( 香水工場の )
香る生活
開運香水・スピリチュアル香水、開発案件あるある
パワー香水の製造依頼が来たら?(長文)・・ (2021/07/24)
( ふしぎな世界 )
香水、というか好きな香りは、気持ちをアップさせるし、心に灯がともる感じがする。
優しさや懐かしさや、心に「喝!」な気持ちを起こさせてくれる場合もある。
しかし、世の中には、香水にそれら以上の何らかの非日常的エネルギーを求める人々もいる。
ふしぎな力を宿す香水・・開運香水、スピリチュアル香水、ヒーリング香水・・いろいろな呼び方がある。
今日の記事では、これら「ふしぎ香水」を、まとめて「パワー香水」と呼びたい。
普通の香水に対して、ふしぎな力を宿す香水に関心ある人々も少なくないようだ。
読者は、パワー香水によって、現実に開運した、金運が付いた、恋がかなった、夢がかなった!という事例話を一番聞きたいと思うだろうが、残念、私の体験では、そういう話は聞いたことがない。
奇跡はそう簡単に起きないようだ。
誰か言っていたが、「奇跡は起きるが、少なくとも自分には起きない」と考えた方がご利益(ごりやく)があるとか。
私は、比較的信心深く、霊魂の存在や、人は生まれ変わるという輪廻も信じるし、道端のお地蔵様を見れば、粗相がないよう通り、場合によって100円・200円の賽銭も置いていく。
ちなみに、多くのみなさんと同じく、安いお土産の人形さえも、人形はなんとなく捨てにくいと感じるタイプ。
そんな私でも香水に霊的なパワーを注入することは賛成しない。
しかし、香水がときとして霊的な物体と見なされることには理解するし共感している。
第一に香水が「水」であること。
本当は、香水は水ではなくアルコール+香料で、水は入れない(少量入れる香水もあるにはある)が、水のような外見。
水は生命の根源で、火を鎮める物質。火が究極の「動」なら、水は究極の「静」である。
化学的には、水は極限的に安定した性質があり、ほぼすべての汚れが水によって清められる(凄い!)。
だから、多くの宗教で、水には神聖なる力が宿るとされる。
そして、香水の原料である香料は、お香や香油として、歴史の始まりとともに宗教儀式に関わってきた。
仏教・イスラム教・キリスト教、ほとんどの宗教で香料は神聖なものとされる。
おそらく、香料はヒンドゥー教やゾロアスター教、その他の全世界の大半の宗教儀式にも利用されるだろう(たぶん)。
そもそも香水の英語「perfume」の語源は、ラテン語の「per-fumum」=「煙を通して、煙によって」だそうで(コトバンク)、宗教儀式そのものから発症した言葉と推測される。
「香水 = 宗教儀式」なのだ(まあ、ちょっと断言過ぎますけどね)
だから、香水に神聖な力や宿るとしても、さもありなん、なんか納得しちゃう。
香水メーカーをやっていると、パワー香水の製造に関する問い合わせは、それなりにある。
パワー香水を製造して欲しいという話だが、我ら平均的な香水メーカーにパワー香水など創れるわけがない。
当然「香水は創れるが、霊的パワーの注入ができない」と返事するが、おおむね「その分は我々の方で」という答えが返ってくる。
パワー注入済みの原材料の支給や、あるいは満月の夜に製造するなどの製造条件が提示される。
パワー香水の案件は、大手さんだと、まずは相手してもらえないだろう。
だから、こういう案件は、小さな香水メーカーに問い合わせるに限る。
しかし、残念ながら、小さな会社でもこれらの香水の製造は、かなり厳しい。
理由は、おおむね薬事法の高い壁が越えられないのだ。
スピリチュアルなエネルギーを注入した「水」を使った香水製造を依頼されたことがある。
水は化粧品原料として使用可能であるので、製造自体は可能であるが、エネルギーが注入されていることが心配である。
薬事法では、化粧品に効果効能があることは許されない。
金運が付く、恋がかなうなどのご利益があると薬事法違反である。
販売時にそういう喧伝もしていけない、それが薬事法である。
罪に問われるのは、製造依頼者でも販売者でもなく、製造メーカーである。
だから、どんなパワーが注入されているかわからないとメーカーは慎重となる。
当社も丁寧にお断りした。
上の案件はエネルギー注入済みの水の持ち込み案件だったが、ナゾの液体持ち込み案件もあった。
クライアントは、水のようなものと言っていたが、何が入っているかわからないものだと、それに対してメーカーは慎重にならざるを得ない。
化粧品原料は、日本化粧品工業連合会が認めた成分でないと入れることはできない。
たまに畑に生えている野菜から抽出したエキスを持ち込んで、これでコスメ作ってという案件が来ることがあるが、化粧品工業連合会にリストアップされた成分でないと、なかなか気軽にはできないのが現状である。
話は変わるが、近年、米国では大麻(マリファナ)を解禁する州が増えており、大麻栽培と大麻成分を配合した化粧品・食品・嗜好品が産業として続々と立ち上がりつつある。
同時に、それら大麻成分が配合されたナゾの液体や粉末が化粧品原料や食品原料として出回りはじめていて、ネットでは、安易に手を出す人もいると聞く。
普通の化粧品メーカーは、出所がしっかりしたモノでないと手を出さない。
大麻関連コスメは、近い将来、世界的に普及する可能性はあるものの、かなりの粗悪品や偽物も同時に出回ると予想されるので、やはり政府による厳しい管理体制は避けがたいだろう。
月に関するパワー香水の案件も多い。
当社は直接いただいたことはないが、同業者から聞いた話では、スーパームーンや新月の時に製造してほしいとか、製造したものをそれらの光に当てて欲しいという依頼を受けた。
成分に関しては、薬事法上問題はないが、ふしぎな香水として売り出されたら薬事法違反なので、そういうリスクを考慮して詳しく聞かなかったという。
そもそも月光の下で製造して欲しいと言われても、その人の工場は夜間操業はしないのでできないと言っていた。
( 月と香水は、イメージが似合う気がする )
これは当社が打診された案件。香水自体は、普通の香水の製造だったが、納品後、何らかの方法で「パワーを注入する」という話だった。
完成した製品に製造業者でない第三者が、消費者に渡る前に、何かの成分を加えたり、何らの手を加えることは薬事法違反である。
香水の小分け販売も、パッケージを開封して操作するという点で、厳密には薬事法違反の可能性が高い。
「スピリチュアル・パワー」の注入が、その「手を加える」に相当するかどうかは、大いに議論の余地があるが、やはり、本件はお断りした。
パワー注入の結果、チャクラが開いたりすることは有り難い話ではあるが、メーカーにとってリスクは高い。
(2021-07-24)
( ふしぎな世界 )香水とスピリチュアル・パワー
香水、というか好きな香りは、気持ちをアップさせるし、心に灯がともる感じがする。
優しさや懐かしさや、心に「喝!」な気持ちを起こさせてくれる場合もある。
しかし、世の中には、香水にそれら以上の何らかの非日常的エネルギーを求める人々もいる。
ふしぎな力を宿す香水・・開運香水、スピリチュアル香水、ヒーリング香水・・いろいろな呼び方がある。
今日の記事では、これら「ふしぎ香水」を、まとめて「パワー香水」と呼びたい。
普通の香水に対して、ふしぎな力を宿す香水に関心ある人々も少なくないようだ。
パワー香水で奇跡は起きるか?
