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香る生活


香水瓶の歴史#2 聖書からわかる香料の価値

ふしぎなプレゼント


私が通った幼稚園はクリスチャン系ではありませんでしたが、クリスマスシーズンになると紙芝居や絵本でイエス・キリストの誕生物語は聞かされたものです。

イエスさまが貧しい馬小屋で生まれたこと、生まれるとすぐに「東方の三賢者」がやってきて贈り物をすること。よく知られた話ですが、子供心にふしぎな物語でした。

東方の三賢者って誰?もふしぎですが、星が東方の三賢者をイエス様の馬小屋へ案内した点もふしぎです。

現実に夜空の星が、馬小屋を指し示してくれたとしても、高度が高いので絶対にわかるまいと思いましたが、素直な子供たちはとりあえず黙っていたものです。

しかし、さすがにプレゼントの「黄金・乳香・没薬」ってのはふしぎでした。黄金はまだしも

・乳香って何?
・没薬って何?


日本ではなじみのない乳香と没薬


当然子供達は「乳香・没薬」って何?と聞いていたと思いますが、子供達を納得させてくれる返答をしてくれた先生はいませんでした。

もっともなことです。乳香・没薬は、日本で産出することもなく私たち一般の庶民にとって生活習慣でも宗教儀式でも使用されることがほぼ皆無。知らなくて当然です。


没薬(ミルラ)とは?


没薬は、英語で「ミルラ」。ミルラノキのから採取される樹脂・香料です。防腐効果があるため古代エジプトではミイラの製造に使用されたことが知られています。

「ミルラ」の語源を「ミイラ」とする人がいますが、逆で「ミルラ」から「ミイラ」という名称が発生したようです。

wikiによれば「ミルラ」の語源は、苦味を意味するヘブライ語のmor、あるいはアラビア語のmurrを語源としているとのことです。


乳香(フランキンセンス)とは?


一方、乳香は、英語で「フランキンセンス」。こちらもwikiからを引用するとボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂

樹脂と書いてありますが香料です。樹脂かつウッディ系香料という点は没薬と同じです。

「フランキンセンス」は語源からすると「フランクに言って、これぞインセンス(香り)」「はっきり言って、凄い香り」みたいな言い方ですよね。そういう意味なのかどうか私にはわかりませんが、香料名を覚えるときは覚えやすいと思います。

ミルラを産するミルラノキも、乳香を産するボスウェリア属の樹木も、私は見たことがないので、アラビア半島に行く機会があったらぜひ見てみたい。

乳香も没薬も、乾燥した砂漠地帯にしわがれて枝木をのばす樹木。その樹液を乾燥させたものが香料です。


過酷な環境に育つ植物のパワー


このような過酷な環境の中で育つ植物のエッセンスは一般に非常にパワーがあり、香りも力強くと何かしらの高い効能効用を持っているものが多いように思います。

ホホバオイルやティーツリーも乾燥地帯で育ち乾燥や紫外線に耐える植物。それらはパワーのあるオイルや個性豊かな精油が採取されることで有名です。

普通の植物でも、たとえば同じトマトも畑や露地で紫外線に焼かされたトマトと野菜工場の蛍光灯で促成されたトマトではリコピン(抗酸化物質)の含有率には格段の差があるでしょう。

乾燥・日照り・高温・日夜の激しい気温差といった過酷な砂漠で育つ乳香や没薬のパワーは紀元前から知られており、香料や医薬品の原料として人類に利用されてきました。


聖書に残された香料の歴史とその価値


東方の三賢者がイエス様に「黄金」とともに「乳香」と「没薬」を贈ったことで、当時「乳香」と「没薬」が黄金と同等の宝物で、ゴールドと同等の価値があった事実を人類史上最大のベストセラーに明記する結果となりました。
(2010-01-30)
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香る生活


香水瓶の歴史#1 豪奢の象徴
きょうから香水瓶をテーマに書いていきます。

香水瓶を愛したルネ・ラリック


日本には熱烈なラリック・コレクターが多数。ラリックはジュエリーデザイナーからガラス細工、特に香水瓶制作へと傾聴していった芸術家です。

ラリックとフランソワ・コティの出会いが香水産業の歴史を大きく塗り替えました。フランソワ・コティはパフューマーにして世界的な香水・化粧品メーカーであるコティ社の創業者。


香水ビジネスで大成功をおさめたコティ


ラリックとコティの出会いと葛藤、そして彼らの香水ビジネスの大成功は、人間模様とビジネス模様がリアルに入り交じった物語ですので、別途どこかでご紹介したいと思います。

ここではラリックが制作した香水瓶にスポットを当てます。ラリックが活躍した時代は、香水瓶は芸術と見なされ、コスト度外視で制作できた、おそらく最後の時代だったことを述べます。


香水瓶は現代でも特別な容器


現代でも香水瓶は他のコンシューマープロダクトと比較すれば、その装飾性には格段に高いものがあります。また中身と比較して容器に配分可能なコスト比率の高さは群を抜いています。

それほど香水瓶は、現代においても特別な容器と思われているのです。


シンプルに向かう香水瓶


現在の香水瓶は、「コストほどほど」に「量産に耐える」「量産しやすい」というミッションがあるのため過剰な装飾性は殺ぎ落とされました。

しかも現代のデザイン潮流はiPodに代表されるように「どこまでも限りなくシンプル」。

すべての製品・家具・乗物・建造物におして「シンプル」への傾倒はより鮮明になりつつあります。香水瓶のデザインも当然「量産性とシンプル性」を兼ね備えたデザインへと今後も突き進むと思われます。

ラリックの時代の香水瓶は手作業から量産・工業生産へのちょうど過渡期。香水瓶はそれまでいくらでも手間暇かけてもよい製品でした。なぜでしょうか?


香水瓶のはじまり:ゴールドより高価な香料


香水瓶は、はじめて創り出された紀元前の時代から、つねに王様や貴族の調度品であり続けてきたためです。

お皿や茶碗が、食物の形状や使用する人の使い勝手を計算し、実用性が重視されることに対して、香水瓶は装飾性が重要でした。

なぜなら、そこに入れるものは香料。古代メソポタミア時代・古代エジプト時代・古代ギリシア時代・古代ローマ時代を通してゴールドと同じ、もしくはゴールドより価値があると見なされた宝物。

その入れ物も豪華にならないわけがありません。

香水瓶は豪奢の象徴でした。
(2010-01-29)
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モテ香水#9 投書
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モテ香水#8 彼女がリラックスする香水
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モテ香水#7 香水とアロマテラピー
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モテ香水#6 香りで落ちる恋と眠り
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