( 香水工場の )
香る生活
ローズの贈り物 & サンタの贈り物
(2007/11/25)
今時の欧米はまさに「天然ブーム」。需要が毎年確実に増加してきており、ブルガリアではローズオイルを仕入れたくてもなかなか入手できない状況も呈し始めています。
しかし、当社は少量生産ということもあり、価格の高騰はやむ得ないとしても、それ以外は大きな問題もなく今年も「今年のクロップ」による『ローズの贈り物』をお届けできることになりました。
なるべくローズオイルそのままのテイストを壊さないこと。
ローズ香水の多くは「ファンタスティック」で「ロマンティック」にアレンジされたもの。その方が一般には「素敵に」感じられます。
それが香水のすばらしさであり、また香水の香水たる所以ですが『ローズの贈り物』に関してはそういうアレンジを最小限にしています。
よって、本物のローズオイルをご存じない方には「これがローズ?」という疑問符も付くかもしれません。お気に召す香りであることを祈ります。
『サンタの贈り物』は、今年も北海道産モミの木精油を使用しました。これは『ローズの贈り物』のように成分をそのまま全面に出すことを意図していません。
モミの葉っぱから水蒸気蒸留によって抽出される精油は、おだやか香り立ちです。懐かしさを感じさせる香りです。
この2品『ローズの贈り物』・『サンタの贈り物』には、30mLのボトル1本ごとに1個の「練り香水 ローズの贈り物」がプレゼントとして付いてきます。
この練り香水はローズオイルをたっぷり入れています。どれくらい本物か、本当のローズオイルを愛するお客様にぜひお使いいただきたいと願っております。
「練り香水 ローズの贈り物」
(2007-11-25)
天然ブームによる品薄
今時の欧米はまさに「天然ブーム」。需要が毎年確実に増加してきており、ブルガリアではローズオイルを仕入れたくてもなかなか入手できない状況も呈し始めています。
しかし、当社は少量生産ということもあり、価格の高騰はやむ得ないとしても、それ以外は大きな問題もなく今年も「今年のクロップ」による『ローズの贈り物』をお届けできることになりました。
『ローズの贈り物』のコンセプト
なるべくローズオイルそのままのテイストを壊さないこと。
ローズ香水の多くは「ファンタスティック」で「ロマンティック」にアレンジされたもの。その方が一般には「素敵に」感じられます。
それが香水のすばらしさであり、また香水の香水たる所以ですが『ローズの贈り物』に関してはそういうアレンジを最小限にしています。
よって、本物のローズオイルをご存じない方には「これがローズ?」という疑問符も付くかもしれません。お気に召す香りであることを祈ります。
今年の『サンタの贈り物』
『サンタの贈り物』は、今年も北海道産モミの木精油を使用しました。これは『ローズの贈り物』のように成分をそのまま全面に出すことを意図していません。
モミの葉っぱから水蒸気蒸留によって抽出される精油は、おだやか香り立ちです。懐かしさを感じさせる香りです。
今年のプレゼント
この2品『ローズの贈り物』・『サンタの贈り物』には、30mLのボトル1本ごとに1個の「練り香水 ローズの贈り物」がプレゼントとして付いてきます。
この練り香水はローズオイルをたっぷり入れています。どれくらい本物か、本当のローズオイルを愛するお客様にぜひお使いいただきたいと願っております。
「練り香水 ローズの贈り物」
キャンペーン
- 開催期間:2007年11月25日〜12月25日
- 内容:期間限定の『ローズの贈り物』・『サンタの贈り物』(30mL/1mL)リリース
- ショッピングサイト:
・『ローズの贈り物』
・『サンタの贈り物』
- プレゼント:30mLの『ローズの贈り物』・『サンタの贈り物』には、1本ごとに1個の「練り香水 ローズの贈り物」がもれなく付きます。
- 店頭販売:伊勢丹新宿店地下2F、フレグランスコーナーにて
- ※注意事項:数量限定で本数に限りがあります。在庫がなくなり次第販売を終了します。
(2007-11-25)
( 香水工場の )
香る生活
九州の櫨7 化粧品原料としてハゼ蝋
●化粧品原料としてハゼ蝋
私は製造中のハゼ蝋(櫨蝋)をひとつまみ手に取り口の中に放り込んでみました。天然物の成分試験は高度な分析機を駆使しますが、最終的には香料も原料も「味で見る」という職人芸的な研究者は少なくありません。
実はパフューマーの中にもそれが本物の天然香料かどうかを判断する際、最終的に舐めたり口に入れる人がいます。私は残念ながら味で成分まで判別する職人芸は持ち合わせていませんが、まねごとでなめて噛んでみるとハゼ蝋(櫨蝋)にはまったく味がありませんでした。
まさに噛むほどにロウを噛む感触(当たり前ですが)。上下の歯にまとわりつく粘り気はハゼ蝋(櫨蝋)の特徴である強靱さを感じさせます。