読者は、パワー香水によって、現実に開運した、金運が付いた、恋がかなった、夢がかなった!という事例話を一番聞きたいと思うだろうが、残念、私の体験では、そういう話は聞いたことがない。
奇跡はそう簡単に起きないようだ。
誰か言っていたが、「奇跡は起きるが、少なくとも自分には起きない」と考えた方がご利益(ごりやく)があるとか。
香水は、なぜ霊的に感じられるのか?
私は、比較的信心深く、霊魂の存在や、人は生まれ変わるという輪廻も信じるし、道端のお地蔵様を見れば、粗相がないよう通り、場合によって100円・200円の賽銭も置いていく。
ちなみに、多くのみなさんと同じく、安いお土産の人形さえも、人形はなんとなく捨てにくいと感じるタイプ。
そんな私でも香水に霊的なパワーを注入することは賛成しない。
しかし、香水がときとして霊的な物体と見なされることには理解するし共感している。
第一に香水が「水」であること。
本当は、香水は水ではなくアルコール+香料で、水は入れない(少量入れる香水もあるにはある)が、水のような外見。
水は生命の根源で、火を鎮める物質。火が究極の「動」なら、水は究極の「静」である。
化学的には、水は極限的に安定した性質があり、ほぼすべての汚れが水によって清められる(凄い!)。
だから、多くの宗教で、水には神聖なる力が宿るとされる。
香料は、もともと宗教的アイテム
そして、香水の原料である香料は、お香や香油として、歴史の始まりとともに宗教儀式に関わってきた。
仏教・イスラム教・キリスト教、ほとんどの宗教で香料は神聖なものとされる。
おそらく、香料はヒンドゥー教やゾロアスター教、その他の全世界の大半の宗教儀式にも利用されるだろう(たぶん)。
そもそも香水の英語「perfume」の語源は、ラテン語の「per-fumum」=「煙を通して、煙によって」だそうで(コトバンク)、宗教儀式そのものから発症した言葉と推測される。
「香水 = 宗教儀式」なのだ(まあ、ちょっと断言過ぎますけどね)
だから、香水に神聖な力や宿るとしても、さもありなん、なんか納得しちゃう。
パワー香水の製造依頼
香水メーカーをやっていると、パワー香水の製造に関する問い合わせは、それなりにある。
パワー香水を製造して欲しいという話だが、我ら平均的な香水メーカーにパワー香水など創れるわけがない。
当然「香水は創れるが、霊的パワーの注入ができない」と返事するが、おおむね「その分は我々の方で」という答えが返ってくる。
パワー注入済みの原材料の支給や、あるいは満月の夜に製造するなどの製造条件が提示される。
しかし、やはり創りにくいのだ
パワー香水の案件は、大手さんだと、まずは相手してもらえないだろう。
だから、こういう案件は、小さな香水メーカーに問い合わせるに限る。
しかし、残念ながら、小さな会社でもこれらの香水の製造は、かなり厳しい。
理由は、おおむね薬事法の高い壁が越えられないのだ。
エネルギー注入済みの「水」
スピリチュアルなエネルギーを注入した「水」を使った香水製造を依頼されたことがある。
水は化粧品原料として使用可能であるので、製造自体は可能であるが、エネルギーが注入されていることが心配である。
薬事法では、化粧品に効果効能があることは許されない。
金運が付く、恋がかなうなどのご利益があると薬事法違反である。
販売時にそういう喧伝もしていけない、それが薬事法である。
罪に問われるのは、製造依頼者でも販売者でもなく、製造メーカーである。
だから、どんなパワーが注入されているかわからないとメーカーは慎重となる。
当社も丁寧にお断りした。
ナゾの成分持ち込み
上の案件はエネルギー注入済みの水の持ち込み案件だったが、ナゾの液体持ち込み案件もあった。
クライアントは、水のようなものと言っていたが、何が入っているかわからないものだと、それに対してメーカーは慎重にならざるを得ない。
化粧品原料は、日本化粧品工業連合会が認めた成分でないと入れることはできない。
たまに畑に生えている野菜から抽出したエキスを持ち込んで、これでコスメ作ってという案件が来ることがあるが、化粧品工業連合会にリストアップされた成分でないと、なかなか気軽にはできないのが現状である。
話は変わるが、近年、米国では大麻(マリファナ)を解禁する州が増えており、大麻栽培と大麻成分を配合した化粧品・食品・嗜好品が産業として続々と立ち上がりつつある。
同時に、それら大麻成分が配合されたナゾの液体や粉末が化粧品原料や食品原料として出回りはじめていて、ネットでは、安易に手を出す人もいると聞く。
普通の化粧品メーカーは、出所がしっかりしたモノでないと手を出さない。
大麻関連コスメは、近い将来、世界的に普及する可能性はあるものの、かなりの粗悪品や偽物も同時に出回ると予想されるので、やはり政府による厳しい管理体制は避けがたいだろう。
スーパームーンや新月のスピリチュアル香水
月に関するパワー香水の案件も多い。
当社は直接いただいたことはないが、同業者から聞いた話では、スーパームーンや新月の時に製造してほしいとか、製造したものをそれらの光に当てて欲しいという依頼を受けた。
成分に関しては、薬事法上問題はないが、ふしぎな香水として売り出されたら薬事法違反なので、そういうリスクを考慮して詳しく聞かなかったという。
そもそも月光の下で製造して欲しいと言われても、その人の工場は夜間操業はしないのでできないと言っていた。
( 月と香水は、イメージが似合う気がする )製造後、製品にパワーを注入する案件
これは当社が打診された案件。香水自体は、普通の香水の製造だったが、納品後、何らかの方法で「パワーを注入する」という話だった。
完成した製品に製造業者でない第三者が、消費者に渡る前に、何かの成分を加えたり、何らの手を加えることは薬事法違反である。
