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( 香水工場の )

香る生活


香水プロモーションビデオを撮る!
そんな準備をしています。都内のハウススタジオも押さえました。来週撮影予定です・・・と軽く書いていますが、それなりに緊張しています。

夏、私は映画学校に通っている・・・とブログで書かせてもらいました。不覚にも「国分監督作品、公開予定」なんて大ホラも打ち上げました。

あの時点では本気でした。実際に1分の超ショートムービーを制作、ひとり悦に入っていましたが、しかし、出来てみればあまりにも品質悪く、かつ著作権の問題で皆様には公開できないことが判明しました。

今度は大丈夫です。

なんとなれば、監督さんもカメラマンもプロチームの方々とともに制作します。

小さいですが、プロチームを組んでいます。素人は私だけ。

制作会議の打ち合わせを重ねるごとに作品としての体裁を積み上げていきました。

さあどうなるか、来週撮影、年明け編集、1月下旬にはWEBにて公開できる見通しです。1分程度の作品になる予定です。「香水の楽しさ」を優しくささやかストーリーで表現したいと意気込んでいます。



ところで、こんなお話ついでに・・・きのう「映画『ふうけもん』公開中止=東映」というニュースが芸能界ニュースとして踊っていました。

撮影終了も…中村雅俊の主演映画が公開中止(2008年12月16日(火) 6:01 スポーツニッポン)

いつくかの報道を読むと趣旨はだいたい下記のようになります:

・来年1月公開予定だった東映「ふうけもん」映画が完成せず公開中止。
・中村雅俊、浅野ゆう子、垣内彩未、中村玉緒、哀川翔・・・という豪華キャスト。
・制作予算は1億5千万円。
・撮影自体は春に終了済み。編集段階で制作を担当したJ&Kインターナショナル社の資金繰り問題で表面化で未完のままお蔵入りか?

役者さんや関係者の方々にはギャラや制作費の支払い問題も発生している模様です。

夏に通った映画学校の夜間コースでは、映画の制作方法という技術的な部分だけでなく現役の若手監督さんの実体験からハリウッド映画界や日本の映画界のダイナミックで生々しい映画ビジネスの一端に触れることができました。

大いにインスプレーションを受けました。一言で言えば映画は巨大なバクチ、投機、ビッグビジネスという事実を認識しました。しかし、業界を構成している既存の力関係がこの数年で革命的に変動していることも知りました。原因はインターネット。激動は想像以上のスピードで進行中のようです。

(2008-12-16)
( 香水工場の )

香る生活


『コンシンのジェル』のヒアルロン酸は何由来?
なんて質問をいただきました。

大豆由来と明言したいのですが、正確には大豆を培養体とした微生物による「発酵法」で製造されています。

ダイレクトに微生物由来と言った方がいいのかな?・・・未だはっきりしていません。

『コンシンのジェル』の開発時、実は原料メーカーさんとの協議でこの質問をぶつけたことがあります。微妙な顔をされておられました。彼らも大豆由来と言いたいような言えないような、奥歯にものが挟まった顔とはあんな感じなのかな?・・・と思った光景が蘇ります。

このメーカーさんは日本人なら知らない人はいないでしょうし、多く人がこの会社の食品を毎日口にしている食品大手さんですが、化粧品原料もなかなか意欲的なものを出されています。

美肌成分として有名なヒアルロン酸やコラーゲンなどは昔、動物由来がメインでした。たとえば、ニワトリのトサカから高濃度のヒアルロン酸が採油できることは化粧品業界では知らない人はいないくらい有名な話です。

しかし、2000年のBES問題以降、動物由来成分は急速に使用されなくなってきています。現在は「植物由来」「海洋成分由来」が主流ではないでしょうか?

