( 香水工場の )
香る生活
体臭の変化とメンズ香水
今さら言うまでもないことですが、近年メンズコスメの盛り上がりには目を見張るモノがあります。世界的な傾向です。
多くの化粧品メーカーがメンズコスメの製品ラインアップ増強、広告の大量投下などメンズカテゴリーに注力。その結果、テレビでも「For Men」と連呼されるCMもよく見かけます。テレビだけでなく雑誌やネットなどあらゆる媒体で「For Men」の露出総量は毎年確実増加中です。
昔は、インディアンのように狩りや民族間戦争時の戦闘用メイクをする民族は少なくありませんでした。また儀式や舞台での演出としてのメイクも多かったのですが、男性が自分の美容のために行う化粧という習慣はそれほど多くは思い浮かびません。
化粧にはあるビジュアルな効果をあたえるための「メイク」と、お肌を健康な状態に維持する、または改善するための「スキンケア」という2種類の意味があります。
日本の平安貴族の白粉も実は美容のための化粧だったかもしれません。また、日本では江戸時代、江戸の若旦那衆の間では男性の白粉(現在の感覚でいうメイク+スキンケアと考えられます)が流行したことは化粧史に刻まれた事実です。
しかし、伝統的に男性は野性的で強く逞しくあることが理想であり、化粧とはほど遠い民族が多かったと思います。
現在のメンズコスメ・ブームは、よって、人類史上少し珍しい現象かもしれません。昔のように米俵をかつぎあげる必要もなく、狩りにでかけ生死をかけて獲物を倒しくる必要もない現代の男性が、筋肉よりも美容にこだわるのも生物学的な自然な現象かもしれません。
メンズコスメマーケットに大胆に参入した化粧品メーカーさんは概ね成功しているとのことです。
化粧品業界のマーケティング担当者たちからは、このメンズコスメ現象に対してさまざまな分析がされ、今後が市場や需要予想がされていますが、ここでは取り上げません。
そのかわり、当社の場合を少し触れたいと思います。
当社の香水シリーズ「フローラル・フォーシーズンズ」は、当社のメインプロダクトです。ネーミングがいかにも「花」なのでシリーズのリリース時、男性顧客はほとんど想定されていませんでした。
実際、当社のお客さまの男性対女性比率は、お客さまの性別はお名前だけから判断するしかないのでかなりザックリですが、女性客が98%-99%程度で推移してきました。
つまり100人のお客さまがあれば「ほぼすべて女性」。男性客らしき氏名を見て「迷い込んだかも?」と感じられるくらい珍しいものがあったものです。
それが2年くらい前から男性らしきお名前の増加が目に見える感じで増え始めました。現在の男性顧客の比率は1割。もはや「迷い込んだかも?」と感じることはありません。評価いただき確信してご購入(当社では「確信購入」といいます。遊びや冗談、間違いなどの購入ではないもの)いただいていると信じています。
昨日、取引先との打ち合わせでメンズフレグランスの盛り上がりが話題になりました。相手は長年世界の化粧品原料取引に従事し、日本のファインフレグランス市場に精通する商社マン。彼の分析は笑えました。
「いやー電車に乗っていても最近のオトコどもにはフレグランスが必要だね。当然よ!」
とかなり一刀両断でした。事情はこうです。彼がはじめてハンバーガーを食べたのはまだ少年の頃、1971年開業のマクドナルド銀座1号店でした。
日本マクドナルドを創業したのは昭和の風雲児・藤田田(でん)氏です。
藤田氏の有名な「人間は十二歳まで食べていたものを一生食べていく」(十二歳味覚説)による数十年がかりの日本マクドナルド「ニッポンジン改造計画」のもと、現在の40代以下の人々は完全にハンバーガーとフライドポテトをベース食とした国民へに生まれ変わりました。
日本人の体臭はこの30年で大きく変化したというのが彼の持論です。幼少の頃より肉食がメインになったからです。
藤田田氏は、「手掴みで食べるハンバーガーで日本人を金髪にしてみせる!」(日常生活の欧米化の意味と思われる)と記者会見でも自筆の本(たとえば「Den Fujitaの商法」・・・おもしろいです)でも述べていました。
それはついに実現し、(藤田さんにも想定外のコトだったと思いますが)ついでに日本人の体臭まで変化させてしまったようです。
天国で「やりすぎたか?」と苦笑いされているかもしれません。