植物蝋(ベジタブルワックス)として世界的に流通しているものは、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、そしてハゼ蝋(櫨蝋)(ジャパンワックス)。動物蝋としてミツロウ(ビーズワックス)、鉱物蝋としてパラフィンワックスなどがあります。
それぞれに特徴があり優劣は付けられないと思いますが、化粧品の原料という観点からすれば化粧品メーカーとってはパラフィンワックスがもっとも優れているとする意見が圧倒的。
たとえば、コスト。たとえば、安定供給性。
その他、純度の高さ(純度の高さは品質の安定性となります)、安全性(アレルギー反応を起こす人が少ないとされています)、汎用性、色・匂い(化粧品原料は一般に無色無臭か白色無臭が好まれます)・・・どれもこれもパラフィンワックスは絵に描いたような理想的な原料です。
しかし、私はこの目前に独特の匂いとともに高温で流れ出ているオリーブ色の素朴なハゼ蝋(櫨蝋)を使用して化粧品を作りたいという気持ちでいっぱいです。
植物性であること、天然であること、環境循環型の産物であること、トレーサビリティーがしっかりしていること、そして日本産であること。私は日本産の原料を使用することにとても心惹かれます。魅力的な要素がいっぱいです。
それにしても化粧品原料としてのハゼ蝋(櫨蝋)は個性が強すぎます。濃厚なオリーブ色、独特の強い匂い。それらは扱いにくさの要素ですが、強い粘靱性は魅力です。
その粘靱性はリップクリームには向きそうです。天然成分で「落ちない口紅」を作ることは実現不可能ですが、ハゼ蝋(櫨蝋)なら強い強度で残り、そして適度に落ちて、しかも完全に安全なリップケア用の製品になる予感がします。
この粘靱性の立て役者が「日本酸」(Japan Acid)。
ハゼ蝋の成分はパルミチン酸などがメインですが、「日本酸」というとても珍しい成分が含まれています。
日本酸(にほんさん)とは、脂肪酸の一種ですが、ハゼ蝋に特徴的な成分で他の植物性オイル・バター・ワックスに見られない成分です。当然動物性のワックスや脂肪にもありません。実は中国産のウルシの木にも日本酸が含まれていることが発見されていますが、その含有率は零点数パーセント。
一方日本のハゼ蝋(木蝋・モクロウ)には数パーセント〜5パーセント含有されています。これがハゼ蝋(木蝋・モクロウ)の「腰の強さ」(粘靱性)を支えているのではと考えられています。
両端をカルボキシル基にはさまれた21個の炭素鎖有機化合物とのことです。ネーミングについておもしろい記述がありまあした。
「これはドイツの化学者が20世紀の初めごろ、日本産のハゼの木の木蝋から単離したものです。なぜ日本酸というネーミングになったか、詳しいところは明らかになっていません」
日本酸のおかげで、天然ながら「付けやすく落ちにくい」リップクリームが期待できそうです。
また、スキンケアとして、荒れた肌の強力な保護クリームとしてはどうでしょうか?・・・様々な構想やアイデアが浮かんできますが、試作や検証してみないとわからないことばかりです。他の成分との相性も気になります。
(2007-11-24)
私は製造中のハゼ蝋(櫨蝋)をひとつまみ手に取り口の中に放り込んでみました。天然物の成分試験は高度な分析機を駆使しますが、最終的には香料も原料も「味で見る」という職人芸的な研究者は少なくありません。
実はパフューマーの中にもそれが本物の天然香料かどうかを判断する際、最終的に舐めたり口に入れる人がいます。私は残念ながら味で成分まで判別する職人芸は持ち合わせていませんが、まねごとでなめて噛んでみるとハゼ蝋(櫨蝋)にはまったく味がありませんでした。
まさに噛むほどにロウを噛む感触(当たり前ですが)。上下の歯にまとわりつく粘り気はハゼ蝋(櫨蝋)の特徴である強靱さを感じさせます。
植物蝋(ベジタブルワックス)として世界的に流通しているものは、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、そしてハゼ蝋(櫨蝋)(ジャパンワックス)。動物蝋としてミツロウ(ビーズワックス)、鉱物蝋としてパラフィンワックスなどがあります。
それぞれに特徴があり優劣は付けられないと思いますが、化粧品の原料という観点からすれば化粧品メーカーとってはパラフィンワックスがもっとも優れているとする意見が圧倒的。
たとえば、コスト。たとえば、安定供給性。
その他、純度の高さ(純度の高さは品質の安定性となります)、安全性(アレルギー反応を起こす人が少ないとされています)、汎用性、色・匂い(化粧品原料は一般に無色無臭か白色無臭が好まれます)・・・どれもこれもパラフィンワックスは絵に描いたような理想的な原料です。
しかし、私はこの目前に独特の匂いとともに高温で流れ出ているオリーブ色の素朴なハゼ蝋(櫨蝋)を使用して化粧品を作りたいという気持ちでいっぱいです。