それは私たちの安全性のためもありますが、よいことに動物愛護の気運が高まっていることも大きな要因です。

(2008-12-14)
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香る生活


香水にハマると、どんな失敗をしがち?
取引先との世間話。

「香水にハマってしまう人って、いるじゃないですか?もう付けずにはいれない!みたな・・・ハマると失敗しがちなことってありますか?」

彼女自身、香水のエキスパート。今さら彼女から聞かれるような質問でもないのですが、これが世間話ってなもんなんでしょうね。

全力でお答えします。

香水は、ギャンブルでも麻薬でもありませんので、ハマって依存症や中毒症状を呈したり、破産やファイナンス的な崩壊を招くリスクは少ない。

心を癒す製品で、安全性の高い、とっても贅沢な商品です。

ドンドン、行っちゃって下さい。

しかし、一点だけ気になるのは、やはり付けすぎです。

ハマった人は、自分が好きな香りだから、これでもか!と付けたくなるのですが、すぐに自分の鼻がマヒします。

これを「嗅覚疲労」(きゅうかくひろう)と言います。

生理学的には「疲労」とは別で、その実、環境への「適応メカニズム」が働いていると推測されます。

短時間ならほとんど疲労しない視覚や聴覚と比較すると、ほとんど奇跡的に短い時間で「無覚」に陥ります。

すると・・・

「あら、ちょっと弱いわね〜 私、香ってるのかしら?」

なんて重ねづけを繰り返すことになります。

香水は思うに2つの目的で使用します。

・第一に、自己アピール。つまり、ファッションですね(性的アピールも含めて)

・第二に、心の満足。つまり、癒しや心のハリや元気ですね

どちらもすばらしい目的です。

どんな人でも香水を使用する人は、意識するにしろしないにしろ、この2つの目的を持っていると思いますが、配分をどちらに多く取るかは人により、シチュエーションにより様々。

失敗を犯しがちなのは、やはりファッションの方です。

過剰演出でケバケバになったり、あまりにも周囲へのアピールを意識しすぎて自分が好きでもない香水をたっぷり拭きかけるようなことはないでしょうか?

アメリカでは相手に強烈な印象を与えるために「パワータイ」(原色系や蛍光カラーの派手目ネクタイ)が昔大流行していました(大統領選でも見かけますよね)が、似ています。