(2008-09-13)
多くの化粧品メーカーがメンズコスメの製品ラインアップ増強、広告の大量投下などメンズカテゴリーに注力。その結果、テレビでも「For Men」と連呼されるCMもよく見かけます。テレビだけでなく雑誌やネットなどあらゆる媒体で「For Men」の露出総量は毎年確実増加中です。
昔は、インディアンのように狩りや民族間戦争時の戦闘用メイクをする民族は少なくありませんでした。また儀式や舞台での演出としてのメイクも多かったのですが、男性が自分の美容のために行う化粧という習慣はそれほど多くは思い浮かびません。
化粧にはあるビジュアルな効果をあたえるための「メイク」と、お肌を健康な状態に維持する、または改善するための「スキンケア」という2種類の意味があります。
日本の平安貴族の白粉も実は美容のための化粧だったかもしれません。また、日本では江戸時代、江戸の若旦那衆の間では男性の白粉(現在の感覚でいうメイク+スキンケアと考えられます)が流行したことは化粧史に刻まれた事実です。
しかし、伝統的に男性は野性的で強く逞しくあることが理想であり、化粧とはほど遠い民族が多かったと思います。
現在のメンズコスメ・ブームは、よって、人類史上少し珍しい現象かもしれません。昔のように米俵をかつぎあげる必要もなく、狩りにでかけ生死をかけて獲物を倒しくる必要もない現代の男性が、筋肉よりも美容にこだわるのも生物学的な自然な現象かもしれません。
メンズコスメマーケットに大胆に参入した化粧品メーカーさんは概ね成功しているとのことです。
化粧品業界のマーケティング担当者たちからは、このメンズコスメ現象に対してさまざまな分析がされ、今後が市場や需要予想がされていますが、ここでは取り上げません。
そのかわり、当社の場合を少し触れたいと思います。
当社の香水シリーズ「フローラル・フォーシーズンズ」は、当社のメインプロダクトです。ネーミングがいかにも「花」なのでシリーズのリリース時、男性顧客はほとんど想定されていませんでした。
実際、当社のお客さまの男性対女性比率は、お客さまの性別はお名前だけから判断するしかないのでかなりザックリですが、女性客が98%-99%程度で推移してきました。
つまり100人のお客さまがあれば「ほぼすべて女性」。男性客らしき氏名を見て「迷い込んだかも?」と感じられるくらい珍しいものがあったものです。
それが2年くらい前から男性らしきお名前の増加が目に見える感じで増え始めました。現在の男性顧客の比率は1割。もはや「迷い込んだかも?」と感じることはありません。評価いただき確信してご購入(当社では「確信購入」といいます。遊びや冗談、間違いなどの購入ではないもの)いただいていると信じています。
昨日、取引先との打ち合わせでメンズフレグランスの盛り上がりが話題になりました。相手は長年世界の化粧品原料取引に従事し、日本のファインフレグランス市場に精通する商社マン。彼の分析は笑えました。
「いやー電車に乗っていても最近のオトコどもにはフレグランスが必要だね。当然よ!」
とかなり一刀両断でした。事情はこうです。彼がはじめてハンバーガーを食べたのはまだ少年の頃、1971年開業のマクドナルド銀座1号店でした。
日本マクドナルドを創業したのは昭和の風雲児・藤田田(でん)氏です。
藤田氏の有名な「人間は十二歳まで食べていたものを一生食べていく」(十二歳味覚説)による数十年がかりの日本マクドナルド「ニッポンジン改造計画」のもと、現在の40代以下の人々は完全にハンバーガーとフライドポテトをベース食とした国民へに生まれ変わりました。
日本人の体臭はこの30年で大きく変化したというのが彼の持論です。幼少の頃より肉食がメインになったからです。
藤田田氏は、「手掴みで食べるハンバーガーで日本人を金髪にしてみせる!」(日常生活の欧米化の意味と思われる)と記者会見でも自筆の本(たとえば「Den Fujitaの商法」・・・おもしろいです)でも述べていました。
それはついに実現し、(藤田さんにも想定外のコトだったと思いますが)ついでに日本人の体臭まで変化させてしまったようです。
天国で「やりすぎたか?」と苦笑いされているかもしれません。
(2008-09-13)
( 香水工場の )
香る生活
地元の銭湯模様
