( 香水工場の )
香る生活
「工房」への原点回帰
ブランドを目指すなら「工房」への原点回帰が必要かもしれない。
当社は、自社のことをファッション用語で言うところのSPA(Specialty Store Retailer of Private Label Apparel)と考えています。SPAとは、文字通り訳せば「プライベートレーベルのアパレル専門店」。
メーカーから商品を仕入れて販売するデパートや通常の小売りとは違い、自社で商品開発の企画から生産、販売までトータルに事業をやり遂げる垂直統合型総合アパレル小売業のことです。
リテイラー(小売業)なのに製造するという意味で「製造小売業」と訳されることがあります。
しかし、実際の製造は他社の工場に生産を委託しているところも多く「製造小売業」ってのはどうでしょうか。
SPAのキーポイントは「ブランドの確立」と「直営店」です。
SPAというコトバは米国のGAP社によって1980年代に使用されたもので、この手法でGAP社は大きく前進しました。
日本ではユニクロさんがSPAで日本のアパレル界に一代旋風を巻き起こしたのはご存じの通りです。経済界では、ユニクロの大成功を見てSPAが一大ムーブメントとなりました。
SPAは、アパレルというワードが含まれていることから、ファッション産業に限定した形態を差しますが、実はファッションに限らず、このような形態の企業が増えてきています。
もともと世界の大ブランドの生い立ちは、ほとんど「自社開発かつ自社販売」でした。
SPAは逆にブランドの原点回帰と言える現象ではないでしょうか。
わざわざブランドの普通の運営形態を違うコトバで言い換える必要はなかったのかもしれません。
ヨーロッパのラグジュアリーブランドの歴史を見ればわかりますが、ヨーロッパ・ブランドの原点はだいたい「工房」です(日本もまったく同じですよね)。
工房には職人さんがいて親方がいました。
ブランド工房では、一階が店舗、二回が工房、その上の階や近所に親方や職人さんたちの住まいがあったものです。そういう工房はフランスでは「メゾン」と呼ばれました。
つまり、「自分たちで企画し、自分たちで作り、自分たちで売る」。
これがブランドのブランドたる形態だったのです。
現代では、工場は本社からはるか離れた中国に建てて、マーケティングは電通さんのような大手PR・広告会社に任せる。
そして、売場は世界の空港や世界の一流百貨店内にオープンという現代資本主義経済のお手本のような量産型マーケティング体制に変化したブランドさんも少なくなりません。
しかし、ブランドのメゾン回帰はすでに始まっています。
百貨店を出て直営店を持つ、中国工場を閉鎖して自国に戻すというラグジュアリーブランドさんが後を絶ちません。もっともなことです。
これからのブランドは、コストが安いという理由だけで他国に工場を建てず、自国で、しかもなるべく自分たちのブランドアイデンティティがある土地の産物・原料を利用して、その土地で生産し、自分たちで直営店を運営する。
そして、生産者が直接顧客と接点を持つ直営店や直販の形態へと変化していくと思います。
世界の消費者心理も日用消耗品(コモディティ)は、最先端資本主義メカニズムの恩恵によってもたらされる「安くて、どこにでも売っていて、どこでも同じで、コストパフォーマンスの優れたもの」、心の贅沢には「ちょっと特別なもの」とメリハリをつけて商品を選び購入する人々が増えいます。
世界の香水業界では現在、ニッチブランドやニッチパフューマリー、香水メゾンと呼ばれる新興香水メーカーが続々と生まれています。
その一つのブランドさんにUlrich Lang New York Fragrances(ウルリッチ・ラン・ニューヨーク・フレグランシーズ)があります。
もとロレアルの役員でアートディレクターだったUlrich Lang氏が創業した香水ブランドですが、最近のインタビューで答えていた内容は新興香水メーカーが目指す姿が端的に表現されています。
「ラクジュアリーに対する考え方は変化しつつあります。人々は量産型商品ではなく、もっとパーソナルな商品を求め始めています。ブランドは新しい贅沢を追求していくとこになるでしょう。そのような商品には派手な広告や宣伝など必要ありません」
"The notion of luxury is changing," Lang said in a recent interview. "People are looking more into personal products, less mass-marketed products ...it goes hand in hand with the new luxury -- they don't need to flaunt it." (Charlotte.com, Jan. 31, 2008)
(2008-02-04)
当社は、自社のことをファッション用語で言うところのSPA(Specialty Store Retailer of Private Label Apparel)と考えています。SPAとは、文字通り訳せば「プライベートレーベルのアパレル専門店」。
