( 香水工場の )
香る生活
カンヌライオンズと香水ドラマ「スイセン」
(2012/11/15)
今年、「スイセン」という香水ドラマを制作しました。世界の広告祭として有名なカンヌ・ライオンズのフィルム部門にエントリーしました。その結果は?(2012/11/15)
今年1月に千葉県房総半島でロケをしてきました。3分程度の作品ですが、15人以上のクルーで20時間のロケとなりました。暖かいといわれる房総の早春ですが、手足がしびれるような寒さが忘れられません。
カンヌには何度か行ったことがあります。香水関係者なら一度は訪れる香水の都グラースから車で数十分。近いのでグラースに行けば、カンヌは気軽に行けるのです。
カンヌ映画祭が開催される例の会場には常時レッドカーペットが敷かれていますので、行けば誰でもその上を歩けたような記憶(今は違うかもしれません)が。
まあ、ちょっとセレブな気分に浸れる街かもしれません。
そんなかんだでカンヌはなじみの街。そして、カンヌ・ライオンズはちょっと気になっていた広告祭でした。何度か動画を制作してきた当社は、今回カンヌ・ライオンズにエントリーしてみました。
数年前まで「カンヌ国際広告祭」と呼ばれていましたが、現在は「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」という名称になり、完全に「広告」が決えました。
現在では「広告」ではなく「クリエイティビティ」と発想の転換がなされたようです。
全世界から主にCMなどのクリエイティビティがエントリーしてきます。今年は正確な数字が不明ですが、ざっくり数千社、のべ2万タイトル。様々な部門があり、一つの作品で重複エントリーが可能です。出品者は広告会社さんやその関連のクリエイターさんがメインです。
カンヌ・ライオンズと聞けば、なにやら敷居が高いイメージがありますが、エントリーフィーを払えば誰でもエントリー可能です。部門によって違いますが、当社がエントリーした「フィルム部門」は 640ユーロ、約7万円ですかね。
2万タイトル、平均5万円とするとこのイベントで1ビリオン・ドル(10億円)規模のビジネスです。周辺ビジネスもありますので広告祭だけで数十億円、ちょっとしたインダストリー感のあるイベントですね。
ビジネスですので、誰でもエントリーは大歓迎、しかし、そのイベントで勝ち抜くことは、とくに「フィルム部門」のような権威ある部門は至難の業。フィルム部門でグランプリを獲得するとNHKの朝のニュースで放送されるというレベル。
多数のエントリーからある程度の選抜を受けた作品は「ショートリスト」に入ります。ショートリスト入りで作品名や制作者が公開されますので、まずはこのショートリストが目標でした。
最初の審査は、なんでも数作品が同じ部屋で同時に放映されバタバタと落ちていくとか。香水ドラマ「スイセン」は、おそらくかすりもしなかったのかな?
しかし、悪いことばかりではありません。エントリーすることでカンヌ・ライオンズの内情らしきものも感じられ、たいへん勉強になりました。
審査員は、全世界の有名な広告会社のクリエイターやディレクターさんたち。自分やその関係者がエントリーもするし、翌年は審査もするといったかなりクローズドな世界。世の中、似たり寄ったり。なにやら大人の事情が香りますね。
(2012-11-15)
今年、「スイセン」という香水ドラマを制作しました。世界の広告祭として有名なカンヌ・ライオンズのフィルム部門にエントリーしました。その結果は?(2012/11/15)
香水ドラマ「スイセン」
今年1月に千葉県房総半島でロケをしてきました。3分程度の作品ですが、15人以上のクルーで20時間のロケとなりました。暖かいといわれる房総の早春ですが、手足がしびれるような寒さが忘れられません。
気合いが入りすぎて「スイセン」をカンヌに送りました
カンヌには何度か行ったことがあります。香水関係者なら一度は訪れる香水の都グラースから車で数十分。近いのでグラースに行けば、カンヌは気軽に行けるのです。
カンヌ映画祭が開催される例の会場には常時レッドカーペットが敷かれていますので、行けば誰でもその上を歩けたような記憶(今は違うかもしれません)が。
まあ、ちょっとセレブな気分に浸れる街かもしれません。
そんなかんだでカンヌはなじみの街。そして、カンヌ・ライオンズはちょっと気になっていた広告祭でした。何度か動画を制作してきた当社は、今回カンヌ・ライオンズにエントリーしてみました。
カンヌ・ライオンズとは?
