( 香水工場の )
香る生活
ミカンの花の香りと橘本神社(和歌山)
(2026/05/18)
( まだ残っていたミカンの花、よかった・・ )
今年、東京のミカンの花は、5月2日に開花しました。
サクラのように気象庁がミカンの開花宣言をすることはありませんので、これは当社の勝手な開花宣言日です。
しかも当社周辺のミカンの花の話です。
和歌山県は、ミカンの生産量日本一の柑橘王国。開花の季節になると花の香りが町や山野を覆うそうです。ぜひ香りを確かめたいと思いつつ何年も経過しています。
5月上旬は、当社の恒例イベント5月キャンペーンがある時期で、さらに大型連休で交通機関は激しく混雑する時期なのでなかなか動けません。
ミカンの花を見るには遅すぎるのですが、ついに「5月15日」に行ってきました。
東京のミカンは、5月連休が終わる頃までに完全に散っていたので、5月中旬に和歌山へ行っても、もはや何もないと覚悟の上で行って参りました。
JR新大阪駅から和歌山駅を越えて海南市まで電車で行き、そこからコミュニティバスでJR加茂郷駅付近まで移動し、そこから徒歩で橘本神社(きつもとじんじゃ)を目指しました。
4kmをとぼどぼと登っていくのですが、もう麓からミカン畑が拡がっていました。
( 道の駅サクアスから橘本神社へ香りの中を歩く。周囲の山肌ではミカン畑が広がる )
( 無数に花を付けていたミカンの樹木 )
花は、おおむねしおれたり、落ちたりしているものの、まだわずかに残っている花のおかげで絶え間なくミカンの花の香りを楽しめました。
現地の香りですが、ミカンの種類がいろいろあったせいか、ジャスミンに近い香りのもの、東京で感じるのと同じような香り、柑橘系が強く爽やかさが際立つ香り等、いろいろ感じられまた。
目指すは「橘本神社(きつもとじんじゃ)」。「橋本」(はしもと)と読み違えがちですが「柑橘」の「きつ」の字。
橘本神社・・「橘」(たちばな)を持ち帰った田道間守という方が祀られています。
これが日本ミカン発祥の地であり、ミカン発祥の由緒を伝える神社です。
しかし、そんな由緒ある神社と知らずに行くと、通り過ぎそうなくらいその土地の風景に溶け込んでいました。
( 橘本神社、静かな佇まいが美しい )
観光地化されておらず、素朴な佇まいがよき風情でした。
私たちが訪れた際、石段を上るとき降りてくる先客の参拝者二名とすれ違いましたが、人気が少なく、お互い自然と軽く目配せ(形にならない会釈のような)してしまう状況です。
この神社はミカンの神様だけでなくお菓子の神様ともなっており、大阪の菓子商工組合のような類の石碑も多数ありました。お菓子関連の人々による奉納や参拝がうかがわれますね。
そして境内には伝説の「橘」(たちばな)が植えられていました。
( 日本ミカンの発祥の樹木だそうです )
看板にはこのような説明が:
樹齢1900年の樹木がこんなに若々しいのか、私にはわかりませんが、これが古事記・日本書紀に残る日本ミカンの原木だそうです。
恐れ多くも感謝の気持ちになりますね。
この神社は熊野古道沿いにあり、町並みにも趣が漂っていました。
( 神社は熊野古道沿いにありました。日本人には懐かしい風景 )
神社近くの小さなミカン畑で何か作業をされていた二人の女性に声をかけました。
「ミカンの香りを嗅ぎに来ました。今年、香りはいつごろがピークでしたか?」とお聞きすると、連休が終わった頃がすごかったとのこと。
ただし、同じミカンでも品種がいくつもあるので、一つの品種が終わって次の品種へと、香りはしばらく続くとのことでした。
この日は5月15日、香りのピークから1週間以上経過しています。
女性は手を休めて笑顔で「もうこれくらい弱くなると私たちは感じませんけどね」と返して「まだ香り、感じますか?」と逆に質問されました。
外部から来た人間には、まだうっすらと町全体がミカンの香りで満ちています。幸せな気持ちになれるくらい香っていました。
( 「フレグランスたちばな」、どんな土地なのかよくわかる素敵なネーミングなのでワンショット )
帰りは、山中を藤白神社へ向かうハイキングコース7kmを歩いて海南駅に向かう予定でした。途中「5月5日、クマ出没、不用意な入山は危険」という張り紙に出会い怖気づきました。
(ハイキングコースを行くべきか、引き返すべきか・・)
近くの民家前でたまたま出会った高齢男性にクマのことを聞くと「大丈夫じゃろ」とおすすめムードなのに「小学校は、現在親による送迎体制になっている」し、「自分も気色悪くて山の畑にはよう行きません」とのことでした。
(どっちがおすすめ?。。)
ここは安全を期して、来た道と同じルートをたどって加茂郷駅方面へと引き返していきました。今回も楽しい旅、ありがとうございました。

(2026-05-14)

東京での開花
今年、東京のミカンの花は、5月2日に開花しました。
サクラのように気象庁がミカンの開花宣言をすることはありませんので、これは当社の勝手な開花宣言日です。
しかも当社周辺のミカンの花の話です。
柑橘王国・和歌山へ
和歌山県は、ミカンの生産量日本一の柑橘王国。開花の季節になると花の香りが町や山野を覆うそうです。ぜひ香りを確かめたいと思いつつ何年も経過しています。
5月上旬は、当社の恒例イベント5月キャンペーンがある時期で、さらに大型連休で交通機関は激しく混雑する時期なのでなかなか動けません。
ミカンの花を見るには遅すぎるのですが、ついに「5月15日」に行ってきました。
東京のミカンは、5月連休が終わる頃までに完全に散っていたので、5月中旬に和歌山へ行っても、もはや何もないと覚悟の上で行って参りました。
かろうじて残っていた香り
JR新大阪駅から和歌山駅を越えて海南市まで電車で行き、そこからコミュニティバスでJR加茂郷駅付近まで移動し、そこから徒歩で橘本神社(きつもとじんじゃ)を目指しました。
4kmをとぼどぼと登っていくのですが、もう麓からミカン畑が拡がっていました。