メーカーから商品を仕入れて販売するデパートや通常の小売りとは違い、自社で商品開発の企画から生産、販売までトータルに事業をやり遂げる垂直統合型総合アパレル小売業のことです。
リテイラー(小売業)なのに製造するという意味で「製造小売業」と訳されることがあります。
しかし、実際の製造は他社の工場に生産を委託しているところも多く「製造小売業」ってのはどうでしょうか。
SPAのキーポイントは「ブランドの確立」と「直営店」です。
SPAというコトバは米国のGAP社によって1980年代に使用されたもので、この手法でGAP社は大きく前進しました。
日本ではユニクロさんがSPAで日本のアパレル界に一代旋風を巻き起こしたのはご存じの通りです。経済界では、ユニクロの大成功を見てSPAが一大ムーブメントとなりました。
SPAは、アパレルというワードが含まれていることから、ファッション産業に限定した形態を差しますが、実はファッションに限らず、このような形態の企業が増えてきています。
もともと世界の大ブランドの生い立ちは、ほとんど「自社開発かつ自社販売」でした。
SPAは逆にブランドの原点回帰と言える現象ではないでしょうか。
わざわざブランドの普通の運営形態を違うコトバで言い換える必要はなかったのかもしれません。
ヨーロッパのラグジュアリーブランドの歴史を見ればわかりますが、ヨーロッパ・ブランドの原点はだいたい「工房」です(日本もまったく同じですよね)。
工房には職人さんがいて親方がいました。
ブランド工房では、一階が店舗、二回が工房、その上の階や近所に親方や職人さんたちの住まいがあったものです。そういう工房はフランスでは「メゾン」と呼ばれました。
つまり、「自分たちで企画し、自分たちで作り、自分たちで売る」。
これがブランドのブランドたる形態だったのです。
現代では、工場は本社からはるか離れた中国に建てて、マーケティングは電通さんのような大手PR・広告会社に任せる。
そして、売場は世界の空港や世界の一流百貨店内にオープンという現代資本主義経済のお手本のような量産型マーケティング体制に変化したブランドさんも少なくなりません。
しかし、ブランドのメゾン回帰はすでに始まっています。
百貨店を出て直営店を持つ、中国工場を閉鎖して自国に戻すというラグジュアリーブランドさんが後を絶ちません。もっともなことです。
これからのブランドは、コストが安いという理由だけで他国に工場を建てず、自国で、しかもなるべく自分たちのブランドアイデンティティがある土地の産物・原料を利用して、その土地で生産し、自分たちで直営店を運営する。
そして、生産者が直接顧客と接点を持つ直営店や直販の形態へと変化していくと思います。
世界の消費者心理も日用消耗品(コモディティ)は、最先端資本主義メカニズムの恩恵によってもたらされる「安くて、どこにでも売っていて、どこでも同じで、コストパフォーマンスの優れたもの」、心の贅沢には「ちょっと特別なもの」とメリハリをつけて商品を選び購入する人々が増えいます。
世界の香水業界では現在、ニッチブランドやニッチパフューマリー、香水メゾンと呼ばれる新興香水メーカーが続々と生まれています。
その一つのブランドさんにUlrich Lang New York Fragrances(ウルリッチ・ラン・ニューヨーク・フレグランシーズ)があります。
もとロレアルの役員でアートディレクターだったUlrich Lang氏が創業した香水ブランドですが、最近のインタビューで答えていた内容は新興香水メーカーが目指す姿が端的に表現されています。
「ラクジュアリーに対する考え方は変化しつつあります。人々は量産型商品ではなく、もっとパーソナルな商品を求め始めています。ブランドは新しい贅沢を追求していくとこになるでしょう。そのような商品には派手な広告や宣伝など必要ありません」
"The notion of luxury is changing," Lang said in a recent interview. "People are looking more into personal products, less mass-marketed products ...it goes hand in hand with the new luxury -- they don't need to flaunt it." (Charlotte.com, Jan. 31, 2008)
(2008-02-04)
( 香水工場の )
香る生活
真夜中に鳴る電話、人々の24時間化
当社は、香水メーカー兼通販事業者です。
とはいえ、通販ビジネスは、吹けば飛びそうな規模。システムも小規模ですし、コールセンターもありません。
お客さまからの電話ご注文は社内にいるスタッフが受けます。当然ながら受注業務だけを専門にするスタッフはおりません。