数年前まで「カンヌ国際広告祭」と呼ばれていましたが、現在は「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」という名称になり、完全に「広告」が決えました。
現在では「広告」ではなく「クリエイティビティ」と発想の転換がなされたようです。
全世界から主にCMなどのクリエイティビティがエントリーしてきます。今年は正確な数字が不明ですが、ざっくり数千社、のべ2万タイトル。様々な部門があり、一つの作品で重複エントリーが可能です。出品者は広告会社さんやその関連のクリエイターさんがメインです。
誰でも出品可能なカンヌ・ライオンズ
カンヌ・ライオンズと聞けば、なにやら敷居が高いイメージがありますが、エントリーフィーを払えば誰でもエントリー可能です。部門によって違いますが、当社がエントリーした「フィルム部門」は 640ユーロ、約7万円ですかね。
2万タイトル、平均5万円とするとこのイベントで1ビリオン・ドル(10億円)規模のビジネスです。周辺ビジネスもありますので広告祭だけで数十億円、ちょっとしたインダストリー感のあるイベントですね。
ビジネスですので、誰でもエントリーは大歓迎、しかし、そのイベントで勝ち抜くことは、とくに「フィルム部門」のような権威ある部門は至難の業。フィルム部門でグランプリを獲得するとNHKの朝のニュースで放送されるというレベル。
結果
多数のエントリーからある程度の選抜を受けた作品は「ショートリスト」に入ります。ショートリスト入りで作品名や制作者が公開されますので、まずはこのショートリストが目標でした。
最初の審査は、なんでも数作品が同じ部屋で同時に放映されバタバタと落ちていくとか。香水ドラマ「スイセン」は、おそらくかすりもしなかったのかな?
しかし、悪いことばかりではありません。エントリーすることでカンヌ・ライオンズの内情らしきものも感じられ、たいへん勉強になりました。
審査員は、全世界の有名な広告会社のクリエイターやディレクターさんたち。自分やその関係者がエントリーもするし、翌年は審査もするといったかなりクローズドな世界。世の中、似たり寄ったり。なにやら大人の事情が香りますね。
(2012-11-15)
( 香水工場の )
香る生活
成功だった、金木犀ミニ3本セット
(2012/11/15)
去年リリースした香水「金木犀2011」、今年の「金木犀2012」と従来からの「金木犀」を合わせたミニ3本セットを今年の金木犀キャンペーンに投入しました(2012/11/10)
勝沼のワインセラーで聞いた話ですが「数本並べてテイスティングするとそれぞれのワインの個性がわかりやすい」という話は、香水にもそのまま当てはまります。
3本同時に比較していただくことで、それぞれの個性を感じていただけたと思います。当社にとって想定外だったことは「金木犀2011」「金木犀2012」というネーミングにしたためか、「金木犀」よりは「金木犀2011」、「金木犀2011」よりは「金木犀2012」がバージョンアップ版、品質がよくなっているという誤解をされるお客様がおられたこと。これは来年の課題の一つです。
初期ロットは1,200セット用意していたのですが、10月中旬にさしかかっても人気が衰えなかったために継ぎ足し継ぎ足し追加生産をして2,000セットくらいを販売させていただきました。
ミニ3本セットで、金木犀の香りをお楽しみいただけましたでしょうか?コメントをいただいております。手厳しいコメントもありましたハッピーコメントとアンハッピーコメントを一つづつ・・・
●「三種類試してみましたが、すごく良い香りです。私の場合、2011バージョンが一番金木犀に近い気がしますが、一番すきなのは2012です。今日は2012をつけています。朝七時前に、サンプルボトルのフタについた棒(?)のところを、アキレス腱のところでぬぐった程度なのですが、デスクワークをしていても、ほのかに香ってきます。 」
(当社コメント)金木犀2012は、フランス人パフューマーさんによる調香で日本人のイメージする金木犀とは違うという意見の割には「大好き」派も多くて来年も残した方がいいのかな・・・とスタッフも迷っております。
●「私が望んでいた香しい、清々しく甘い金木犀の香りとはほど遠い油ぎった感じでよおく注意していくらか金木犀のものかなとわかる程度で失望しました。やはり本物の香をエキスにしてとりこむのは技術的に難しいのですね」
