスが54%(出典Wikipedia)含まれています、凄いですね。ホホバオイルの最大市場は化粧品業界です。インターネットで「ホホバオイル」というキーワードで検索するとほぼ化粧品に関連したサイトが表示されます。
B. 特筆すべき特徴
ホホバオイルの特筆すべき特徴は・・
- 抜群の抗酸化力
- 人の皮脂と大変似ている点
人の肌に乗せるオイルとして非常に理想的な条件を備えているオイルです。
5. ローズマリー
A. 香りはローズマリー&月桃
ベタガードの主成分はサンホワイト(高精製度ワセリン)。無味無臭です。そのため基剤臭のマスキング用香料の配合は不要でした。しかし無味無臭では寂しい、そこで香り付けとしてローズマリー&月桃を配合しました。
ローズマリーは地中海沿岸原産のシソ科のハーブ。ヨーロッパでは伝統的に肉料理のハーブとして愛用されていますが、日本でも近年人気が高く販売されているだけでなく自宅のお庭やポットで栽培されている方も少なくありません。
ローズマリーは香りだけでなく抗酸化作用が高いハーブとして知られていますので、願わくばそのへんの効果もあればうれしいという思いで選択しました。
B. ベタガードの成分
配合比率が高いもの順
- ワセリン・・・(サンホワイト)
- ホホバ種子油・・・(ホホバオイル)
- 水添ホホバ油・・・(ホホバワックス)
- ローズマリー油・・・(ローズマリー精油)
- ゲットウ葉油・・・(月桃精油)
- トコフェロール・・・(ビタミンE)
C. 伝統的ハーブ・ローズマリーの精油
ローズマリーは古代より医薬品の原料や食品として利用されてきたとってもポピュラーなハーブです。ローズマリー人気は現代でも衰えることなく、むしろ高い抗酸化力がアンチエイジングの分野でますます人気となっています。
ローズマリーの特徴は香りだけでなく消臭効果・抗菌作用・抗酸化作用の高さでも有名です。
6. 月桃(ゲットウ)の香り
A. 月桃とは?
ゲットウはショウガ科ハナミョウガ属の常緑多年草。姿はイネ科のアシやサトウキビを巨大化した感じの植物。私は巨大なハーブと見なしています。
沖縄、東南アジア、台湾、中国南部などアジア南東部に広く自生しているハーブ。沖縄では「サンニン」と呼ばれ、いたるところに自生し、食品の保存や香り付けなどの人々の生活に溶け込んでいます。邪気払いのハーブ。「ゲットウ」は漢名の「月桃」の読み。
北大東島 月桃畑
※たわわに実る北大東島 月桃畑(国分撮影 2012年) この島のメインの作物はサトウキビですが、その畑の周囲を囲むように月桃が植えられていました。防砂対策・防風林対策として、そして精油採取に利用されます。
B. 月桃の精油
日本では精油生産は経済構造上、産業として成立することがかなり厳しい状況にあり、日本で生産される精油はほとんどありません。しかし、沖縄で生産される月桃精油は産業ベースで生産されている稀少な事例となっています。
月桃精油の特徴は次の2点:
- 強い殺菌効果・抗菌効果・消臭効果・防虫効果
- 薬草のような個性の強い芳香
C. 月桃の芳香
月桃の花にはあまり香りがありませんが、葉や茎からは薬草のような独特な芳香が感じられます。これらの芳香は精油(エッセンシャルオイル)から発せられています。
沖縄では月桃の葉にムーチー(饅頭)を包んで蒸す習慣があります。精油自体に殺菌・抗菌・消臭効果があり、また同時に独特の芳香が食欲をそそります。
沖縄で月桃の葉に包まれたムーチーの買うとき、店主に尋ねたところ、沖縄の人はこの香りが大好きですが、本土の人ははじめてで苦手に感じる人も多いとのことでした。おそらく、それだけ強く個性がある香りということでしょうが、慣れれば病みつきになりそうな香り。
D. 月桃の名前
沖縄では「サンニン」と呼ばれます。「月桃」は台湾での呼び名ですが、日本でも月桃という呼び名は定着しています。「月桃」という名前の由来は詳しくわかっていませんが、花の形と花の先端がほんのりピンク色になる点と桃を思わせるためではないかと空想しています。