そんなわけで、大規模なコールセンターを所有または委託して、24時間365日の受注体制を敷いている大手通販会社さんとは当然やり方が違ってきます。
あえて比較しなくてもよいのですが、問題は「24時間体制に慣れたお客さまの増加」です。
当社は昔から午前10時〜午後6時で営業、土日・休日は休業。昔からのお客さまは慣れたものでビジネスデーのビジネスアワーを狙ってご連絡いただきます。
しかし、新規のお客さまには真夜中にお電話頂く場合もあります。
ごくまれに誰かが残業していることもありますが、オフィスは普通誰もいません。着信記録が残りますので、朝出勤して「昨夜は、○○件電話があった」とわかります。
先日、私が真夜中残業をしていたところ午前四時に電話が鳴りました。
「こんな時間に誰だろう?」
いぶかしげに電話を取るとはじめてのお客さまからのご注文電話でした。ありがたくご注文を受けさせてもらいましたが、「昔ならなかったな〜」と感慨深いものがありました。
人々は24時間化しているのでしょうか。
事情があり今年の元旦私は午前3時に駅前のマクドナルドに行きました。
マックは数年前から24時間体制の店舗を増やしているそうですが、元旦の店内は若者のグループで溢れていました。
テーブルの上に上半身を伏せてへたばっている若者もちらほら。
大晦日のカウントダウンパーティで終電をなくした人々でしょうか?まさか、元旦午前3時に盛況なマックの店内を観察できるとは夢にも思いませんでした。
夜のマックには「マック難民」(ホームレスの方々)が急増しているそうですが、全体的に人々の24時間化は止まりません。
(2008-02-03)
とはいえ、通販ビジネスは、吹けば飛びそうな規模。システムも小規模ですし、コールセンターもありません。
お客さまからの電話ご注文は社内にいるスタッフが受けます。当然ながら受注業務だけを専門にするスタッフはおりません。
そんなわけで、大規模なコールセンターを所有または委託して、24時間365日の受注体制を敷いている大手通販会社さんとは当然やり方が違ってきます。
あえて比較しなくてもよいのですが、問題は「24時間体制に慣れたお客さまの増加」です。
当社は昔から午前10時〜午後6時で営業、土日・休日は休業。昔からのお客さまは慣れたものでビジネスデーのビジネスアワーを狙ってご連絡いただきます。
しかし、新規のお客さまには真夜中にお電話頂く場合もあります。
ごくまれに誰かが残業していることもありますが、オフィスは普通誰もいません。着信記録が残りますので、朝出勤して「昨夜は、○○件電話があった」とわかります。
先日、私が真夜中残業をしていたところ午前四時に電話が鳴りました。
「こんな時間に誰だろう?」
いぶかしげに電話を取るとはじめてのお客さまからのご注文電話でした。ありがたくご注文を受けさせてもらいましたが、「昔ならなかったな〜」と感慨深いものがありました。
人々は24時間化しているのでしょうか。
事情があり今年の元旦私は午前3時に駅前のマクドナルドに行きました。
マックは数年前から24時間体制の店舗を増やしているそうですが、元旦の店内は若者のグループで溢れていました。
テーブルの上に上半身を伏せてへたばっている若者もちらほら。
大晦日のカウントダウンパーティで終電をなくした人々でしょうか?まさか、元旦午前3時に盛況なマックの店内を観察できるとは夢にも思いませんでした。
夜のマックには「マック難民」(ホームレスの方々)が急増しているそうですが、全体的に人々の24時間化は止まりません。
(2008-02-03)
( 香水工場の )
香る生活
ロレアルのTsunami
「津波」は現在では世界用語。ここではTsunamiと書かせていただきました。
ビッグな経済ニュースが飛び込んできました。世界最大の化粧品会社ロレアルが「イブ・サン・ローラン・ボーテ」を買収するそうです。まあ、最近のM&Aは巨大化する一方なので「中国、アメリカを買収」くらいまで行かないと驚かなくなりそうですが、しかし、やはり化粧品業界にとっては大きなニュースです。
ちなみに「イブ・サン・ローラン・ボーテ」はイブ・サン・ローラン本体ではなく、YSLの化粧品部門(Beaute Cosmetics Division)です。「ボーテ」はフランス語で、英語の「ビューティ」にあたるコトバです。「イブ・サン・ローラン・ボーテ」の現所有者はYSLではなくPPRです。
PPRとは、フランスの百貨店プランタンなどを展開するフランス流通大手です。銀座の百貨店「プランタン銀座」はダイエーがはじめて百貨店事業に乗り出した際、フランス・プランタンと提携しプランタン名称を使用したことで日本では大変有名になりました。
ダイエーと言えば戦後流通業界の風雲児・中内功氏が一代で立ち上げた伝説の大スーパーですが、PPRもフランソワ・ピノー(Francois Pinault)氏が一代で立ち上げた伝説の流通総合大企業で、数年前まで「ピノー・プランタン・ルドゥート」という会社名でした。プランタンを売却したため社名変更したのではないかと思われます(プランタンはすでに売却されていいます)。