(当社コメント)ご期待に添いかねる結果となり、大変申し訳ございません。ご指摘の通り金木犀から香りのエッセンスはほとんど採れず、また採れでも金木犀の香りとはほど遠いので、金木犀の香りの忠実な再現はどのブランドさんも苦労しています。これからも金木犀の香りの調香は試みていきます。
すべてのコメントは、 → こちら
(2012-11-15)
去年リリースした香水「金木犀2011」、今年の「金木犀2012」と従来からの「金木犀」を合わせたミニ3本セットを今年の金木犀キャンペーンに投入しました(2012/11/10)
比べるとわかりやすい香りの個性
勝沼のワインセラーで聞いた話ですが「数本並べてテイスティングするとそれぞれのワインの個性がわかりやすい」という話は、香水にもそのまま当てはまります。
3本同時に比較していただくことで、それぞれの個性を感じていただけたと思います。当社にとって想定外だったことは「金木犀2011」「金木犀2012」というネーミングにしたためか、「金木犀」よりは「金木犀2011」、「金木犀2011」よりは「金木犀2012」がバージョンアップ版、品質がよくなっているという誤解をされるお客様がおられたこと。これは来年の課題の一つです。
人気だったセット
初期ロットは1,200セット用意していたのですが、10月中旬にさしかかっても人気が衰えなかったために継ぎ足し継ぎ足し追加生産をして2,000セットくらいを販売させていただきました。
評価はいろいろ
ミニ3本セットで、金木犀の香りをお楽しみいただけましたでしょうか?コメントをいただいております。手厳しいコメントもありましたハッピーコメントとアンハッピーコメントを一つづつ・・・
●「三種類試してみましたが、すごく良い香りです。私の場合、2011バージョンが一番金木犀に近い気がしますが、一番すきなのは2012です。今日は2012をつけています。朝七時前に、サンプルボトルのフタについた棒(?)のところを、アキレス腱のところでぬぐった程度なのですが、デスクワークをしていても、ほのかに香ってきます。 」
(当社コメント)金木犀2012は、フランス人パフューマーさんによる調香で日本人のイメージする金木犀とは違うという意見の割には「大好き」派も多くて来年も残した方がいいのかな・・・とスタッフも迷っております。
●「私が望んでいた香しい、清々しく甘い金木犀の香りとはほど遠い油ぎった感じでよおく注意していくらか金木犀のものかなとわかる程度で失望しました。やはり本物の香をエキスにしてとりこむのは技術的に難しいのですね」
(当社コメント)ご期待に添いかねる結果となり、大変申し訳ございません。ご指摘の通り金木犀から香りのエッセンスはほとんど採れず、また採れでも金木犀の香りとはほど遠いので、金木犀の香りの忠実な再現はどのブランドさんも苦労しています。これからも金木犀の香りの調香は試みていきます。
すべてのコメントは、 → こちら
(2012-11-15)
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香る生活
金木犀が終わって
(2012/10/26)
花とともに金木犀キャンペーンが終わりました(2012/10/26)
恒例の金木犀キャンペーンが終了しました。キャンペーン最終日の10月31日を待たず痛恨の「在庫切れ」。需要予測を誤ったようです。
しかし、金木犀の開花も、またふしぎな年でした。猛暑だったので、開花が遅れることは予想していましたが、想定外の2週間遅れ。
しかも香りが非常に弱く金木犀の開花を意識した人が少なかったかもしれません。
通常は1週間くらいで終わる金木犀の花も、はじまったのか・はじまっていないのか、煮え切らない状態が長く続きました。
しかし、そのため長い期間咲いていました。
金木犀キャンペーンは当社には大きなイベントだけにスタッフ一同、気が張っていました。そのためか、イベントが終わると気が抜けます。
香りは弱かったですが、金木犀は今年も素敵な香りでした。また来年、素敵な香りを期待したいと思います。
都心に金木犀の花を探しに行ったときのタクシー内での写真。ドライバーさんの許可を得てアップしています。
タクシーを拾って金木犀の写真を撮りに来た旨、相談するとiPadで金木犀情報を調べて表参道・神宮外苑・青山墓地あたりをグルグルと回ってもらいました。
最近のタクシーは「ハイテク武装なんですね」なんて質問したら「FXをやるために個人的に買ったのよ」と。
(2012-10-26)