植物性であること、天然であること、環境循環型の産物であること、トレーサビリティーがしっかりしていること、そして日本産であること。私は日本産の原料を使用することにとても心惹かれます。魅力的な要素がいっぱいです。
それにしても化粧品原料としてのハゼ蝋(櫨蝋)は個性が強すぎます。濃厚なオリーブ色、独特の強い匂い。それらは扱いにくさの要素ですが、強い粘靱性は魅力です。
その粘靱性はリップクリームには向きそうです。天然成分で「落ちない口紅」を作ることは実現不可能ですが、ハゼ蝋(櫨蝋)なら強い強度で残り、そして適度に落ちて、しかも完全に安全なリップケア用の製品になる予感がします。
この粘靱性の立て役者が「日本酸」(Japan Acid)。
ハゼ蝋の成分はパルミチン酸などがメインですが、「日本酸」というとても珍しい成分が含まれています。
日本酸(にほんさん)とは、脂肪酸の一種ですが、ハゼ蝋に特徴的な成分で他の植物性オイル・バター・ワックスに見られない成分です。当然動物性のワックスや脂肪にもありません。実は中国産のウルシの木にも日本酸が含まれていることが発見されていますが、その含有率は零点数パーセント。
一方日本のハゼ蝋(木蝋・モクロウ)には数パーセント〜5パーセント含有されています。これがハゼ蝋(木蝋・モクロウ)の「腰の強さ」(粘靱性)を支えているのではと考えられています。
両端をカルボキシル基にはさまれた21個の炭素鎖有機化合物とのことです。ネーミングについておもしろい記述がありまあした。
「これはドイツの化学者が20世紀の初めごろ、日本産のハゼの木の木蝋から単離したものです。なぜ日本酸というネーミングになったか、詳しいところは明らかになっていません」
日本酸のおかげで、天然ながら「付けやすく落ちにくい」リップクリームが期待できそうです。
また、スキンケアとして、荒れた肌の強力な保護クリームとしてはどうでしょうか?・・・様々な構想やアイデアが浮かんできますが、試作や検証してみないとわからないことばかりです。他の成分との相性も気になります。
- 九州の櫨9 スローライフとハゼ蝋
- 九州の櫨8 島原半島のハゼ蝋
- 九州の櫨7 化粧品原料としてハゼ蝋
- 九州の櫨6 ハゼ蝋の安全性
- 九州の櫨5 ハゼ蝋産業の半世紀
- 九州の櫨4 和蝋燭とイケているオトコのポマード
- 九州の櫨3 ハゼ蝋の工場、荒木製蝋
- 九州の櫨2 久留米の柳坂曽根
- 九州の櫨1 太宰府天満宮
(2007-11-24)
( 香水工場の )
香る生活
ムエット・匂い紙の深い話
(post) 2007/11/23, (updated) 2021/09/11
( 現在、社内でメインに使われているムエット )
きょうは「ムエット」のお話です。香水売り場に備え付けられているあの "紙切れ" のことです。
日本語では「匂い紙」(においがみ)。
日本の調香師さんは「試香紙」(しこうし)や「香料試験紙」と呼んでいます。
だいたい白い厚手の紙で、短冊状に切られたもの。先っちょに香料や香水を付けたり、スプレーしたり、瓶に直接入れて香りを付けます。
香水は、本来自分の肌に直接つけて自分の肌や体臭との相性や試すものですが、何種類も試す場合や、純粋に香料だけを見る場合は、無色無臭の紙切れ・ムエットで試します。
コーヒーのテイスティングでは、口に含んだら飲み込まずに戻すやり方が多いでしょ。
香水も自分の肌に残すと次の香りがわからなくなるため、数種類のスメリングではムエットを利用します。
売り場では、ムエットで何種類か試してお気に入りの香りがあれば、そのまま購入せず、そのお気に入りの一品を実際に肌に付けて時間の経過(1日くらい)とともに香りの変化を見るとよいでしょう。
(トップノートだけでの衝動買いは、あまりお勧めしません)
ムエットはフランス語、「mouillette」。私はフランス語がダメなので、間違っているかもしれませんが、もともと料理用語のようです。
mouilletteの英語訳は、ある辞典によれば「strip of bread」(パン切れ)とでています。
・「Piece of bread or other solid food that is dipped in a sauce.」
(ソースに突っ込んで食べるパン切れか他の固形状切れ端)
・「Small long and thin bread piece that one soaks in the soft-boiled eggs.」
(半熟玉子に浸して食べる長くて薄いパンの切れ端)
なるほど、要は小麦粉を焼いて作るスティック状の平ぺったい固パンらしいです。
かのフランスにはそういう食材があるのでしょう。
朝食に出された半熟玉子をスティックで掘り返しているイメージが浮かびます。