欧米人の中には、お湯を共有する銭湯を「不潔」と嫌う人がいます。
が、彼らはスイミングプールで水を共有しています。しかもプールは水温が低いのでエイズウイルスも殺せません。
私がときおり行く地元の銭湯は清潔感があり、水風呂や薬草湯があって地元の人に人気です。日替わりでラベンダー湯や「海洋深層水」湯、コラーゲン湯、カモミール湯、ヨモギ湯などの薬草湯に変化します。もちろん、感じるのは色の変化くらいで香りの変化は愛嬌程度ですが、ないより楽しいものです。
夕方、早めに行くと必ず先に来ているおじさんちゃん達がいます。常連さんです。
聞くともなし聞こえてくる会話は健康関連が多い。
「痛風が」どうのという話題で盛り上がっていたりします。
彼らの入浴時間は最低1時間。「きょうは5時から入っているよ」なんて聞こえてくるところから逆算すると2時間の人もいる模様です。
健康オタクとは彼らのことです。
この銭湯ではロビーで常連さんたちがビール片手に番台のおじさんと世間話で盛り上がるのも普通の光景です。地域のコミュニティセンターとして機能しています。
ちなみに、お風呂はホームアンチエイジング的には魅力的な習慣です。血液は約1分で体内を循環するので、10分つかれば10往復。20分つかれば20往復。その間、血行が改善され、乳酸(疲労物質)が分解され、汗として過剰なナトリウムや尿酸(痛風の原因)などが排出されます。さらに鉛・ヒ素・水銀などの重金属の排出(デトックス=毒だし)として体内浄化に役立ちます。
デトックスとして、銭湯は魅力的なホームアンチエイジングですね。
反面、毒とともに有用なミネラルや金属(亜鉛、マンガン、鉄)なども汗とともに失われますので注意下さい、とどこかに本に書いてありました。
汗が出ると血中水分が失われ血液の粘度が上がります。人によっては危険な状態になる場合がありますので、安全のため適切な水分補給にご注意ください、とも。
(2008-09-10)
が、彼らはスイミングプールで水を共有しています。しかもプールは水温が低いのでエイズウイルスも殺せません。
私がときおり行く地元の銭湯は清潔感があり、水風呂や薬草湯があって地元の人に人気です。日替わりでラベンダー湯や「海洋深層水」湯、コラーゲン湯、カモミール湯、ヨモギ湯などの薬草湯に変化します。もちろん、感じるのは色の変化くらいで香りの変化は愛嬌程度ですが、ないより楽しいものです。
夕方、早めに行くと必ず先に来ているおじさんちゃん達がいます。常連さんです。
聞くともなし聞こえてくる会話は健康関連が多い。
「痛風が」どうのという話題で盛り上がっていたりします。
彼らの入浴時間は最低1時間。「きょうは5時から入っているよ」なんて聞こえてくるところから逆算すると2時間の人もいる模様です。
健康オタクとは彼らのことです。
この銭湯ではロビーで常連さんたちがビール片手に番台のおじさんと世間話で盛り上がるのも普通の光景です。地域のコミュニティセンターとして機能しています。
ちなみに、お風呂はホームアンチエイジング的には魅力的な習慣です。血液は約1分で体内を循環するので、10分つかれば10往復。20分つかれば20往復。その間、血行が改善され、乳酸(疲労物質)が分解され、汗として過剰なナトリウムや尿酸(痛風の原因)などが排出されます。さらに鉛・ヒ素・水銀などの重金属の排出(デトックス=毒だし)として体内浄化に役立ちます。
デトックスとして、銭湯は魅力的なホームアンチエイジングですね。
反面、毒とともに有用なミネラルや金属(亜鉛、マンガン、鉄)なども汗とともに失われますので注意下さい、とどこかに本に書いてありました。
汗が出ると血中水分が失われ血液の粘度が上がります。人によっては危険な状態になる場合がありますので、安全のため適切な水分補給にご注意ください、とも。
(2008-09-10)
( 香水工場の )
香る生活
旅をするなら淡路島の漂木狩り
近代の香水は、主にヨーロッパで発展を遂げましたが、日本には「お香」という文化が生まれました。それどころか「香道」のように香りを日常のエンターテイメントから芸術の領域まで高めました。
日本は香り先進国です。
香りと清潔は表裏の関係にあると思いますが、日本は衛生に関しても先進的な国です。お風呂文化が広く浸透していたためです。