花とともに金木犀キャンペーンが終わりました(2012/10/26)
金木犀キャンペーンの結果
恒例の金木犀キャンペーンが終了しました。キャンペーン最終日の10月31日を待たず痛恨の「在庫切れ」。需要予測を誤ったようです。
しかし、金木犀の開花も、またふしぎな年でした。猛暑だったので、開花が遅れることは予想していましたが、想定外の2週間遅れ。
しかも香りが非常に弱く金木犀の開花を意識した人が少なかったかもしれません。
通常は1週間くらいで終わる金木犀の花も、はじまったのか・はじまっていないのか、煮え切らない状態が長く続きました。
しかし、そのため長い期間咲いていました。
来年も素敵な金木犀を期待
金木犀キャンペーンは当社には大きなイベントだけにスタッフ一同、気が張っていました。そのためか、イベントが終わると気が抜けます。
香りは弱かったですが、金木犀は今年も素敵な香りでした。また来年、素敵な香りを期待したいと思います。
都心に金木犀の花を探しに行ったときのタクシー内での写真。ドライバーさんの許可を得てアップしています。
タクシーを拾って金木犀の写真を撮りに来た旨、相談するとiPadで金木犀情報を調べて表参道・神宮外苑・青山墓地あたりをグルグルと回ってもらいました。
最近のタクシーは「ハイテク武装なんですね」なんて質問したら「FXをやるために個人的に買ったのよ」と。
(2012-10-26)
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香る生活
香水を敬遠する日本の化粧品会社
(2012/08/28)
ミーティングで香水の市場規模を話し合いました。おもしろかったので一部をご紹介。そこにあるものは「誰も香水を作りたがらないニッポン」(2012/08/28)
化粧品の「工業出荷額」データが、日本化粧品工業連合会の化粧品統計として公開されています。
では、データを見てみましょう。
うーん、凄い。
香水を含めスキンケア・メイクアップ・ヘアケアなど化粧品全体は、安定して増加の一途なのに、こと香水に関しては、減少の一途。
日本の化粧品会社さんは香水を完全にあきらめています。
過去30年くらいの統計データですが、日本の化粧品工場出荷額は、1980年代に1兆円を突破し、安定して緩やかな右肩上がりです。バブル崩壊があっても大不況が襲っても比較的安定した右肩上がり。
・2010年 1兆4千億円
・2008年 1兆5千億円(リーマンショック)
・2000年 1兆4千億円
・1992年 1兆3千6百億円(バブル崩壊翌年)
・1991年 1兆3千3百億円(バブル崩壊)
・1990年 1兆2千億円
・1985年 1兆1千億円
バブル崩壊前後をご覧ください。なんと、むしろ増加というパワー。唯一の例外は、リーマンショックでわずかに成長が揺らいでいます。「不況に強い化粧品」とよく言われますが、おおむね、事実のようです。
そして香水。化粧品全体として、確実に出荷額を伸ばしているにも関わらず、なんと、香水は「安定して右肩下がり」。
1985年、香水の工場出荷額は220億円。これが穏やかに毎年安定して下がっていき、1990年には210億円。
・2011年 44億円
・2008年 48億円(リーマンショック)
・2000年 85億円
・1991年 180億円(バブル崩壊)
・1990年 210億円
・1985年 220億円
バブル崩壊でも影響を受けなかった化粧品に対して、香水は弱いです。そして、リーマンショックでも頓挫している様子がうかがえます。
この調子なら今年2012年は、香水出荷額は40億くらいになるのでしょうか。化粧品全体の工場出荷額からすれば、わずか0.3%。
これは全体からすれば、限りなくゼロに等しい数字。要は、もはや「日本では、誰も香水を作らない」という実情が見えています。
日本での香水の市場規模は、いろいろな人の意見を総合すると400億円。そのほとんどがインポート香水という現状も説明できます。
欧米のメジャーブランドが強すぎることもあります。しかし、この数字の意味は「日本の香水市場全体があまりにも薄い、魅力のない市場」と日本の化粧品会社は判断していると推測されます。
逆に燃えてきました。
日本の香水は、武蔵野ワークスが作る!、ある意味、おいしいニッチ市場に見えて仕方がないですね。
(補足)
一般に普及している「市場規模」と「工業出荷額」は似ていますが、少し違います。