綴りを見ると「ムイレット」「ムワイレット」と発音したくなりますが、私が聞いた範囲では、フランス人は mouillette を「ムイエット」と発音しています。
最後の「ト」は聞き取れるか聞き取れないくらいの音。
→ mouillette の発音
ムエットは英語では smelling-strip といいますが、mouillette も通じるようです。
さて、ムエットに使用される紙にはちょっとした特徴があります。
(1) まずは無臭であること (当然ですよね)。
(2) 香料を付けても化学変化しないこと。香りをつけてヘンな匂いを発生しないこと・変化しないことは重要です。
(3) それに、香料の浸透性がよくて香りの保留性も高いこと。
逆にこの条件を満たせばどんな紙切れでもムエットとして使用可能です。
ムエットは、何かスペシャルな素材の紙だと誤解されている方も少なくないようですが、ボクら商談で海外などに行ったとき、手持ちのムエットがないとノートの端切れを破いてムエット代わりにします。
特に外国人はあまり気にしません。
武蔵野ワークスでは、自社オリジナルのムエットを何度か制作したことがあります。
紙屋さんで様々な紙切れをもらってきて片っ端から香料を付けていきます。
香り立ちがよく、香りの保留性が高いものをテストして、他社では見たこともないような紙質の固い強度のあるもので制作したこともあります。
パフューマーや香りのプロが使用するムエットは、それ専用に開発されたムエットです。
(1) どこの国でもだいたい細くて長い紙切れです。
(2) 時として先っぽが細くなります。
その理由は口が狭い香料瓶が多いためです。
短冊状の紙切れの先をちょっと香料を浸すためには細くて長くて尖っている方がよいわけです。
香水売り場で見かけるムエットはむしろ帯広です。
時として名刺やウチワのような形状のおしゃれムエットもあります。
この理由は売り場でのスメリングはスプレーを吹きかけるため面積がある程度あったほうがいいし、また無地のムエットよりはブランド名や商品名を入れたいからです。
ムエット自体おしゃれということもあり、世の中には「ムエットコレクター」なる人々もおられます。世の中さまざまですね。
そして、反対意見もあると思いますが、私の実験によれば、帯広のムエットの方が一般人には香りがはっきり判別できるのです。
しかもよい香りに感じます。ムエットの面積と判別のしやすさはある程度比例しています。
逆にパフューマーやプロはなるべく細くて面積の小さいムエットを選ぶ人が多いでしょう。
面積が広いムエットで大量の香りを吸い込むと次の香り判別に影響がでますので。
嗅ぎ方も何回もクンクンするのではなく1回、ほんの少し香りを吸い込み、すぐにムエットを鼻から遠ざけます。
なるべく1回勝負で香りを評価したり成分を判別する方が理想的だと思います。
他の五感(感覚器官)と比較すると極端に疲労しやすい嗅覚 (嗅覚疲労 = その匂いを感じなくなる現象) は、少ない回数で白黒をつけることが大切です。
人によってはコーヒー豆などで嗅覚疲労をリセット(気付け)する人もいます。
そういうアドバイスをする人がいますが、多くの人にとってコーヒーは大して効きません。
むしろ、自分の脇の下を嗅ぐリセット(脇の下リセット)の方が、効果があるように思います。
嗅覚疲労リセットは、それよりも、10分くらいどこか歩き回ってくることおすすめします。
最後に、お客様からいただいた質問です。
「ムエットはどこで買えばいいですか?」
大手通販サイトで検索すればでてきますよ。
相場は、だいたい1枚10円といったところでしょうか?
たかが小さな紙切れですが、案外高いでしょ?需要が少ないので生産メーカーも少なく、このような価格になります。
海外から輸入すれば、それなりに安価になるのですが、最低ロット1万枚など、一般消費者にとっては、枚数が現実的でありませんよね。
そうそう、もう一つだけ。
使用済みのムエットを本やノートのしおりとして利用する人がいます。楽しい利用方法ですね。
・オリジナルムエットは案外高い・・・たかが紙切れですが、1万本制作して1本10円程度と知ってしまえば、気持ち的にムエットも「たかが紙切れ」とはバカにできなくなるんですよね・・・
・真ん中あたりにあるのが、武蔵野ワークスオリジナルお客様用ムエット。社内の調香やスメリングでは、上記の理由により、細い標準ムエットが使用されています。
・商談中のスメリング。パフューマーのように日常的に嗅覚を使用すれば慣れると思いますが、これだけの種類の香りを嗅ぐと私の場合体力の消耗が激しく疲れます。スメリングで脳味噌内の普段使われない嗅覚は超アクティブ状態。
【関連記事】
・おもしろ企画、ムエット配布プラン (2021/09/08)
(2007-11-23)
( 現在、社内でメインに使われているムエット )
ムエットとは? 試香紙とは?