花は、おおむねしおれたり、落ちたりしているものの、まだわずかに残っている花のおかげで絶え間なくミカンの花の香りを楽しめました。
現地の香りですが、ミカンの種類がいろいろあったせいか、ジャスミンに近い香りのもの、東京で感じるのと同じような香り、柑橘系が強く爽やかさが際立つ香り等、いろいろ感じられまた。
ミカンの発祥の神社
目指すは「橘本神社(きつもとじんじゃ)」。「橋本」(はしもと)と読み違えがちですが「柑橘」の「きつ」の字。
橘本神社・・「橘」(たちばな)を持ち帰った田道間守という方が祀られています。
これが日本ミカン発祥の地であり、ミカン発祥の由緒を伝える神社です。
しかし、そんな由緒ある神社と知らずに行くと、通り過ぎそうなくらいその土地の風景に溶け込んでいました。

観光地化されておらず、素朴な佇まいがよき風情でした。
私たちが訪れた際、石段を上るとき降りてくる先客の参拝者二名とすれ違いましたが、人気が少なく、お互い自然と軽く目配せ(形にならない会釈のような)してしまう状況です。
この神社はミカンの神様だけでなくお菓子の神様ともなっており、大阪の菓子商工組合のような類の石碑も多数ありました。お菓子関連の人々による奉納や参拝がうかがわれますね。
1900年の歴史を越えて
そして境内には伝説の「橘」(たちばな)が植えられていました。

看板にはこのような説明が:
橘(たちばな)
今から千九百年前、田道間守(たぢまもり)が垂仁(すいにん)天皇の命(めい)をうけ常世の国(とこよのくに)から持ち帰った非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)はこの橘樹であり今のみかんの原種であります(古事記・日本書紀に記す) 橘本神社(きつもとじんじゃ)
今から千九百年前、田道間守(たぢまもり)が垂仁(すいにん)天皇の命(めい)をうけ常世の国(とこよのくに)から持ち帰った非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)はこの橘樹であり今のみかんの原種であります(古事記・日本書紀に記す) 橘本神社(きつもとじんじゃ)
樹齢1900年の樹木がこんなに若々しいのか、私にはわかりませんが、これが古事記・日本書紀に残る日本ミカンの原木だそうです。
恐れ多くも感謝の気持ちになりますね。
この神社は熊野古道沿いにあり、町並みにも趣が漂っていました。

現地の方の話
神社近くの小さなミカン畑で何か作業をされていた二人の女性に声をかけました。
「ミカンの香りを嗅ぎに来ました。今年、香りはいつごろがピークでしたか?」とお聞きすると、連休が終わった頃がすごかったとのこと。
ただし、同じミカンでも品種がいくつもあるので、一つの品種が終わって次の品種へと、香りはしばらく続くとのことでした。
この日は5月15日、香りのピークから1週間以上経過しています。
女性は手を休めて笑顔で「もうこれくらい弱くなると私たちは感じませんけどね」と返して「まだ香り、感じますか?」と逆に質問されました。
外部から来た人間には、まだうっすらと町全体がミカンの香りで満ちています。幸せな気持ちになれるくらい香っていました。

クマはやはり怖い
帰りは、山中を藤白神社へ向かうハイキングコース7kmを歩いて海南駅に向かう予定でした。途中「5月5日、クマ出没、不用意な入山は危険」という張り紙に出会い怖気づきました。
(ハイキングコースを行くべきか、引き返すべきか・・)
近くの民家前でたまたま出会った高齢男性にクマのことを聞くと「大丈夫じゃろ」とおすすめムードなのに「小学校は、現在親による送迎体制になっている」し、「自分も気色悪くて山の畑にはよう行きません」とのことでした。
(どっちがおすすめ?。。)
ここは安全を期して、来た道と同じルートをたどって加茂郷駅方面へと引き返していきました。今回も楽しい旅、ありがとうございました。

( 香水工場の )
香る生活
TikTokで再度出現した偽アカウント
(2026/05/13)
( TikTokで当社を勝手に名乗る偽アカウント )
去年TikTokとXにて、当社なりすましアカウントが出現した。
当社名を名乗り、当社と間違えたユーザーに対して何らかの詐欺を企てることが目的と思われるが、お客様の協力や通知・連絡などを得てそれらのアカウントは無効化された。
安心していたが、数日前に知らない方より「DMにて御社より案件案内がきました」という連絡をいただいた。
彼女は怪しさを感じ、本物なのか直接当社に確認してくれた。そのおかげで本件は発覚した。本当にありがたい。
(そう、少しでも怪しさが感じられたら、当社に限らす、直接その企業なり、その個人なりにコンタクトすることで詐欺は未然に防げるケースは圧倒的に多い!)
調べるとTikTok内に確認できただけで「株式会社武蔵野ワークス」と名乗る4件の偽アカウントが存在している。
すぐにTikTokに通報し対応を依頼したが、今のところ何かが起きる気配はない。
TikTokを動かすことはできないので、当社では当社ができる範囲で注意喚起をしていくことにした。

まずは事実関係の調査。ご連絡いただいた方に、DMの送信元アカウント情報やDM内容を教えてもらえないか打診すると、すぐに情報を公開してもらえた。
見ず知らずの方のご厚意には本当に救われる。孤独な旅先で知らない人に親切にしてもらったようなありがたさと感謝を感じた。
( TikTok偽アカウントのDM案件 → LINEへ誘導というパターン )
この偽アカウントがやろうとしていることはこうだ:
「TikTokでのご投稿を拝見し、とても素敵」
「クリエイター様を探しております」
「少人数限定のご案内となっております
✔ 商品は無料でご提供
✔ ご自身のスタイルで自由に投稿
✔ 報酬あり」
「今後の詳細は・・下記の公式LINEをご追加いただけますでしょうか?
・LINE ID:×××」
こうやってLINEへ誘導し、そこで高額な報酬が提示されるようだ・・こんな話に乗ったら最後、結末は悪い予感しかない・・
Geminiにこの画像の文字起こしを依頼した。すると文字起こしだけでなくPDF資料にしてくれた。それで「証拠資料として保管する」ことを勧められた。
またこうもアドバイスされた。同感である:
「非常に巧妙になりすましています。『ミモザ』という具体的な商品名を挙げ、さらに『報酬あり』という好条件でLINEへ誘導する手法は、個人情報や金銭を目的とした悪質な勧誘の可能性が極めて高いです」
いろいろなネット詐欺事件ではSNSから「LINE」や「123.com」(「数字.com」=中国に多いドメイン名)への誘導が近年の流行のようだ。
当社はLINEを利用していない。LINEでお客様とコンタクトすることは絶対にない。
「LINE誘導=詐欺」の可能性を疑うことをおすすめしたい。
そしてこの調査の過程でLINEでも「プロフィール名」を勝手に当社名にしている偽アカウントが存在することが判明した。
警察官や警視庁になりすます犯罪者も存在する時代、無関係な企業や有名人・著名人になりすまして悪事を働こうとする人々の活動は今後も増加するだろうが、対策の方法は乏しい。
ぜひ、みなさま、偽情報や偽案件にくれぐれもご注意いただきたい。