このPPRは、流通大手でありながらブランド買収にことのほか熱心で、イタリア・グッチの買収では、LVMHと手汗握る泥沼の闘いを演じヨーロッパのみならず世界を湧かせる大買収合戦として歴史に刻まれました。ちょっとサスペンス劇場のようでしたよ。
PPRは、現在はLVMHと同じくブランドの持株会社としてのイメージが強く「流通大手」や「小売り大手」という表現は適切でないかもしれません。
世界のラグジュアリーブランド大手と言えば仏LVMH、スイス・リシュモン、仏PPRという感じになっています。だいたいの有名なラグジュアリーブランドはこの3グループのどれかの傘下にあります。
たとえば、香水のラグジュアリーブランドで、独立系のブランドはシャネルくらいになりました。ちょっと寂しいですね。
さて、PPRから本題に戻ります。
ロレアルの買収攻勢は、日本ではシュウ・ウエムラの買収で有名になりましたが、2006年英ザ・ボディショップも買い取ってしまいました(驚きました。企業ポリシーがポリシーなだけに)。
ロレアル傘下のブランドを少し見てみましょう。アルマーニ、ビオテルム、ヘレナ・ルビンシュタイン、ラルフ・ローレン、ランコム、メイベリン・ニューヨーク、ラ・ロッシュ・ポゼ・・・アメリカだろうと、ヨーロッパだろうとドンドン飲み込む感じです。
そして、ロレアルは日本・アジアの化粧品会社の買収にも並々ならぬ闘志を燃やしているらしいというウワサが。逆に買収されたいと望んでいる日本の化粧品会社さんなんかもあったりして?
しかし、ロレアルの買収を見てみると、総合ブランドではなくかなり専門的なブランドをすでに確立していることが前提条件のようにも見えます。自分でブランドを構築する手間暇が、かの世界最大の企業でさえ困難な時代であることを象徴しているようにも感じられます。
そんな時代なんですね。
-------Translation"E--------
L'Oreal Makes Offer for PPR's YSL Beaute(Wednesday January 23, AP)
ロレアル、PPRとYSLボーテ買収交渉
ロレアルSAは、PPRとYSLボーテ買収に関して1800億円の提示をしたことを発表しました。契約にはイブ・サン・ローラン及びブシュロンの香水と化粧品の長期に渡るライセンシングが含まれます(ブランド所有権はPPRに残ります)。また、ステラ・マッカートニーなどのブランドの権限がロレアルに委譲されます。ロジェ・ガレも同様に委譲されます。
世界的な景気低迷の影響で収益悪化が懸念されるPPRの株価が下がっている中でこの発表は行われました。
L'Oreal Makes Offer for PPR's YSL Beaute Cosmetics Division
PARIS (AP) -- L'Oreal SA said Wednesday it has entered into talks to buy French retail and luxury firm PPR SA's YSL Beaute cosmetics division for 1.15 billion euros ($1.68 billion.)
The deal would include a long-term license agreement for the fragrance and cosmetics brands Yves Saint Laurent and Boucheron, which will remain the property of PPR, L'Oreal said in a statement.
Licenses for Stella McCartney, Oscar de la Renta and Ermenegildo Zegna fragrance and cosmetics brands will be transferred to L'Oreal under the deal.
Roger&Gallet, part of the YSL Beaute division, will also be sold to L'Oreal under the terms of the deal.
The announcement comes at a time when PPR shares have been hurt by a series of target price downgrades by analysts amid concerns that a deterioration in the global macroeconomic situation will translate into lower revenue across the company's activities, from high-end luxury goods to mass-market Puma-brand sneakers.