きょうは「ムエット」のお話です。香水売り場に備え付けられているあの "紙切れ" のことです。
日本語では「匂い紙」(においがみ)。
日本の調香師さんは「試香紙」(しこうし)や「香料試験紙」と呼んでいます。
だいたい白い厚手の紙で、短冊状に切られたもの。先っちょに香料や香水を付けたり、スプレーしたり、瓶に直接入れて香りを付けます。
自分に付けないための小道具
香水は、本来自分の肌に直接つけて自分の肌や体臭との相性や試すものですが、何種類も試す場合や、純粋に香料だけを見る場合は、無色無臭の紙切れ・ムエットで試します。
コーヒーのテイスティングでは、口に含んだら飲み込まずに戻すやり方が多いでしょ。
香水も自分の肌に残すと次の香りがわからなくなるため、数種類のスメリングではムエットを利用します。
ムエットで試し、そして自分の肌で確認
売り場では、ムエットで何種類か試してお気に入りの香りがあれば、そのまま購入せず、そのお気に入りの一品を実際に肌に付けて時間の経過(1日くらい)とともに香りの変化を見るとよいでしょう。
(トップノートだけでの衝動買いは、あまりお勧めしません)
ムエット?・・フランス語講座
ムエットはフランス語、「mouillette」。私はフランス語がダメなので、間違っているかもしれませんが、もともと料理用語のようです。
mouilletteの英語訳は、ある辞典によれば「strip of bread」(パン切れ)とでています。
・「Piece of bread or other solid food that is dipped in a sauce.」
(ソースに突っ込んで食べるパン切れか他の固形状切れ端)
・「Small long and thin bread piece that one soaks in the soft-boiled eggs.」
(半熟玉子に浸して食べる長くて薄いパンの切れ端)
なるほど、要は小麦粉を焼いて作るスティック状の平ぺったい固パンらしいです。
かのフランスにはそういう食材があるのでしょう。
朝食に出された半熟玉子をスティックで掘り返しているイメージが浮かびます。
ムエットの発音・・ムイエット?
綴りを見ると「ムイレット」「ムワイレット」と発音したくなりますが、私が聞いた範囲では、フランス人は mouillette を「ムイエット」と発音しています。
最後の「ト」は聞き取れるか聞き取れないくらいの音。
→ mouillette の発音
ムエットは英語では smelling-strip といいますが、mouillette も通じるようです。
ムエットに適した紙の種類・特徴
さて、ムエットに使用される紙にはちょっとした特徴があります。
(1) まずは無臭であること (当然ですよね)。
(2) 香料を付けても化学変化しないこと。香りをつけてヘンな匂いを発生しないこと・変化しないことは重要です。
(3) それに、香料の浸透性がよくて香りの保留性も高いこと。
逆にこの条件を満たせばどんな紙切れでもムエットとして使用可能です。
ムエットは、何かスペシャルな素材の紙だと誤解されている方も少なくないようですが、ボクら商談で海外などに行ったとき、手持ちのムエットがないとノートの端切れを破いてムエット代わりにします。
特に外国人はあまり気にしません。
オリジナル・ムエット
武蔵野ワークスでは、自社オリジナルのムエットを何度か制作したことがあります。
紙屋さんで様々な紙切れをもらってきて片っ端から香料を付けていきます。
香り立ちがよく、香りの保留性が高いものをテストして、他社では見たこともないような紙質の固い強度のあるもので制作したこともあります。
プロ用のムエット
パフューマーや香りのプロが使用するムエットは、それ専用に開発されたムエットです。
(1) どこの国でもだいたい細くて長い紙切れです。
(2) 時として先っぽが細くなります。
その理由は口が狭い香料瓶が多いためです。
短冊状の紙切れの先をちょっと香料を浸すためには細くて長くて尖っている方がよいわけです。
帯広なムエットの意味
香水売り場で見かけるムエットはむしろ帯広です。
時として名刺やウチワのような形状のおしゃれムエットもあります。
この理由は売り場でのスメリングはスプレーを吹きかけるため面積がある程度あったほうがいいし、また無地のムエットよりはブランド名や商品名を入れたいからです。
ムエットコレクター
ムエット自体おしゃれということもあり、世の中には「ムエットコレクター」なる人々もおられます。世の中さまざまですね。
そして、反対意見もあると思いますが、私の実験によれば、帯広のムエットの方が一般人には香りがはっきり判別できるのです。
しかもよい香りに感じます。ムエットの面積と判別のしやすさはある程度比例しています。
ムエットの使い方
逆にパフューマーやプロはなるべく細くて面積の小さいムエットを選ぶ人が多いでしょう。
面積が広いムエットで大量の香りを吸い込むと次の香り判別に影響がでますので。
嗅ぎ方も何回もクンクンするのではなく1回、ほんの少し香りを吸い込み、すぐにムエットを鼻から遠ざけます。
なるべく1回勝負で
なるべく1回勝負で香りを評価したり成分を判別する方が理想的だと思います。
他の五感(感覚器官)と比較すると極端に疲労しやすい嗅覚 (嗅覚疲労 = その匂いを感じなくなる現象) は、少ない回数で白黒をつけることが大切です。
嗅覚疲労のコーヒーリセット? 脇の下リセット?
