香水Bizブログ

日本の香水メーカー武蔵野ワークス
香水創りのブログ (誤字脱字多し、気になる方は近づかないで欲しい)

映像による香水プロモーション
きょうは香水ニュースをご紹介します。
プラダ、9本の短編フィルムでメンズ香水の世界観を表現
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プラダ(PRADA)が、メンズフレグランス「Infusion d'Homme」の発売に向けて、9人の若手監督が制作したショートフィルムによる広告プロジェクトを始動した。各監督は「Infusion d'Homme」から想起したイメージを、わずか3分の幻想的なストーリーで表現。
--------------(引用)--------------


もし自分が、CMのクリエイティブ・ディレクターで香水のPV(プロモーションビデオ)を制作するならどう作るだろう?と考えることがあります。素敵なモデルさんが登場してもらい香水を一吹き、うっとりする映像はどうでしょうか?でも、フツー過ぎます。

香水をシュとした瞬間にバックが突然花園か楽園に変化するというのも、香りのすばらしさとそれに対するヒロインの心境表現には、わかりやすいのですが、ややチープな印象は免れません。芳香剤的表現となる危険性をはらみます。

しかし、コトバで香水を表現することは不可能です。

日本語も英語も、おそらく他の言語もそうですが人類の言語では、嗅覚(きゅうかく・匂いの感覚)からくる感覚を表現する単語や表現方法が、視覚・聴覚・味覚に比較してメチャメチャ未発達で、他の感覚のコトバを流用せざるをえません。

たとえば、「甘い香り」「爽やかな香り」「桃のような香り」・・・味覚の表現だったり、「○○のような香り」のように他の実存する花や食べ物のニオイだったりです。それらは嗅覚の専用用語ではありません。

香水は、このように言語表現では表現しにくい上に、香水は多くの場合、製品単品よりもブランド全体のイメージを象徴する製品となっています。香水にそういうポジショニングとミッションを与えているブランドさんは少なくないのです。

香水という特異な製品は、このように実用性を越えて、ますますイメージ化・象徴化していくのですが、それを最も効果的に表現するものは映像以外にありません。映画・ムービー・ショートフィルムなどです。

香水のプロモーションが、映画やPV(プロモーションビデオ)に向かうことは必須と考えてきました。きょうのニュースはプラダさんの話題ですが、しかし、多くのブランドさんで映像への潮流は静かに確実に続いています。


プラダさんのショートフィルムはこちらで上映中です:
PRADA->PROJECTS->SHORT MOVIES
(2008-07-29)
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目利きができないので何枚も買ってしまう
香水のプロにもいろいろいます。前に自称「香水のプロ」から電話がありました。

私が知らない銘柄の香水をどんどん上げて、上げるごとに「知っているか?」と聞かれましたが、程々で打ち切ったので、その男が香水の何のプロだったか、何のための電話だったかわかりません。

推測するに自称「香水の仕入れのプロ」だったかもしれません。珍しい香水を調達できるルートを持っていて卸したかったのでしょうか。

もしそういうことなら、この男はバイヤーということになります。

バイヤーには、市場の需要を読む能力や珍しいメーカーや供給者を開拓してくる能力などのさまざまな能力が求められますが、中でも製品や商品の品質を目利きできる能力は非常に大切だと思います。

当社は香水専門店ではなく、香水メーカーなので、他社製の製品の目利きよりも、どちらかといえば、原料に対する目利き重要です。特に天然香料は産出する地域や時期によって品質が違いますし、年ごとに違いますし、もっと言えば農家ごとにも、その農家の畑ごとにも微妙に違ってきます。

コーヒー豆の買い付けバイヤーが豆を手のひらで転がし、つぶし、口に入れて味と香りを見るという光景はテレビなどで記憶の方もおられるかもしれませんが、天然香料の仕入れも少し似ています。研究機関には高価な分析機もありますが、天然香料の購買は、人の鼻、場合によっては口に入れて香りを確かめることで最終的な判断を下します。

私もこの業界に転職してきて数年、担当違いですが、なるべく香りの目利きができるよう機会あるごとに香料の目利きをトレーニングしています。その成果もあって天然香料の善し悪しの判断はまだできないものの、クオリティに対して自然と注意が向き、感性が刺激されるようになりました。


話は変わります。

昨日、近くの百貨店でジャケットとシャツを購入しました。私はお世辞にもオシャレではありません。昨日、自分が人生でオシャレな着こなしをできなかった原因が判明しました。

