( 香水工場の )
香る生活
スノーミントのプレゼント企画
販売休止前のイベント・・(2024/06/17)
(7/1日お昼の12:30からプレゼント企画実施しましたが、開始後25分で完売となりました。想定外の早さに申し訳なく感じております、たいへん恐縮です)
( 7月1日からプレゼント企画 )
現在の在庫が切れた時点で、3ヶ月程度の販売休止期間となります。詳細は(NEWS)スノーミント販売休止とプレゼント企画。
プレゼント企画を実施します・・『スノーミント』25mLボトルご購入に4mLボトルプレゼント!
6月1日、このアナウンスをすることで『スノーミント』の販売は落ちると予想していましたが、販売数はむしろ好調で、このままでは7月1日からの企画で販売できる『スノーミント』が非常に少なくなる恐れがあります。
そのため本日(6月17日)より下記措置をとらせて頂きます:
プレゼント企画の詳細 → (NEWS)スノーミント 販売休止とプレゼント企画

(2024-06-17)
(7/1日お昼の12:30からプレゼント企画実施しましたが、開始後25分で完売となりました。想定外の早さに申し訳なく感じております、たいへん恐縮です)
( 7月1日からプレゼント企画 )スノーミントの一時休止
現在の在庫が切れた時点で、3ヶ月程度の販売休止期間となります。詳細は(NEWS)スノーミント販売休止とプレゼント企画。
現在庫の売切り作戦
プレゼント企画を実施します・・『スノーミント』25mLボトルご購入に4mLボトルプレゼント!
6月1日、このアナウンスをすることで『スノーミント』の販売は落ちると予想していましたが、販売数はむしろ好調で、このままでは7月1日からの企画で販売できる『スノーミント』が非常に少なくなる恐れがあります。
そのため本日(6月17日)より下記措置をとらせて頂きます:
(1) (本数制限)『スノーミント』25mLボトルの購入はお一人様1本まで(本日より企画終了まで)
(2) (追加企画)『スノーミント』4mLを4本お買い上げ毎に『スノーミント』4mLを1本プレゼント
(2) (追加企画)『スノーミント』4mLを4本お買い上げ毎に『スノーミント』4mLを1本プレゼント
プレゼント企画の詳細 → (NEWS)スノーミント 販売休止とプレゼント企画

(2024-06-17)
( 香水工場の )
香る生活
(公募企画)Webのイメージ画像募集
(2024/06/12)
( 現在のイメージ画像は「自転車女子」 )
当社Webサイトのトップページのイメージ画像は長年使用したので、そろそろ他の画像に入れ替えようとデザイナーと協議しました。しかし良いアイデアが浮かばず。そこでいっそのこと公募したらどうだろう?・・と公募企画となりました。
(7月21日、募集企画は終了しました。以降のご応募は選外となります)
〇 画像募集:イラスト or 加工写真
〇 応募期間:2024年7月1日~20日
〇 入選発表:2024年7月25日
〇 入選人数:0~数名(入選なしの場合もあります)
〇 応募回数:1回~数回以内、トータル作品数:数点以内
〇 未発表作品?:・・である必要はありません
〇 画像サイズ=PC用(1200x480px)+スマホ用(800x480px)の2種セットで
〇 文字入れ:「MUSASHINO WORKS」の文字入れ願います(指定フォントなし)
〇 画像形式=「png」または「jpg」
〇 クレジット表記:画像内にイニシャルなど記載OK(なくてもOK)
〇 クレジット表記:入選作品は当社Webサイトにて作者名とURLを明記
〇 掲載期間:数ヶ月~1年程度(入選者数による)
〇 掲載謝礼:当社香水フルボトルから希望アイテム1本+1万円ギフトカード
〇 応募方法:メールに添付してお送りください
・メール題名=イメージ画像募集2024
・メール本文=お名前またはペンネーム
・宛先=「dm2☆fragrance.co.jp」(「☆」を半角「@」に変更)
作品のテーマは・・ナチュラル、優しい香り、平穏な生活、爽やかさ、季節感・・など当社に合いそうなイメージなら何でもOK。入選作品は当社トップページにて数ヶ月~1年程度掲載させていただきます。
※著作権上の問題がないオリジナル作品にてご応募ください。未発表作品である必要はありません
※作品の返送は行いません
※ギフトカードは下記よりお選びいただけます:
・お米券
・楽天ギフトカード
・スターバックスカード
・Google Play ギフトコード
・Apple ギフトカード
・Amazon ギフトカード