(2026-05-13)

偽アカウント事件の再発
去年TikTokとXにて、当社なりすましアカウントが出現した。
当社名を名乗り、当社と間違えたユーザーに対して何らかの詐欺を企てることが目的と思われるが、お客様の協力や通知・連絡などを得てそれらのアカウントは無効化された。
安心していたが、数日前に知らない方より「DMにて御社より案件案内がきました」という連絡をいただいた。
なりすまし・・頭が痛い話
彼女は怪しさを感じ、本物なのか直接当社に確認してくれた。そのおかげで本件は発覚した。本当にありがたい。
(そう、少しでも怪しさが感じられたら、当社に限らす、直接その企業なり、その個人なりにコンタクトすることで詐欺は未然に防げるケースは圧倒的に多い!)
本日時点で4件ある偽アカウント
調べるとTikTok内に確認できただけで「株式会社武蔵野ワークス」と名乗る4件の偽アカウントが存在している。
すぐにTikTokに通報し対応を依頼したが、今のところ何かが起きる気配はない。
TikTokを動かすことはできないので、当社では当社ができる範囲で注意喚起をしていくことにした。

協力に感謝!
まずは事実関係の調査。ご連絡いただいた方に、DMの送信元アカウント情報やDM内容を教えてもらえないか打診すると、すぐに情報を公開してもらえた。
見ず知らずの方のご厚意には本当に救われる。孤独な旅先で知らない人に親切にしてもらったようなありがたさと感謝を感じた。
詐欺DMの全容

この偽アカウントがやろうとしていることはこうだ:
「TikTokでのご投稿を拝見し、とても素敵」
「クリエイター様を探しております」
「少人数限定のご案内となっております
✔ 商品は無料でご提供
✔ ご自身のスタイルで自由に投稿
✔ 報酬あり」
「今後の詳細は・・下記の公式LINEをご追加いただけますでしょうか?
・LINE ID:×××」
こうやってLINEへ誘導し、そこで高額な報酬が提示されるようだ・・こんな話に乗ったら最後、結末は悪い予感しかない・・
Geminiにこの画像の文字起こしを依頼した。すると文字起こしだけでなくPDF資料にしてくれた。それで「証拠資料として保管する」ことを勧められた。
またこうもアドバイスされた。同感である:
「非常に巧妙になりすましています。『ミモザ』という具体的な商品名を挙げ、さらに『報酬あり』という好条件でLINEへ誘導する手法は、個人情報や金銭を目的とした悪質な勧誘の可能性が極めて高いです」
LINE誘導、○○.com誘導は詐欺パターン?
いろいろなネット詐欺事件ではSNSから「LINE」や「123.com」(「数字.com」=中国に多いドメイン名)への誘導が近年の流行のようだ。
当社はLINEを利用していない。LINEでお客様とコンタクトすることは絶対にない。
「LINE誘導=詐欺」の可能性を疑うことをおすすめしたい。
そしてこの調査の過程でLINEでも「プロフィール名」を勝手に当社名にしている偽アカウントが存在することが判明した。
警察官や警視庁になりすます犯罪者も存在する時代、無関係な企業や有名人・著名人になりすまして悪事を働こうとする人々の活動は今後も増加するだろうが、対策の方法は乏しい。
ぜひ、みなさま、偽情報や偽案件にくれぐれもご注意いただきたい。

( 香水工場の )
香る生活
垢抜けない香水瓶の話
(2026/05/14)
( 香水:みかんの花 )
先日、『蜜柑の花』のvoice をいただいた:
期待通りの香りだったようだ、当社にはありがたい、願ったり叶ったりのレビューである。だが、終盤にこう添えられていた:
急転直下、私の中では意外で思わず高笑いしてしまった。
そして次の瞬間「そーか、そう感じられたか・・」と驚きと無念が入り交じった。
(「しかたあるまい」とも感じた)
私は、正直に言うと「無難(ぶなん)な香水瓶」と感じている、つまり、まずまず「良きできばえ」であると。
このボトルは10年くらい前に導入した国産ボトルである。ムダがなくシンプルな点が気に入っている。このボトルを導入するまではフランス製ボトルを使用していた。
ワイン産業が発展した地方や国にはよいワインボトルメーカーが育つと言われるが、香水の分野でも同じ現象が観察される。
以前、当社が使用していたフランス製ボトル(サンゴバン社製)は、非常に美しく同じボトルを採用しているハイブランドさんも多い。
(ハイブランドさんの場合、新製品ごとにオリジナルボトルを金型から起こすことが多かったが、製品寿命が短くなった現在、汎用ボトルの採用が多い。そのかわり原型がわからないくらい華美な装飾が施されがちである)
そのフランス製ボトルで香水を製造していた頃、あるお客様から「香水を眺めながらお酒を飲むのが好き」というコメントをいただいたことがある。
香水瓶自体が鑑賞に堪えうるフォルムであり、アート的な雰囲気も感じられたのだろう。
私も外見だけの美しさなら、やはりフランス製ボトルに軍配が上がる気がするが、当社には残念な一点があった。
それはスプレーの接合方式がカシメであったこと。
カシメとはスプレーのアルミ部分を専用器具でねじ曲げてボトルに圧着接合する方式。
カシメは液漏れリスクが低く店頭陳列時に開封されるリスクがないことから世界中の香水のほとんどが未だカシメ式である。
しかし、日本では分別廃棄が普及しているので、廃棄の際、スプレー部分がはずせないと私たちには不便である。
環境的にはネジ式の方がよいと思う
(ネジ式にするとボトルの首部分が長くなり、デザイン上、フォルムが若干犠牲になる。カシメ式の方が美しく見える理由の一つになっている)
私はなかなかイケている国産ボトルと自画自賛しながら邁進してきたが、今回「垢抜けしていない」と言われ、はたと「そう感んじるお客様は他にも多いのかな?・・」と感じた。
とはいえ香水瓶の変更は考えていない。願わくばこの香水瓶のまま愛してもらえることを祈るばかりである。

(2026-05-13)