・国分は、服の生地に対する目利きができない。
・国分は、服の仕立てに対する目利きができない。

少しシュールな感じで売る気がありない男性店員さんに薦められ、あるイタリア製の生地を使用したシャツを試着してみました。

シャツが自分の体型に馴染むようにメリハリを付ける様子に、昔からの疑問が解けた思いがしました。ヨーロッパ人のスーツの着こなしは、一般的な日本人と比較すると体型以外に「何かが違う」と今まで感じてきましたが、彼らはシャツに気を遣うに違いありません。

イタリア製だから生地がよいというわけではないでしょうが、生地の品質は相当よいものが使用されているという説明を受けて納得。そう言われて触る生地の感触は確かに違います。柔らかいのに腰があり、しかもサラッとして気持ちの良い感触です。

自分は生地そのものにあまりにも無関心に暮らしてきた生活を発見しました。

私の普段着の買い方は、比較的安いお店で目先の柄や色、デザイン、価格だけで何枚も買い込む傾向がありますが、生き残る服は多くありません。結局気に入らず何回もはかず・着ずお蔵入りという無駄なサイクルを繰り返していました。飽きもせずムダとなったズボンは山のよう。オシャレになれないわけです。

ファッションを選ぶ際、生地に対する目利きができるのとできないのでは、ファッションに差がでそうです。おじさんオシャレ改造計画のベーシックコースは、生地の見方からはじめたい。

これは、香水の選び方にも通じるかな、と感じています。

同じ原料でも原料には多彩なグレードが無数に存在し、グレードが違えば同じ処方で制作された製品にも大きな差が出ます。香水ファンの中には使用されている原料それ自体の目利きができるお客さまの多いものです。コストが許される範囲で、彼らが納得する原料や唸る原料を常に捜し、原料に対する緊張感を失わないことが私のミッションです。
(2008-07-28)
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義理・人情は世界共通?
私は「トコトン日本人」です。海外で暮らしたことがありませんので、イマイチ外国の文化を理解できません。が、イギリス系の会社で働いていた頃は、イギリス人のことは「永遠にわからないだろうと思う部分」と「共感する部分」がありました。

まあ、イギリスで暮らしてみないと彼らのことは到底わからないと思います。

しかし、共感する部分は、意外にも日本語で言うところの「義理・人情・仁義」です。

イギリス人は日本人に比較すると個人差が激しいので、一般化できませんが、私の周囲はだいたい律儀な連中でした。義理・人情の強い男もいました。友情に厚く礼節のある態度を感じることもしばしばでした。

国家間で対立感情の残る国々の人々も、個人的に付き合えば義理・人情・仁義の人が少なくないことがわかります。

けっきょく同じ人間なんですね、とごく普通の結論に達したりします。


今年、当社では海外発送を再開しました。今まで縁遠かった海外のお客さまからの注文もちらほら入り始め、外国人とのお付き合いが少し増え始めています。

数日前、カナダ在住の台湾の方から注文が入りました。

海外発送の決済方法はクレジットカードのみです。しかし、当社が利用している決済代行会社では外国人による不正利用の多さから、外国人の利用にある程度の制限を設けています。

今回、彼はその制限で決済できずに苦しんでいました。

私も、一人のお客さまのためだけにシステムを変更したり、利用制限の回避方法を調査したり、決済エージェントとの折衝をやっている時間はありませんので、彼には「もう充分労力を使ってもらいました。有り難うございます。ので、今回はプレゼントです。ぜひカナダでフローラル・フォーシーズンズを宣伝してね」と提案し商品を発送しました。

が、彼は発送後にもかかわらずPayPalで受け取れないか、あの方法をやってみようか?などど提案して、ついに振り込んでくれました。

なんて、義理・人情のある連中だと思い、呆れました。

(2008-07-27)
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映像のケイオス
現在住んでいるマンションのセキュリティカメラが故障しました。よくよく聞けばもう何ヶ月も壊れたまま。私に限れば財産と呼べるものは何もなくドロボーの心配はあまりないのですが、それなりのお宅もあり、理事会で協議しました。カメラ映像を記録するレコーダーはアナログのVHSテープレコーダー。このビデオが壊れていました。今時ビデオテープレコーダーは修理用の部品さえありません。

そこでハードディスク搭載のデジタルレコーダーへグレードアップすることになりましたが、詳しい人がいなかったので、多少デジタル機器にうるさい私がボランティアとしてセキュリティカメラとデジタルレコーダーのアップグレード作業を担当しました。