(2024-06-12)
( 現在のイメージ画像は「自転車女子」 )イメージ画像を変更したい
当社Webサイトのトップページのイメージ画像は長年使用したので、そろそろ他の画像に入れ替えようとデザイナーと協議しました。しかし良いアイデアが浮かばず。そこでいっそのこと公募したらどうだろう?・・と公募企画となりました。
募集内容
(7月21日、募集企画は終了しました。以降のご応募は選外となります)
〇 画像募集:イラスト or 加工写真
〇 応募期間:2024年7月1日~20日
〇 入選発表:2024年7月25日
〇 入選人数:0~数名(入選なしの場合もあります)
〇 応募回数:1回~数回以内、トータル作品数:数点以内
〇 未発表作品?:・・である必要はありません
〇 画像サイズ=PC用(1200x480px)+スマホ用(800x480px)の2種セットで
〇 文字入れ:「MUSASHINO WORKS」の文字入れ願います(指定フォントなし)
〇 画像形式=「png」または「jpg」
〇 クレジット表記:画像内にイニシャルなど記載OK(なくてもOK)
〇 クレジット表記:入選作品は当社Webサイトにて作者名とURLを明記
〇 掲載期間:数ヶ月~1年程度(入選者数による)
〇 掲載謝礼:当社香水フルボトルから希望アイテム1本+1万円ギフトカード
〇 応募方法:メールに添付してお送りください
・メール題名=イメージ画像募集2024
・メール本文=お名前またはペンネーム
・宛先=「dm2☆fragrance.co.jp」(「☆」を半角「@」に変更)
作品のテーマは・・ナチュラル、優しい香り、平穏な生活、爽やかさ、季節感・・など当社に合いそうなイメージなら何でもOK。入選作品は当社トップページにて数ヶ月~1年程度掲載させていただきます。
※著作権上の問題がないオリジナル作品にてご応募ください。未発表作品である必要はありません
※作品の返送は行いません
※ギフトカードは下記よりお選びいただけます:
・お米券
・楽天ギフトカード
・スターバックスカード
・Google Play ギフトコード
・Apple ギフトカード
・Amazon ギフトカード

(2024-06-12)
( 香水工場の )
香る生活
『黄金星(こがねぼし)』再開します
まだオリが残っていますが・・(2024/06/07)
( 黄金星=ローズオイルのそそられる香り )
漢字では「澱」(おり)。意味は澱(よど)で水底などにたまったカスのようなものを言う。
香水業界では香水中の不純物・異物らしき物質全般をさす。
香水の場合のオリは100%に近い確率で香水成分の再結晶化、再固定化による物質。
しかし知らない人が見ると異物に見えるので多くのメーカーでは溶剤などを駆使して徹底的にオリを排除する傾向にある。
当社はオリも自然の恵みと解釈し溶剤はほぼ使用しない香水作りでやってきた。
当社のお客様は、さすがにご理解ある方が多いので「何かヘンなものが・・」という問合せこそあれ、オリが原因で激しいクレームなどになることは皆無である。
(他のメーカーさんだといろいろ面倒な体験をされているようだ)
( オリがなかなか消えない黄金星の原液。液面に透明な物質が浮いている。先々月までは液中にキラキラした金平糖のような物体として漂っていた )
そんなわけでオリが発生しやすい冬に販売を止めている製品がある:
(1) 摩天楼
(2) ホワイトフリージア
毎年12月中旬~2月末まで止めているが、3月になればオリは消えてなくなる。
ところが、この冬販売を止めて現在6月時点でもオリが消えない製品がある。それがスリーピングミスト「黄金星(こがねぼし)」!
なんで?・・と当社もあきれている。
この製品には天然ローズオイルをたくさん配合しているが、天然ローズオイルは収穫年ごとにワックス成分の含有量が違っており、当たり年だったかと思っている。
これが多いと、製造時は完全に溶けきっているのに後日オリとして白い物質が液中生成されるケースが多い。
知らない人が見た目でびっくりされるので昨年冬から販売を止めていた。
しかし、だいぶんオリが少なくなり、また一部のお客様から再開時期の問合せがちらほら来るようになった。
そこで通常ページでは販売休止のままにして、新設ページ「黄金星(こがねぼし)オリあるけど販売中」にて販売を再開した。
リスクはオリがスプレーチューブに入り込んでスプレーの目詰まりを起こすこと・・そんなトラブルに見舞われたら、当社サポートに連絡してほしい。新しいスプレー部分を郵送いたします。

(2024-06-07)
( 黄金星=ローズオイルのそそられる香り )オリってなに?
漢字では「澱」(おり)。意味は澱(よど)で水底などにたまったカスのようなものを言う。
香水業界では香水中の不純物・異物らしき物質全般をさす。
香水の場合のオリは100%に近い確率で香水成分の再結晶化、再固定化による物質。
しかし知らない人が見ると異物に見えるので多くのメーカーでは溶剤などを駆使して徹底的にオリを排除する傾向にある。
当社はオリも自然の恵みと解釈し溶剤はほぼ使用しない香水作りでやってきた。
当社のお客様は、さすがにご理解ある方が多いので「何かヘンなものが・・」という問合せこそあれ、オリが原因で激しいクレームなどになることは皆無である。
(他のメーカーさんだといろいろ面倒な体験をされているようだ)
( オリがなかなか消えない黄金星の原液。液面に透明な物質が浮いている。先々月までは液中にキラキラした金平糖のような物体として漂っていた )オリで冬期休止するアイテム
そんなわけでオリが発生しやすい冬に販売を止めている製品がある:
(1) 摩天楼
(2) ホワイトフリージア
毎年12月中旬~2月末まで止めているが、3月になればオリは消えてなくなる。
ところが、この冬販売を止めて現在6月時点でもオリが消えない製品がある。それがスリーピングミスト「黄金星(こがねぼし)」!
ローズオイルのワックス成分
なんで?・・と当社もあきれている。
この製品には天然ローズオイルをたくさん配合しているが、天然ローズオイルは収穫年ごとにワックス成分の含有量が違っており、当たり年だったかと思っている。
これが多いと、製造時は完全に溶けきっているのに後日オリとして白い物質が液中生成されるケースが多い。
特別ページで販売開始
知らない人が見た目でびっくりされるので昨年冬から販売を止めていた。
しかし、だいぶんオリが少なくなり、また一部のお客様から再開時期の問合せがちらほら来るようになった。
そこで通常ページでは販売休止のままにして、新設ページ「黄金星(こがねぼし)オリあるけど販売中」にて販売を再開した。
リスク
リスクはオリがスプレーチューブに入り込んでスプレーの目詰まりを起こすこと・・そんなトラブルに見舞われたら、当社サポートに連絡してほしい。新しいスプレー部分を郵送いたします。

