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( 香水工場の )

香る生活


暑くて嗅覚不振
毎日暑い日が続いています。昨日、東京の最高気温は35度だったとか。ほぼ人の体温ですね。

暑さによる体内の変化


空気が体温と同じでも別段問題ない気がしますが、実際それくらいの気温になるとうっとうしやら暑苦しいやらカラダの内部ではどんな状況になっているのかな・・・神経細胞の活動が鈍っている感じです。


外部の影響を受けやすい嗅ぐ力


人の嗅覚は、他の動物と比べるとちょっと弱くて外部の影響を受けやすいようです。気分やその人の体調によって同じ香りが、全然違うモノに感じられる現象ってよくあることです。

当社はちょうど会計年度の年度末で棚卸しをやっています。ラボのデスクや棚にはいろいろな試作品や中途半端な製品が転がっており、分別整理の真っ最中です。


暑さと嗅覚不振


ラベルや記録がないビンも転がっていると、何の香りかチェックするために香りを嗅ぎますが、これが昨日は全然わからない感じでした。それに、そもそも香り嗅ぎたい気力までなくなります。

暑さで食欲不振になるように、香りも嗅覚不振に陥るようです。





(2014-07-27)
( 香水工場の )

香る生活


はてなブログで支店ブログ
テスト運用中なのですが、「はてなブログ」さんに支店ブログを出しました。

いや、余計なことと思いましたけどね、一般の方々に広くアピールするには、そういう大手さんのサイトに掲載したほうがいいのでは、という話なんですね。

(そりゃーそんなんだが・・・体がいくつあっても足りましぇn)

でブログ名が、とりあえず「しみる香り、香水工場のブログ」。

実質的に第一号の記事は「服についた香水の落とし方」。

そしたらば、しみる香水ブログなのに、しみた香水のニオイの取り方、これいかに?と突っ込みをいただきました。多難な予感・・・
(2014-07-23)
( 香水工場の )

香る生活


戻ってきたブログ・システム ( 2014年 )

当社のブログ変遷、いろいろありまして


この「editions」サイトは、当社の香水ブログサイトでしたが、世の中のシステムの流れに乗って、2012年4月にwordpressというシステムのサイトに引っ越しました。サイト・アドレスは「editions2」。


新旧ブログで再スタート


editions2では、エンタメ性と情報量を高めるようと各記事に画像を入れて内容も深く・・・とかなんとか欲張っていたら、更新頻度が落ちちゃいまして。

それにwordpressは、独立系ブログのデファクト的な存在ながら、複雑で重い点がやや難点。


現在、3ブログ体制をテスト中


そこで作戦変更。まだ模索中ながら、

・ライトな記事は「editions」に戻り、
・気合いを入れたい記事は「editions2」に

することにしました。でも、統合した方がいいのかな?

さらに、外部読者にもアピールするために「はてな」というメディアさんの「はてなブログ」というサービスを借りることに。

(はてなブログ) しみる香り、香水工場のブログ

(editions) 香水Biz備忘録

(editions2) フレグランスを語ろう!香水Biz備忘録

なんと3ブログ体制に。欲張りすぎて企画倒れになるかもと思いつつ、テスト中です。



(2014-07-22)
( 香水工場の )

香る生活


墨の香りの香水、行けてる・行けてない?
(2014/07/21)

墨(すみ)の香りは、心落ち着く香り。幽玄な雰囲気に浸れる香りです。好まれる方、多いですよ。「墨汁のニオイの香水作って」「墨のフレグランス作って」というご要望をたまにいただきます。
墨オードパルファム

「オードパルファム墨」 (2013年 試作品)


墨自体は、墨の香りがしない!


墨は、燃えカスの煤(スス)から作られます。ススは有機物の不完全燃焼できでる炭素粒子の集まり。スス作りは、松を燃やしてできる松煙墨(しょうえんずみ)と菜種油ならから採取する油煙墨(ゆえんずみ)があります。これを膠(ニカワ)で固めたものが墨。

ニカワとは、今風に言えばゼラチンやコラーゲン。動物の骨や皮から得られますが、ススを固める天然接着剤の役割を果たします。昔のニカワは非常に強烈なニオイを発していたらしく、このニオイをマスキングするために様々な香料が添加されたと考えられています。


実はカンタン、墨の香りの香水


私たちが、墨汁に感じる香りの成分は、はっきりわかっています。それは「ボルネオール」という揮発性成分。中国語・日本語名は「竜脳」(りゅうのう)。ちょっと専門的になりますが化学式はC10H8O。典型的なモノテルペンアルコールの仲間です。