あるお客様のレビュー
先日、『蜜柑の花』のvoice をいただいた:
蜜柑の花の甘い香りはわたしにとって特別で、手遊びの童謡(みかんの花が咲いている~思い出の道丘の道)も、この香りを知ってからイメージが鮮明になりました。
探してたどり着いたのが武蔵野ワークスさんの「蜜柑の花」でした。
甘いあの花の香りに胸が締め付けられるみたいにどうしようもなく魅かれちゃいます。
期待通りの香りだったようだ、当社にはありがたい、願ったり叶ったりのレビューである。だが、終盤にこう添えられていた:
瓶がどうしても垢抜けなくて、人に勧めたり、これ使っているんだって言うのに正直気が引けてしまいます
急転直下、私の中では意外で思わず高笑いしてしまった。
そして次の瞬間「そーか、そう感じられたか・・」と驚きと無念が入り交じった。
(「しかたあるまい」とも感じた)
私の正直な感想
私は、正直に言うと「無難(ぶなん)な香水瓶」と感じている、つまり、まずまず「良きできばえ」であると。
このボトルは10年くらい前に導入した国産ボトルである。ムダがなくシンプルな点が気に入っている。このボトルを導入するまではフランス製ボトルを使用していた。
ワイン産業が発展した地方や国にはよいワインボトルメーカーが育つと言われるが、香水の分野でも同じ現象が観察される。
ハイブランドも採用する香水瓶
以前、当社が使用していたフランス製ボトル(サンゴバン社製)は、非常に美しく同じボトルを採用しているハイブランドさんも多い。
(ハイブランドさんの場合、新製品ごとにオリジナルボトルを金型から起こすことが多かったが、製品寿命が短くなった現在、汎用ボトルの採用が多い。そのかわり原型がわからないくらい華美な装飾が施されがちである)
そのフランス製ボトルで香水を製造していた頃、あるお客様から「香水を眺めながらお酒を飲むのが好き」というコメントをいただいたことがある。
香水瓶自体が鑑賞に堪えうるフォルムであり、アート的な雰囲気も感じられたのだろう。
私も外見だけの美しさなら、やはりフランス製ボトルに軍配が上がる気がするが、当社には残念な一点があった。
それはスプレーの接合方式がカシメであったこと。
ネジ式への移行
カシメとはスプレーのアルミ部分を専用器具でねじ曲げてボトルに圧着接合する方式。
カシメは液漏れリスクが低く店頭陳列時に開封されるリスクがないことから世界中の香水のほとんどが未だカシメ式である。
しかし、日本では分別廃棄が普及しているので、廃棄の際、スプレー部分がはずせないと私たちには不便である。
環境的にはネジ式の方がよいと思う
(ネジ式にするとボトルの首部分が長くなり、デザイン上、フォルムが若干犠牲になる。カシメ式の方が美しく見える理由の一つになっている)
あれから10年・・
私はなかなかイケている国産ボトルと自画自賛しながら邁進してきたが、今回「垢抜けしていない」と言われ、はたと「そう感んじるお客様は他にも多いのかな?・・」と感じた。
とはいえ香水瓶の変更は考えていない。願わくばこの香水瓶のまま愛してもらえることを祈るばかりである。

( 香水工場の )
香る生活
新ねりこ開発の話
(2026/05/12)
( 太容器で登場しますよ )
はじめてのお客様もおられるので解説すると「ねりこ」とは、練り香水の当社での愛称。
当社は香水を製造販売する香水メーカーで、メイン商品は言うまでもなく香水だが、練り香水も製造している。
練り香水とは、液体アルコールを基材とする香水に対して半固体の基材に香料を溶かし込んだフレグランス=香り製品である。
実質的には香りがよいフェイスクリームやハンドクリームと言っても過言ではない。
半固体の基材なのにこれを香「水」と呼ぶことに違和感もあるが、まあ慣習的にこうなっている。
ちなみに英語では練り香水は「Solid Perfume」と呼ばれ「水」は入らない。
古代エジプトや古代ギリシアなど古代文明では、香りモノといえば「練り香水」か、香料をオイルに溶かした「香油」がメインだった。
アルコールを基材とする香水に比して、練り香水は1000年以上も先輩格なのだが、現在ではマイナーな地位に甘んじている。
その理由は香りの拡散性が乏しく香水と比較すると華やかさがない点、またベタベタするので使いにくいという欠点も大きい。
それでも練り香水を愛用している人々は現代でも一定数存在しており、いったん終了すると、やはり寂しい、早く新作ねりこをリリースしてほしいという声はちらほらいただく・・ありがたい話である。
旧バージョンは2025年末でいったん終売した。現在新作を開発中であるが、その進捗を今日は報告したい。
上の写真は採用が決まった容器。リップスティックを一回り太めにした容器を採用することとなった。
みなさんは、この容器、どう感じられるだろうか?
この容器メーカーではもともとメイクアップ用のコンシーラーやチークコスメを想定して開発した容器のようだが、これを新作ねりこ用に投入することにした。
容器の色は "くすみブルー" 、ここにステキなデザインをシルク印刷であしらう予定だ。
容器の社内名は「太リップ」「ブロードリップ」。
今回も前回同様、ワセリンベースとなる。ワセリンベースのスキンケアといえば当社にはベタガードがある。
ベタガードの開発でワセリン処方には豊富な経験があるので、比較的すんなりと処方はできた。
なるべくベタ付きが少ない成分構成にしている。人気原料の一つシアバターは今回採用を見送った。
気になるプライスだが、旧ねりこ「¥830」からちょっぴりお安く・・「¥790」を狙っている。
容器も原料も世界的な高騰が続く現在、なぜ安くできるのか?・・ちゃんと秘密がある。
(1) パッケージにお金かけない。貧乏外装で笑いを取る(中身だけで勝負)
(2) 内容量を少々減らす
ねりこを使い切れない人は案外多いようだ。「いつまでもなくならない!」と怒り出す人はさすがにいないが、なかなか減らないという状況は、コスメの場合、それはそれで困るケースも多い。
減量は比較的受け入れてもらえるのではと期待している。
旧 ねりこ は6種類を展開していた。
(1) 沈丁花
(2) 白檀2019
(3) 金木犀2015
(4) くちなし
(5) スノーミント
(6) 蜜柑の花
新ねりこのアイテム構成はまだ検討中だ。
一気に多彩なアイテムを同時リリースすることがお客様には一番喜ばれるが、当社レベルの小企業だとリスクが高く負担が大きい、ゆえにアイテムは逐次投入の形態で増やしたい。
そして始発アイテムは「テストプロダクション」として「2アイテム」投入予定である。
テスト生産して、みなさまの反応を見た上で → 修正を加えつつ → 本格生産 → アイテムの逐次投入・・のプロセスで進めたい(小企業の鉄板ロードマップ)
まずは「11月1日に2アイテム」リリースを目標に現在鋭意取り組んでいる。
社内ではある程度、候補は選別済みだが、お客様の希望も聞いてみたいと願っている。
みなさまは、フローラル・フォーシーズンズ香水シリーズの中からどれを「新ねりこ」にしてみたいと思いますか?・・お手数でなければ、アンケートにご協力ください:
人気投票として集計し結果も公開予定だが、基材との相性問題や生産難易度などの事情もあり、人気投票トップが必ず「2アイテム」に選別されるかどうかお約束できないことご了承いただきたい。
しかし、商品化の際の重要な参考データとなることはまちがいない。