(2024-06-07)
( 香水工場の )
香る生活
北海道・ハマナスの話
タフでたくましいのに、繊細なハマナス・・(2024/05/30)
( ハマナスの丘を右手に見ながら海岸線を歩く。この砂丘のハマナス群生地にも他の植物の侵入が始まっており将来までハマナスが残るか不安・・ )
一つ前の記事「北海道・知床に行ってきた話」の続き。このレポートは知床に入る前の話です。
私たちは網走(あばしり)から斜里町(しゃりちょう)までのオホーツク海岸線を電車で移動。途中JR「原生花園駅」(げんせいかえんえき)という駅を降りました。
( 初夏から秋まで開設される無人駅「原生花園駅」。この右側は徒歩数分でラムサール条約の濤沸湖、左側は徒歩数分でオホーツク海ビーチ )
原生花園駅は「小清水原生花園」(こしみず・げんせいかえん)と呼ばれる湿地帯の中心的エリア。
「濤沸湖」(とうふつこ)湖岸にあり、かつオホーツク海の海岸が接している地点です。
濤沸湖は夏に湖岸一面が多彩な野生植物の花畑になりますが、その季節にはまだ遠く現状は "荒野" でした。
そこで海側に降りました。そこには見事なビーチが見渡す限り遠くまで続いていました。
(潮の匂いは全国同じだな~)
私たちは「小清水町駅」まで潮騒の砂浜を1時間歩きました。
(浜辺を歩く観光客は皆無で孤独に潮騒を楽しみたい人にもおすすめ~)
この海岸線のわずか100メートルほどの内陸は濤沸湖の湿地帯。
湿地帯と海を隔てるものはオホーツクの北風で積み上がった砂丘で、ここにハマナスが群生している。
北海道には有名なハマナス公園がいくつかありますが、このあたりは「自生」のハマナスの群生エリア。
人の手が加えられないハマナスを見たいとき、ここはおすすめです。
ハマナスの開花は夏でこの時点ではまだでしたが、ハマナスの新緑が力強く茂り始めるタイミングでした。
( この写真は以前撮影したハマナス、今回は時期的にまだ開花していません。いかにも原種バラを思わせる花の形状・色 )
ハマナスは日本在来種のバラ。北海道では海岸沿いの砂丘で群生している。
( この写真はphotolibrary.jpにて購入したハマナスの花。7月~8月くらいの写真だろう )
( 写真はphotolibrary.jpにて購入したハマナスの実=ローズヒップ、秋に実る )
ハマナスは太平洋側では茨城、日本海側では鳥取以北の海岸に自生する。夏に可憐な花を咲かせた後、秋に食用可能な真っ赤な実(ローズヒップ)をつける。
実がナシに似ていることで「ハマナシ」(浜梨)と呼ばれていたが、東北地方の方言からなまって「ハマナス」と呼ばれるようになった・・とネット内のあちこちに書かれている。
しかしあの実はナシに見えない、むしろザクロでしょ。お味の方もナシとは全然違う・・と感じるものの語源は不明です。
ハマナスは、北海道の海岸線でごく普通に生えているなじみの花で、普通すぎて現地ではとくに気にする人は多くないようです。
そして、おもしろいことにハマナスをバラと認識している人も少ない。
確かに花をちらりと見た限りでは「あれがバラ?」・・となります。優雅なバラとは少し趣が異なりますからね。
品種改良が繰り返されてきた現代バラと比較すると、そりゃ素朴に感じられて当然です。
ハマナスは日本原産のバラで、英語では「Japanese Rose」で通るので私たち日本人には自慢の花です。
しかもその芳香はダマスクローズを思わせる気品とパワー、さすが原種系バラ。
ハマナスは江戸末期、シーボルトによってオランダに持ち帰られ現在ではオランダの街路樹として定着しているとか・・え?ホント!?と驚きます。
ハマナスはとにかく棘(トゲ)が凄い・恐ろしい・危険!
私はオランダに行ったことがなくこの目でハマナス街路樹を見るまではこの話が全然信じられない。
ヨーロッパではシーボルト以降、ハマナスを親とした新種バラの作出が盛んだったので、もしかしたらトゲ軽減型ハマナスがオランダにはあるのかも?と空想している。
シューベルトの童謡「野ばら」には「小さなバラは言った、君を刺すよ」という歌詞がある。
小さなトゲがあって痛いかも?くらいの歌詞なんですが、野バラのトゲはおおむねこのレベル。
しかしハマナスのトゲは違います。「近寄るべからず、近寄る者ズタズタにしてくれる!」という強い意志があるし実際血まみれになる。
( 今回の旅行で撮影したハマナス。5月中旬、新緑が吹き出す季節。鋭いトゲが見えるが、まだ可愛い方だろう )
バラに詳しいわけではありませんが、私が知る範囲でトゲのサイズ、鋭利性、密集度・集積度、どれをとってもバラ界最強ではなかろうか?・・
私は10年くらい前、北海道の取材先さんにハマナスの小さな苗木を送ってもらい東京で育てたことがありますが、何をするにも血まみれになった。
運悪くそのハマナスは枯れましたが、枯れた後まで恐ろしかった・・
ところでハマナスはなぜ海岸で咲くのか?・・疑問に思いませんか?
わざわざ砂丘で咲かなくても?・・砂丘は植物にとって過酷な場所・・塩分を含む風、乾燥、乏しい養分・・ハマナスはなんとタフな花!と驚かされる。
しかしハマナスとて水分と肥料を好む、適切に与えれば大きく早く成長する、なのにわざわざ過酷な砂浜に生きる理由は・・それは競争に弱いから。
実際砂丘に水や養分を与えると他の植物の侵入が始まり、あっという間にハマナスは枯れる。
ハマナスは他の植物が生存しにくい土地に自分たちの生存場所を見いだしているようです。
ハマナスの生き方を見ると、タフな人間なのに心が繊細で社会の競争の中で片隅に追いやられがちな人をイメージしてしまう。
あるいは日本人って、世界の中でこんなポジションのような気がしてハマナスに自身を重ねる人もいそうな気がする・・トゲトゲ鎧で身を固めるいかつい姿なのに繊細な花なんですね・・
「和の香水」を標榜する当社にとってハマナス精油を使用した香水制作は長年の夢です。
青森県や北海道の網走・北見地方では、かつて精油採取が目的でハマナス栽培が行われ精油が生産されていた。
しかし現在それらの伝統や記憶は失われようとしている。
現在ハマナスから商業ベースで精油を採取している農園や企業はほぼないと思われる(研究目的は別)。
それは富良野のラベンダー畑が、香料畑から観光農園に変貌せざるをえなかった構図・・安価な海外産精油の流入、合成香料の出現、人件費の高騰とまったく同じです。
こんなハマナスです。
ハマナス精油からハマナス香水を創るという夢はありますが、当分実現にはほど遠いでしょう。
今回もお姿を拝見するだけの旅となりました。
ハマナスのすばらしさや可憐さが多くの人々に認識されハマナスが末永く生き残れることを祈りたい・・