ニカワのニオイ消しに選ばれた香料はいろいろあったと思われますが、もっとも成功した香料がボルネオールだったのでしょう。現在では「ボルネオール=墨の香り」となっています。

ボルネオールは、そのネーミングが示すように、東南アジアのボルネオ島に由来します。精油といっても商品として流通する際は、透明か白色の粉末状の結晶体です。中国・アラビア、そして近世ではヨーロッパで珍重され、ボルネオ島を代表する輸出産物でした。中国ではお香や漢方として、アラビアでは清涼感が愛され、ドリンク剤になったとか。ヨーロッパでは医薬品や香水原料として利用されました。


希少な天然ボルネオール


竜脳と聞けば「樟脳」(しょうのう)を連想しませんか? 香りも比較的似ていて、分子構造もそっくり。実際、化学的には竜脳は樟脳から合成可能です。天然物では竜脳の方が高価です。

樟脳(カンファー、カンフル、C10H16O)は、クスノキの精油から精製されますが、竜脳(ボルネオール)は、竜脳樹という樹木から採れます。竜脳樹は大量伐採のため絶滅危惧種とされ、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにアップされています。心が痛みます。

現在ではボルネオールは通常、化学的な合成によって生産されており、天然の樹木への依存度はかなり減少しています。


墨の香りの正体は、ボルネオールと○○


墨の香りは、ほぼボルネオールです。この成分だけで、10人中10人が「墨の香り」として納得してもらえるでしょう。ボルネオールの粉をエタノールに溶かすだけで、あらふしぎ、墨の香りの香水ができあがります。

ウソ?・・・ホントなんですよ。

ただ、ボルネオールだけですと香りの持続性が弱いなどあり、また商品の差別化のためにもボルネオール以外に白檀や麝香(ムスク)を加えたりします。その処方は、限りなく「お香」に近いものがあります。


現代の墨は無香でもOK!?


ところで、墨の香りは、ニカワのマスキングから発展したものの、現在の技術で生産されるニカワはそれほどニオイがなく、ボルネオールによるマスキングは不要です。

ある墨メーカーさんにお聞きしたら、香りのない墨も今後作る予定という話を聞きましたので、実際にそういう墨も今後でてくると思われます。


透明な「オードパルファム墨」


昨年、社内試作として「オードパルファム墨」が上がってきました。その試作品がこの記事の最初の写真です。成分は、もち、ボルネオール。これにウッディ系の香りをアレンジして香水らしく整えています。

スメリング・ミーティングでは社外のモニターさんにも参加いただきました。モニターさんの第一声がこれ。

「あれ! 黒くないんですね」
「真っ黒かと思っていました」

香水ビンに入れられた「オードパルファム墨」は透明。これが彼には意外だったようです。ボルネオールは透明の結晶体。溶かせば当然、透明ですが、一般の人には、墨の香りも「真っ黒」というイメージがあるようです。


「香水として墨、アリ?」という根源的な問題


スメリングの結果は、墨の香りだけど・・・担当のパフューマー自身が「墨の香りを好きな方は多いのですが、そもそも香水として付けたいでしょうか?」・・・なんと「香水として墨、アリ?」という根本問題にぶつかりミーティングには重苦しい空気が流れました。

パフューマーの予想だと中年男性がつけたとき、体臭と加齢臭とボルネオールの相乗効果はシミュレーションできないと。ルームフレグランスとしてならイメージできるけど、香水としては、どうなんだろと、「さらなる検討の必要あり」と現在ペンディングしています。


世界の香水事情と古くて新しい墨の香り


正直、現代の香水は、世界的にもはや出尽くした感じがあり、フレグランス業界では、新しい香水はもはや生まれないと言われがちです。

生まれるとしたら今まで知られていない新しいアーティフィシャル(人工的)な成分が合成されたときとも言われています。戦前のシャネルNo.5はそのパターンでした。

しかし、アーティフィシャルな合成成分は安全性の検証が難しく、それだけのリスクを取れる香水ブランドさんは香料の成分規制が厳しい現在では、ほとんどないと私は見ています。

一方、墨なら1000年以上の歴史、香りの安全性は実証されていますし、古いイメージをモダンにアレンジすれば、西洋人も東洋人も驚く斬新な香り、それで手堅くヒット!なんて。普通のコーヒーをモダンにアレンジしてヒットしたスターバックのように。