たとえば、17世紀〜18世紀のフランスではルイ14世、ルイ15世、ルイ16世の時代に絶対王政が確立され貴族文化が炸裂します。ベルサイユ宮殿に象徴されるように優雅で洗練された宮廷文化がピークを迎え「蝶よ花よ」と美しさだけがイメージされがちですが、実際は着飾った貴族たちも相当臭かったろうと思います。
実際、世界の大都市パリは当時「糞尿の都」でした。
映画『パフューム』には当時のパリの糞尿具合が忠実に描写されていて好感をもちますが、19世紀ナポレオンの時代に入ると、オーデコロンの愛用者として有名なナポレオンがそうだったように徐々に香水やフレグランスが普及しはじめます。
日本で言えば江戸末期のころの話です。つまり、江戸百万都市は、舗装道路がないことが難点ながら、衛生度合いからすれば、江戸の町は、パリよりよほど清潔な町でした。
その後、ヨーロッパでは安価で量産可能な石鹸製造技術が開発され、またフランスの軍隊でシャワーが考案され、大戦を通じてヨーロッパ中に広く普及浸透することで衛生面で、日本をあっという間に抜き去りますが、長い歴史を見れば日本は香りと衛生の先進的な国だったと言えそうです。
その香り先進国・日本の香り文化の原点となった場所が瀬戸内海の淡路島です。
香りの勉強をされる方が必ず習う伝説があります。私自身読んだことはありませんが、下記の内容が日本書紀に記述されているそうです。
595年、推古天皇の頃、淡路島に木材が漂着し、島民が焼いてみるとよい香りを漂わしたことから珍しがり役所に持ち込んで、巡り巡り、ついに朝廷に献上された訳アリ木材。この漂木は沈香だったとされます。
沈香とは香木の一種で主に東南アジアで採取されるます。日本での採取事例はおそらく存在しないと思いますので、アクロバット的海流のなせる技か、あるいはすでに香木貿易が始まっていたのでしょうか、なぜ東南アジアの香木が瀬戸内海まで流れ着いたのか不明です。
奈良・正倉院に納められている沈香は「黄熟香」と呼ばれますが、一説にはこのときの漂木が黄熟香だったという話もありますが、詳細は不明です。
余談ですが、正倉院の黄熟香は、足利義政、織田信長、明治天皇によって端っこが切り取られたことで有名です。切り取ったワケは不明です。たんなる漂木ながら国家的宝物と位置づけられ、国家的権力の象徴とも解釈されているのかもしれません。
・・・というわけで淡路島は、日本の香り文化にとってもゆかりの地です。
夏にスタッフが淡路島を回ってきました。香木が打ち上げられたというゆかりの海岸も見てきたそうです。そこには枯木神社なる神社があり、その裏手に延びる海岸には今でも漂木がいっぱい。
「確かに漂木が流れ着きそうな所でした」
とのことです。
これは一大事、漂木は近年、人気のオブジェ。ちょっとしたお小遣いになるだけでなく、漂木狩りで万一沈香でも見つけようものなら、ウン千万円もかるくアリです。本当にそれだけ希少な香木ですから。


(2008-09-09)
日本は香り先進国です。
香りと清潔は表裏の関係にあると思いますが、日本は衛生に関しても先進的な国です。お風呂文化が広く浸透していたためです。
たとえば、17世紀〜18世紀のフランスではルイ14世、ルイ15世、ルイ16世の時代に絶対王政が確立され貴族文化が炸裂します。ベルサイユ宮殿に象徴されるように優雅で洗練された宮廷文化がピークを迎え「蝶よ花よ」と美しさだけがイメージされがちですが、実際は着飾った貴族たちも相当臭かったろうと思います。
実際、世界の大都市パリは当時「糞尿の都」でした。
映画『パフューム』には当時のパリの糞尿具合が忠実に描写されていて好感をもちますが、19世紀ナポレオンの時代に入ると、オーデコロンの愛用者として有名なナポレオンがそうだったように徐々に香水やフレグランスが普及しはじめます。
日本で言えば江戸末期のころの話です。つまり、江戸百万都市は、舗装道路がないことが難点ながら、衛生度合いからすれば、江戸の町は、パリよりよほど清潔な町でした。
その後、ヨーロッパでは安価で量産可能な石鹸製造技術が開発され、またフランスの軍隊でシャワーが考案され、大戦を通じてヨーロッパ中に広く普及浸透することで衛生面で、日本をあっという間に抜き去りますが、長い歴史を見れば日本は香りと衛生の先進的な国だったと言えそうです。
その香り先進国・日本の香り文化の原点となった場所が瀬戸内海の淡路島です。