「市場規模」はマーケティングプランを練る会社さんや新規参入を狙う企業にって重要なデータです。しかし「工場出荷額」は化粧品会社さんが自分たちのマーケット規模を知るための統計データ。
日本の化粧品会社「工業出荷額」は、ある程度化粧品の「市場規模」に比例しますが、大きな勢力であるインポート化粧品が含まれていません。
また一般に「市場規模」は消費者価格でのマーケット総量を指すことが多くメーカー出荷価格ではじき出す「工業出荷額」とは単価に大きな開きがあります。
「市場規模」から香水の出荷量を考えると香水も安定して、増加傾向にあります。つまり、インポート香水は安定して伸びてきているということでしょう。
(2012-08-28)
ミーティングで香水の市場規模を話し合いました。おもしろかったので一部をご紹介。そこにあるものは「誰も香水を作りたがらないニッポン」(2012/08/28)
「工場出荷額」で知る香水の動向
化粧品の「工業出荷額」データが、日本化粧品工業連合会の化粧品統計として公開されています。
香水を完全にあきらめている日本の化粧品会社
では、データを見てみましょう。
うーん、凄い。
香水を含めスキンケア・メイクアップ・ヘアケアなど化粧品全体は、安定して増加の一途なのに、こと香水に関しては、減少の一途。
日本の化粧品会社さんは香水を完全にあきらめています。
過去30年安定して右肩上がりの化粧品全体
過去30年くらいの統計データですが、日本の化粧品工場出荷額は、1980年代に1兆円を突破し、安定して緩やかな右肩上がりです。バブル崩壊があっても大不況が襲っても比較的安定した右肩上がり。
・2010年 1兆4千億円
・2008年 1兆5千億円(リーマンショック)
・2000年 1兆4千億円
・1992年 1兆3千6百億円(バブル崩壊翌年)
・1991年 1兆3千3百億円(バブル崩壊)
・1990年 1兆2千億円
・1985年 1兆1千億円
バブル崩壊前後をご覧ください。なんと、むしろ増加というパワー。唯一の例外は、リーマンショックでわずかに成長が揺らいでいます。「不況に強い化粧品」とよく言われますが、おおむね、事実のようです。
過去30年安定して右肩下がりの香水
そして香水。化粧品全体として、確実に出荷額を伸ばしているにも関わらず、なんと、香水は「安定して右肩下がり」。
1985年、香水の工場出荷額は220億円。これが穏やかに毎年安定して下がっていき、1990年には210億円。
・2011年 44億円
・2008年 48億円(リーマンショック)
・2000年 85億円
・1991年 180億円(バブル崩壊)
・1990年 210億円
・1985年 220億円
バブル崩壊でも影響を受けなかった化粧品に対して、香水は弱いです。そして、リーマンショックでも頓挫している様子がうかがえます。
誰も香水を作りたがらない日本
この調子なら今年2012年は、香水出荷額は40億くらいになるのでしょうか。化粧品全体の工場出荷額からすれば、わずか0.3%。
これは全体からすれば、限りなくゼロに等しい数字。要は、もはや「日本では、誰も香水を作らない」という実情が見えています。
日本での香水の市場規模は、いろいろな人の意見を総合すると400億円。そのほとんどがインポート香水という現状も説明できます。
欧米のメジャーブランドが強すぎることもあります。しかし、この数字の意味は「日本の香水市場全体があまりにも薄い、魅力のない市場」と日本の化粧品会社は判断していると推測されます。
逆に燃えてきました。
日本の香水は、武蔵野ワークスが作る!、ある意味、おいしいニッチ市場に見えて仕方がないですね。
(補足)
「市場規模」と「工業出荷額」
一般に普及している「市場規模」と「工業出荷額」は似ていますが、少し違います。
「市場規模」はマーケティングプランを練る会社さんや新規参入を狙う企業にって重要なデータです。しかし「工場出荷額」は化粧品会社さんが自分たちのマーケット規模を知るための統計データ。
日本の化粧品会社「工業出荷額」は、ある程度化粧品の「市場規模」に比例しますが、大きな勢力であるインポート化粧品が含まれていません。
また一般に「市場規模」は消費者価格でのマーケット総量を指すことが多くメーカー出荷価格ではじき出す「工業出荷額」とは単価に大きな開きがあります。
「市場規模」から香水の出荷量を考えると香水も安定して、増加傾向にあります。つまり、インポート香水は安定して伸びてきているということでしょう。
(2012-08-28)
( 香水工場の )