(2024-05-30)
( ハマナスの丘を右手に見ながら海岸線を歩く。この砂丘のハマナス群生地にも他の植物の侵入が始まっており将来までハマナスが残るか不安・・ )JR「原生花園駅」を下車
一つ前の記事「北海道・知床に行ってきた話」の続き。このレポートは知床に入る前の話です。
私たちは網走(あばしり)から斜里町(しゃりちょう)までのオホーツク海岸線を電車で移動。途中JR「原生花園駅」(げんせいかえんえき)という駅を降りました。
( 初夏から秋まで開設される無人駅「原生花園駅」。この右側は徒歩数分でラムサール条約の濤沸湖、左側は徒歩数分でオホーツク海ビーチ )原生花園駅は「小清水原生花園」(こしみず・げんせいかえん)と呼ばれる湿地帯の中心的エリア。
「濤沸湖」(とうふつこ)湖岸にあり、かつオホーツク海の海岸が接している地点です。
濤沸湖は夏に湖岸一面が多彩な野生植物の花畑になりますが、その季節にはまだ遠く現状は "荒野" でした。
そこで海側に降りました。そこには見事なビーチが見渡す限り遠くまで続いていました。
(潮の匂いは全国同じだな~)
オホーツク海沿岸のハマナス
私たちは「小清水町駅」まで潮騒の砂浜を1時間歩きました。
(浜辺を歩く観光客は皆無で孤独に潮騒を楽しみたい人にもおすすめ~)
この海岸線のわずか100メートルほどの内陸は濤沸湖の湿地帯。
湿地帯と海を隔てるものはオホーツクの北風で積み上がった砂丘で、ここにハマナスが群生している。
北海道には有名なハマナス公園がいくつかありますが、このあたりは「自生」のハマナスの群生エリア。
人の手が加えられないハマナスを見たいとき、ここはおすすめです。
ハマナスの開花は夏でこの時点ではまだでしたが、ハマナスの新緑が力強く茂り始めるタイミングでした。
( この写真は以前撮影したハマナス、今回は時期的にまだ開花していません。いかにも原種バラを思わせる花の形状・色 )ハマナスとは?・・日本の原種バラ
ハマナスは日本在来種のバラ。北海道では海岸沿いの砂丘で群生している。
( この写真はphotolibrary.jpにて購入したハマナスの花。7月~8月くらいの写真だろう )
( 写真はphotolibrary.jpにて購入したハマナスの実=ローズヒップ、秋に実る )ハマナスは太平洋側では茨城、日本海側では鳥取以北の海岸に自生する。夏に可憐な花を咲かせた後、秋に食用可能な真っ赤な実(ローズヒップ)をつける。
実がナシに似ていることで「ハマナシ」(浜梨)と呼ばれていたが、東北地方の方言からなまって「ハマナス」と呼ばれるようになった・・とネット内のあちこちに書かれている。
しかしあの実はナシに見えない、むしろザクロでしょ。お味の方もナシとは全然違う・・と感じるものの語源は不明です。
バラと認識されないバラ
ハマナスは、北海道の海岸線でごく普通に生えているなじみの花で、普通すぎて現地ではとくに気にする人は多くないようです。
そして、おもしろいことにハマナスをバラと認識している人も少ない。
確かに花をちらりと見た限りでは「あれがバラ?」・・となります。優雅なバラとは少し趣が異なりますからね。
品種改良が繰り返されてきた現代バラと比較すると、そりゃ素朴に感じられて当然です。
日本のバラ、ハマナス
ハマナスは日本原産のバラで、英語では「Japanese Rose」で通るので私たち日本人には自慢の花です。
しかもその芳香はダマスクローズを思わせる気品とパワー、さすが原種系バラ。
ハマナスは江戸末期、シーボルトによってオランダに持ち帰られ現在ではオランダの街路樹として定着しているとか・・え?ホント!?と驚きます。
北ヨーロッパに定着したハマナス
ハマナスはとにかく棘(トゲ)が凄い・恐ろしい・危険!
私はオランダに行ったことがなくこの目でハマナス街路樹を見るまではこの話が全然信じられない。
ヨーロッパではシーボルト以降、ハマナスを親とした新種バラの作出が盛んだったので、もしかしたらトゲ軽減型ハマナスがオランダにはあるのかも?と空想している。
ハマナスのトゲは最強かも?
シューベルトの童謡「野ばら」には「小さなバラは言った、君を刺すよ」という歌詞がある。
小さなトゲがあって痛いかも?くらいの歌詞なんですが、野バラのトゲはおおむねこのレベル。
しかしハマナスのトゲは違います。「近寄るべからず、近寄る者ズタズタにしてくれる!」という強い意志があるし実際血まみれになる。
( 今回の旅行で撮影したハマナス。5月中旬、新緑が吹き出す季節。鋭いトゲが見えるが、まだ可愛い方だろう )バラに詳しいわけではありませんが、私が知る範囲でトゲのサイズ、鋭利性、密集度・集積度、どれをとってもバラ界最強ではなかろうか?・・
私は10年くらい前、北海道の取材先さんにハマナスの小さな苗木を送ってもらい東京で育てたことがありますが、何をするにも血まみれになった。
運悪くそのハマナスは枯れましたが、枯れた後まで恐ろしかった・・
ひ弱で繊細なハマナス
ところでハマナスはなぜ海岸で咲くのか?・・疑問に思いませんか?
わざわざ砂丘で咲かなくても?・・砂丘は植物にとって過酷な場所・・塩分を含む風、乾燥、乏しい養分・・ハマナスはなんとタフな花!と驚かされる。
しかしハマナスとて水分と肥料を好む、適切に与えれば大きく早く成長する、なのにわざわざ過酷な砂浜に生きる理由は・・それは競争に弱いから。
実際砂丘に水や養分を与えると他の植物の侵入が始まり、あっという間にハマナスは枯れる。
ハマナスは他の植物が生存しにくい土地に自分たちの生存場所を見いだしているようです。
重なって見える人も・・
ハマナスの生き方を見ると、タフな人間なのに心が繊細で社会の競争の中で片隅に追いやられがちな人をイメージしてしまう。
あるいは日本人って、世界の中でこんなポジションのような気がしてハマナスに自身を重ねる人もいそうな気がする・・トゲトゲ鎧で身を固めるいかつい姿なのに繊細な花なんですね・・
ハマナス精油?
「和の香水」を標榜する当社にとってハマナス精油を使用した香水制作は長年の夢です。
青森県や北海道の網走・北見地方では、かつて精油採取が目的でハマナス栽培が行われ精油が生産されていた。
しかし現在それらの伝統や記憶は失われようとしている。
現在ハマナスから商業ベースで精油を採取している農園や企業はほぼないと思われる(研究目的は別)。
それは富良野のラベンダー畑が、香料畑から観光農園に変貌せざるをえなかった構図・・安価な海外産精油の流入、合成香料の出現、人件費の高騰とまったく同じです。
ハマナス香水?
こんなハマナスです。
ハマナス精油からハマナス香水を創るという夢はありますが、当分実現にはほど遠いでしょう。
今回もお姿を拝見するだけの旅となりました。
ハマナスのすばらしさや可憐さが多くの人々に認識されハマナスが末永く生き残れることを祈りたい・・