香水の小分け販売も、パッケージを開封して操作するという点で、厳密には薬事法違反の可能性が高い。
「スピリチュアル・パワー」の注入が、その「手を加える」に相当するかどうかは、大いに議論の余地があるが、やはり、本件はお断りした。
パワー注入の結果、チャクラが開いたりすることは有り難い話ではあるが、メーカーにとってリスクは高い。
(2021-07-24)
( 香水工場の )
香る生活
シャネルNo.5のちょっと悲しい話
調香師エルネスト・ボーとココ・シャネルの話 (2021/07/05)
最近、シャネルNo.5に関する記事をよく目にするな、と思っておりました。
今年シャネルNo.5はリリースから100周年。おお、そうであった。
世界の有名女性誌が「シャネルNo.5」の特集を組んでいるし、シャネル社(Chanel SA)では、記念動画なども制作しており、世はさながら「No.5まつり」の様相を呈している。
シャネルNo.5は、他社様の製品、名実ともに無関係であるボクにこの製品を語る資格はない。
しかし、No.5クラスになると、もはや一製品ではなく、社会現象であり文化。
そんな側面もある、取り上げることを許して頂きたい。
調香師エルネスト・ボー氏のことに関して、まるで自分で見てきたかのような口調だが、大野斉子氏の著作からの受け売りがかなり含まれている。
( 『シャネルNo.5の謎』(大野斉子) )
それと「Perfume Projects」というサイトの
(Lightyears Collection) Le No.1 Rallet から多くの情報とヒントをいただいた。
世界一有名な香水、それは間違いない。
その理由は、今からちょうど100年前の1921年5月5日にリリースし、センセーショナルな人気を得ただけでなく、現在でも売れ続けているという奇跡。
その歴史の長さが凄い、他に例がない。1900年代前半、名香と呼ばれた香水は数多くあったが、ほぼ廃盤となっている。
シャネルNo.5の処方は「1921年から変わっていない」と解説する人がたまにいるが、違うと思う。
香水業界は、成分に関する非常に高い自主規制(The IFRA Standards)を自ら課しており、使えなくなる原料は多く、長年継続するためには、何度か処方変更が迫られる。
わずか20年でも同じ処方で製造し続けることは厳しい。
とくにたくさんの種類の成分を配合する製品ほど影響を受けやすい。
それに人々の好みも変化する。
No.5も、当然変更されたと考える方が自然だし、シャネル社も処方変更を認める発言をどこかでしていたと記憶している。
だから、ココ・シャネルが愛した100年前と完全に同じNo.5を、現代の我らは体験できないが、No.5のテイストは今でも味わえると思う。
香水業界を動かした逸品であり、またその力は未だ健在である。
ボクは、No.5のボトルを生産しているボトル工場のマネージャーさんと話したことがある。
彼は、No.5を香水というより「Industry」(産業)と口にした。
新鮮だった。No.5の凄さが、業界の裏側から伝わってくる印象だ。
よく言われることが、合成香料である「アルデヒド」を配合したこと・・実はポイントはここはでない。
アルデヒドは当時、すでに他社でも使われていた。
アルデヒドを「高濃度に」配合したこと、そして、多彩なアルデヒドを「ミックスして」配合した点がポイントである。
No.5のやり方を「アルデヒド・カクテル」と呼ぶ人もいる。
どういう使い方がなされたのかビジュアルに伝わる言い回しと思う。
アルデヒドとは個別の成分名でなく、有機化合物の一カテゴリーであり種類は無数にある。
アルデヒドの話は、割愛するが、この成分もおもしろいので、後日、別の記事を書きたい。
専門的になるが、No.5ではアルデヒドC-10、C-11、C-12MNAなどが合わせられた。
これらのアルデヒド自体は、加齢臭のようなオイリーな香りだが、これらがジャスミンやローズの天然香料のとげとげしさを殺ぎ、幻想的な香りへと引き上げ、かつ香りに持続力を与えるのだ。
現代人には、慣れた香りであり新鮮さはないはずだが、当時の人には、それまでの天然香料だけの香りとは違った、なんとも言えないふしぎな香りとして驚きだったに違いない。
No.5のリリースは「No.5以前か? No.5以降か?」と、香水の歴史を分ける事件となった。
現代で言えば「スマホ前か? スマホ後か?」で社会が微妙に変化した現象と似ている。
ボトルデザインも新しかった。
それまでの香水は王侯貴族向け、古典的で華美な装飾が普通だったが、ココらしいシンプルな角瓶は、斬新だった。
ココは、女性をコルセットから解放し、王侯貴族ファッションの過剰な装飾を終わらせ、現代ファッションの基礎を切り開いたデザイナーだが、香水もココ・シャネルによって「民主化」「現代化」の洗礼を受けた。
ここからが、おもに本からの受け売りの部分である。
No.5には、実はお手本となる香水が存在した。それが帝政ロシア時代の「ラレーNo.1」。
シャネルNo.5の調香師は、フランス人の父とロシア人の母をもつエルネスト・ボー氏。
モスクワ生まれモスクワ育ちのロシア系フランス人。
第一次世界大戦ではフランス軍に従軍したが、彼自身の心のバックグラウンドはロシアであり、終生ロシアへの愛は変わらなかった。
ラレーNo.1を制作したラレー社は、1800年代にフランス人によって設立された化粧品会社で、ロシア人からすれば外資系企業である。
ラレー社は、ロシアの最古の香水会社とされ、帝政ロシア時代のメジャーな化粧品会社だった。
エルネスト・ボーのボー家は、ラレー社の経営一族ではなかったが、エルネストのお兄さんは会社代表であり、エルネストは調香師としてラレー社に参加した。
エルネストが、ここで制作した香りが「ラレーNo.1」である。