(2026-05-12)

去年末、終売になった「ねりこ」
はじめてのお客様もおられるので解説すると「ねりこ」とは、練り香水の当社での愛称。
当社は香水を製造販売する香水メーカーで、メイン商品は言うまでもなく香水だが、練り香水も製造している。
練り香水とは?
練り香水とは、液体アルコールを基材とする香水に対して半固体の基材に香料を溶かし込んだフレグランス=香り製品である。
実質的には香りがよいフェイスクリームやハンドクリームと言っても過言ではない。
半固体の基材なのにこれを香「水」と呼ぶことに違和感もあるが、まあ慣習的にこうなっている。
ちなみに英語では練り香水は「Solid Perfume」と呼ばれ「水」は入らない。
歴史がある練り香水
古代エジプトや古代ギリシアなど古代文明では、香りモノといえば「練り香水」か、香料をオイルに溶かした「香油」がメインだった。
アルコールを基材とする香水に比して、練り香水は1000年以上も先輩格なのだが、現在ではマイナーな地位に甘んじている。
その理由は香りの拡散性が乏しく香水と比較すると華やかさがない点、またベタベタするので使いにくいという欠点も大きい。
なければ寂しい「ねりこ」
それでも練り香水を愛用している人々は現代でも一定数存在しており、いったん終了すると、やはり寂しい、早く新作ねりこをリリースしてほしいという声はちらほらいただく・・ありがたい話である。
旧バージョンは2025年末でいったん終売した。現在新作を開発中であるが、その進捗を今日は報告したい。
容器が決定・・太リップ形
上の写真は採用が決まった容器。リップスティックを一回り太めにした容器を採用することとなった。
みなさんは、この容器、どう感じられるだろうか?
この容器メーカーではもともとメイクアップ用のコンシーラーやチークコスメを想定して開発した容器のようだが、これを新作ねりこ用に投入することにした。
容器の色は "くすみブルー" 、ここにステキなデザインをシルク印刷であしらう予定だ。
容器の社内名は「太リップ」「ブロードリップ」。
新基材・・おおむね完成
今回も前回同様、ワセリンベースとなる。ワセリンベースのスキンケアといえば当社にはベタガードがある。
ベタガードの開発でワセリン処方には豊富な経験があるので、比較的すんなりと処方はできた。
なるべくベタ付きが少ない成分構成にしている。人気原料の一つシアバターは今回採用を見送った。
プライス vs パッケージ&内容量
気になるプライスだが、旧ねりこ「¥830」からちょっぴりお安く・・「¥790」を狙っている。
容器も原料も世界的な高騰が続く現在、なぜ安くできるのか?・・ちゃんと秘密がある。
(1) パッケージにお金かけない。貧乏外装で笑いを取る(中身だけで勝負)
(2) 内容量を少々減らす
ねりこを使い切れない人は案外多いようだ。「いつまでもなくならない!」と怒り出す人はさすがにいないが、なかなか減らないという状況は、コスメの場合、それはそれで困るケースも多い。
減量は比較的受け入れてもらえるのではと期待している。
テストプロダクション&テストリリース・・11月1日
旧 ねりこ は6種類を展開していた。
(1) 沈丁花
(2) 白檀2019
(3) 金木犀2015
(4) くちなし
(5) スノーミント
(6) 蜜柑の花
新ねりこのアイテム構成はまだ検討中だ。
一気に多彩なアイテムを同時リリースすることがお客様には一番喜ばれるが、当社レベルの小企業だとリスクが高く負担が大きい、ゆえにアイテムは逐次投入の形態で増やしたい。
そして始発アイテムは「テストプロダクション」として「2アイテム」投入予定である。
テスト生産して、みなさまの反応を見た上で → 修正を加えつつ → 本格生産 → アイテムの逐次投入・・のプロセスで進めたい(小企業の鉄板ロードマップ)
まずは「11月1日に2アイテム」リリースを目標に現在鋭意取り組んでいる。
その最初の2アイテムはどれにする?
社内ではある程度、候補は選別済みだが、お客様の希望も聞いてみたいと願っている。
みなさまは、フローラル・フォーシーズンズ香水シリーズの中からどれを「新ねりこ」にしてみたいと思いますか?・・お手数でなければ、アンケートにご協力ください:
人気投票として集計し結果も公開予定だが、基材との相性問題や生産難易度などの事情もあり、人気投票トップが必ず「2アイテム」に選別されるかどうかお約束できないことご了承いただきたい。
しかし、商品化の際の重要な参考データとなることはまちがいない。