人によってはコーヒー豆などで嗅覚疲労をリセット(気付け)する人もいます。
そういうアドバイスをする人がいますが、多くの人にとってコーヒーは大して効きません。
むしろ、自分の脇の下を嗅ぐリセット(脇の下リセット)の方が、効果があるように思います。
嗅覚疲労リセットは、それよりも、10分くらいどこか歩き回ってくることおすすめします。
ムエットの販売店と価格
最後に、お客様からいただいた質問です。
「ムエットはどこで買えばいいですか?」
大手通販サイトで検索すればでてきますよ。
相場は、だいたい1枚10円といったところでしょうか?
たかが小さな紙切れですが、案外高いでしょ?需要が少ないので生産メーカーも少なく、このような価格になります。
海外から輸入すれば、それなりに安価になるのですが、最低ロット1万枚など、一般消費者にとっては、枚数が現実的でありませんよね。
使用済みムエットのおしゃれな使い方
そうそう、もう一つだけ。
使用済みのムエットを本やノートのしおりとして利用する人がいます。楽しい利用方法ですね。
・オリジナルムエットは案外高い・・・たかが紙切れですが、1万本制作して1本10円程度と知ってしまえば、気持ち的にムエットも「たかが紙切れ」とはバカにできなくなるんですよね・・・
・真ん中あたりにあるのが、武蔵野ワークスオリジナルお客様用ムエット。社内の調香やスメリングでは、上記の理由により、細い標準ムエットが使用されています。
・商談中のスメリング。パフューマーのように日常的に嗅覚を使用すれば慣れると思いますが、これだけの種類の香りを嗅ぐと私の場合体力の消耗が激しく疲れます。スメリングで脳味噌内の普段使われない嗅覚は超アクティブ状態。
【関連記事】
・おもしろ企画、ムエット配布プラン (2021/09/08)
(2007-11-23)
( 香水工場の )
香る生活
九州の櫨6 ハゼ蝋の安全性
●ハゼ蝋の安全性
同じ天然蝋でクリームやメイクアップ製品の原料として人気があるミツロウ(武蔵野ワークスでも練り香水の基材として多用しています)は、ごくまれにアレルギーを示す人がいることが知られています。ハゼ蝋(櫨蝋)はどうでしょうか?ハゼ蝋(櫨蝋)の安全性について質問してみました。
「ハゼの実はカラスの好物ですし、収穫した後のハゼの実は、どこからともなくやってくるネズミたち食べられますので、ある意味、動物実験での安全性は証明されていますね」とニッコリ。
ハゼの木はウルシ科の植物で、ウルシほどではありませんが花や樹液に触れるとかぶれる可能性があるため現地の子供たちは「ハゼには近づくな」と言われながら育つそうですが、漆器が安全なようにハゼ蝋(櫨蝋)製品も安全です。
かぶれの原因は樹液などに含まれるウルシオール(Urushiol)という成分。しかし、ウルシオールはハゼ蝋(櫨蝋)の抽出課程完全に揮発します。
ハゼ蝋(櫨蝋)は、実際口紅の原料や食品(煎餅など)の剥離剤(離型剤=煎餅など焼き上げた後、型から抜く際の剥離剤)として皮膚に触れたり口の中に入れたりする製品として長年実績のある原料です。
また、ハゼ蝋(櫨蝋)は、間違って食べても体内では消化されずに排泄されるため安全です。
「もっとも食べ過ぎればゲリになる人もいますが」と笑っておられました。
(2007-11-22)
同じ天然蝋でクリームやメイクアップ製品の原料として人気があるミツロウ(武蔵野ワークスでも練り香水の基材として多用しています)は、ごくまれにアレルギーを示す人がいることが知られています。ハゼ蝋(櫨蝋)はどうでしょうか?ハゼ蝋(櫨蝋)の安全性について質問してみました。
「ハゼの実はカラスの好物ですし、収穫した後のハゼの実は、どこからともなくやってくるネズミたち食べられますので、ある意味、動物実験での安全性は証明されていますね」とニッコリ。
ハゼの木はウルシ科の植物で、ウルシほどではありませんが花や樹液に触れるとかぶれる可能性があるため現地の子供たちは「ハゼには近づくな」と言われながら育つそうですが、漆器が安全なようにハゼ蝋(櫨蝋)製品も安全です。
かぶれの原因は樹液などに含まれるウルシオール(Urushiol)という成分。しかし、ウルシオールはハゼ蝋(櫨蝋)の抽出課程完全に揮発します。