香水選びと付け方のオススメは、少しだけ第二の「心の満足」の方を重視していただくと、それが結果的に、バランスの取れた奥ゆかしい女性の演出に役立つでしょう。


(2008-12-13)
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香る生活


強制茶柱で運をつかむ
きょうは緑茶の話。

誰が言い始めた都市伝説か知りませんが、朝飲むお茶に茶柱が立っていたら、縁起が良いといいます。

私は途方もない怪談や出所の怪しい迷信を信じる方ではないのですが、その実、案外気にしていたりします。

茶柱伝説もバカげていると思いつつ、茶碗の中で茶柱が立っていたら、気分は悪くない。


男のこういう単純なところを突いて、世の賢い奥様方には、月一回くらい朝の食卓にわざと茶柱を立たせたお茶を出す方もおられるそうです。

きょうは大切な日、という時を狙う奥様もおられるでしょ。すると・・・

「おい、見ろよ、茶柱立ってるよ。今日はいいことがありそうだ」

と喜ぶ亭主。

「あら、そう?よかったわね」

と関心なさそうに返答する妻。

なんとも心温まる光景ではないですか。



(2008-12-12)
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香る生活


「ローズの贈り物」通常商品化の予定は?
今回の「ローズの贈り物」は極端に速く完売しました。

今年はMYLOHAS(マイロハス)さんでのご紹介いただいたのが大きかったかもしれません。

「ローズの贈り物」は、そもそもの製造本数が数百本と超小ロットですので、ちょっとでも訪問者数が増加すると簡単に売り切れます。大変申し訳ございません。

毎年「ローズの贈り物」をご購入くださっているあるお客様からメールを頂きました。

今回も無事ご購入いただきましたが、例年と違い、数日で完売してことがショックだったようで趣旨は下記のようなものです。

「こんなことでは来年は買えるのか心配です。通常の商品として商品化してください」

ファン投票を一票いただいた思いでうれしいお話です。

「ローズの贈り物」にはローズオイルが高濃度に配合されています。

どれくらい高濃度かと言えば「溶けるだけ溶かす」という感じです。

この場合、問題が2つあります。

(1) コスト的な問題(ローズオイルは高価)
(2) オリの問題

当社は、ほぼ界面活性剤を使用しないので「オリ」の問題がついて回ります。

パワーのあるローズオイルはオリを発生させやすいリスクが他の天然香料と比較すると強いのです。

常連さんには了解されている方が多いのですが、オリは一般のお客様には不良品と見なされがちです。

ご購入後、時間が経過して白い浮遊物やウニュウニュしたナゾの物体が自然生成し、液中を漂うようになれば、気持ちも悪いことは当然です。

このリスクを考えると製造現場も営業部も「ガンガン売っていこう!」というより若干、尻が引き気味になるのは人情です。

"なるべく馴染みのお客様に小さく販売していこう"というスタンスです。

通常商品として商品化できるタイプではないと判断しております。

(2008-12-11)
( 香水工場の )

香る生活


暗い時代こそ、豪華な香水を

名香の話題「JOY」


名香「JOY」(ジョイ、喜び)

この名に恍惚とした思い出を重ね合わせる人もいるかもしれません。初出荷は1930年。ネーミングがすばらしいですよね。


香水の危険なネーミングは平和の裏返し?


現代になるに従い香水の製品名には、刺激的で危険で毒々しい名前が増えてきます。

思い当たるでしょうか?他社さんの製品ことであまり言及できませんので、心の中だけにとどめておきますが相当あります。

そういう危険なネーミングは実は、逆に平和な社会の世相を反映している面もあると思います。


ジャスミン香水として有名な「JOY」


Jean Patou(ジャン・パトゥ)の香水「JOY」は、香水の勉強を始めると名香として必ずラインアップされる一つです。

私のイメージでは、ジャスミンの華やかな香りがフランス・プロヴァンス地方の暖かさと開放感を感じさせてくれる香りです。

この香水のおもしろさは、中身の実力ももちろんですが、中身のことは今さら香水ファンのみなさんにお話しても「釈迦に説法」なので、ビジネスサイドでこの製品の逸話をお話します。

この逸話、タイミングがドンピシャリ。まさに「リーマン・ショック」(※1)の年として歴史に刻まれるこの2008年を語るにふさわしいエピソードです。

(※1)2008年9月15日に米国の投資銀行リーマン・ブラザーズがサブプライムローン問題により破綻し世界金融危機の要因となった事件。1929年の世界同時不況の再来とも言われた。


ブランド総合プロデューサー


ジャン・パトゥ氏は、パフューマーではなく一般にはクチュリエと呼ばれます。

クチュリエとは、裁縫師で英語のテーラーに当たりますが、現在ではファッションブランド、特にオートクチュールのデザインと制作の総責任者的な意味で使用されます。

映画制作でいえば、制作の総責任者であるエグゼクティブ・ディレクター(総監督)あたりかな?

しかし、ジャン・パトゥ自身、メゾンを構えたブランドオーナーであり会社オーナー。映画制作でいえば資金調達からアウトプットのディストリビューションと販売まで企画し実施しますので、映画やテレビ界ならエグゼクティブ・プロデューサーに近いかもしれません。


現代マーケティングの開拓者


要はジャン・パトゥはたんなるデザイナーではなく辣腕のビジネスマンでありブランドビジネスの仕掛け人なのです。ことのほかアメリカ市場を重視した彼の営業スタイルにもビジネスマンとしての才覚が見え隠れします。

有望顧客(今で言うところの「セレブ」さんたち)やマスコミ関係者を多数招いて派手なファッションショーやパーティを頻繁に開くことは、現在のファッション業界ではごく普通のマーケティングですが、ジャン・パトゥが切り開き確立させた手法です。