香る生活
2012年の廃盤香水
(2012/08/22)
出会いあれば別れあり。今年も廃盤ミーティングを経ていくつかのアイテムが消えることになりました。でも、救済策も(2012/08/23)
去年2011年の秋に「廃盤になるかもしれない香水」を数アイテム発表しました。その際、それらに命名されたネーミングが「崖っぷち香水」。その年末、本当に生産中止になってしまいましたが、フルボトルに関しては受注生産(マイフレグランス)ながら生き延びることができました。
そして、今年も廃盤ミーティングが開催され「2012年、崖っぷち香水」が決定しました。
去年との違いは、年末まで待たずに最終決定をしたことです。ということは「崖っぷち」の本来の意味とは若干違いますが「崖っぷち香水」で通しております。
当社の香水は60種類以上。企業規模の割にはちょっと多く作りすぎました。
製品の種類が多いと、原材料の種類も増え、在庫も増え、リスクも増え・・・3年くらい前から「もう限度」という状況になり、新作香水も作るけど廃盤製品も決めようというポリシーに軸足を移しました。
・碧海・・・マリン系はやや下火傾向?時代の流れか
・OFF・・・シリーズ中に柑橘系の香りが多すぎた
・紫陽花・・・熱いファンが多い香りなのに
・ローズクロス・・・シリーズ中にローズ系の香りが多すぎたか
・菊・・・個人的に絶対ステキな香りなのに(涙)
・Jay Hills・・・樹海(Jay)と似ていて差別化できなかった
・Poro Nupuri・・・意味不明のタイトルが問題だったか
・カグー・・・野鳥の名前が、奇抜すぎた
・空からの唄・・・シリーズ中にローズ系の香りが多すぎた
・ミラージュ・・・オリエンタル系もやや下火に?
2011年は、崖っぷちミニボトル5本の「崖っぷち・セット」をリリース。そのシュールなネーミングで大いに盛り上がりましたが、2012年は本数が多く「崖っぷち・セット」はリリースしません。
しかし、ご安心ください。長年これらの香水をリピートしてくださるお客様もいます。マイフレグランス(受注生産方式)サービスにて製品化いたします。
今まで廃盤になった廃盤香水をすべて復活させることは、原料の入手事情もあり、かなわないことですが、可能な範囲で復活させたいと思います。
【マイフレグランス(受注生産方式)】
●2012年「崖っぷち香水」:
・碧海
・OFF
・紫陽花
・ローズクロス
・菊
・Jay Hills
・Poro Nupuri
・カグー
・空からの唄
・ミラージュ
●2011年「崖っぷち香水」:
・秋桜(コスモス)
・春告げ草(梅)
・牡丹
・桂の木
・ういきょう(フェンネル)
●2010年以前
・クローバー
・菖蒲
(2012-08-22)
出会いあれば別れあり。今年も廃盤ミーティングを経ていくつかのアイテムが消えることになりました。でも、救済策も(2012/08/23)
「崖っぷち香水」
去年2011年の秋に「廃盤になるかもしれない香水」を数アイテム発表しました。その際、それらに命名されたネーミングが「崖っぷち香水」。その年末、本当に生産中止になってしまいましたが、フルボトルに関しては受注生産(マイフレグランス)ながら生き延びることができました。
そして、今年も廃盤ミーティングが開催され「2012年、崖っぷち香水」が決定しました。
去年との違いは、年末まで待たずに最終決定をしたことです。ということは「崖っぷち」の本来の意味とは若干違いますが「崖っぷち香水」で通しております。
多すぎる香水の種類
当社の香水は60種類以上。企業規模の割にはちょっと多く作りすぎました。
製品の種類が多いと、原材料の種類も増え、在庫も増え、リスクも増え・・・3年くらい前から「もう限度」という状況になり、新作香水も作るけど廃盤製品も決めようというポリシーに軸足を移しました。
2012年の廃盤アイテム
・碧海・・・マリン系はやや下火傾向?時代の流れか
・OFF・・・シリーズ中に柑橘系の香りが多すぎた
・紫陽花・・・熱いファンが多い香りなのに
・ローズクロス・・・シリーズ中にローズ系の香りが多すぎたか
・菊・・・個人的に絶対ステキな香りなのに(涙)
・Jay Hills・・・樹海(Jay)と似ていて差別化できなかった
・Poro Nupuri・・・意味不明のタイトルが問題だったか
・カグー・・・野鳥の名前が、奇抜すぎた
・空からの唄・・・シリーズ中にローズ系の香りが多すぎた
・ミラージュ・・・オリエンタル系もやや下火に?