ラレーNo.1には、アルデヒドが配合されており、No.5との類似性が非常に高いことが近年の研究で判明している。
つまり、ラレーNo.1は、シャネルNo.5の前進だったし兄弟関係にある。そして、そのどちらもエルネストが制作した香りだった。
(ラレーNo.1は、残念ながら断絶しており現在では販売されていない)
エルネストによると、ロシア革命(1917年)当時、ロシアの香水会社は300社程度あり、ロシアからヨーロッパへの香水の輸出も盛んだった。
しかし、革命後ソ連では、香水は貴族やブルジョワジーの贅沢品とされ、香水会社のほとんどが消滅し、ラレー社は政府に接収され、工場は「国立石鹸製造工場」となった。香水製造は断絶した。
香水製造技術の先進性や香水会社の多さと考えれば、ロシア革命以前、ロシアは世界の有数の香水先進国であり、すぐれた香水の生産地であったことがわかる。
第一次世界大戦(1814年-1918年)中、フランス軍に従軍していたエルネストは、ロシア北西部に派遣されていたが、戦後はフランスに帰還し、二度とロシアに戻ることはなかった。
この戦争の帰還時、北欧の荒野で見た湖や川の風景や香りが、シャネルNo.5の創作へと結実することになる。
No.5を多少詳しく解説した文章には必ず出てくる逸話である。
エルネストが1942年、フランス化学会館で行った講演録にある話である。
ココには多数の伝記や回想録が残されているが、エルネスト本人による回想はこの講演録が唯一であり、彼は自己を語ることが少ない人だった。
No.5のモチーフとなるこの「北極圏にある田舎の湖や川」が、具体的にどこなのかは不明だが、エルネストが所長をつとめていた捕虜収容所の可能性が高い。
エルネストが置かれた状況を知らずに、この部分だけを読むと、美しい北極圏の湖のような印象だが、大野さんの本を読むと、印象はかなり違ってくる。
大野さんは、捕虜収容所の生存者の手記からエルネストの状況を解明しようとしており、この部分は、ボクには、他の文献では見たことがない新事実だった。
北極圏の凍土で覆われる孤島の捕虜収容所は、極限状態の人間たちの飢餓と暴力と死の場所だった。
エルネストは、戦争の残忍さを加害者として体験したと思われる。彼は、その後、終生収容所のことを語ることはなかった。
「茫洋とした湖面に浮かぶ輝きにヒントを得た」なんていうきれいな話じゃなくて、No.5に込められた美しさは、極限状態の人間がギリギリのところで見た”救い”ではなかったか、とボクは空想した。
第一次大戦後、エルネストは、ロシアからフランスに拠点を移し調香活動を再開する。
知人を通してココ・シャネルと知り合い、No.1からNo.5と、No.20からNo.24の10種類の香水を提案した。
ココの制作依頼内容は、伝記作家や伝え聞いた知人たちの話をまとめると次のようなものだったという。
しかし、ココは誇張や事実誤認が多い人らしく、実際の依頼内容はよくわからない。
エルネストの中には、すでに北極圏の湖面を漂う香りのイメージができていたので、手持ちの試作を提案したのではないかと考えられる。
ココは、10種類の中から「5番」と命名された香りを選ぶ。このときの会話がエルネストによって残されている。
エルネストの発言は、他の資料と付き合わせても整合性があり、大野さんは事実と考えている。
おや?と思わせる部分である。
ココは、数字の「5」にこだわりがあったのだ。ココにとって「5」はマジックナンバー、幸運の数字。
香りも、もちろん、気に入ったのだろう。
しかし、「シャネルNo.5」が地上に産み落とされた瞬間の決定打は、縁起担ぎだった。
案外、歴史の転換点はこういう縁や偶然は多い。人智では計り知れない力を感じる。
ところで、「シャネルNo.5」はココ・シャネルの名前を冠しているが、ココは、No.5の販売権を早々と実業家のヴェルテメール兄弟に渡しており、ココが手にする利益はわずか10%であった。
No.5の奇跡的な成功の結果、ココは権利譲渡を後悔し、それを取り戻そうと、そこから20年以上にわたる長い泥沼の法廷内闘争・法廷外闘争がはじまる。
しかし、ヴェルテメール兄弟のマーケティングは、大胆かつ秀逸であり、No.5のヒットの大部分は、ヴェルテメール兄弟に手腕によるとする意見も多い。
ヴェルテメール兄弟がなければ、はたしてNo.5が現在でも生き残れていたか、今となってはわからない。
エルネストは、No.5の成功により名声を得たが、No.5が継続的に生み出す莫大な利益の恩恵を受けたかという疑問は、ココとの契約内容が不明のため、よくわからない。
おそらく恩恵は限定的・一時的だっただろう。
エルネストは、No.5がレジェンドとなり名声を得た後も、No.5のことも自分のこともほとんど語らなかった。
私生活では妻に逃げられ、自宅は帝政ロシア時代の文物で博物館のように埋め尽くされていたという。
過去へのノスタルジーを感じていたのだろうか。
ココ・シャネルは、香水の歴史を変える香水を手に入れながら、実質自分のものではなく、実業家として脂の乗った20年を無駄な闘争に明け暮れた。
老年になり、ココはデザイナーとしての腕が落ち、評論家からは酷評されるようになるが、その失意に手をさしのべ励ましたのは、長年の敵であるピエール・ヴェルテメールだったという。
1971年、87才で亡くなる。
最後の言葉は、お手伝いさんに言ったと伝えられている。
彼女の覚悟が伝わってくるではないか。
第二次世界大戦中、ナチスへの協力とスパイ活動のため、ココの亡骸はフランスでの埋葬が許されずスイスで眠っている。
No.5は、今年100年を迎えた。
自分を生み出してくれた人々を、今、香水「シャネルNo.5」は、どんな気持ちで眺めているのか?とふと思ったりする。
(2021-07-05)
今、なぜ特集記事が多い?