E. 月桃の原産地と生息地
原産地は東南アジアで、東南アジア、台湾、中国南部などアジア南東部から、インド南部など亜熱帯の南アジアに広く分布しています。日本では沖縄本土と周辺の島々、屋久島や種子島に多く生育しています。これらの地域では自生していると同時に精油やお茶の生産のため栽培されている場合があります。
F. 赤土流失対策としての月桃(石垣島)
石垣島では近年の土地開発で保全林が少なくなり、畑の赤土が雨水とともに海岸に流れ出すことが問題になっています。流れ出した赤土は島周辺のサンゴの死滅・白化現象の原因の一つとなっています。
石垣島ではサンゴ礁を守るために、月桃を畑の周囲に植えることで赤土の流出をくい止める活動が盛んです。月桃の植樹活動はボランティア活動としても行われ全国からボランティアが参加しています。
月桃はしっかりと根を張るだけでなく、地下茎で周囲に拡散し密集して群生する性質があります。また、いったん植えると手間暇かけずに大きくなるためグリーンベルトとしては最適な植物と考えられています。
7. ステロイド非配合
ステロイドの効果は絶大で即効性があり、人類の皮膚を守り続けています。
A. ステロイドの劇的な効果と副作用
ステロイドホルモンは人の体内 (とくに副腎皮質)で合成され体内に生理的な変化を起こすホルモンとして働きます。
医薬品としてのステロイドは化学的に合成された成分で、強力な抗炎症作用と抗アレルギー作用があります。しかし、魔法の薬ゆえに使い方を間違えると重大な副作用を招くことが知られています。
外用として皮膚に塗布されるステロイドは内服(飲む)の場合と比較するとリスクは低いのですが、長期間の使用はステロイド効果が薄れるという副作用があります。
それ以外、よく知られている副作用に感染性リスクの増大・骨粗鬆症・糖尿病・高血圧・白内障などがあります。非適切なステロイドの使用 (一般にレベルが高いグレード・過剰投与・長期間投与)は一般に人の免疫系システムを撹乱するリスクがあるとされます。
B. ステロイド非配合
ステロイドはパワフルですが注意を要する魔法の成分ゆえに毎日気軽使って頂きたいベタガードにはステロイドを配合しませんでした。
8. ノンシリコン
ハンドクリームにも多用されるシリコンですが、賛成派・反対派にわかれます。ベタガードはノンシリコンです。
A. シリコンとは?
シリコンとはシロキサン結合(Si-O-Si)をメインとする高分子化合物の総称で一種の合成樹脂です。プラスティックの一種と考えてよいでしょう。別名シリコーン(silicone)。
シリコンは非常にすぐれた成分で毒性もほとんどなくハンドクリームや化粧品には多用されます。とくにシャンプーのようなヘア用品ではきわめて優れたサラサラ感を演出できます。そのためとくにサロン向けのシャンプー&トリートメントには多く配合されています。
B. 様々な種類のシリコン
シリコンにはたくさんの種類があり、様々な名称があります。たとえば「ジメチコン」「シクロメチコン」「メチルポリシロキサン」・・製品の成分表を見ても「シリコン」という名称は使われていなません。シャンプーやトリートメントに配合されたシリコンは髪の毛をサラサラにする効果があります。
C. シリコン否定派の意見
髪の表面をシリコンでラッピングすることで非常に高度なサラサラ感を演出することができます。しかし「髪の毛自体が健康になったような誤解を与えるだけ」「プラスティック皮膜で髪の毛を覆うことで逆に髪にダメージを与える」と主張する意見も多いようです。
D. ハンドクリームにも配合されるシリコン
シリコンは実はハンドクリームでも人気の成分。シリコン入りハンドクリームは「肌が突っ張る感じ」「手袋をしているみたい」というマイナス評価する人と「ラッピングされ保護されている」「サラサラ感」とプラス評価をする人に分かれる。
E. ベタガードはシリコン非配合(ノンシリコン)
当社はシリコンの使用には否定的ではありませんが、ベタガードには配合していません。