( 香水工場の )
香る生活
『5月の贈り物』=『黒文字の花』
(2026/04/30 修正)
(2024/04/08 投稿)
( 5月の贈り物フルボトル&キューブボトル )
ここ数年『5月の贈り物』は『黒文字の花』をリリースしています。
多くのファンを獲得したわけではないが『黒文字の花』を心待ちにしている方々の存在はありがたく自信をもって今年もリリースできる。
『黒文字の花』はどんな香り?・・を一言で言えば心鎮まるウッディ。特徴はクロモジ精油。
クロモジとは日本の山野に茂っている灌木で精油が採れる。
『黒文字の花』は、しかし、精油そのものの香りではない。
精油そのものも、よい香りだが『黒文字の花』は香水らしくアレンジされている。
さらに若葉のようなグリーン感とシトラスのような爽快さを合わせている・・かなり強気に気取って言えば、森の中に差し込む光のような輝きがある香り・・(ハイブランドさんたちの歯が浮くCMみたいなコピーになってしまったが)
新緑の季節・5月にぴったりである。
クロモジの話題を少々。過去10年でクロモジ精油を採取する蒸留所さんが日本中で増えた。
クロモジは日本中の山中に広く繁殖している低灌木で、実は豊富な植物資源とも言える宝なんです・・医薬品・食品・化粧品、そして当社のように香水原料として利用できる。
( クロモジの開花は4月初旬が多い )
クロモジはクスノキ科樹木の一種ですが、クスノキ科には香りを発する樹木がたくさん。
ホウショウもそうですしシナモンもクスノキ科ですね~・・クスノキ科は香りの宝庫。
クロモジはその幹に黒い文字のような模様が入ることから「黒文字」と呼ばれるようになった・・納得の説明ですが、実際に文字に見える模様を私は見たことがない、そもそも黒い模様も珍しい。
私が見た範囲では黒い斑点があった場合、文字というよりヒョウ柄に近い。
私がクロモジを知らない頃、「黒い文字のような模様が入ることから黒文字と呼ばれた」説を知り、私のイメージは100%「『耳なし芳一』のような模様か!」だったが、実際の樹木はかなり違っていた・・
( 日本の怪談『耳なし芳一』 )
昔は文字のような模様が入っていたのかな?・・それが変異して文字模様を失ったのか定かではない。
クロモジは和菓子用の爪楊枝として知られている。香りがよい上に適度な柔軟性と弾力性がいいのだろう。
歯の掃除用の楊枝として使えるのか不明だが、仮に使えば歯肉を傷つけにくい。
クロモジ楊枝はわざわざ樹皮を半分くらい残して加工されるが、これは精油を残し香りを楽しむため。
精油効果で殺菌作用・清浄作用があることは昔の人は知り得ないことだが、経験則的に感じていただろうか?
しかし「香りがあるクロモジ楊枝」に私は出会ったことがない。心頭滅却すれば感じないこともないだろうが、ふつうに饅頭を両断しながら「う~ん、クロモジよ・・香り高し」といった優雅な気持ちになったことはない。
( クロモジの香りを感じられ、それを楽しむ方もおられる )
クロモジの香りを楽しむには、生の枝で裁断したてがよかろう。そこまで凝ったクロモジ楊枝は、私のような庶民階級ではなかなか出会えない。
楊枝専門店の「さるや」さんではクロモジは精油が貯まる冬に枝を切り出して製造するという。
そして長期間使わないと香りが飛ぶため、クロモジ楊枝の大量買いはおすすめしないとのこと。
クロモジ楊枝の発案者は誰だろう?・・と検索したら近所の内科先生のブログを見つけた、そこには千利休説が書かれていた・・「気性の荒い織田信長やせっかちな豊臣秀吉を・・」「落としたての香り高いクロモジ楊枝を和菓子にそえた・・」
クロモジ茶は昔から有名で多くの地方で自然発生的に飲まれるようになったようだ。かの養命酒には「烏樟(うしょう)」という生薬名でクロモジが配合されている。
近年ではビールの副原料として利用される。ビールは麦とホップで作られるが、香り付けとしてクロモジを配合したビールが全国の醸造所から続々とリリースされている。
当社に近い酒蔵だと当社から多摩川沿いを1時間(自転車で)ほど上流に上ったところにある石川酒造さんが、東京産クロモジによるクロモジビールを製造されている。
クロモジは、どんな山にも普通に生えている灌木でありながら、香りがあり日本的で薬・酒・食品・化粧品原料への応用ができるありがたい資源、エコな循環サイクル型の原料になりえる、そんな観点からもクロモジブームは長く続いてほしい。
長く続くためには静かなブームであってほしい・・と祈っております。
【関連記事】
(2023/04/10) クロモジ香水を作る

お客様コメント:
2024/04/09 (Tue) 16:46:21
クロモジ
私が通った学校では夏にキャンプがあり、大学の生物学の先生が木々を説明しながらの山歩きがあります。
そこでクロモジの木を紹介され、それぞれが枝を折り齧ったり香りを楽しんだ経験を思い出しました。
・・meiko
2024/04/09 (Tue) 14:15:32
待ってました
昨年から5月の香りを、ずーと待ってました。
待ちかねてます。
発売日を、あちこちのカレンダーに書き込み、メモを貼り付け
今年はフルボトルをゲットします
・・いこ
(2026-04-30)
(2024/04/08 投稿)
( 5月の贈り物フルボトル&キューブボトル )
香水『黒文字の花』
ここ数年『5月の贈り物』は『黒文字の花』をリリースしています。
多くのファンを獲得したわけではないが『黒文字の花』を心待ちにしている方々の存在はありがたく自信をもって今年もリリースできる。
どんな香り?
『黒文字の花』はどんな香り?・・を一言で言えば心鎮まるウッディ。特徴はクロモジ精油。
クロモジとは日本の山野に茂っている灌木で精油が採れる。
『黒文字の花』は、しかし、精油そのものの香りではない。
精油そのものも、よい香りだが『黒文字の花』は香水らしくアレンジされている。
さらに若葉のようなグリーン感とシトラスのような爽快さを合わせている・・かなり強気に気取って言えば、森の中に差し込む光のような輝きがある香り・・(ハイブランドさんたちの歯が浮くCMみたいなコピーになってしまったが)
新緑の季節・5月にぴったりである。
クロモジ精油
クロモジの話題を少々。過去10年でクロモジ精油を採取する蒸留所さんが日本中で増えた。
クロモジは日本中の山中に広く繁殖している低灌木で、実は豊富な植物資源とも言える宝なんです・・医薬品・食品・化粧品、そして当社のように香水原料として利用できる。
( クロモジの開花は4月初旬が多い )
クロモジはクスノキ科樹木の一種ですが、クスノキ科には香りを発する樹木がたくさん。
ホウショウもそうですしシナモンもクスノキ科ですね~・・クスノキ科は香りの宝庫。
植物名「クロモジ」の由来
クロモジはその幹に黒い文字のような模様が入ることから「黒文字」と呼ばれるようになった・・納得の説明ですが、実際に文字に見える模様を私は見たことがない、そもそも黒い模様も珍しい。
私が見た範囲では黒い斑点があった場合、文字というよりヒョウ柄に近い。
私がクロモジを知らない頃、「黒い文字のような模様が入ることから黒文字と呼ばれた」説を知り、私のイメージは100%「『耳なし芳一』のような模様か!」だったが、実際の樹木はかなり違っていた・・
( 日本の怪談『耳なし芳一』 )昔は文字のような模様が入っていたのかな?・・それが変異して文字模様を失ったのか定かではない。
あえて樹皮を残すクロモジ楊枝
クロモジは和菓子用の爪楊枝として知られている。香りがよい上に適度な柔軟性と弾力性がいいのだろう。
歯の掃除用の楊枝として使えるのか不明だが、仮に使えば歯肉を傷つけにくい。
クロモジ楊枝はわざわざ樹皮を半分くらい残して加工されるが、これは精油を残し香りを楽しむため。
精油効果で殺菌作用・清浄作用があることは昔の人は知り得ないことだが、経験則的に感じていただろうか?
しかし「香りがあるクロモジ楊枝」に私は出会ったことがない。心頭滅却すれば感じないこともないだろうが、ふつうに饅頭を両断しながら「う~ん、クロモジよ・・香り高し」といった優雅な気持ちになったことはない。
( クロモジの香りを感じられ、それを楽しむ方もおられる )クロモジの香りを楽しむには、生の枝で裁断したてがよかろう。そこまで凝ったクロモジ楊枝は、私のような庶民階級ではなかなか出会えない。
楊枝専門店の「さるや」さんではクロモジは精油が貯まる冬に枝を切り出して製造するという。
そして長期間使わないと香りが飛ぶため、クロモジ楊枝の大量買いはおすすめしないとのこと。
クロモジ楊枝の発案者は誰だろう?・・と検索したら近所の内科先生のブログを見つけた、そこには千利休説が書かれていた・・「気性の荒い織田信長やせっかちな豊臣秀吉を・・」「落としたての香り高いクロモジ楊枝を和菓子にそえた・・」
ビール、菓子への応用が拡大するクロモジ
クロモジ茶は昔から有名で多くの地方で自然発生的に飲まれるようになったようだ。かの養命酒には「烏樟(うしょう)」という生薬名でクロモジが配合されている。
近年ではビールの副原料として利用される。ビールは麦とホップで作られるが、香り付けとしてクロモジを配合したビールが全国の醸造所から続々とリリースされている。
当社に近い酒蔵だと当社から多摩川沿いを1時間(自転車で)ほど上流に上ったところにある石川酒造さんが、東京産クロモジによるクロモジビールを製造されている。
クロモジは、どんな山にも普通に生えている灌木でありながら、香りがあり日本的で薬・酒・食品・化粧品原料への応用ができるありがたい資源、エコな循環サイクル型の原料になりえる、そんな観点からもクロモジブームは長く続いてほしい。
長く続くためには静かなブームであってほしい・・と祈っております。
【関連記事】
(2023/04/10) クロモジ香水を作る