はじめてみるマンションの防犯映像にショックを受けました。誰が夜中に帰ってくるかのような全住民分の入館退官情報かバッチリです。これがウチのマンションの場合は数ヶ月保存されています。

考えてみれば・・・

コンビニも駅も銀行もカメラオンパレードです。

近年では商店街の街灯にもちゃっかりセキュリティカメラが乗っていたりします。

エレベータの中にも。エレベータの室内に鏡があったら注意。その上にだいたいカメラがあります。人は鏡があれば近寄りますので、鏡はターゲットの顔がカメラ正面に向かうよう誘導するためにの小道具かな、なんて勝手に推測しています。(エレベータ協会さんのWEBでは、鏡は車いすの方が出る時に後方を確認するためのバックミラー的な役割とのこと)

タクシーには「車載カメラ」の普及が進んでいます。車両前方を常に録画して事故発生時の検証手段や証拠とされます。そのうち車内にも取り付けられ犯罪発生時の証拠だけでなく防犯のための抑止手段に利用されるかもしれません。

イギリスでは警官の肩に小型ビデオカメラを設置する実験が進んでいるそうですが、日本でも警察署の取調室ではカメラの設置が進行中です。容疑者に対する取り調べの様子は原則全録画が基本になる時代が来そうです。

先日CSで見たアメリカのドキュメンタリーフィルムではアメリカ軍の兵士にはビデオカメラが装備されていました。アフガニスタンの山岳地帯、現地武装ゲリラとの銃撃戦では、戦闘状況がリアルタイムに後方コントロールルームに映し出される仕組みです。

現在の通信技術でそこまで可能なのか不思議に思いつつも、少なくとも将来的にそういう時代になることは間違いなさそうです。やがて、兵士ではなくロボットが銃撃戦をやることになるはずですが、相手もロボットになるでしょうから限りなくSFの世界になりそうです。

隠しカメラ事件や盗聴・盗撮事件も多発しています。人のプライバシーを撮ることがそんなに好きなのかと呆れるニュース目白押しです。しかも学校の先生や弁護士やお医者さんなど社会的に信用ある職業の、しかも年輩の方もいて、我ら庶民は首を傾げるばかりです。

しかし、これが現実なら、このまま行き着く先は「プライバシーが消滅する時代」かもしれません。

問題は、リアルな動画が制限なく撮影・生産される一方、その動画が制限なくネットに流出するようになった点だと思います。YouTubeなど動画サイトは人気のサイトです。インターネットの表サイト・裏サイトを問わず信じがたい、口に出すことさえおぞましい映像も流れています。

撮影されるリスクも恐ろしいのですが、それがさらにネットで第三者によって無制限に再生産・再配布される現実は、もはや肖像権も著作権もプライバシーもなにもありません。

しかも、動画流失は物理的な抑制手段も実効的な対策もないので、仮に法的整備ができてもなし崩し的に瓦解するしかありません。ひたすら無秩序の状態へと。

有効な自衛策はすぐには思いつきません。

素人パパラッチは巨大なリスク。リスクを抱えがちな芸能人・有名人にとっては、受難の時代へと突入してきました。
(2008-07-26)
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ブログ・サーバーの試行錯誤
この夏、ブログの引越を計画しています。武蔵野ワークスは1996年からAZABAN.COM(アザバン・ドット・コム)というドメイン名を使用してきました。一方MUSASHINOWORKS.COM(ムサシノワークス・ドット・コム)というドメインも所有しています。

ホームページはAZABAN、ブログはMUSASHINOWORKSのドメイン上にあり、統一性がないのでどちらでもよいので、一つにまとめたいと考えてきたものの、はや2年。

なんとなく先送りしてきました。いよいよ重い腰を上げます。

それで今時のブログ事情をこの一週間勉強してきました。

なになに、世の中ではブログのサーバーソフトとしてMovable Type(ムーバブルタイプ)とWordpress(ワードプレス)というソフトウェアが人気だそうです。

現在「香水Biz備忘録」ブログは、インターネットプロバイダーさんが無料提供してくれているブログアプリケーションにお世話になっていますが、自社で上記のソフトウェアをインストールし運用すれば自由度が高そう。

書店にも解説本が山積み。素人にも充分な情報量。期待が高まります。

どちらも「無料」がウリですが、Movable Typeは数年前より商用ユースに対して有料ライセンス化されたそうです。といっても5万円程度で、企業が購入するサーバー用ソフトとしては決して高くないと思います。