---------------END--------------
(2008-02-01)
ビッグな経済ニュースが飛び込んできました。世界最大の化粧品会社ロレアルが「イブ・サン・ローラン・ボーテ」を買収するそうです。まあ、最近のM&Aは巨大化する一方なので「中国、アメリカを買収」くらいまで行かないと驚かなくなりそうですが、しかし、やはり化粧品業界にとっては大きなニュースです。
ちなみに「イブ・サン・ローラン・ボーテ」はイブ・サン・ローラン本体ではなく、YSLの化粧品部門(Beaute Cosmetics Division)です。「ボーテ」はフランス語で、英語の「ビューティ」にあたるコトバです。「イブ・サン・ローラン・ボーテ」の現所有者はYSLではなくPPRです。
PPRとは、フランスの百貨店プランタンなどを展開するフランス流通大手です。銀座の百貨店「プランタン銀座」はダイエーがはじめて百貨店事業に乗り出した際、フランス・プランタンと提携しプランタン名称を使用したことで日本では大変有名になりました。
ダイエーと言えば戦後流通業界の風雲児・中内功氏が一代で立ち上げた伝説の大スーパーですが、PPRもフランソワ・ピノー(Francois Pinault)氏が一代で立ち上げた伝説の流通総合大企業で、数年前まで「ピノー・プランタン・ルドゥート」という会社名でした。プランタンを売却したため社名変更したのではないかと思われます(プランタンはすでに売却されていいます)。
このPPRは、流通大手でありながらブランド買収にことのほか熱心で、イタリア・グッチの買収では、LVMHと手汗握る泥沼の闘いを演じヨーロッパのみならず世界を湧かせる大買収合戦として歴史に刻まれました。ちょっとサスペンス劇場のようでしたよ。
PPRは、現在はLVMHと同じくブランドの持株会社としてのイメージが強く「流通大手」や「小売り大手」という表現は適切でないかもしれません。
世界のラグジュアリーブランド大手と言えば仏LVMH、スイス・リシュモン、仏PPRという感じになっています。だいたいの有名なラグジュアリーブランドはこの3グループのどれかの傘下にあります。
たとえば、香水のラグジュアリーブランドで、独立系のブランドはシャネルくらいになりました。ちょっと寂しいですね。
さて、PPRから本題に戻ります。
ロレアルの買収攻勢は、日本ではシュウ・ウエムラの買収で有名になりましたが、2006年英ザ・ボディショップも買い取ってしまいました(驚きました。企業ポリシーがポリシーなだけに)。
ロレアル傘下のブランドを少し見てみましょう。アルマーニ、ビオテルム、ヘレナ・ルビンシュタイン、ラルフ・ローレン、ランコム、メイベリン・ニューヨーク、ラ・ロッシュ・ポゼ・・・アメリカだろうと、ヨーロッパだろうとドンドン飲み込む感じです。
そして、ロレアルは日本・アジアの化粧品会社の買収にも並々ならぬ闘志を燃やしているらしいというウワサが。逆に買収されたいと望んでいる日本の化粧品会社さんなんかもあったりして?
しかし、ロレアルの買収を見てみると、総合ブランドではなくかなり専門的なブランドをすでに確立していることが前提条件のようにも見えます。自分でブランドを構築する手間暇が、かの世界最大の企業でさえ困難な時代であることを象徴しているようにも感じられます。
そんな時代なんですね。
-------Translation"E--------
L'Oreal Makes Offer for PPR's YSL Beaute(Wednesday January 23, AP)
ロレアル、PPRとYSLボーテ買収交渉
ロレアルSAは、PPRとYSLボーテ買収に関して1800億円の提示をしたことを発表しました。契約にはイブ・サン・ローラン及びブシュロンの香水と化粧品の長期に渡るライセンシングが含まれます(ブランド所有権はPPRに残ります)。また、ステラ・マッカートニーなどのブランドの権限がロレアルに委譲されます。ロジェ・ガレも同様に委譲されます。
世界的な景気低迷の影響で収益悪化が懸念されるPPRの株価が下がっている中でこの発表は行われました。
L'Oreal Makes Offer for PPR's YSL Beaute Cosmetics Division
PARIS (AP) -- L'Oreal SA said Wednesday it has entered into talks to buy French retail and luxury firm PPR SA's YSL Beaute cosmetics division for 1.15 billion euros ($1.68 billion.)
The deal would include a long-term license agreement for the fragrance and cosmetics brands Yves Saint Laurent and Boucheron, which will remain the property of PPR, L'Oreal said in a statement.
Licenses for Stella McCartney, Oscar de la Renta and Ermenegildo Zegna fragrance and cosmetics brands will be transferred to L'Oreal under the deal.
Roger&Gallet, part of the YSL Beaute division, will also be sold to L'Oreal under the terms of the deal.
The announcement comes at a time when PPR shares have been hurt by a series of target price downgrades by analysts amid concerns that a deterioration in the global macroeconomic situation will translate into lower revenue across the company's activities, from high-end luxury goods to mass-market Puma-brand sneakers.