墨香水なんて、遊び心満載ですからね。おじさんたちがきっと飛びつく!と社内説得を試みています。


感動・墨作り体験


墨香水の開発の過程で、数社の墨メーカーさまにお話をお聞きしました。その中には「にぎり墨体験」というイベントを開催され、一般の方々に墨制作を公開されているところもありました。せっかくなので墨作りの一部を当社スタッフが体験してきました。

墨作りシーズンは、ニカワが腐敗しない冬から春まで。この写真は2014年4月、墨作りとしてはシーズンが実質終わったギリギリのタイミングで受講できました。


墨作り体験・スス収集

※こちらは墨の原料となる煤(すす)を採取するための部屋。この日は菜種油からの煤を取る作業が行われており、ほんのりと油の匂いのする部屋の中は、蝋燭の灯りがとても幻想的でした。


墨作り体験・にぎりの工程

※煤と膠と香料(主にボルネオール)を練って墨の元ができます。職人さんが練った墨を棒状にし、そっと掌に乗せてくれます。(職人さんの手に本物の雰囲気が伝わってきます)


墨作り体験・乾燥工程

※吊るして乾燥させます。数ヶ月後、墨が完成します。


※建物に近づくとそれだけで墨の香りがし、建物に一歩足を踏み入れると全身が墨の香りに包まれました。訪れた人たちは皆「わぁ」と声を上げられるそうですが、職人さん達にとっては日常の香り、鼻が慣れてしまいあまり香りを感じないとおっしゃられていました。



(2014-07-21)
( 香水工場の )

香る生活


香るスキンケア、フレグランスクリーム
(2014/07/19)

新しいスキンケアシリーズ「フレグランスクリーム」を開発中。どんな香り?(2014/07/19)

フレグランスクリーム柚
香りが楽しいフレグランスクリーム

香水メーカーなのにスキンケア?


そうなんです。香りがテーマなら香水だけにはこだわりません。当社には「コンシンのジェル」というローズ・スキンケアがあります。「ベタガード」はハンドクリームですが、これも大きな意味でのスキンケア。練り香水もある意味スキンケア。

ベタガードだけは、手荒れスタッフのためのまかないスキンケアを商品化したたもので、やや異色ですが、他の製品は香りをテーマにして、その延長線上で生まれてきた製品です。


香りが楽しいカジュアルなスキンケア


現在フレグランスクリームという新しい製品を開発中です。コンシンのジェルがあるのでスキンケアは間に合っているのですが、コンシンのジェルは、ネーミングの奇抜さに似合わず希少なブルガリアンローズの正統派路線・王道路線。

もっと気軽でカジュアルで、香りがガツンと楽しいスキンケアも欲しいというリクエストから開発が始まりました。

ボディクリームやハンドクリームとして


フレグランスクリームは、ボディクリームやハンドクリームとしてのご利用方法を想定しています。

成分的には、フェイスクリームとしてもご利用いただけますが、顔に付けると香りがパワフルで香り酔いされるかもしれませんので、おすすめしておりません。


ボディクリームで香りを楽しむ!はアリでしょう


ここ数年、トイレタリーや洗剤のフレグランス化は、かなり加熱していますよね。強すぎる香料に対して、過敏に感じられる人もいますし、何ともない人が過敏になるキッカケにならないか、個人的にはやや心配しています。

一方で、このトレンドは「香りは楽しい」ということを認識させてくれた事実も大きいです。現在では、よい香りのスキンケアやトイレタリーは、そのまま商品価値と見なされるようになりました。

シャンプー、リンス、トリートメント、ボディソープ、ボディローション、ボディミルク、ボディパウダー・・・すべて香りは商品価値に直結するようになりました。

10年ちょっと前までは「香り=悪」・「無香料=安全」というムードがあったことを思うと、香り業界のボクらには、この真逆な現象は、痛し痒し・微妙です。トレンドとはこうも変わるものでしょうか?それとも大企業さんのパワーマーケティングのなせる技なんでしょうか。


フレグランスクリーム第一弾は「柚子」(ゆず)


フレグランスクリームの開発は、はじめにベースクリームを作りました。ベースクリームは香りがないことが特徴です(ニオイが薄い化粧品原料って案外少ないんですよ)。スキンケアとして効果が期待できる成分ながら、香りやニオイが極力薄い原料を選び制作。ベースクリームがスキンケアとしての機能を果たします。

次のステップは香りの選択。ピーチやストロベリーなんかとっても楽しそうですよね。将来は検討するかもしれませんが、精油が入手できて日本的な香りが特徴の柚子が最初の香りとなりました。柚子は、もともと大陸から入ってきた柑橘類ですが、今となってはとっても日本的な香りです。

ベースクリームと柚子の香りができれば、あとは混ぜ合わせるだけ。簡単な作業ですが、問題はクリームと香りの相性問題。これは長年やっていてもちょっと予想つかないですね。相性によってクリームが香りを閉じ込める場合があります。

分子構造の問題?・・・詳しいことは不明です。スパコンで分子合体シミュレーションとか計算すると「香り分子の羽交い締め比率」とか出せるのかな?