香りの勉強をされる方が必ず習う伝説があります。私自身読んだことはありませんが、下記の内容が日本書紀に記述されているそうです。
595年、推古天皇の頃、淡路島に木材が漂着し、島民が焼いてみるとよい香りを漂わしたことから珍しがり役所に持ち込んで、巡り巡り、ついに朝廷に献上された訳アリ木材。この漂木は沈香だったとされます。
沈香とは香木の一種で主に東南アジアで採取されるます。日本での採取事例はおそらく存在しないと思いますので、アクロバット的海流のなせる技か、あるいはすでに香木貿易が始まっていたのでしょうか、なぜ東南アジアの香木が瀬戸内海まで流れ着いたのか不明です。
奈良・正倉院に納められている沈香は「黄熟香」と呼ばれますが、一説にはこのときの漂木が黄熟香だったという話もありますが、詳細は不明です。
余談ですが、正倉院の黄熟香は、足利義政、織田信長、明治天皇によって端っこが切り取られたことで有名です。切り取ったワケは不明です。たんなる漂木ながら国家的宝物と位置づけられ、国家的権力の象徴とも解釈されているのかもしれません。
・・・というわけで淡路島は、日本の香り文化にとってもゆかりの地です。
夏にスタッフが淡路島を回ってきました。香木が打ち上げられたというゆかりの海岸も見てきたそうです。そこには枯木神社なる神社があり、その裏手に延びる海岸には今でも漂木がいっぱい。
「確かに漂木が流れ着きそうな所でした」
とのことです。
これは一大事、漂木は近年、人気のオブジェ。ちょっとしたお小遣いになるだけでなく、漂木狩りで万一沈香でも見つけようものなら、ウン千万円もかるくアリです。本当にそれだけ希少な香木ですから。


(2008-09-09)
( 香水工場の )
香る生活
『香る生活』vol.10をリリース
今朝の東京は、秋らしい雰囲気がちょっと感じられる空に恵まれました。
『香る生活』vol.10がリリースされました。
先日、印刷所から上がってきた冊子を手にしたとき、発色の悪さに驚きました。いつも色校正なしで印刷にかけますので、たまにはこんなトラブルもあります。
一瞬「刷り直す?」と脳裏をかすめましたが、コストもさることながら、1万冊の冊子を廃棄するという反環境的行為の方が罪は重かろうと、薄くぼんやりした色のままでみなさまにお届けいたします。
しかし、失敗したな・・・と反省しきりです。こういうトラブルがあるといつも思い出すことがあります。
何年か前、ある大手広告会社さんのプロモーション案件に参加させていただいたときです。当社は香水ノベルティの提供をさせていただきました。
全体では億単位のプロモーションだったと思います。当社が受け持つのは、ごくごく小さな末端のノベルティの制作。当社にとっては数百万円の案件です。
香水の制作だけならよかったのですが、その香水に貼るラベルの制作も含まれていました。
ラベルのデザインは広告会社さんで起草されますが、印刷は当社が受け持ち、当社が通常取り引きしている印刷所に依頼しました。他社さんのプロジェクトですので当然事前に色校正を出し、クライアントのGOを受けて、数万枚印刷しました。
でき上がったラベルシールに対して広告会社さんから、製品版の色が校正時の発色と微妙に違うと指摘されました。
私の目にはその違いはほとんど感じられないレベルです。まして一般のお客さまがそれを気にされるレベルなどではまったくないと推測されます。印刷会社さんもそれ以上の調整は保証外との返答。が、その広告会社さんからは有無を言わせずやり直しを命ぜられました。
それだけ色にこだわるなら、最初からその広告会社さんの「こだわりクオリティ」を理解している山のようにあるお抱えの印刷所に依頼すべきだし、そもそもスポンサーである最終クライアントさんの判断を聞くよう主張して押し問答となりました。
結果的に印刷会社さんは別料金でやり直しに応じることになりました。
まあ、今となっては遠い過去の話です。当社も印刷所さんもコスト的な損失は負いませんでしたが、わかいそうなことに初版の数万枚のラベルは廃棄処分の憂き目に合いました。廃棄することが非常に苦しかったです。
それ以来、廃棄処分にしなくてよいように製品でも印刷物でも何でも綿密な計画を立てるように努めていますが、またやってしまいました。