---------------END--------------
(2008-02-01)
( 香水工場の )
香る生活
花の香り便り
花の香り便りが続々と・・・寒い寒いとはいえ、春は確実に近づいています。
・スイセン
岐の島西部にある油井では、毎年冬、水仙が日本海岸一帯に(マップルネット)
・白梅
八分咲きとなり、ほんのりと香りを漂わせる白梅(高知県四万十市具同で)(読売新聞、2008年01月25)
・香りシクラメン
香りのするシクラメン好評(日本農業新聞、08-01-25)
花壇苗の鉢花を家族経営で栽培する山口県下関市の「豊浦ナーセリー」が販売する、香りシクラメンが好評だ。交配を重ね、甘酸っぱい強い香りがするシクラメンの系統育種に成功した。通常のシクラメンは香りがないだけに珍しさが口コミで広がり、地域で話題となっている。
・スイセン
香り高いスイセンつみ取り/真鶴(神奈川新聞、2008/01/17)
真鶴町岩の松本農園(松本茂園主)で、スイセンが相模湾の風に吹かれて芳香を漂わせている。一月下旬ごろまで摘み取りが楽しめる。松本農園
・スイセン
爪木崎のスイセン(MSN産経ニュース、2008.1.12)
静岡県下田市爪木崎(つめきざき)のスイセンの群生地ではスイセンが見ごろを迎え、一足早い春の風景に多くの観光客でにぎわっている。海に面した小高い斜面には約10万平方メートル、300万本のスイセンの甘い香りと潮の香りが広がっている・・・
(2008-01-31)
・スイセン
岐の島西部にある油井では、毎年冬、水仙が日本海岸一帯に(マップルネット)
・白梅
八分咲きとなり、ほんのりと香りを漂わせる白梅(高知県四万十市具同で)(読売新聞、2008年01月25)
・香りシクラメン
香りのするシクラメン好評(日本農業新聞、08-01-25)
花壇苗の鉢花を家族経営で栽培する山口県下関市の「豊浦ナーセリー」が販売する、香りシクラメンが好評だ。交配を重ね、甘酸っぱい強い香りがするシクラメンの系統育種に成功した。通常のシクラメンは香りがないだけに珍しさが口コミで広がり、地域で話題となっている。
・スイセン
香り高いスイセンつみ取り/真鶴(神奈川新聞、2008/01/17)
真鶴町岩の松本農園(松本茂園主)で、スイセンが相模湾の風に吹かれて芳香を漂わせている。一月下旬ごろまで摘み取りが楽しめる。松本農園
・スイセン
爪木崎のスイセン(MSN産経ニュース、2008.1.12)
静岡県下田市爪木崎(つめきざき)のスイセンの群生地ではスイセンが見ごろを迎え、一足早い春の風景に多くの観光客でにぎわっている。海に面した小高い斜面には約10万平方メートル、300万本のスイセンの甘い香りと潮の香りが広がっている・・・
(2008-01-31)
( 香水工場の )
香る生活
香水の選び方・・・米Gazette紙から
「デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から」の最終回です。
・パート3では・・・
香りの変化用語は、日本では「トップ、ミドル、ラスト」ですが、英語では「トップ、ミドル」は同じですが、「ラスト」は「ボトム」(bottom=底)といいます。世界的にも「ボトム」の使用が多いので、日本でも「ボトム」がいいような気がしています。
「若い女性は、ブランド名やセレブ名やボトルのカワイさに大きく影響さます」という部分は米国も日本と同じです。
日本人は「子供」とか「個性がない」「自立心が少ない」と欧米人に言われがちなのは皆さんご存じのとおりです。日本のテレビドラマなど幼稚に見えるようです(アニメの質は世界一なのに・・・)。
しかし、個性があるはずの彼らも、特に若い方々は、まったく似たようなファッションで街を闊歩しているし、ヘアスタイルも仕草も価値観も、けっこうカンタンにセレブやスターに一緒くた流されている様子を見ると、まあ、そんなに差はないのではないかとも思います。
「ブルネットは暖色系の香りを好み、ブロンドは典型的にフローラル系が好き」。多民族・多人種国家ならではの話ですね。ブルネットとは白人の中で黒い髪や肌や眼が褐色系の人々。アフリカ系アメリカ人やヒスパニックやネイティブ・アメリカンやアジア人には触れられていませんが、これはいかに?日本はほぼ単一民族国家なのでこのような比較はあまりありません。
・パート4では・・・
コロラド州のあるサロンでは、香水に精油を混ぜてカスタムブレンドを作ってくれるサービスがある模様です。どのような仕組みか不明なのではっきりとは言えませんが、日本なら薬事法違反になる可能性大です。
香水と相性がよいローションの使用が勧められていますが、これは日本ではあまり聞かないオススメかも。というのは日本のローションの香り付けは非常に弱く香水の影響を与えるほどのものは多くないからではないかと考えられます。
反面海外では強力な香りローションも普通なのかもしれません。「レイヤー付け」といってローション、コロン、パルファンを同じ系統の香りで揃えて、重ね付けする人もいますので(またそんなシリーズ商品もあります)、その濃厚さは想像に難くないです。
しかも、お好みの香りは「アンバー」だったりと、それはもう目も眩むようなまばゆさ・・・
「香水は血管の脈が浮き出ているところにポイントで付けましょう」は、日本でもポピュラーな教えですね。しかし、非常に個人的な意見ですが私はどうかなと考えています。
香り立ちを考えれば暖かい血流が流れるポイントは理想的ですが、皮膚が薄い分、経皮吸収(皮膚表面から体内に成分が吸収される現象、特に血管に乗り全身に回る現象を差す場合が多い)が気になります。