ハゼ蝋(櫨蝋)は、実際口紅の原料や食品(煎餅など)の剥離剤(離型剤=煎餅など焼き上げた後、型から抜く際の剥離剤)として皮膚に触れたり口の中に入れたりする製品として長年実績のある原料です。
また、ハゼ蝋(櫨蝋)は、間違って食べても体内では消化されずに排泄されるため安全です。
「もっとも食べ過ぎればゲリになる人もいますが」と笑っておられました。
- 九州の櫨9 スローライフとハゼ蝋
- 九州の櫨8 島原半島のハゼ蝋
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- 九州の櫨4 和蝋燭とイケているオトコのポマード
- 九州の櫨3 ハゼ蝋の工場、荒木製蝋
- 九州の櫨2 久留米の柳坂曽根
- 九州の櫨1 太宰府天満宮
(2007-11-22)
( 香水工場の )
香る生活
香水売り場のディスプレイ
百貨店のディスプレイ
百貨店のウインドウ・ディスプレイってちょっとした芸術作品ですよね。
ウインドウ・ディスプレイだけでなく売り場の棚、商品の陳列や説明のためのディスプレイも、そのお店や売り場のこだわりやメッセージがあります。
売り場の演出や楽しさが加わる分、このへんは通販よりショッピング自体が楽しく感じられます。
装飾のプロによるディスプレイ
百貨店のディスプレイや展示会・イベントでのディスプレイは、専門家(個人やデザイン事務所の装飾デザイナーさんなど)にやってもらうことが多いそうです。
(なるほど、装飾のプロに依頼するのか)
あるブランドさんの新作香水発表イベントで、会場の設営に立ち会ったことがあります。
デザイン事務所から派遣されたデザイナーによってお花や小物、タペストリーなどとともに飾り付けが施されていきます。ずいぶん雰囲気が違ったものになる様子を見学しました。
商品は「綺麗に見せる」だけでなく「楽しさ」や「お買い得感」などシチュエーションや目的に応じて自在に演出されます。
大手ブランドさんの場合
一方、当社香水の唯一売り場である伊勢丹新宿店BPQCの「私たちの棚はどうか?」と感じてしまいます。
BPQCのフロアは、売り場のレイアウトも装飾もすべてBPQCさんのコンセプトとセンスとストーリーに応じた内容です。ところが自社の棚の部分だけはある程度自分たちの演出が許されています。
商品の並べ方、ポップの内容やデザイン、小物やディスプレイ用品もBPQCのコンセプトに反しなければ、それなりに自由に展開できます。
一般に香水のディスプレイは、ブランドさんにとってかなり重要なブランド・メッセージと位置づけられています。
よって、ディスプレイ自体が芸術作品かアートのような状態になっているところも少なくありません。
当社の場合
かつて社内では、ディスプレイの専門家に飾り付けをお願いしようかという意見もありましたが、自分たちの工夫で演出することも「武蔵野ワークスのテイスト」と割り切って、現状当社スタッフが飾り付けに出向きます。
お店がクローズした売り場で夜遅くまでかかる飾り付けはスタッフ全員が体験する行事です。
とりあえず基本はお掃除。次に痛んだテスターを新品に交換して、装飾と演出はあまり知恵がないので今回は、迫り来るクリスマスのを意識して「エンジェルのスタンド」を持ち込みました。
あるステンドグラス工房さんのオリジナルスタンドです。本当はキャンドルスタンドを想定されて制作中だった物を当社用にわけてもらったものです。
(2007-11-21)
( 香水工場の )
香る生活
九州の櫨5 ハゼ蝋産業の半世紀
●ハゼ蝋(産業の半世紀
荒木社長にこの半世紀に起きたことをお聞きしました。筑後地方の地場産業として栄えたハゼ蝋(櫨蝋)生産は、昭和30年代から安価な石油製品に押され、さらに時を同じく進められた日本の貿易自由化政策によりミツロウなど海外産天然ワックスの流入もハゼ蝋(櫨蝋)産業を圧迫する要因となりました。
それまで筑後地方にいたるところに存在した蝋屋・蝋問屋は閉店・廃業、農家では櫨の木の伐採が続き現在では限られた所にでしか見られなくなりました。
安価な海外産のワックスに対抗するためにハゼ蝋(櫨蝋)の価格を抑える努力が進められましたが、結果としてハゼ蝋(櫨蝋)の品質は落ち、またハゼの実の買い取り価格が抑えられたため農家のモチベーションが下がりハゼの実生産自体が激減という負のスパイラルを描く事態を招きました。いったん伐採されたハゼの木を実を採取できるまでに復活させるには10年以上を要すると言います。