最近、シャネルNo.5に関する記事をよく目にするな、と思っておりました。
今年シャネルNo.5はリリースから100周年。おお、そうであった。
世界の有名女性誌が「シャネルNo.5」の特集を組んでいるし、シャネル社(Chanel SA)では、記念動画なども制作しており、世はさながら「No.5まつり」の様相を呈している。
シャネルNo.5は、他社様の製品、名実ともに無関係であるボクにこの製品を語る資格はない。
しかし、No.5クラスになると、もはや一製品ではなく、社会現象であり文化。
そんな側面もある、取り上げることを許して頂きたい。
調香師エルネスト・ボー氏のことに関して、まるで自分で見てきたかのような口調だが、大野斉子氏の著作からの受け売りがかなり含まれている。
( 『シャネルNo.5の謎』(大野斉子) )それと「Perfume Projects」というサイトの
(Lightyears Collection) Le No.1 Rallet から多くの情報とヒントをいただいた。
シャネルNo.5とは?
世界一有名な香水、それは間違いない。
その理由は、今からちょうど100年前の1921年5月5日にリリースし、センセーショナルな人気を得ただけでなく、現在でも売れ続けているという奇跡。
その歴史の長さが凄い、他に例がない。1900年代前半、名香と呼ばれた香水は数多くあったが、ほぼ廃盤となっている。
シャネルNo.5の処方は「1921年から変わっていない」と解説する人がたまにいるが、違うと思う。
香水業界は、成分に関する非常に高い自主規制(The IFRA Standards)を自ら課しており、使えなくなる原料は多く、長年継続するためには、何度か処方変更が迫られる。
わずか20年でも同じ処方で製造し続けることは厳しい。
とくにたくさんの種類の成分を配合する製品ほど影響を受けやすい。
それに人々の好みも変化する。
No.5も、当然変更されたと考える方が自然だし、シャネル社も処方変更を認める発言をどこかでしていたと記憶している。
だから、ココ・シャネルが愛した100年前と完全に同じNo.5を、現代の我らは体験できないが、No.5のテイストは今でも味わえると思う。
香水業界を動かした逸品であり、またその力は未だ健在である。
ボクは、No.5のボトルを生産しているボトル工場のマネージャーさんと話したことがある。
彼は、No.5を香水というより「Industry」(産業)と口にした。
新鮮だった。No.5の凄さが、業界の裏側から伝わってくる印象だ。
No.5は、どこが新しかったか?
よく言われることが、合成香料である「アルデヒド」を配合したこと・・実はポイントはここはでない。
アルデヒドは当時、すでに他社でも使われていた。
アルデヒドを「高濃度に」配合したこと、そして、多彩なアルデヒドを「ミックスして」配合した点がポイントである。
No.5のやり方を「アルデヒド・カクテル」と呼ぶ人もいる。
どういう使い方がなされたのかビジュアルに伝わる言い回しと思う。
アルデヒドとは個別の成分名でなく、有機化合物の一カテゴリーであり種類は無数にある。
アルデヒドの話は、割愛するが、この成分もおもしろいので、後日、別の記事を書きたい。
専門的になるが、No.5ではアルデヒドC-10、C-11、C-12MNAなどが合わせられた。
これらのアルデヒド自体は、加齢臭のようなオイリーな香りだが、これらがジャスミンやローズの天然香料のとげとげしさを殺ぎ、幻想的な香りへと引き上げ、かつ香りに持続力を与えるのだ。
現代人には、慣れた香りであり新鮮さはないはずだが、当時の人には、それまでの天然香料だけの香りとは違った、なんとも言えないふしぎな香りとして驚きだったに違いない。
香水の歴史を塗り替えた事件
No.5のリリースは「No.5以前か? No.5以降か?」と、香水の歴史を分ける事件となった。
現代で言えば「スマホ前か? スマホ後か?」で社会が微妙に変化した現象と似ている。
ボトルデザインも新しかった。
それまでの香水は王侯貴族向け、古典的で華美な装飾が普通だったが、ココらしいシンプルな角瓶は、斬新だった。
ココは、女性をコルセットから解放し、王侯貴族ファッションの過剰な装飾を終わらせ、現代ファッションの基礎を切り開いたデザイナーだが、香水もココ・シャネルによって「民主化」「現代化」の洗礼を受けた。
ロシアの香水「ラレーNo.1」
ここからが、おもに本からの受け売りの部分である。
No.5には、実はお手本となる香水が存在した。それが帝政ロシア時代の「ラレーNo.1」。
シャネルNo.5の調香師は、フランス人の父とロシア人の母をもつエルネスト・ボー氏。
モスクワ生まれモスクワ育ちのロシア系フランス人。
第一次世界大戦ではフランス軍に従軍したが、彼自身の心のバックグラウンドはロシアであり、終生ロシアへの愛は変わらなかった。
ラレーNo.1を制作したラレー社は、1800年代にフランス人によって設立された化粧品会社で、ロシア人からすれば外資系企業である。
ラレー社は、ロシアの最古の香水会社とされ、帝政ロシア時代のメジャーな化粧品会社だった。
エルネスト・ボーのボー家は、ラレー社の経営一族ではなかったが、エルネストのお兄さんは会社代表であり、エルネストは調香師としてラレー社に参加した。
エルネストが、ここで制作した香りが「ラレーNo.1」である。
ラレーNo.1には、アルデヒドが配合されており、No.5との類似性が非常に高いことが近年の研究で判明している。
つまり、ラレーNo.1は、シャネルNo.5の前進だったし兄弟関係にある。そして、そのどちらもエルネストが制作した香りだった。
(ラレーNo.1は、残念ながら断絶しており現在では販売されていない)
香水先進国だったロシア
エルネストによると、ロシア革命(1917年)当時、ロシアの香水会社は300社程度あり、ロシアからヨーロッパへの香水の輸出も盛んだった。
しかし、革命後ソ連では、香水は貴族やブルジョワジーの贅沢品とされ、香水会社のほとんどが消滅し、ラレー社は政府に接収され、工場は「国立石鹸製造工場」となった。香水製造は断絶した。
香水製造技術の先進性や香水会社の多さと考えれば、ロシア革命以前、ロシアは世界の有数の香水先進国であり、すぐれた香水の生産地であったことがわかる。
No.5のコンセプト