香水成分はお肌に吸収されて害になるようなものは使用されていませんが、血流に乗せる必要がないなら、乗せない方がよいと私は考えます。
肌吸収や経皮吸収については検証が難しく、吸収される・されないと様々な研究者が様々なことを言うので混乱気味です。ですので確かなことはここでは言えませんが、簡単に避けられるのならリスクは避けた方がいいのではと私は考えています。
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート6
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート5
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート4
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート3
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート2
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート1 (2008-01-30)
・パート3では・・・
香りの変化用語は、日本では「トップ、ミドル、ラスト」ですが、英語では「トップ、ミドル」は同じですが、「ラスト」は「ボトム」(bottom=底)といいます。世界的にも「ボトム」の使用が多いので、日本でも「ボトム」がいいような気がしています。
「若い女性は、ブランド名やセレブ名やボトルのカワイさに大きく影響さます」という部分は米国も日本と同じです。
日本人は「子供」とか「個性がない」「自立心が少ない」と欧米人に言われがちなのは皆さんご存じのとおりです。日本のテレビドラマなど幼稚に見えるようです(アニメの質は世界一なのに・・・)。
しかし、個性があるはずの彼らも、特に若い方々は、まったく似たようなファッションで街を闊歩しているし、ヘアスタイルも仕草も価値観も、けっこうカンタンにセレブやスターに一緒くた流されている様子を見ると、まあ、そんなに差はないのではないかとも思います。
「ブルネットは暖色系の香りを好み、ブロンドは典型的にフローラル系が好き」。多民族・多人種国家ならではの話ですね。ブルネットとは白人の中で黒い髪や肌や眼が褐色系の人々。アフリカ系アメリカ人やヒスパニックやネイティブ・アメリカンやアジア人には触れられていませんが、これはいかに?日本はほぼ単一民族国家なのでこのような比較はあまりありません。
・パート4では・・・
コロラド州のあるサロンでは、香水に精油を混ぜてカスタムブレンドを作ってくれるサービスがある模様です。どのような仕組みか不明なのではっきりとは言えませんが、日本なら薬事法違反になる可能性大です。
香水と相性がよいローションの使用が勧められていますが、これは日本ではあまり聞かないオススメかも。というのは日本のローションの香り付けは非常に弱く香水の影響を与えるほどのものは多くないからではないかと考えられます。
反面海外では強力な香りローションも普通なのかもしれません。「レイヤー付け」といってローション、コロン、パルファンを同じ系統の香りで揃えて、重ね付けする人もいますので(またそんなシリーズ商品もあります)、その濃厚さは想像に難くないです。
しかも、お好みの香りは「アンバー」だったりと、それはもう目も眩むようなまばゆさ・・・
「香水は血管の脈が浮き出ているところにポイントで付けましょう」は、日本でもポピュラーな教えですね。しかし、非常に個人的な意見ですが私はどうかなと考えています。
香り立ちを考えれば暖かい血流が流れるポイントは理想的ですが、皮膚が薄い分、経皮吸収(皮膚表面から体内に成分が吸収される現象、特に血管に乗り全身に回る現象を差す場合が多い)が気になります。
香水成分はお肌に吸収されて害になるようなものは使用されていませんが、血流に乗せる必要がないなら、乗せない方がよいと私は考えます。
肌吸収や経皮吸収については検証が難しく、吸収される・されないと様々な研究者が様々なことを言うので混乱気味です。ですので確かなことはここでは言えませんが、簡単に避けられるのならリスクは避けた方がいいのではと私は考えています。
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート6
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート5
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート4
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート3
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート2
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート1 (2008-01-30)
( 香水工場の )
香る生活
香水の選び方・・・米Gazette紙から
過去4日間かけて訳してきましたガゼット紙の「香水の選び方」。日本で一般に言われている「香水の付け方」とそれほど大きな差はありませんが、細部を見ていくと何点か日米の違いに興味が惹かれることがありました。
・パート1では・・・
