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( 香水工場の )

香る生活


バラ香水を探す流浪の民

バラの香りに惹かれて


下記は、最近、お客様からお寄せいただいたコメント。

「リアルなバラの香りを探しています。
 お勧めのものがあったら教えてください」


リアルなバラの香り


ローズ系香水は、東西を問わず香水の一大カテゴリー。

そして、溢れるばかりの製品が作られており、さらに毎年大手ブランドや香水メーカーから、これでもいか!とバラ香水の新作が投入されている化粧品業界。

しかし、リアルなバラの香りの香水、なかなかありませんよね。

そうなんです、バラ香水であっても、生花のバラに近い香りは、非常に少ないのです。


バラ香水を探す流浪の民


バラ香水を探し求めて流浪の民と化した人々は、あきらめと多少の期待が入り交じりながら毎年でてくるバラ香水の新作を手にしてみるものの

「やっぱり違う」

という方、少なくないのです。


本物のバラの香りと香水の分かれ目は?


バラ香水が、バラの花の香りになりにくい理由は、2つ:

(1) バラから採れる香料を混ぜ合わせてもバラの生花の香りにならない

(2) 香水が生花の香りであることに価値を感じない調香師(パフューマー)が多い


バラの花の香り成分は、ゲラニオールやシトロネロールなど数百種類が判明しています。

しかし、香り成分を愚直に混ぜ合わせても本物のバラの花の香りとはちょっと違います。

何が違うのか、私自身、微妙すぎて「何か違う」としか表現できない。

また、パフューマーはクリエイターでもあります。新しいオリジナルな香りを作りたい人が多い。

だから、生花の香りに似せて香りを作ることは、技術的に厳しい上に、そもそも情熱を感じるクリエイターが少ないという事情もあります。


香りを分けている差は生命活動?


香りを分けている差ついて、定説はありません。

私は「生命活動の差」ではないかと考えています。

植物は生きており、香りの発散は生命活動の一部です。香水の単純な揮発現象ではなく、香りの量や内容をある程度コントロールする活動と推測されます。

ここに何らかの秘密があるように感じています。

しかし、現在の科学では、香水が生花を香り完全に再現することは、難しいことは事実。

バラ香水を探す流浪の民は今後も流浪が続くようです。



(2018-01-22)
( 香水工場の )

香る生活


体臭でわかる人の生命力

楽しく明るい人だったようだ


ヘレン・ケラーといえば、小学校で習う古典的な偉人。今日は彼女の嗅覚について。

最近読ん何かの記事に匂いに対する彼女の感覚の凄さが書かれておりました。

興味が湧き、彼女の著作を取り寄せ読んでみました。すると、小学校で教わったヘレン・ケラーとは違う印象。実際の彼女は、偶像化された偉人ではなく、もっとリアルで楽しい人だったようです。


香りにでる人の生命力


彼女の嗅覚については「The World I Live In」(私が生きている世界)というエッセイ集に書かれています。今読んでいます。原文で何十ページも読むのはきついが、何とかこの嗅覚の部分だけでも。


体臭は顔と同じくらいその人を語る


「体臭は、顔や手と同じで、個人ごとに違っており、匂いで誰であるか特定することができる」
(Human odors are as varied and capable of recognition as hands and faces)

「アフリカのド真ん中で会ってもすぐにわかる」
(recognize his odor instantly in the heart of Africa)

これの部分はおもしろい。体臭は、顔と同じくらい個人ごとに特定可能ということらしい。


刺激的な体臭の人の方が生命力がある


「刺激的な体臭の人は、エネルギーに満ちている」。
(one who has a pungent odor often possesses great vitality, energy, and vigor of mind)

「私はときどきはっきりした体臭がない人に出会うことがあるが、そういう人々は概して生命力や面白みに欠けているようです」とも言っています。


体臭が弱い日本人はどう?


体臭のない日本人など、ヘレンからすれば、面白みのない民族に写ったのだろうか?