「崖っぷち・セット」はリリースしません
2011年は、崖っぷちミニボトル5本の「崖っぷち・セット」をリリース。そのシュールなネーミングで大いに盛り上がりましたが、2012年は本数が多く「崖っぷち・セット」はリリースしません。
マイフレグランスで復活する「崖っぷち香水」
しかし、ご安心ください。長年これらの香水をリピートしてくださるお客様もいます。マイフレグランス(受注生産方式)サービスにて製品化いたします。
今まで廃盤になった廃盤香水をすべて復活させることは、原料の入手事情もあり、かなわないことですが、可能な範囲で復活させたいと思います。
【マイフレグランス(受注生産方式)】
●2012年「崖っぷち香水」:
・碧海
・OFF
・紫陽花
・ローズクロス
・菊
・Jay Hills
・Poro Nupuri
・カグー
・空からの唄
・ミラージュ
●2011年「崖っぷち香水」:
・秋桜(コスモス)
・春告げ草(梅)
・牡丹
・桂の木
・ういきょう(フェンネル)
●2010年以前
・クローバー
・菖蒲
(2012-08-22)
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香る生活
ミニボトル香水棚を新調中
(2012/08/16)
お店にはいろいろな什器があります。日々の通販作業を効率的にする使い勝手がよいオリジナルな香水棚を制作依頼することに・・・(2012/08/16)
今回、発送用ミニボトルを保管する香水棚をオリジナルで作ることにしました。
驚異的に暑い昼下がり大川へ。慣れない車で操作が間違っているのか、クーラーを入れても出てくる風はまるでヒーターのような暖かさで、窓を開けて真夏の筑後平野を走りました。
東京でもオリジナル家具を制作してくれる家具屋さんはあるはずですが、なかなか探し出せずいたところ、偶然、検索でたどり着いた会社さんが福岡県大川市のムウ・ファクトリー。
しかも、たまたま福岡に行くついでがあり電話連絡して訪問しました。希望サイズや機能性を一通り説明すると希望する木材の種類や色など質問されて、ザクッと「ウン万円」と見積もってもらいました。
握手して、その場で商談成立しました。
スーツを着た慇懃な営業マンがいて、分厚いカタログであれこれ説明し「では後日、お見積書を持参いたします」というスタイルより、こういうスタイルが好きなんですね。
ムウ・ファクトリーでは、社長さん自らデザインし設計し制作し、そして販売するというブランド本来のスタイルが濃厚な会社さんでした。
興味が湧いたので、お聞きしてみました。
ムウ・ファクトリーの中心メンバーは、大手の家具メーカーさんから独立してムウ・ファクトリーを立ち上げたとのこと。
中国の大連や河南省に現地工場立ち上げに行った経験もお持ちで、家具産業の構造自体が「安かろう一本槍」に突入する時代をつぶさに見てきた体験があり、さらにその当事者であったことも独立のきっかけになったようです。
現代の資本主義体制では、大ブランドさんでさえもデザインは外部の有名デザイナー、製造は安価な中国、販売は世界のエアポート免税店や有名百貨店という世界分業体制が確立し、ますますこの傾向は強まる気配です。
価格競争力を考えれば仕方ないことですが、一方で小さいながらも個性的なモノ作りに挑戦しようとする人々も増加中です。
ムウ・ファクトリーさんはそういう会社さんです。当社もそういう会社を目指していますので、ちょうどよいお取引先に出会えた感じでした。
ミニボトル香水棚の出来上がりは、おそらく9月末。顔の見える職人さんに作ってもらった棚。それだけの話ですが、そんな棚に収納された商品というだけで、毎日の発送作業がまた少し楽しくなる予感です。
福岡県大川市は、日本一の家具出荷量を誇る日本有数の家具生産地。筑後川上流には日田盆地があり、そこで伐採される木材の集積地として大川は古くから栄えました。船大工産業が起こり、家具の町へと変貌していきました。