第一次世界大戦(1814年-1918年)中、フランス軍に従軍していたエルネストは、ロシア北西部に派遣されていたが、戦後はフランスに帰還し、二度とロシアに戻ることはなかった。
この戦争の帰還時、北欧の荒野で見た湖や川の風景や香りが、シャネルNo.5の創作へと結実することになる。
私が戦争から帰還するときでした。
私は白夜の時期に北極圏にあるヨーロッパ北部の地域の田舎を去ろうとしました。
そこで湖や川がたいへんみずみずしい香りを発散させていました。
私はこのノートを記憶にとどめ、実現しました
No.5を多少詳しく解説した文章には必ず出てくる逸話である。
エルネストが1942年、フランス化学会館で行った講演録にある話である。
ココには多数の伝記や回想録が残されているが、エルネスト本人による回想はこの講演録が唯一であり、彼は自己を語ることが少ない人だった。
No.5のモチーフとなるこの「北極圏にある田舎の湖や川」が、具体的にどこなのかは不明だが、エルネストが所長をつとめていた捕虜収容所の可能性が高い。
戦争体験
エルネストが置かれた状況を知らずに、この部分だけを読むと、美しい北極圏の湖のような印象だが、大野さんの本を読むと、印象はかなり違ってくる。
大野さんは、捕虜収容所の生存者の手記からエルネストの状況を解明しようとしており、この部分は、ボクには、他の文献では見たことがない新事実だった。
北極圏の凍土で覆われる孤島の捕虜収容所は、極限状態の人間たちの飢餓と暴力と死の場所だった。
エルネストは、戦争の残忍さを加害者として体験したと思われる。彼は、その後、終生収容所のことを語ることはなかった。
「茫洋とした湖面に浮かぶ輝きにヒントを得た」なんていうきれいな話じゃなくて、No.5に込められた美しさは、極限状態の人間がギリギリのところで見た”救い”ではなかったか、とボクは空想した。
ココ・シャネルとの出会い
第一次大戦後、エルネストは、ロシアからフランスに拠点を移し調香活動を再開する。
知人を通してココ・シャネルと知り合い、No.1からNo.5と、No.20からNo.24の10種類の香水を提案した。
ココの制作依頼内容は、伝記作家や伝え聞いた知人たちの話をまとめると次のようなものだったという。
「調香師ですら嫉妬したくなるような香水」
「夏の庭の香りがする香水」
「女性のにおいのする女性の香り」
しかし、ココは誇張や事実誤認が多い人らしく、実際の依頼内容はよくわからない。
エルネストの中には、すでに北極圏の湖面を漂う香りのイメージができていたので、手持ちの試作を提案したのではないかと考えられる。
ココは、10種類の中から「5番」と命名された香りを選ぶ。このときの会話がエルネストによって残されている。
エルネストの発言は、他の資料と付き合わせても整合性があり、大野さんは事実と考えている。
「どんな名前を付けるべきでしょう?」という質問をするとこう答えました。
「私は、服のコレクションを1年の5番目の月である5月5日に発表しています。
だからこの香水についている5の数字を残すことにしましょう。
5の数字はこの香水に幸運を運ぶことでしょう」
おや?と思わせる部分である。
ココは、数字の「5」にこだわりがあったのだ。ココにとって「5」はマジックナンバー、幸運の数字。
香りも、もちろん、気に入ったのだろう。
しかし、「シャネルNo.5」が地上に産み落とされた瞬間の決定打は、縁起担ぎだった。
案外、歴史の転換点はこういう縁や偶然は多い。人智では計り知れない力を感じる。
自分の香水なのに、自分のものではなかったNo.5
ところで、「シャネルNo.5」はココ・シャネルの名前を冠しているが、ココは、No.5の販売権を早々と実業家のヴェルテメール兄弟に渡しており、ココが手にする利益はわずか10%であった。
No.5の奇跡的な成功の結果、ココは権利譲渡を後悔し、それを取り戻そうと、そこから20年以上にわたる長い泥沼の法廷内闘争・法廷外闘争がはじまる。
しかし、ヴェルテメール兄弟のマーケティングは、大胆かつ秀逸であり、No.5のヒットの大部分は、ヴェルテメール兄弟に手腕によるとする意見も多い。
ヴェルテメール兄弟がなければ、はたしてNo.5が現在でも生き残れていたか、今となってはわからない。
エルネストのその後
エルネストは、No.5の成功により名声を得たが、No.5が継続的に生み出す莫大な利益の恩恵を受けたかという疑問は、ココとの契約内容が不明のため、よくわからない。
おそらく恩恵は限定的・一時的だっただろう。
エルネストは、No.5がレジェンドとなり名声を得た後も、No.5のことも自分のこともほとんど語らなかった。
私生活では妻に逃げられ、自宅は帝政ロシア時代の文物で博物館のように埋め尽くされていたという。
過去へのノスタルジーを感じていたのだろうか。
ココのその後
ココ・シャネルは、香水の歴史を変える香水を手に入れながら、実質自分のものではなく、実業家として脂の乗った20年を無駄な闘争に明け暮れた。
老年になり、ココはデザイナーとしての腕が落ち、評論家からは酷評されるようになるが、その失意に手をさしのべ励ましたのは、長年の敵であるピエール・ヴェルテメールだったという。
1971年、87才で亡くなる。
最後の言葉は、お手伝いさんに言ったと伝えられている。
C'est comme cela que l'on meurt
(人はこんなふうに死ぬのよ)
彼女の覚悟が伝わってくるではないか。
第二次世界大戦中、ナチスへの協力とスパイ活動のため、ココの亡骸はフランスでの埋葬が許されずスイスで眠っている。
No.5は、今年100年を迎えた。
自分を生み出してくれた人々を、今、香水「シャネルNo.5」は、どんな気持ちで眺めているのか?とふと思ったりする。
(2021-07-05)
( 香水工場の )
香る生活
くちなしピクチャーまつり の結果
参加いただいた方々に御礼申し上げます・・ (2021/07/02)

( 今回も「まつり」企画が無事終了しました、ご応募ありがとうございました )
当社の「くちなし」と、クチナシの花など何か初夏を感じさせるものをいっしょに撮影し、Twitterにて投稿いただくという企画。
3月の「沈丁花まつり」から2回目の「まつり」企画「くちなしピクチャーまつり」。
今回もたくさんのご応募、ありがとうございます!