まず、香水は自己演出のための手段でありツールであるという香水に対するベースの考え方が日本より徹底している印象を受けます。香水は「あなたのムードを盛り上げ、他人への印象を変える」というタイトルからして他人への影響が述べられています。
本文も全体的に自分の好きな香りを装う、と同時に他人に自分をどう感じてもらうかという点に非常に気を付けて香水選びを勧めています。香水はよりファッションに近いのでしょうね。
「香水選びは難しい」ということをタイヤ選びと対比する部分がありますが、比較するモノが自動車のタイヤ? 日本人には突拍子もなく笑えますが、日本の場合、タイヤ選びに心血注ぐカーマニアやカーキチがいっぱいいるのでこの比較は日本ではナシで。
・パート2では・・・
百貨店の香水売場では真剣に「自分の香り」を選ぼうとしている女性達で圧倒され、心静かに選べないとあります。これは日米同じですね。しかし、一般にアメリカ人は他人が何していようと日本人ほどは気にせず我が道を行くタイプの人が多いので、逆に彼らも他人に影響を受けるのか、とやや新しい発見でした。意外と繊細な人々?
また香水売場には「コーヒー豆が通常備え付けられている」(coffee beans which are usually provided)と書かれています。日本でもコーヒー豆を置いている香水売場はありますが、それほど見たことはありません。あちらでは「usually provided=普通備え付けられている」との言い方。米国百貨店の香水売場に詳しくない私には、何かの間違いでは?とやや疑問符。
結局、自分のシャツに鼻を押しつけて嗅覚をリセットするという手法は同じです。理由はわかりませんが、自分の体臭が染みているであろうと自分が今着ているシャツは嗅覚をクリアするにはちょっとした小道具です。経験上シャツが一番、と私なんか感じます。シャツを利用するという手法は日米同じということで納得。
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート6
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート5
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート4
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート3
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート2
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート1 (2008-01-29)
・パート1では・・・
まず、香水は自己演出のための手段でありツールであるという香水に対するベースの考え方が日本より徹底している印象を受けます。香水は「あなたのムードを盛り上げ、他人への印象を変える」というタイトルからして他人への影響が述べられています。
本文も全体的に自分の好きな香りを装う、と同時に他人に自分をどう感じてもらうかという点に非常に気を付けて香水選びを勧めています。香水はよりファッションに近いのでしょうね。
「香水選びは難しい」ということをタイヤ選びと対比する部分がありますが、比較するモノが自動車のタイヤ? 日本人には突拍子もなく笑えますが、日本の場合、タイヤ選びに心血注ぐカーマニアやカーキチがいっぱいいるのでこの比較は日本ではナシで。
・パート2では・・・
百貨店の香水売場では真剣に「自分の香り」を選ぼうとしている女性達で圧倒され、心静かに選べないとあります。これは日米同じですね。しかし、一般にアメリカ人は他人が何していようと日本人ほどは気にせず我が道を行くタイプの人が多いので、逆に彼らも他人に影響を受けるのか、とやや新しい発見でした。意外と繊細な人々?
また香水売場には「コーヒー豆が通常備え付けられている」(coffee beans which are usually provided)と書かれています。日本でもコーヒー豆を置いている香水売場はありますが、それほど見たことはありません。あちらでは「usually provided=普通備え付けられている」との言い方。米国百貨店の香水売場に詳しくない私には、何かの間違いでは?とやや疑問符。
結局、自分のシャツに鼻を押しつけて嗅覚をリセットするという手法は同じです。理由はわかりませんが、自分の体臭が染みているであろうと自分が今着ているシャツは嗅覚をクリアするにはちょっとした小道具です。経験上シャツが一番、と私なんか感じます。シャツを利用するという手法は日米同じということで納得。
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート6
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート5
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート4
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート3
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート2
デパートでの香水の選び方・買い方・・・米Gazette紙から パート1 (2008-01-29)
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