(2024-05-30)
( 香水工場の )
香る生活
北海道・知床に行ってきた話
香水とは無関係ですが、書きたかった・・(2024/05/29)
( 5月中旬でも雪が残る知床連山 )
先日2泊3日で北海道に行ってきました。お休みを取れなかった5月大型連休の代わりの旅行。知床半島へ野生動物を見に行くこととハマナスを見に行くことが目的。
親戚に野生動物を撮っているプロのカメラマンがいて今回同行させてもらい知床国立公園へ。そのうち半日はガイド付きツアーに参加し森の中を歩き回った。
我々を案内したガイドさんは若い女性で動植物を愛する情熱みたいなものが印象的でした。仙台出身とのこと。仙台の方がなぜ知床に?という事情は聞きませんでした。
余談ですが泊まったホテルでも若い人々が多く働いて他の地域とは雰囲気が違っていた。食事の際、料理を取り分けてくれた若い男性はサウナに惹かれて知床で働いているとのこと。
移住なのか滞在なのか不明ですが、彼も他の地域からの人。知床には若い世代のコミュニティがあるのかな?・・と空想させるものがある。
トレッキングしている外国人も多かったですね。おそらくシンガポールや台湾あたりの人々? そして日本人も外国人も国立公園内でのマナーのよさは驚きでした。
一部の心ない観光客の振る舞いに頭を悩ませる国立公園は多い・・ゴミを捨てる、大騒ぎする、野生動物を驚かせる、植物を取る・折るなど。
野生動物の前では音を立てない、驚かせない、エサをあげないは必須ですが、知床国立公園では良く守られていて成熟した国立公園の印象を抱きました。
世界中の国立公園でよく言われる有名な標語みたいなヤツがありますよね、「残してよいのは〇〇だけ・・」とかなんとか・・森を歩きながら思い出そうとして思い出せず、その日ホテルにもどり検索しました。
このポリシーが世界中に浸透するといいですね。
ガイドさんによるとたいていの野生動物は人間に関心がないそうです。
人間がエサをあげたり脅したりすると、不自然に近寄ったり姿を見せなくなるとのこと。
それらをしなければ案外かなり近くで観察できる動物がたくさんいることに驚きました。
私たちが今回出会った野生動物はシカ、リス、キツネ、クマと多数の野鳥。カメラマンといっしょなのでこんなに見ることができましたが、単独でもシカなどには出会えたと思われます。
テレビやネットでは人間を襲うクマのニュースが近年よく流れますが、私たちが出会ったクマは10メートルの近距離でもまったく人間に関心がない風情でした。今回クマに3回出会いました。
森の中や草が生い茂る草原を歩く際は、ダニ・虫対策として長ズボン・長袖は必須で、ぬかるみもあるので長靴という姿で、観光地では短パン・Tシャツが定番の私にはやや重装備。
同行のカメラマンは超望遠レンズ2本を両肩に担いでいました。カメラ機材で6~7キロありそう。
・・なるべく息を殺し自分たちの存在感を消し、耳・目・鼻の五感をフル動員して動物の気配を感じながら歩く・・雑念が消え、心が研ぎ澄まされるような・・座禅のようでした。
さて次の記事は日本のバラ・ハマナスの話です。