お客様コメント:
2024/04/09 (Tue) 16:46:21
クロモジ
私が通った学校では夏にキャンプがあり、大学の生物学の先生が木々を説明しながらの山歩きがあります。
そこでクロモジの木を紹介され、それぞれが枝を折り齧ったり香りを楽しんだ経験を思い出しました。
・・meiko
2024/04/09 (Tue) 14:15:32
待ってました
昨年から5月の香りを、ずーと待ってました。
待ちかねてます。
発売日を、あちこちのカレンダーに書き込み、メモを貼り付け
今年はフルボトルをゲットします
・・いこ
( 香水工場の )
香る生活
キクとヨモギ、香りがステキ
(2026/04/04)
( 菊 & 蓬・・香り高し )
今年5月、当社往年の香り『菊』をリバイバルすることとなった。2000年代にリリースしたものの人気ふるわず10年くらいで引退となった香りである。
個人的にはとっても自分の好みに合う香りで気に入っていたが、市場は弱肉強食の世界、売れなければやはりそういう結果になる。
しかし天は見放さなかった。
昨年実施した「復刻したい香りの人気投票」でなかなかの票を獲得し、今回限定ながら『上海』とともに『菊』が復活することとなった。
お客様の中には少数ながら『菊』リバイバルをとても喜んでくださっている方もおられる。メールをいただいた。
「半年前からリバイバルを楽しみにしておりました。しかし、4mLボトルしかなく、しかも『お一家族2本まで』!・・厳しすぎる」といった強い不満が感じられる文面だった・・ありがたいやら申し訳ないやら・・
しかし、25mLボトルを出しても、おそらく売れない。そして本数制限をしないと、すぐにメルカリで転売祭りになるといった事情もある。苦しいところである。
復刻リリースでのお客様の評価次第だが、場合によって「25mLボトル」の後追いリリースもないことはないと感じている。
急激に悪化する日本の経済状況を考えれば、遊びで出すわけにはいかないが、出せればうれしい・・という私の内なる叫びは、ここではおいといて、今日は『菊』リリースに先立ち、キクの香りをヨモギとの関係で話してみたい。
ヨモギとはそこかしこに自生している草。昭和生まれの我らにとってヨモギ=薬草のイメージだが、現代人はなかなか触れないので香りを知る人は少ないだろうか。
私は動き回る割に慎重さがない愚かな子供だったので、当時は切り傷・擦り傷・ケガが絶えなかった。
外で転んで血が出ると道端にはえていたヨモギを引きちぎり、手で汁が出るまで揉んで患部に当てたものだ。
アロエとヨモギは私には万能薬だった。切り傷・擦り傷はもちろん、火傷(やけど)・歯痛まで世話になった(本当に効果があったかどうかよくわからないが、何かあれば、とりあえずアロエかヨモギだった)。
また摘み立てのヨモギの葉を練り込んだ草餅もすばらしい香りで、草を食む羊か馬になった気分を味わえた(現在、近所のスーパーでもヨモギ餅は売っているが、あの頃のようなヨモギ臭迫るお餅にはなかなか出会えない)。
そんな体験のせいか、ヨモギの香りには薬草的な印象とともに懐かしさや安心感が感じられる。
あのヨモギの香りを特徴付けている成分の一つが「エストラゴール(estragole)」とされる。
エストラゴールを単品で嗅ぐと奥まった甘さの中に哲学的な深みを感じるふしぎなニオイがある。
みなさんは、もしかしたら「エストラゴン」(英語名:タラゴン)という植物を聞いたことがないだろうか?
エストラゴンはフランスで人気があるハーブでありエストラゴールを多く含む。エストラゴールという名称自体が植物エストラゴンから命名されたものだろう。
Googleでエストラゴンを検索したら、Geminiさんにこう返答された:
誰が「ハーブの王様」と称しているのか疑惑はあるもののフランス人に相当愛されている状況はよく伝わってくる。
どんな香りかと言えば?・・スパイス会社さんのサイトから借用する:
エストラゴンは、一般にはよく「アニスに似た香り」と書かれるが、アニスを知っている日本人は多くないので私たちにはエスビー食品さんの説明はよくできている気がする。
「甘さ&爽やかの同居」は大陸系の香辛料には珍しくないが、我ら日本人には少し馴染みが薄いテイストだ、若干の異国情緒があるのだ。
このエストラゴン、実はヨモギなのだ。
日本の道端にはえているヨモギとは品種が若干違っており、日本名では「ホソバ・アオ・ヨモギ(細葉青蓬)」と呼ばれるが、まあヨモギである。
ヨモギはヨーロッパで格調高いハーブとして愛されている。住むところは違っても味や香りは人類共通に理解されるのだろう。うれしい気持ちもある。
意外かもしれないがヨモギは「キク科」。ヨモギとキクの関係は「キク科ヨモギ属」と「キク科キク属」の関係、仲間である。
そう言われれば葉っぱのギザギザ具合が似ていることを思い出す方も多いかも。
さらに、香りも似ている部分あるよな~と思わないだろうか?
キクに混じる薬草的な香りの正体はエストラゴールである。つまりヨモギやエストラゴンの香り成分と同じなのだから似ていてもふしぎでない。
キクの生花はエストラゴールの上にお花のフローラルな香りが加わることで、品格と美しさが両立する香りへと昇華している・・と私は解釈している。
厳粛の中に哀愁を帯びたフローラルの美しさは、バラやジャスミンなど圧倒的に豪華な花とはまた違った存在感がある。香りの好きさ加減も甲乙付けがたい。
14年ぶりの『菊』のリリース・・一度は敗退した香りだが、今回みなさまにお気に召してもらえるのか、緊張するな~