一方、Wordpressはフリー。正確にはGPLというライセンス形態で配布され事実上企業も無料で使用可能です。

さっそく両方をダウンロード・インストール・テスト。

う・・・遅い。

はじめはサーバーのマシンパワーの問題と思いましたので、プロバイダーを変えてみましたが、やはり遅かった。

インターネットではMovable TypeとWordpressへの惜しみない賛辞で溢れており、惹かれてしまいましたが、どうも、私の場合は断念することになりそうです。
(2008-07-24)
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スペクタクルな香水発表会
先日お取引先と銀座でディナー。銀座で食事など太古の昔に記憶があるかないかの彼方。茫洋として思い出せません。

久しぶりに降り立ったJR有楽町駅。有楽町マリオンまでの道は「世界のラグジュアリーエリア・銀座」へのメインルートにもかかわらず道路の左右は戦後風情が懐かしい商店街だったように記憶しています。が、かなり変貌していて、本当に「開けてびっくり玉手箱」状態でした。久しぶりの銀座は異国情緒が漂い、街ブラブラだけで楽しかったです。

さて、お目当てのレストランは、ミシュランガイドに載っているお店だそうで、正直、私のガラではありません。私にミシュランレストランの値段に見合う味が堪能できるはずもありませんが、経験にはよかろうと出掛けました。こういうものは自分の大切なお金を使ってこそ勉強になるものですが、成り行き上、ご馳走になる結果となり、うれしいやら、有り難いやら、申し訳ないやら・・・複雑なディナーとなりました。

お相手は同じ業界の方々なので、当然香水の話で盛り上がりました。

その中でおもしろかったのが、ある大ブランドさんの香水発表会の話。聞き惚れました。

実は、私は大手ブランドさんの製品発表会に行ったことがありません。ブランドさんは何か新製品をリリースする際、数ヶ月前からマーケティング活動を活発化させますが、その典型的な周知活動が「新製品発表会」です。

このイベントは、マーケッターにとって腕の見せ所でありハレの場。まず大切なことは、有名雑誌や新聞社などいかに多くの影響力のあるプレスやマスコミ、記者、ビューティーライターさんを動員できるかといことです。

そして、製品発表会のイベントやショーでは、いかに彼らを驚かせ、唸らせ、最終的に記事やニュースにしてもらえるかということが勝敗の分かれ目であり、評価の分かれ目になります。

こんへんは、林真理子さんの『コスメティック』に詳しく書かれています。読むと「そんな感じ、そんな感じ」と共感します。外資系化粧品会社への就職や天職をお考えの方は一読されると参考になるかも。

有名雑誌で自社製品が取り上げられた分量や紙面面積(文字通り縦横cmの掛け算)で担当マーケッターの会社貢献度が計算されるという評価方法はちょっとショックです。

競合他社による嫌がらせとして、ライバルの「新製品発表イベント」に合わせて、わざわざ同じ日時・別の場所・別のイベントをぶつけ、記者やライターを奪い取る話、そのための対抗手段として、記者やライターを離島などリゾートなどに連れて行き途中退場させない手法などリアルな描写に満足させられる作品に仕上がっています。

話を戻します。彼女が話してくれた香水発表会は、彼女が実際に出席してきたイベントでした。

イタリア、シシリー島。海岸に面する巨大なコロッセウムで開催されたイベントは夕刻、地中海をバックに古代遺跡の巨大な石の建造物や石像のあちらこちらに無数の灯がともります。その豪華な様が目に浮かぶようです。そういう古代コロッセウムはおそらく国家的な遺産・文化財としての立入規制や使用制限があると思います。そういう場所を借り切って開催されるイベントというだけですでに圧倒的です。

近年のブランドさん・セレブさんのイベントは高級ホテルより、伝統あるお城や重要文化財の遺跡など借り切って会場にしたり、どうかするとその数時間のイベントのためだけに建物を建造してしまうケースもあります。スペクタクル度が加速しています。貴族社会の再来でしょうか?

彼女が出席したもう一つのイベント会場はヨーロッパアルプスの最高峰・モンブランの山中で行われました。出席者はヘリコプターで連れて行かれます。ヘリコプターから見下ろす白銀モンブランなど、考えただけでも気分が高揚しそうです。ああ、白ワインの連射で私はすでに酔っていました。その頃は私には眼下に拡がるアルプス連邦が見えていました。

香水発表会に続々とスペクタクルな光景が展開されています。

偉大です。圧巻です。

翌朝は軽い二日酔いで、夢の後。

(2008-07-23)
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