(2024-05-29)
( 5月中旬でも雪が残る知床連山 )オホーツク海と知床半島
先日2泊3日で北海道に行ってきました。お休みを取れなかった5月大型連休の代わりの旅行。知床半島へ野生動物を見に行くこととハマナスを見に行くことが目的。
親戚に野生動物を撮っているプロのカメラマンがいて今回同行させてもらい知床国立公園へ。そのうち半日はガイド付きツアーに参加し森の中を歩き回った。
我々を案内したガイドさんは若い女性で動植物を愛する情熱みたいなものが印象的でした。仙台出身とのこと。仙台の方がなぜ知床に?という事情は聞きませんでした。
若い世代が多い?
余談ですが泊まったホテルでも若い人々が多く働いて他の地域とは雰囲気が違っていた。食事の際、料理を取り分けてくれた若い男性はサウナに惹かれて知床で働いているとのこと。
移住なのか滞在なのか不明ですが、彼も他の地域からの人。知床には若い世代のコミュニティがあるのかな?・・と空想させるものがある。
トレッキングしている外国人も多かったですね。おそらくシンガポールや台湾あたりの人々? そして日本人も外国人も国立公園内でのマナーのよさは驚きでした。
「残していいのは足跡だけ」
一部の心ない観光客の振る舞いに頭を悩ませる国立公園は多い・・ゴミを捨てる、大騒ぎする、野生動物を驚かせる、植物を取る・折るなど。
野生動物の前では音を立てない、驚かせない、エサをあげないは必須ですが、知床国立公園では良く守られていて成熟した国立公園の印象を抱きました。
世界中の国立公園でよく言われる有名な標語みたいなヤツがありますよね、「残してよいのは〇〇だけ・・」とかなんとか・・森を歩きながら思い出そうとして思い出せず、その日ホテルにもどり検索しました。
「取っていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」
このポリシーが世界中に浸透するといいですね。
人間に無関心な野生動物
ガイドさんによるとたいていの野生動物は人間に関心がないそうです。
人間がエサをあげたり脅したりすると、不自然に近寄ったり姿を見せなくなるとのこと。
それらをしなければ案外かなり近くで観察できる動物がたくさんいることに驚きました。
私たちが今回出会った野生動物はシカ、リス、キツネ、クマと多数の野鳥。カメラマンといっしょなのでこんなに見ることができましたが、単独でもシカなどには出会えたと思われます。
テレビやネットでは人間を襲うクマのニュースが近年よく流れますが、私たちが出会ったクマは10メートルの近距離でもまったく人間に関心がない風情でした。今回クマに3回出会いました。
( プロの写真・・ちょっと違う )
森の中を歩く
森の中や草が生い茂る草原を歩く際は、ダニ・虫対策として長ズボン・長袖は必須で、ぬかるみもあるので長靴という姿で、観光地では短パン・Tシャツが定番の私にはやや重装備。
同行のカメラマンは超望遠レンズ2本を両肩に担いでいました。カメラ機材で6~7キロありそう。
・・なるべく息を殺し自分たちの存在感を消し、耳・目・鼻の五感をフル動員して動物の気配を感じながら歩く・・雑念が消え、心が研ぎ澄まされるような・・座禅のようでした。
さて次の記事は日本のバラ・ハマナスの話です。

