Bettaguard
ベタガード深堀り
スキンケアクリームの話
ベタガード深堀り 4
1. クリームのタイプ
ハンドクリームの基剤には大きくわけて2つのタイプがあります。
A. 二大タイプ
- 乳化タイプ(白いクリーム状基剤)のハンドクリーム
- ワセリンをベースとしたハンドクリーム
乳化タイプは通常、水とオイルを混ぜ合わせて作られます。乳化とは水と油のように本来、混ざり合わないものに乳化剤を添加して撹伴(かくはん)し、油成分を微粒子化し液体に均一に拡散させたものです。お酢と油から作るマヨネーズは乳化製品の代表例です。
B. 乳化タイプのメリット
乳化タイプのメリットはそれはもうテクスチャの良さです。オイルに水分が加わることでベタつきやすいオイルが比較的簡単に肌の上で伸び、またお肌に浸透しやすいため、なじみやすいというメリットがあります。
C. 乳化タイプのデメリット
水に弱いこと。ハンドクリームは水仕事の多い手にオイルの被膜を作りお肌を守るミッションがあります。
しかし、乳化タイプのハンドクリームはもともとがオイルと水で作られているため、流れる水とともに手から流れ落ちる傾向があります。乳化タイプクリームが水になじみやすく溶けやすいという性格によります。
D. 水仕事にはワセリンタイプがオススメ
一方、皮膚関連トラブルで世界中でもっとも多用されるワセリンは"伸び" や "なじみ感" が劣る一方、皮膚を強くガードします。水仕事が多い手にはワセリンタイプがオススメです。
2. 乳化系 vs ワセリン
一般的なハンドクリームは白いクリーム状のもの(=乳化系クリーム)が多いですよね。少し固めのワセリンとは違った雰囲気、何が違うのでしょうか?
A. 乳化系クリームとは?
乳化系クリームとは水分とオイルを混ぜ撹拌することで白くクリーム状になった物質全般を指します。水分と油が適度に混じり合うため油の保湿力と水分のサラサラした使い安いテクスチャが特徴です。
B. ワセリンは?
ワセリンは原油から精製分離された純粋な炭化水素の固まりで、水分の含有率は「0%」。水分透過率もほとんどなく皮膚表面からの水分蒸発を強力に防止します。
C. 比較してみました
乳化系クリーム:
- お肌への吸収率 → ある程度皮膚に吸収されやすい
- 水分透過率 → ある程度高く、水分蒸発が起こりやすい (保湿力が弱い)
- 皮膚バリアー保護力 → 中
- 皮膚を水仕事から守る耐水性 → やや弱い
- 感触・テクスチャー → 比較的さらさら感があり良好
ワセリン:
- お肌への吸収率 → ほとんど皮膚に吸収されないが、お肌に馴染んでとどまる (そして、自然剥落)
- 水分透過率 → ほとんどないので、水分蒸発が起こらない (保湿力が高い)
- 皮膚を水仕事から守る耐水性 → 強い
- 皮膚バリアー保護力 → 高い
- 感触・テクスチャー → ベタベタ感があり使いにくい
それぞれに長短があるので賢く使い分けたいですね。
3. 薬効がないワセリン
実はワセリン自体には何の薬効もありません・・なのに皮膚科では非常に多く処方される成分なのです、なぜでしょう?
A. 薬効がないワセリンの実力!
ベタガードの主成分はワセリン。ワセリンは皮膚科で処方されるポピュラーな成分で、病院で処方されるため「医薬的な効果がある」と誤解されがちですが、薬効はいっさいありません。むしろ、その逆で他の成分と反応しない・皮膚に何の影響を与えない安定した性質が特徴です。
B. 人の治癒力を手伝うワセリン
ワセリンによってガードされた皮膚はその人が持つ本来の治癒力を引き出しやすくなる、ワセリンが手荒れを直すのではなく、ワセリンの役割はその人自身が自分の力で治癒することを手伝うことです。