手間暇かけて頂いた作品も多数、ありがとうございます。
45件、社内全員で拝見しました。
そして、社内投票を行い、ミーティングを行い、その上で、最終的に国分の独断と好みで、「4名」の方を当選とさせていただきました。
当選の方、おめでとう、そして、落選の方、申し訳ございません、許してほしい。
・めぐみ(瞬き) さんの作品 →
当社社長お気に入りNo.1で当選
・六月 さんの作品 →
作品名「朽ち無し」・・「タイトルにも作品にも、やられました」
・りえ さんの作品 →
”きれいさ”に恐ろしくフォーカスして撮影いただきました
・笠原楓奏(ふーか) さんの作品 →
背景の暗闇から浮き上がる花が美しい
残念ながら当選ではないが、予選に残った作品です:
・むとう さんの作品 →
夏への期待感が高まる一品、フォーカスのメリハリも効いていて、すばらしい!
・ちまき さんの作品 →
作品名「ビーナス誕生」、パロディ効いてます。さりげなく当社名も露出いただく配慮、ありがとうございます。
・碧 さんの作品 →
オーソドックスな構図の一品。個人的にはぜひ当選してほしかった
・coco さんの作品 →
美しさが際立つ、ありがとうございます!
・ひこもゆ さんの作品 →
笑わせて頂きました。「うん、そうそう」と思った
(2021-07-02)
( 今回も「まつり」企画が無事終了しました、ご応募ありがとうございました )
くちなしピクチャーまつり とは?
当社の「くちなし」と、クチナシの花など何か初夏を感じさせるものをいっしょに撮影し、Twitterにて投稿いただくという企画。
3月の「沈丁花まつり」から2回目の「まつり」企画「くちなしピクチャーまつり」。
今回もたくさんのご応募、ありがとうございます!
手間暇かけて頂いた作品も多数、ありがとうございます。
45件、社内全員で拝見しました。
そして、社内投票を行い、ミーティングを行い、その上で、最終的に国分の独断と好みで、「4名」の方を当選とさせていただきました。
当選の方、おめでとう、そして、落選の方、申し訳ございません、許してほしい。
当選の発表
・めぐみ(瞬き) さんの作品 →
・六月 さんの作品 →
・りえ さんの作品 →
・笠原楓奏(ふーか) さんの作品 →
当選ではないが紹介したい
残念ながら当選ではないが、予選に残った作品です:
・むとう さんの作品 →
・ちまき さんの作品 →
・碧 さんの作品 →
・coco さんの作品 →
・ひこもゆ さんの作品 →
(2021-07-02)
( 香水工場の )
香る生活
ミニ勉強会:チュベローズの匂い
たまに知らない香料をスメリングしてみる・・ (2021/07/01)
( チュベローズ・ポマードの瓶。みなさまにお見せするには、古くて劣化したセロテープが微妙ではありますが・・ )
パフューマーは、毎日が香りの勉強なんですが、我ら一般スタッフは、日々の雑用に追われ、香水の勉強をする機会がない。
そこで、たまに市販香水や珍しい香料をスメリングさせてもらえる。
今日は、スタッフの要望で、チュベローズを試した。
昔のあるブランドさんの香水でチュベローズをテーマにしたものがあり、その香水と本物のチュベローズがどう違うか試したいという要望で、今回チュベローズのミニ勉強会。
なのだが、当社にはチュベローズ製品がないので、ちゃんとしたチュベローズ精油の在庫がない。
チュベローズは、非常に高価な天然香料で、その高価さは天然香料の中でもトップクラス、使用予定がないと、なかなか在庫できない。
そこで、昔~し買ったチュベローズの小さなポマード(天然香料生成の中間生成物)瓶を棚の奥から引き出してきて、嗅いでみた。
うわー、発酵しすぎた赤味噌のような酸っぱい甘い香り。
よい香りと思えないところが新鮮。
これを希釈して他の香料と合わせると豊艶な香りになるのだが、その前のこのクササがいい。
みなさまにも伝えしたいが、伝えられないもどかしさ。
ムエットの紙切れの先っちょが香料を付けた部分、変色しているでしょう、このシミ具合も本物らしさがでている。
( この紙切れはムエット。チュベローズがリトマス紙風に展開されているところ )
濃厚な天然香料はこんなシミ具合のものが多い。
匂いもこんな感じのシミぽいクササなんです。
以上、社内ミニ勉強会からの報告でした。
(2021-07-01)
( チュベローズ・ポマードの瓶。みなさまにお見せするには、古くて劣化したセロテープが微妙ではありますが・・ )香料のスメリング
パフューマーは、毎日が香りの勉強なんですが、我ら一般スタッフは、日々の雑用に追われ、香水の勉強をする機会がない。
そこで、たまに市販香水や珍しい香料をスメリングさせてもらえる。
今日は、スタッフの要望で、チュベローズを試した。
昔のあるブランドさんの香水でチュベローズをテーマにしたものがあり、その香水と本物のチュベローズがどう違うか試したいという要望で、今回チュベローズのミニ勉強会。
なのだが、当社にはチュベローズ製品がないので、ちゃんとしたチュベローズ精油の在庫がない。
チュベローズは、非常に高価な天然香料で、その高価さは天然香料の中でもトップクラス、使用予定がないと、なかなか在庫できない。
そこで、昔~し買ったチュベローズの小さなポマード(天然香料生成の中間生成物)瓶を棚の奥から引き出してきて、嗅いでみた。
発酵が進んだ赤味噌のような匂い
うわー、発酵しすぎた赤味噌のような酸っぱい甘い香り。
よい香りと思えないところが新鮮。
これを希釈して他の香料と合わせると豊艶な香りになるのだが、その前のこのクササがいい。
みなさまにも伝えしたいが、伝えられないもどかしさ。
ムエットの紙切れの先っちょが香料を付けた部分、変色しているでしょう、このシミ具合も本物らしさがでている。
( この紙切れはムエット。チュベローズがリトマス紙風に展開されているところ )濃厚な天然香料はこんなシミ具合のものが多い。
匂いもこんな感じのシミぽいクササなんです。
以上、社内ミニ勉強会からの報告でした。