(2024-05-29)
( 香水工場の )
香る生活
ショップ拝見「金熊香水」
(きんくま・こうすい)・・他社さんの話ですが、興味深かったのでご紹介(2024/05/29)
( 金熊香水さんのサイトより )
4月中旬、八ヶ岳山麓にある「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」という施設へ。
このリゾート内のメインストリートに香水ショップを出店するというメールをもらったので視察に行ってきました。
メールをくれたのは株式会社ピノーレさん。「ニッチフレグランス」や「メゾンフレグランス」といったカテゴリーに入る新興香水ブランド。
大資本でなくかつ独立系という点がニッチフレグランスの特徴。
(その点では当社もニッチフレグランスか・・)
こちらの社長さんとは20年近い知り合いで、今となってはどうやって知り合ったのか思い出せないほど。
ピノーレさんは自社ブランドからスタートしたものの他社ブランドの製品開発(OEM香水)も多く手がける。
日本の多くのニッチフレグランスを顧客として抱える縁の下の力持ち的存在。
東京周辺の人間にとって「八ヶ岳」と聞けば、「なんか遠い感じの山」という印象でしょうか?・・しかし東京でもとくに新宿より西の中央線沿線の人間には乗り換えなしで行ける案外行きやすい本格的な山岳エリア。
中央本線『小淵沢駅』(こぶちざわ)という駅がリゾナーレ八ヶ岳の最寄り駅で、当社に近い『立川駅』から特急で1時間半。
今回久しぶりに小淵沢駅に降りた。駅前ロータリーで迎えを待っていると目の前には山頂に雪を残す甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)の雄姿が迫っており完全に旅行気分。
( 甲斐駒ヶ岳・・うっとりする美しさ )
ピノーレさんが今回リリースした商品兼ブランド名が『金熊香水』(きんくまこうすい)。特徴は "ベース" と呼ばれる複数の香水を自分で混ぜ合わせて作るタイプの製品。
ベースは18種類。この中から数種類をチョイスして自分の好みにブレンドしてオリジナルの香水を作ることがコンセプト。香水作りは主にショップで行うことを想定している。
調香師(パフューマー)のように単品香料を組み上げて香水を作ることは初心者にはムリだが、ある程度できている調合済みの原料を混ぜ合わせる作り方なら初心者でもできる。
それゆえ金熊香水では、ショップは香水を買う場所というより、自分のオリジナル香水を作るための施設・ラボの位置づけである。
ショップにはスタッフが常駐しており調合方法はアドバイスしてもらえる。

近年オーダーメイドで香水を作る通販型サービスも増えているが、実際にショップに出向きベース香水を実際にいろいろ試して作る課程があることは金熊香水の強みに見える。
リゾナーレ八ヶ岳に宿泊するお客さんが親子で来店するケースが多いようである。香水作りは子供にはレアな体験であり、大人にもワクワク感があるイベントではなかろうか。
ベースをもとにオリジナル香水を作るというアイデアは理にかなっている・・というのは当社は京成バラ園さんで10年以上、定期的に「香水作りセミナー」を開催していたのでオリジナル香水作りの楽しさや出来映え具合の程度はだいたい察しが付く。
はっきり言って、かなり楽しい! そして自分の香りに満足される方がほとんど、ということ。
当社のセミナーでは単品香料とある程度できている調合香料12種類(金熊香水で言うところの「ベース」に当たる)からチョイスする方式を採用していた。

ピノーレさんからこの金熊香水の構想を10年以上前に聞いたとき(当時「金熊香水」という名称はまだ生まれていなかった)、ベース開発の困難さを危惧した。
フランスや日本の調香師さんに相談したが、香水業界では消費者が自分でブレンドするという行為に対して否定的である専門家が多い。
そのためベース開発は難航しただろう。大手原料メーカーさんや著名な調香師(パフューマー)さんの協力があってついに完成した。よかった。
ショップを体験型ラボにするというアイデアは、アクティビティ重視のリゾナーレ八ヶ岳さんの思惑にぴたりと合致して、話をはじめるとあっという間に出店となったらしい。
そして今回、私も視察に来たが、驚いたことは店舗の一部エリアに対して化粧品製造業ライセンスを取得していたこと。
化粧品は、自分で使う手作り化粧品は別として販売目的の場合、政府による許可制。その化粧品製造業ライセンスの取得って大変なのだ。
化粧品工場ならそれを前提に建設するのでそれなりの設備があって当たり前だが、なんせ店舗は化粧品ライセンスなど前提に設計されていない。
店舗内を壁で仕切り、排水設備を組み直し、更衣室・保管庫・電気設備・換気設備のやり直しなど「いくら投資したん!」と心中叫んだが、彼らの本気度を見させてもらった。
今後「自分で作るオリジナル香水」が市場を拡大させるのかどうかわからないが、競合は増えてきそうと予想している。
こういう新しいコンセプトの製品によって香水業界にまた一つ新しい活気が灯る。ピノーレさんの成功を祈りたい。