彼女は、日本に何回か来ていますので、日本人の印象はきっとあるかと思いますが、その辺の記述はありませんでした。




(2018-01-21)
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香る生活


お客さま投書
当社ではときどき「香りの想い出」を募集し、メールなどでお寄せいただいています。


はじめての一人暮らし


「大学に入学してはじめての一人暮らし。希望とは裏腹に不安と淋しさで夜は泣いていました。沈丁花が咲くと毎年そんな昔のことを思いだします」


夕方の香り


ある雑誌の取材で「私は夕方の香りが大好きです」と発言したことがあります。

その記事に対するお手紙もいただきました。

「私も夕方の香りが好きです。あの頃は石炭がたかれていて夕餉の頃には、石炭の燃える匂いがしてきたものです。暗くなりかけた家路を急いでいるとどこの家からもおいしい匂いがしてきたのは楽しい思い出です」


先生の香水


こんなお手紙も頂いたことがあります。

「小学校での想い出です。授業参観の日、いつもよりおめかしをした若い担任の先生が私の机の前で立ち止まり私のノートをのぞき込みました。

そのとき、ふわりと香水の匂いがしました。のぞき込まれる恥ずかしさより大人の女性の艶めかしさに衝撃を受けました」



香りと生活は密接な関係があります。すばらしい香りはいつも体験を伴って記憶として残るようです。 (2018-01-19)
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香る生活


お客様質問ランキング(香水Shop)

安定している質問のトップ4


香水専門店を展開されているある会社の社長さんのお話です。

ブランドや商品の銘柄を決めて来店されるお客様は、当然指名買い。

ですが、そうでないお客様の場合、お客様からの質問トップ4は下記だそうです:

・優しい香り
・爽やかな香り
・バラ
・石鹸のような香り

私の経験ともかなりオーバーラップします。同感です。

それぞれの質問について見ていきましょう。


優しい香りがする香水


「優しい香り」は私たち日本人に特徴的な要望で世界的にも珍しいのですが、トレンドとして世界的に、香水はこの方向に向かっていると考えています。


爽やかな香りの香水


「爽やかな香り」も昔から根強い人気で香水に求められる基本機能です。

濃厚な香り、セクシーな香り、エキゾチックな香りが好きな人でも、何品か香水を揃れば、やっぱり爽やか系の香りは絶対にはずせないアイテムですよね。


バラ系の香水


「バラ系」もフレグランスの定番です。

とことん「私のバラ」を探しているディープなファンも少なくありませんが、こだわりが強いため、なかなか「これだ!」という一品が見つからないジレンマを抱いている方もチラホラ。

やっと見つけた「私のバラ」が、なんとオフィスの他のスタッフとかぶったという悲しい事態も。

それどころかやっと見つけた「私のバラ」なのに「それいい香りね」と質問、商品名を聞き出して同じ香水を買ってくる同僚の話も聞いたことがあります。

たかが香りですが、ちょっと複雑な人間模様ですね。一応ヨーロッパではこのような行為はNGとみなされています。

日本でも他人の香りに対して敬意というか尊重というか、そういったものを抱く文化があってもよいかもしれません。


石鹸のような香りの香水


「石鹸のような香り」を探している人が少なくないのはやや不思議な現象です。

石鹸の本来の香りは、脂臭いです。原料が脂だし、脂臭ですからね。

市販石鹸は、香料で脂臭さをマスキングしています。なので、石鹸会社の香料のチョイスが、その石鹸の香りです。

「石鹸のような香りありませんか?」と言われると、多種多様な石鹸が売られていて、その香りも千差万別、どの石鹸のことか悩んでしまいます。

「石鹸のような香り」とは、おそらくスズランの香り、ホワイトムスクの香り・・・あたりのご要望と思われます。

しかし、「石鹸のような香り」は業界でも定義がありません。実際個人差も激しいのではないでしょうか?