特に戦後、経済復興とそれに伴う全国的な家具の需要拡大に合わせ、大川家具は一大産業として飛躍し製材や流通センターなどの周辺産業まで含めた家具製造関連企業の一大集積地へと成長しました。
大川家具は、伝統的に優れたデザイン性と機能性を備えており優れた工業デザイナーの活躍などもあり全国的に高い評価を受けてきました。
現在では、海外からの安価な輸入家具に押され産業としての重要性は衰退傾向にありますが、家具の街としての特色は失っていません。
(2012-08-16)
お店にはいろいろな什器があります。日々の通販作業を効率的にする使い勝手がよいオリジナルな香水棚を制作依頼することに・・・(2012/08/16)
香水棚を制作してくれる会社さんを探す
今回、発送用ミニボトルを保管する香水棚をオリジナルで作ることにしました。
驚異的に暑い昼下がり大川へ。慣れない車で操作が間違っているのか、クーラーを入れても出てくる風はまるでヒーターのような暖かさで、窓を開けて真夏の筑後平野を走りました。
東京でもオリジナル家具を制作してくれる家具屋さんはあるはずですが、なかなか探し出せずいたところ、偶然、検索でたどり着いた会社さんが福岡県大川市のムウ・ファクトリー。
しかも、たまたま福岡に行くついでがあり電話連絡して訪問しました。希望サイズや機能性を一通り説明すると希望する木材の種類や色など質問されて、ザクッと「ウン万円」と見積もってもらいました。
その場で握手して商談成立
握手して、その場で商談成立しました。
スーツを着た慇懃な営業マンがいて、分厚いカタログであれこれ説明し「では後日、お見積書を持参いたします」というスタイルより、こういうスタイルが好きなんですね。
ブランドのあるべき姿
ムウ・ファクトリーでは、社長さん自らデザインし設計し制作し、そして販売するというブランド本来のスタイルが濃厚な会社さんでした。
興味が湧いたので、お聞きしてみました。
ムウ・ファクトリーの中心メンバーは、大手の家具メーカーさんから独立してムウ・ファクトリーを立ち上げたとのこと。
「安かろう一本槍」な時代
中国の大連や河南省に現地工場立ち上げに行った経験もお持ちで、家具産業の構造自体が「安かろう一本槍」に突入する時代をつぶさに見てきた体験があり、さらにその当事者であったことも独立のきっかけになったようです。
現代の資本主義体制では、大ブランドさんでさえもデザインは外部の有名デザイナー、製造は安価な中国、販売は世界のエアポート免税店や有名百貨店という世界分業体制が確立し、ますますこの傾向は強まる気配です。
モノ作りにこだわる
価格競争力を考えれば仕方ないことですが、一方で小さいながらも個性的なモノ作りに挑戦しようとする人々も増加中です。
ムウ・ファクトリーさんはそういう会社さんです。当社もそういう会社を目指していますので、ちょうどよいお取引先に出会えた感じでした。
発送作業がまた少し楽しく
ミニボトル香水棚の出来上がりは、おそらく9月末。顔の見える職人さんに作ってもらった棚。それだけの話ですが、そんな棚に収納された商品というだけで、毎日の発送作業がまた少し楽しくなる予感です。
(余談)大川家具について
福岡県大川市は、日本一の家具出荷量を誇る日本有数の家具生産地。筑後川上流には日田盆地があり、そこで伐採される木材の集積地として大川は古くから栄えました。船大工産業が起こり、家具の町へと変貌していきました。
特に戦後、経済復興とそれに伴う全国的な家具の需要拡大に合わせ、大川家具は一大産業として飛躍し製材や流通センターなどの周辺産業まで含めた家具製造関連企業の一大集積地へと成長しました。
大川家具は、伝統的に優れたデザイン性と機能性を備えており優れた工業デザイナーの活躍などもあり全国的に高い評価を受けてきました。
現在では、海外からの安価な輸入家具に押され産業としての重要性は衰退傾向にありますが、家具の街としての特色は失っていません。
(2012-08-16)
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