(2026-04-04)

『菊』リバイバル
今年5月、当社往年の香り『菊』をリバイバルすることとなった。2000年代にリリースしたものの人気ふるわず10年くらいで引退となった香りである。
個人的にはとっても自分の好みに合う香りで気に入っていたが、市場は弱肉強食の世界、売れなければやはりそういう結果になる。
しかし天は見放さなかった。
昨年実施した「復刻したい香りの人気投票」でなかなかの票を獲得し、今回限定ながら『上海』とともに『菊』が復活することとなった。
お客様の中には少数ながら『菊』リバイバルをとても喜んでくださっている方もおられる。メールをいただいた。
「半年前からリバイバルを楽しみにしておりました。しかし、4mLボトルしかなく、しかも『お一家族2本まで』!・・厳しすぎる」といった強い不満が感じられる文面だった・・ありがたいやら申し訳ないやら・・
しかし、25mLボトルを出しても、おそらく売れない。そして本数制限をしないと、すぐにメルカリで転売祭りになるといった事情もある。苦しいところである。
人気があれば25mLボトルも?
復刻リリースでのお客様の評価次第だが、場合によって「25mLボトル」の後追いリリースもないことはないと感じている。
急激に悪化する日本の経済状況を考えれば、遊びで出すわけにはいかないが、出せればうれしい・・という私の内なる叫びは、ここではおいといて、今日は『菊』リリースに先立ち、キクの香りをヨモギとの関係で話してみたい。
ヨモギの香り
ヨモギとはそこかしこに自生している草。昭和生まれの我らにとってヨモギ=薬草のイメージだが、現代人はなかなか触れないので香りを知る人は少ないだろうか。
私は動き回る割に慎重さがない愚かな子供だったので、当時は切り傷・擦り傷・ケガが絶えなかった。
外で転んで血が出ると道端にはえていたヨモギを引きちぎり、手で汁が出るまで揉んで患部に当てたものだ。
アロエとヨモギは私には万能薬だった。切り傷・擦り傷はもちろん、火傷(やけど)・歯痛まで世話になった(本当に効果があったかどうかよくわからないが、何かあれば、とりあえずアロエかヨモギだった)。
また摘み立てのヨモギの葉を練り込んだ草餅もすばらしい香りで、草を食む羊か馬になった気分を味わえた(現在、近所のスーパーでもヨモギ餅は売っているが、あの頃のようなヨモギ臭迫るお餅にはなかなか出会えない)。
ヨモギの香り成分
そんな体験のせいか、ヨモギの香りには薬草的な印象とともに懐かしさや安心感が感じられる。
あのヨモギの香りを特徴付けている成分の一つが「エストラゴール(estragole)」とされる。
エストラゴールを単品で嗅ぐと奥まった甘さの中に哲学的な深みを感じるふしぎなニオイがある。
みなさんは、もしかしたら「エストラゴン」(英語名:タラゴン)という植物を聞いたことがないだろうか?
エストラゴンはフランスで人気があるハーブでありエストラゴールを多く含む。エストラゴールという名称自体が植物エストラゴンから命名されたものだろう。
ハーブの王様:エストラゴン
Googleでエストラゴンを検索したら、Geminiさんにこう返答された:
エストラゴン(タラゴン)は、特にフランス料理において『ハーブの王様』や『食通のハーブ』と称されるほど、非常に重要で特徴的なハーブ
誰が「ハーブの王様」と称しているのか疑惑はあるもののフランス人に相当愛されている状況はよく伝わってくる。
どんな香りかと言えば?・・スパイス会社さんのサイトから借用する:
甘さと独特の爽やかな風味をもつハーブ。噛むと少し刺激的な味わい(S&B食品)
エストラゴンは、一般にはよく「アニスに似た香り」と書かれるが、アニスを知っている日本人は多くないので私たちにはエスビー食品さんの説明はよくできている気がする。
「甘さ&爽やかの同居」は大陸系の香辛料には珍しくないが、我ら日本人には少し馴染みが薄いテイストだ、若干の異国情緒があるのだ。
このエストラゴン、実はヨモギなのだ。
日本の道端にはえているヨモギとは品種が若干違っており、日本名では「ホソバ・アオ・ヨモギ(細葉青蓬)」と呼ばれるが、まあヨモギである。
ヨモギはヨーロッパで格調高いハーブとして愛されている。住むところは違っても味や香りは人類共通に理解されるのだろう。うれしい気持ちもある。
キクとヨモギは同じ仲間?
意外かもしれないがヨモギは「キク科」。ヨモギとキクの関係は「キク科ヨモギ属」と「キク科キク属」の関係、仲間である。
そう言われれば葉っぱのギザギザ具合が似ていることを思い出す方も多いかも。
さらに、香りも似ている部分あるよな~と思わないだろうか?
キクに混じる薬草的な香りの正体はエストラゴールである。つまりヨモギやエストラゴンの香り成分と同じなのだから似ていてもふしぎでない。
キクの生花はエストラゴールの上にお花のフローラルな香りが加わることで、品格と美しさが両立する香りへと昇華している・・と私は解釈している。
厳粛の中に哀愁を帯びたフローラルの美しさは、バラやジャスミンなど圧倒的に豪華な花とはまた違った存在感がある。香りの好きさ加減も甲乙付けがたい。
14年ぶりの『菊』のリリース・・一度は敗退した香りだが、今回みなさまにお気に召してもらえるのか、緊張するな~