「世界一高価な香水」


そんなジャン・パトゥ社がリリースした香水が「JOY」。

JOYは、以前から個別に販売されたらしいのですが1930年に一般販売へと踏み切られます。

1930年は、1929年10月ニューヨーク証券取引所の株価大暴落を契機として始まった世界大恐慌勃発の翌年です。大恐慌の余波は1930年代を通じて続き第二次世界大戦の原因の一つにもなりました。

企業倒産の連鎖と世界中の都市で溢れる失業者。モノが売れなくなる時代です。カネが流れなくなる時代です。このような悲惨な時代にジャン・パトゥが投入した香水はなんと

「世界一高価な香水」

でした。こんへんの正確な事情は不明ですので推測ですが、おそらくジャン・パトゥ氏本人が意図的に「世界一高価な香水」と思われるようなプライシングで価格を設定したはず。

(高価なジャスミンをふんだんに使用しただけではそんな価格にならない)

意図的に「世界一高価な香水」であることを公言し・宣伝し・利用したことは想像に難くありません。


大不況にあえて高額香水をリリースする意図


人は生来的に明るいモノ、明るい話、明るい生き方に惹かれることをジャンは知っていたんですね。

私の先輩は株投資で大穴を開けるすると豪華な食事に行って心と気持ちをチャージしていましたが、曰く「落ち込んだときこそ、旨いモノを食え!」だそうです。それに近いものを感じます。

暗黒の時代に「世界一高価な香水」を手にする明るさと興奮。

価格だけならいくらでも世界一高価な香水を作れますが、それが「世界一」にふさわしいストーリーを備え「世界一」にふさわしいイメージにまで昇華させることができた彼の手腕にこそブランドビジネス仕掛け人として才能が存分に発揮されています。

失業者が溢れ治安の維持さえおぼつかない世界の大都市でJOYは記録的な大ヒットを飛ばします。このようにしてJOYは香水史の歴史に新しい一ページを刻むことになりました。


リーマン・ショックと香水


今年2008年は、1929年の世界大恐慌を凌ぐ波乱の一年となりました。

経済評論家たちはそろってそう言いますし、規模的にも1929と比較にならないほどの大きな経済損失が発生していますが、私たちの実感として現在「大恐慌真っ只中?」かどうかは人によって意見が分かれます。

ひょっとしたら影響は今後徐々に加速し私たちの生活を苦しめるのかもしれませんし、もしかしたらお偉いさんたちが煽るほど大袈裟な不況にならずに済むかもしれません。



「香水苦戦」の2008年クリスマス商戦


今年のクリスマス商戦。欧米では「香水苦戦」がささやかれています。

香水は、欧米ではクリスマスプレゼントの毎年トップファイブに入る超ポピュラー商品。毎年さまざま商材がクリスマスプレゼントの人気ランキングの順位表を塗り替えますが、香水は安定して毎年ランキング入りを果たします。

しかし、今年多くのブランドさんが、クリスマス商戦を前に例年より香水の生産計画を「弱気調整」との裏事情が聞こえています。不況時、実用性の乏しい香水はコストカットの最初の方でカットされる出費であることは欧米も日本も変わりないようです。

さあ、どうなるのでしょうか?



香水マーケティングの事例


いずれにしても私たちの「明るいモノ、明るい話、明るい生き方」に惹かれるという生来の本質は昔も今も同じハズ。もし来年「新世界一高価な香水」が世の中に現れるようなことがあれば、それは世界が本当に大不況に陥った証拠になるかもしれませんね。


香水を学ぶ人にだけでなく、香水マーケティングを学ぶ人にJOYは多くの教訓を残した名香なりました。


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ジャスミン香水のジャスミンは?・・・ジャスミンの種類
暗いときこそ、豪華な香水で!・・・香水マーケティング
2013年新作香水「Jasmine」


(2008-12-02)
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