冊子を配るたびに自分のミスを噛みしめたいと思います。

今回も紙面に文字を詰め込みました。渾身の取材は・・・
・日本の香り「お香」の魅力 京都・香老舗 松栄堂
・大垣に拡がるカモミール畑 日本で生産される香料植物シリーズ
・旅人ミュージシャン ブラジル系ピアニスト 鈴木厚志
・生活の中に溶け込むバラ・・・イラン人とバラの親密な関係 ダルビッシュ ギャラリー
・宅配・・・通販を支える縁の下の力持ち 意外に知られていない宅急便とメール便のホント
「国分さん、そんなに文字を詰め込んでも読んでくれるお客さんはいないよ」とスタッフにからかわれながらも詰め込んでいます。10人にひとりくらいは「おもしろい」「役立つ」と読んでくださる方がいることを信じています。
冊子は通販のお買物に同梱され、現在配布中。
(2008-09-08)
『香る生活』vol.10がリリースされました。
先日、印刷所から上がってきた冊子を手にしたとき、発色の悪さに驚きました。いつも色校正なしで印刷にかけますので、たまにはこんなトラブルもあります。
一瞬「刷り直す?」と脳裏をかすめましたが、コストもさることながら、1万冊の冊子を廃棄するという反環境的行為の方が罪は重かろうと、薄くぼんやりした色のままでみなさまにお届けいたします。
しかし、失敗したな・・・と反省しきりです。こういうトラブルがあるといつも思い出すことがあります。
何年か前、ある大手広告会社さんのプロモーション案件に参加させていただいたときです。当社は香水ノベルティの提供をさせていただきました。
全体では億単位のプロモーションだったと思います。当社が受け持つのは、ごくごく小さな末端のノベルティの制作。当社にとっては数百万円の案件です。
香水の制作だけならよかったのですが、その香水に貼るラベルの制作も含まれていました。
ラベルのデザインは広告会社さんで起草されますが、印刷は当社が受け持ち、当社が通常取り引きしている印刷所に依頼しました。他社さんのプロジェクトですので当然事前に色校正を出し、クライアントのGOを受けて、数万枚印刷しました。
でき上がったラベルシールに対して広告会社さんから、製品版の色が校正時の発色と微妙に違うと指摘されました。
私の目にはその違いはほとんど感じられないレベルです。まして一般のお客さまがそれを気にされるレベルなどではまったくないと推測されます。印刷会社さんもそれ以上の調整は保証外との返答。が、その広告会社さんからは有無を言わせずやり直しを命ぜられました。
それだけ色にこだわるなら、最初からその広告会社さんの「こだわりクオリティ」を理解している山のようにあるお抱えの印刷所に依頼すべきだし、そもそもスポンサーである最終クライアントさんの判断を聞くよう主張して押し問答となりました。
結果的に印刷会社さんは別料金でやり直しに応じることになりました。
まあ、今となっては遠い過去の話です。当社も印刷所さんもコスト的な損失は負いませんでしたが、わかいそうなことに初版の数万枚のラベルは廃棄処分の憂き目に合いました。廃棄することが非常に苦しかったです。
それ以来、廃棄処分にしなくてよいように製品でも印刷物でも何でも綿密な計画を立てるように努めていますが、またやってしまいました。
冊子を配るたびに自分のミスを噛みしめたいと思います。

今回も紙面に文字を詰め込みました。渾身の取材は・・・
・日本の香り「お香」の魅力 京都・香老舗 松栄堂
・大垣に拡がるカモミール畑 日本で生産される香料植物シリーズ
・旅人ミュージシャン ブラジル系ピアニスト 鈴木厚志
・生活の中に溶け込むバラ・・・イラン人とバラの親密な関係 ダルビッシュ ギャラリー
・宅配・・・通販を支える縁の下の力持ち 意外に知られていない宅急便とメール便のホント
「国分さん、そんなに文字を詰め込んでも読んでくれるお客さんはいないよ」とスタッフにからかわれながらも詰め込んでいます。10人にひとりくらいは「おもしろい」「役立つ」と読んでくださる方がいることを信じています。
冊子は通販のお買物に同梱され、現在配布中。
(2008-09-08)
【関連記事】
香りの読み物『香る生活』
( 香水工場の )
香る生活
危ない原料の転売、ありうるニュース
ここ数日、世間では事故米転売事件が話題を集めています。
<事故米転売>10年以上前から?