「これ以上のハゼの木の伐採は何とか食い止めたいと考えとります」
と話す社長さんの秘策はいろいろありますが、ますは日本にはハゼ蝋(櫨蝋)という世界に誇れる天然植物性ワックスが存在するという事実のPR。当日いただいたCDは、ハゼ蝋(櫨蝋)の生産過程をビデオ化したものですが、それもハゼ蝋(櫨蝋)PRの一環です。
農家から買い取るハゼの実は適正価格で買い取ること。
ハゼ蝋(櫨蝋)の品質は絶対に落とさないこと。
そして注力すべきところがハゼ蝋(櫨蝋)を用いた様々な商品の商品化です。
つまり、ハゼの木の生産から出口の商品化・販売まで一貫したサイクルを再構築することでハゼ蝋(櫨蝋)産業が再生すると考えています。荒木製蝋の本来の業務はハゼ蝋(櫨蝋)の生産です。ハゼ蝋(櫨蝋)という基材・素材・原料を生産することですが、荒木製蝋では工場の片隅をラボ(ラボラトリー、実験室)としてキャンドルや他の製品の消費者が手に取る最終製品の開発を行っておられました。
現在、世界では米国主導で「天然資源争奪戦」とも言える現象が勃発しています。米国や中国のファンドマネーが世界の天然資源を買い漁り、オイル市場だけでなく天然資源マーケットは大荒れ、各国政府との攻防が続いています。もしファンドの触手が伸びてきたらどうしますか?と荒木社長に質問してみると「そもそも供給体制から考えて物理的に対応不可能です」という笑いの裏にはマネーゲームとは一線を画しハゼ蝋(櫨蝋)産業を地道に復興させたいという気持ちが伝わってきます。
(2007-11-19)
荒木社長にこの半世紀に起きたことをお聞きしました。筑後地方の地場産業として栄えたハゼ蝋(櫨蝋)生産は、昭和30年代から安価な石油製品に押され、さらに時を同じく進められた日本の貿易自由化政策によりミツロウなど海外産天然ワックスの流入もハゼ蝋(櫨蝋)産業を圧迫する要因となりました。
それまで筑後地方にいたるところに存在した蝋屋・蝋問屋は閉店・廃業、農家では櫨の木の伐採が続き現在では限られた所にでしか見られなくなりました。
安価な海外産のワックスに対抗するためにハゼ蝋(櫨蝋)の価格を抑える努力が進められましたが、結果としてハゼ蝋(櫨蝋)の品質は落ち、またハゼの実の買い取り価格が抑えられたため農家のモチベーションが下がりハゼの実生産自体が激減という負のスパイラルを描く事態を招きました。いったん伐採されたハゼの木を実を採取できるまでに復活させるには10年以上を要すると言います。
「これ以上のハゼの木の伐採は何とか食い止めたいと考えとります」
と話す社長さんの秘策はいろいろありますが、ますは日本にはハゼ蝋(櫨蝋)という世界に誇れる天然植物性ワックスが存在するという事実のPR。当日いただいたCDは、ハゼ蝋(櫨蝋)の生産過程をビデオ化したものですが、それもハゼ蝋(櫨蝋)PRの一環です。
農家から買い取るハゼの実は適正価格で買い取ること。
ハゼ蝋(櫨蝋)の品質は絶対に落とさないこと。
そして注力すべきところがハゼ蝋(櫨蝋)を用いた様々な商品の商品化です。
つまり、ハゼの木の生産から出口の商品化・販売まで一貫したサイクルを再構築することでハゼ蝋(櫨蝋)産業が再生すると考えています。荒木製蝋の本来の業務はハゼ蝋(櫨蝋)の生産です。ハゼ蝋(櫨蝋)という基材・素材・原料を生産することですが、荒木製蝋では工場の片隅をラボ(ラボラトリー、実験室)としてキャンドルや他の製品の消費者が手に取る最終製品の開発を行っておられました。
現在、世界では米国主導で「天然資源争奪戦」とも言える現象が勃発しています。米国や中国のファンドマネーが世界の天然資源を買い漁り、オイル市場だけでなく天然資源マーケットは大荒れ、各国政府との攻防が続いています。もしファンドの触手が伸びてきたらどうしますか?と荒木社長に質問してみると「そもそも供給体制から考えて物理的に対応不可能です」という笑いの裏にはマネーゲームとは一線を画しハゼ蝋(櫨蝋)産業を地道に復興させたいという気持ちが伝わってきます。
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(2007-11-19)
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