(2024-05-29)
( 金熊香水さんのサイトより )事の発端
4月中旬、八ヶ岳山麓にある「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」という施設へ。
このリゾート内のメインストリートに香水ショップを出店するというメールをもらったので視察に行ってきました。
ニッチフレグランス
メールをくれたのは株式会社ピノーレさん。「ニッチフレグランス」や「メゾンフレグランス」といったカテゴリーに入る新興香水ブランド。
大資本でなくかつ独立系という点がニッチフレグランスの特徴。
(その点では当社もニッチフレグランスか・・)
こちらの社長さんとは20年近い知り合いで、今となってはどうやって知り合ったのか思い出せないほど。
ピノーレさんは自社ブランドからスタートしたものの他社ブランドの製品開発(OEM香水)も多く手がける。
日本の多くのニッチフレグランスを顧客として抱える縁の下の力持ち的存在。
八ヶ岳
東京周辺の人間にとって「八ヶ岳」と聞けば、「なんか遠い感じの山」という印象でしょうか?・・しかし東京でもとくに新宿より西の中央線沿線の人間には乗り換えなしで行ける案外行きやすい本格的な山岳エリア。
中央本線『小淵沢駅』(こぶちざわ)という駅がリゾナーレ八ヶ岳の最寄り駅で、当社に近い『立川駅』から特急で1時間半。
今回久しぶりに小淵沢駅に降りた。駅前ロータリーで迎えを待っていると目の前には山頂に雪を残す甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)の雄姿が迫っており完全に旅行気分。
( 甲斐駒ヶ岳・・うっとりする美しさ )金熊香水
ピノーレさんが今回リリースした商品兼ブランド名が『金熊香水』(きんくまこうすい)。特徴は "ベース" と呼ばれる複数の香水を自分で混ぜ合わせて作るタイプの製品。
ベースは18種類。この中から数種類をチョイスして自分の好みにブレンドしてオリジナルの香水を作ることがコンセプト。香水作りは主にショップで行うことを想定している。
調香師(パフューマー)のように単品香料を組み上げて香水を作ることは初心者にはムリだが、ある程度できている調合済みの原料を混ぜ合わせる作り方なら初心者でもできる。
それゆえ金熊香水では、ショップは香水を買う場所というより、自分のオリジナル香水を作るための施設・ラボの位置づけである。
ショップにはスタッフが常駐しており調合方法はアドバイスしてもらえる。

想い出作り
近年オーダーメイドで香水を作る通販型サービスも増えているが、実際にショップに出向きベース香水を実際にいろいろ試して作る課程があることは金熊香水の強みに見える。
リゾナーレ八ヶ岳に宿泊するお客さんが親子で来店するケースが多いようである。香水作りは子供にはレアな体験であり、大人にもワクワク感があるイベントではなかろうか。
ベースをもとにオリジナル香水を作るというアイデアは理にかなっている・・というのは当社は京成バラ園さんで10年以上、定期的に「香水作りセミナー」を開催していたのでオリジナル香水作りの楽しさや出来映え具合の程度はだいたい察しが付く。
はっきり言って、かなり楽しい! そして自分の香りに満足される方がほとんど、ということ。
当社のセミナーでは単品香料とある程度できている調合香料12種類(金熊香水で言うところの「ベース」に当たる)からチョイスする方式を採用していた。

10年以上の構想
ピノーレさんからこの金熊香水の構想を10年以上前に聞いたとき(当時「金熊香水」という名称はまだ生まれていなかった)、ベース開発の困難さを危惧した。
フランスや日本の調香師さんに相談したが、香水業界では消費者が自分でブレンドするという行為に対して否定的である専門家が多い。
そのためベース開発は難航しただろう。大手原料メーカーさんや著名な調香師(パフューマー)さんの協力があってついに完成した。よかった。
ショップ初訪問
ショップを体験型ラボにするというアイデアは、アクティビティ重視のリゾナーレ八ヶ岳さんの思惑にぴたりと合致して、話をはじめるとあっという間に出店となったらしい。
そして今回、私も視察に来たが、驚いたことは店舗の一部エリアに対して化粧品製造業ライセンスを取得していたこと。
化粧品は、自分で使う手作り化粧品は別として販売目的の場合、政府による許可制。その化粧品製造業ライセンスの取得って大変なのだ。
化粧品工場ならそれを前提に建設するのでそれなりの設備があって当たり前だが、なんせ店舗は化粧品ライセンスなど前提に設計されていない。
店舗内を壁で仕切り、排水設備を組み直し、更衣室・保管庫・電気設備・換気設備のやり直しなど「いくら投資したん!」と心中叫んだが、彼らの本気度を見させてもらった。
香水業界の活性化につながりそう
今後「自分で作るオリジナル香水」が市場を拡大させるのかどうかわからないが、競合は増えてきそうと予想している。
こういう新しいコンセプトの製品によって香水業界にまた一つ新しい活気が灯る。ピノーレさんの成功を祈りたい。

(2024-05-29)
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