残留農薬などで食用にできなくなった政府管理下のお米は、合成糊など工業用途で使用されるそうですが、こっそり食用として転売されいたというものです。
今回もいつものように「内部告発」で判明しました。
ちょっとショックながら「ありうる」ニュース。
食品ではありませんが、化粧品会社をやっていると怪しげな原料売りの電話が舞い込むことがあります。
通常相場からは考えにくいチョー安価なグリセリンやオイルなどの化粧品原料の話が持ちかけられることがあります。
コスト的には関心を引きますが、多くの場合、その怪しさは絶妙です。
第一にトレーサビリティがはっきりしない。「中国で買い付けてきたモノ、絶対安全です」とはいわれるものの詳細に聞くとシドロモドロ。慣れている場合はその辺の裏話も綿密に制作されている場合があるので具体的で詳しいからと言って真実かどうか不明ですが、一般的に詳細な事情が定かでないウマい話は怪しい。
第二に相手の身元がよくわからないこともあります。当社の電話機は発信者の電話番号が表示されるナンバーディスプレイ機。驚くことは「発信者通知拒否」で電話をしてくる業者や会社があることです。
個人で発信者通知拒否は問題ありませんが、企業や会社で発信者通知拒否で電話しくる相手は、経験上、ほとんど場合、怪しい会社さんです。一応警戒するようにしています。
余談ですが、相手の身元がはっきりしない会社の中には度胸のある連中もいて、堂々と「○○物産だよ!聞いたことないのか!?」とすごむヤツもいます。この○○がまた限りなく普通名詞に近くて、どこにでもありそうな会社名でネットで検索することもできないことが何度かありました。
あまり繰り返し聞いているとこの種の人々は怒り出します。あまり話しているとバレますので当然です。
お客さまからよく受ける質問の一つに天然香料などに対して「それが本当に天然100%かどうか、どうすればわかりますか?」があります。
話せば長くなりますし、このブログでも何度か触れきましたのでここでは省きますが、結果的にそれを解明する完全な手法はありません。
「おそらく天然だろう」くらいはわかりますが、その程度です。
たとえば「メタミドホスは含まれているか?」のようにアタリをつけて「ある成分は含まれているか?」なら判別する手法は比較的存在しますが、何が含まれているかわかならない状態から、内容物の全成分解明となると通常不可能です。
ドーピング検査や残留農薬検査の難しさもここにあります。
だから原料の仕入れは信用がモノを言う世界です。特に天然系の原料は世界的に人的信用をベースとした取引コネクションがあり、案外分野ごとに世界中で狭い人間関係を構築していることは化粧品原料だけでなく食品やメタル取引関係者に共感いただくことではないでしょうか。
私がショックを受けるのは、検査だけではわからない不確定さを人と人の信用関係が補完してきた食品や化粧品原料の取引なのに、この汚染米事件では、汚染米の転売がなんと10年以上前から長きに渡ると疑われている点です。
内部告発がなければこの先10年でも20年でも信用を築いていけたのかと思うと、やりにくい世の中です。
(2008-09-07)
<事故米転売>10年以上前から?