「石鹸のような香り」は、海外では聞かれない質問


ちなみに、この質問は海外では聞かれない。

日本の香水バイヤーさんが海外に買い付けに行くとき「石鹸のような香りの香水」を要望すると、逆に「どんな香り?」と質問されます。

「全然返答できない」・「全然会話がかみ合わない」という状況は、香水バイヤーさん達のよく聞く笑い話であり悩みです。


(2018-01-19)
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香る生活


地方発ブランドの意味
記事「素敵なパリ」の続編です。


パリの二面性


化粧品メーカーや化粧品ブランドにとって「土地」の持つイメージの重要性を書こうとして書いていたら曲がりくねってパリの話になってしまいました。

イメージのよさでは世界トップクラスのパリですが、私には映画『パフューム』で明かされてあの臭いパリのイメージが強い。

汚物も華麗なモノも渾然一体としたケオスの世界が私にとってのパリ。本当のパリを知るためにはパリの社交界に入らなければわからないと思いますが、遠い世界です。


ブランドの潮流、パリから地方へ


今まで世界の多くの化粧品ブランドが「パリ発」であることにこだわってきたと思います。

ところが、なかには「プロヴァンス発」のような都市というより、この場合は地方になりますが、ある特定地方や地域発であることを謳うブランドが近年人気を博しています。

「パリ発」よりも「プロヴァンス発」の方が、自然のイメージに関して言えば、断然美しいのです。特に現代人には。

自然回帰が世界的な潮流となろうとしている現在、このような「地方発」ブランドがさらに勢力を拡大すると予想されます。


日本の地方とブランド


さて、そのとき日本に世界ブランドとして通用する土地はあるか?という問題になります。

日本の地方には、潜在力を秘めたところがたくさんあると思います。

ただ「プロヴァンス発ブランド」さんが見せてくれた「その地方の世界観を構築する力」はどうでしょうか?

私たちは、まだ力不足と痛感します。


(2018-01-18)
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香る生活


ブランドにとってのパリ

香水と地名


香水にはその土地のイメージと結びついたものがあります。

そもそも「オーデコロン」からして、元来ドイツ・ケルンで作られた香水程度の意味だったものが普通名詞化したものです。

「オーデコロン」、直訳すれば「ケルンの水」。1700年代ケルンに進駐したナポレオン軍の兵士が故郷の恋人達などにお土産として持ち帰ったことからフランスで有名になりました。

現在、オーデコロンは濃度の薄い香水類を指しますが、一説にフランスのとある会社さんが商標登録しているらしく厳密には「宅急便」や「エレクトーン」同様、特定企業の商品名である可能性があります。

とはいえ、世界中普通名詞として使われていますね。


EAU DE TOKYO、EAU DE PARIS


オーデコロンが、そんな意味とすれば、東京発の世界ヒット香水があるとすれば「オーデトウキョウ(EAU DE TOKYO)」という名詞も生まれないこともない。

なんて考えていたらパリ市水道局は、市内の水道水を「オーデパリ」と銘打って水道水を飲もうキャンペーンを実施というニュースがありました(東京も、東京の水を飲もうキャンペーンやってます、やってました?)。

一説にパリ市水道局は「オーデパリ(EAU DE PARIS)」の商標登録を完了したとも。


夢を運ぶ香水


香水に限らず、化粧品にロケーションは重要な意味があります。

それは香水を含め化粧品は、機能性だけでなく「夢を運ぶ小道具」だからです。

世界ブランドさんの、あの腰を抜かすような高価なプライシングも、その大部分が「夢のお値段」。


イメージのリンクアップ


ブランド名に付けられた「○○ Paris」や「○○ New York」は、商品をその都市が持つ伝統や文化の華麗なイメージへリンクアップさせる接尾語です。

パリは、優雅でお洒落で伝統と先進性が共存する街です。

「パリ」という響きは、ある人にとってはノスタルジーであり、ある人にとってはモード最先端、憧れの場所でしょう。いずれも夢を語るささやきです。


パリとは関係なさそうだが


現在、経済成長盛んなドバイやインドでは新興化粧品メーカーが続々と生まれていますが、ブランド名を「○○ Paris」としている会社が、以前行ったコスモプロフの展示会場にも見受けられました。

「Paris」と書いてあるもののスタッフの方々は中東系な感じ。

「フランスの会社さんですか?」と聞いてみました。「ノー、フロム ドバイ」なんて返答が帰ってきました。

日本にも会社名の後にParisを付けている化粧品メーカーさんがありました。なんでもパリに支店があるためだそうです。


映画タイトルの地名ランキング


映画タイトルで使用される都市名で一番多いのが「パリ」、次が「ニューヨーク」という記事を読んだことがあります。

統計の取り方によっては異論もあるでしょうが、納得する結果です。それほどパリは世界的にイメージが良くて、絵になる街なんでしょうね。


(2018-01-18)
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