幸い、現行のフレグランスクリーム柚子は、香りを閉じ込めることはなく、パワフルに香り立つことがわかりました。相性がよかったんですね。一安心。今年6月、第一弾の生産を行い、ミニパウチにして現在、当社ショップでのお買い物のお客様に無料配布中です。

フレグランスクリーム柚子パウチ

みなさまの感想をお聞かせ下さい


6月中旬より、このフレグランスクリーム柚子のミニパウチをお配りしております。

お手にされた方もおられると思います。製品開発の参考にさせていただきます。感想やコメント、お待ちしています! → と呼びかけますと社内ミーティングで発表すると、コメントしていただいたお客様には、プレゼントあってもいいじゃないの?という意見が噴出。下記のようになりました:


・コメント募集期間:2014年8月31日まで
・コメント方法:(1)本ブログのコメント欄へ (2)Facebook (3)Google+
・抽選方法:無効なコメントを除いて無作為に10名の方へ
・プレゼント内容:ミニパウチ10枚
・プレゼント発送日と方法:2014年9月10日前後
※プレゼントの発送をもって当選発表とさせていただきます。



フレグランスクリーム柚子の商品化は?


まだ未定です。少なくとも11月くらいまでは、現行のミニパウチをひたすらお配りしながら、アイデアとプランと完成度を濃縮していきます。






(2014-07-19)
( 香水工場の )

香る生活


引越ました、市内ですけどね
(2014/07/18)

連絡が遅くなりました。最近当社は小平市内で引っ越しました。事務所が手狭になって、とよくあるあの理由のままの移転でした(2014/07/18)

工場事務所書

「セグウェイ買って!」



新しい事務所は、こんな感じ


狭いなーと嘆いていたある日、手頃な空き物件が近所にあることをスタッフが発見! 1階が金属加工の工場さん。この工場の2階が空いておりました。4月発見、5月契約、6月引越、7月ようやく一段落、という感じです。オフィスビルのようにきれいではないのですが、工場としてのエキゾチックな雰囲気は悪くありません。


開墾が遅れた小平


小平市は、水源に乏しく開墾が遅れたことで、昭和初期まで東京郊外では珍しい手つかずの大地でしたが、終戦後、都心からの人口流入と行政による工場誘致で大きな発展を遂げます。ブリヂストンの国内最大級の東京工場が小平に建設されたのもこの頃です。

多彩な大企業さんとその関連企業、周辺産業の会社や町工場が群をなす準工業地帯となりましたが、はや80年代には製造業の地盤沈下と海外移転という環境変化を受けます。

一方で新宿まで30分というアクセスのよさから、小平市は都心のベッドタウンとしての重要性が増しており、後継者が少ない工場さんなどは静かに閉鎖気味で、その跡地にタケノコのように住宅が出現する時代になっています。


変化する小平


当社が東京都国立市から小平に引っ越してきたのは2010年。まだ数年ですが、近所の工場が閉鎖され宅地に変化する光景が続いています。

近所のいろいろな場所で、分譲マンションや戸建の販売用「のぼり」がはためく光景は今の小平を象徴しています。

とくに2011年の大震災以降、小平を含む武蔵野は人気の住宅地のようです(立川断層が比較的近くを走っていますけどね)。

当社の工場の目の前には、現在、大きめの幼稚園が新規に建設されています。時として仕事ができなくらいの建設音が鳴り響いています。住宅地の急増に伴う子供の増加も、この地区の特徴です。


エキゾチックな香水屋さんになりますように


この地での町工場は、次第に存在感が薄れつつあるのですが、武蔵野ワークスにはぴったりの雰囲気です。


秋にはオープンファクトリー?


せっかく工場に移転したので、工場見学用にお客様に公開することも検討中です。しかし、工場とはいえ、製品の本生産は千葉の委託工場で行うため規模的に見せられるモノが少ない点が難点です。

それでも来てみたいというお客様もチラホラおられます。秋口には、セミナーやオープンハウス的なイベントを検討中です。工場だからオープンハウスではなく、オープンファクトリー?




(2014-07-18)
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