(2021-07-01)
( 香水工場の )
香る生活
4mL軸キューブ、福袋企画
福袋は、欲しくないモノも入っているから楽しい?・・ (2021/07/01)
( → 福袋のお買物ページ )
当社では、4mLキューブボトルに関して、「スプレー」から「軸」への移行を進めています。
お客様意見は、残念ながら、ネガティブ派もそれなりに。
まずは、試してもらうことが大切・・ということで「福袋企画」。
福袋は、欲しくないモノも入っていますから、社内でも、賛否両論でしたが、こういう遊び心ある企画を楽しんでくれる方もそれなりに多い。
※今回、福袋に入るの種類は、9アイテムからランダムに3種類が入ります。詳細はここクリック →
Wikipediaによると、福袋の原型は、江戸時代、日本橋の呉服屋・越後屋(現・三越)が、1年の裁ち余りの生地を袋に入れて、期間限定で売り出した「えびす袋」とのこと。
「何が入っているかわからない」、そして、「安い」がコンセプト。
当社の福袋は、入っているモノは、軸の4mLキューブボトルながら、キューブボトルのどれが入っているかは不明。
運悪くお好きでないものが入っているリスクがありますことご理解ください。
軸のメリットは、パルファンのように、狙ったところに「点」でつけられ、ムダに周囲に飛び散らないところ。
デメリットは、スプレーのように「パッと、シュッと」簡単につけにくいこと。
また、香り方もスプレーは広範囲に拡がりますので華やかに香ります。
点でしか香らない軸は、スプレーよりも華やかさが劣ります。
その代わり、軸は香水の消費量が少ないので、細く長~く使えるメリットも。
お好みが分かれると思いますが、軸の楽しさをお楽しみください。
・スティックで適量をとり、お肌に乗せてください。

( お線香花火のようなスティック )
(2021-07-01)
( → 福袋のお買物ページ )「スプレー」から「軸」へ
当社では、4mLキューブボトルに関して、「スプレー」から「軸」への移行を進めています。
お客様意見は、残念ながら、ネガティブ派もそれなりに。
福袋企画
まずは、試してもらうことが大切・・ということで「福袋企画」。
福袋は、欲しくないモノも入っていますから、社内でも、賛否両論でしたが、こういう遊び心ある企画を楽しんでくれる方もそれなりに多い。
・期間:2021年8月1日~7日 (在庫切れの場合、途中終了)
・価格:4mLキューブボトル(軸タイプ) 3個で1セット = 1,500円(税込み)
・商品の種類:9アイテムからランダムに3個ピックアップ
※購入時、商品の指定はできません。ランダムに3個詰められています
※ネコポス箱(送料180円)には2セットまで入ります
※転売防止のため3セット以内でのご購入にご協力下さい
→ 福袋のお買物ページ
・価格:4mLキューブボトル(軸タイプ) 3個で1セット = 1,500円(税込み)
・商品の種類:9アイテムからランダムに3個ピックアップ
※購入時、商品の指定はできません。ランダムに3個詰められています
※ネコポス箱(送料180円)には2セットまで入ります
※転売防止のため3セット以内でのご購入にご協力下さい
→ 福袋のお買物ページ
※今回、福袋に入るの種類は、9アイテムからランダムに3種類が入ります。詳細はここクリック →
福袋のリスク
Wikipediaによると、福袋の原型は、江戸時代、日本橋の呉服屋・越後屋(現・三越)が、1年の裁ち余りの生地を袋に入れて、期間限定で売り出した「えびす袋」とのこと。
「何が入っているかわからない」、そして、「安い」がコンセプト。
当社の福袋は、入っているモノは、軸の4mLキューブボトルながら、キューブボトルのどれが入っているかは不明。
運悪くお好きでないものが入っているリスクがありますことご理解ください。
軸のメリット
軸のメリットは、パルファンのように、狙ったところに「点」でつけられ、ムダに周囲に飛び散らないところ。
デメリットは、スプレーのように「パッと、シュッと」簡単につけにくいこと。
また、香り方もスプレーは広範囲に拡がりますので華やかに香ります。
点でしか香らない軸は、スプレーよりも華やかさが劣ります。
その代わり、軸は香水の消費量が少ないので、細く長~く使えるメリットも。
【軸のメリット】
・狙ったところに「点」でつけられ、ムダに周囲に飛び散らない
・長~く使える
【軸のデメリット】
・スプレーのように「パッと、シュッと」簡単につけにくい
・スプレーよりも華やかさに劣る
・狙ったところに「点」でつけられ、ムダに周囲に飛び散らない
・長~く使える
【軸のデメリット】
・スプレーのように「パッと、シュッと」簡単につけにくい
・スプレーよりも華やかさに劣る
お好みが分かれると思いますが、軸の楽しさをお楽しみください。
4mL軸タイプの付け方
・スティックで適量をとり、お肌に乗せてください。

( お線香花火のようなスティック )
(2021-07-01)
( 香水工場の )
香る生活
4mLキューブの空ボトルプレゼント企画
「空(そら)」でなく「空(カラ)ボトル」です、念のため・・ (2021/07/01)
( 軸に移行中なので・・スプレータイプの空ボトルプレゼント )
ささやかなプレゼント企画を考えました。
空ボトルプレゼント!・・って喜ばれるの? わかりません、やってみます。
(2021-07-01)
( 軸に移行中なので・・スプレータイプの空ボトルプレゼント )7月10日~7月20日
ささやかなプレゼント企画を考えました。
空ボトルプレゼント!・・って喜ばれるの? わかりません、やってみます。
・期間:2021年7月10日~7月20日
・ボトル:4mLキューブボトル (スプレータイプ)
・条件:期間中 4mLキューブボトル商品を3本お買い上げごとに、1本の空ボトルが付きます(不要な人にも付きます)
(2021-07-01)
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