残留農薬などで食用にできなくなった政府管理下のお米は、合成糊など工業用途で使用されるそうですが、こっそり食用として転売されいたというものです。
今回もいつものように「内部告発」で判明しました。
ちょっとショックながら「ありうる」ニュース。
食品ではありませんが、化粧品会社をやっていると怪しげな原料売りの電話が舞い込むことがあります。
通常相場からは考えにくいチョー安価なグリセリンやオイルなどの化粧品原料の話が持ちかけられることがあります。
コスト的には関心を引きますが、多くの場合、その怪しさは絶妙です。
第一にトレーサビリティがはっきりしない。「中国で買い付けてきたモノ、絶対安全です」とはいわれるものの詳細に聞くとシドロモドロ。慣れている場合はその辺の裏話も綿密に制作されている場合があるので具体的で詳しいからと言って真実かどうか不明ですが、一般的に詳細な事情が定かでないウマい話は怪しい。
第二に相手の身元がよくわからないこともあります。当社の電話機は発信者の電話番号が表示されるナンバーディスプレイ機。驚くことは「発信者通知拒否」で電話をしてくる業者や会社があることです。
個人で発信者通知拒否は問題ありませんが、企業や会社で発信者通知拒否で電話しくる相手は、経験上、ほとんど場合、怪しい会社さんです。一応警戒するようにしています。
余談ですが、相手の身元がはっきりしない会社の中には度胸のある連中もいて、堂々と「○○物産だよ!聞いたことないのか!?」とすごむヤツもいます。この○○がまた限りなく普通名詞に近くて、どこにでもありそうな会社名でネットで検索することもできないことが何度かありました。
あまり繰り返し聞いているとこの種の人々は怒り出します。あまり話しているとバレますので当然です。
お客さまからよく受ける質問の一つに天然香料などに対して「それが本当に天然100%かどうか、どうすればわかりますか?」があります。
話せば長くなりますし、このブログでも何度か触れきましたのでここでは省きますが、結果的にそれを解明する完全な手法はありません。
「おそらく天然だろう」くらいはわかりますが、その程度です。
たとえば「メタミドホスは含まれているか?」のようにアタリをつけて「ある成分は含まれているか?」なら判別する手法は比較的存在しますが、何が含まれているかわかならない状態から、内容物の全成分解明となると通常不可能です。
ドーピング検査や残留農薬検査の難しさもここにあります。
だから原料の仕入れは信用がモノを言う世界です。特に天然系の原料は世界的に人的信用をベースとした取引コネクションがあり、案外分野ごとに世界中で狭い人間関係を構築していることは化粧品原料だけでなく食品やメタル取引関係者に共感いただくことではないでしょうか。
私がショックを受けるのは、検査だけではわからない不確定さを人と人の信用関係が補完してきた食品や化粧品原料の取引なのに、この汚染米事件では、汚染米の転売がなんと10年以上前から長きに渡ると疑われている点です。
内部告発がなければこの先10年でも20年でも信用を築いていけたのかと思うと、やりにくい世の中です。
(2008-09-07)
( 香水工場の )
香る生活
お肌に塗るアロマキャンドル
取引先化粧品会社さんと打ち合わせで都内へ。用件が終わって帰ろうとすると、おもしろい商品を見せてくれました。あるショップから購入してきたそうです。
「これが今、人気だそうですよ」
と、それは、ローズのアロマキャンドルでした。アロマキャンドルとは通常、エッセンシャル・オイルなどの香料を練り込んだロウソクです。
香料成分がロウソクの炎を一度通るので燃焼したり高熱にさらされるため香りに変質が起ますが、香料によってはよい香りとして残り部屋を満たすためアロマグッズとして人気の雑貨です。
火を付けたときよりも消したときにローズの香りが部屋に残ります。
「ほら、こんな感じでこの溶けたロウを・・・こうやって使うそうです」
と芯の周囲で溶けたロウを人差し指で少しすくい取り、腕にマッサージするように延ばします。
あっというまにロウソクがスキンケアになるという仕組みです。
肌への馴染み方も問題ありません。感触からするとミツロウでしょうか。個人的にはおもしろい使い方で嫌いではないです。
しかし!薬事法的には・・・二人で腕を組んだまま無言になりました。
お互いの心中は、同じことを考えていたと思います。その日はそれでお開きとなりました。
化粧品会社で働いている人間の日常的な光景です。
(2008-09-06)
「これが今、人気だそうですよ」
と、それは、ローズのアロマキャンドルでした。アロマキャンドルとは通常、エッセンシャル・オイルなどの香料を練り込んだロウソクです。
香料成分がロウソクの炎を一度通るので燃焼したり高熱にさらされるため香りに変質が起ますが、香料によってはよい香りとして残り部屋を満たすためアロマグッズとして人気の雑貨です。
火を付けたときよりも消したときにローズの香りが部屋に残ります。
「ほら、こんな感じでこの溶けたロウを・・・こうやって使うそうです」
と芯の周囲で溶けたロウを人差し指で少しすくい取り、腕にマッサージするように延ばします。
あっというまにロウソクがスキンケアになるという仕組みです。
肌への馴染み方も問題ありません。感触からするとミツロウでしょうか。個人的にはおもしろい使い方で嫌いではないです。
しかし!薬事法的には・・・二人で腕を組んだまま無言になりました。
お互いの心中は、同じことを考えていたと思います。その日はそれでお開きとなりました。
化粧品会社で働いている人間の日常的な光景です。
(2008-09-06)
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